遅くなってしまって申し訳ありません。
相手の精霊魔装から伸びる糸を僕は<真実を貫く剣>(ヴォ―パル・ソード)で斬る。糸は鉄のように硬い。普通の剣なら斬ることは困難だろうけどこの<真実を貫く剣>ならできる。でも今僕の後ろには雄二たちがいる。僕はみんなを護るように前に出た。みんないきなりの戦闘に呆然としていたが優子さんや秀吉、康太のおかげでみんなを安全なところまで避難させた。でも雄二は今にも飛び出そうとしているが秀吉と康太が止めている。無理もない、だって戦っている相手が霧島さんなのだから。
白「アキちゃんどうしましょう!?このままでは!」
明「止めるしかないでしょ」
このまま戦えが長引けば霧島さんは傷ついていく。傷つくといっても肉体的ではなく精神的にだ。先生たちのように魔精霊にとり付かれたわけでなく生命力のみを取られただけなら2,3日安静にしていれば治る。だけど霧島さんのように魔精霊に囚われたらそれだけじゃ済まない。このまま長引けば霧島さんがどうなるかわからない。
レ「(明久、前!)」
レスティアの声にはっとし眼前に迫ってきた糸。僕は直撃を避けるため<真実を貫く剣>を前に出し盾にする。しかし糸は剣に巻き付き僕を持ち上げ、校舎の壁に叩きつけた。
明「がはっ」
セ「明久!」
セフィは精霊魔装の銃で応戦する。伸びてくる糸を正確に撃ち落とす。
明「いつつっ・・」
雄「おい、明久!なんだこれは!?」
僕に近づいてきた雄二が柄にもなく叫んだ。いつもの雄二なら冷静に対処できるだろうけど今の状況ならそれも仕方ない。
秀「雄二、落ち着くのじゃ!今は非難が先じゃ!」
雄「んなことはどうでもいい!明久あいつは、翔子はどうしたんだ!」
明「・・・霧島さんは精霊に取り付かれたんだ」
雄「精霊?」
雄二は言ってる意味がわからないというような顔をしていた。そりぁそうだ、精霊なんておとぎ話にしか聞こえないからね。僕はかまわず話を続けた。
明「霧島さんは今精霊に意識を乗っ取られて戦わされているんだ。あの手にあるものが見えるでしょ?あれが精霊なんだ。あれのせいで霧島さんは・・」
雄「ちょ、ちょっとまて明久。要は何か?精霊が翔子を操っているってのか?そんな馬鹿げた話」
明「でも現に霧島さんは僕たちを襲ってる。普段の霧島さんがあんなことすると思う?」
雄「・・・わかった、今はその話を信じよう。なら教えてくれ、どうすれば翔子は元に戻る」
明「あの手に憑いている精霊を退治すれば霧島さんは解放される」
雄「あれか」
雄二は霧島さんの手にある精霊を見ると霧島さんに向かって1歩を踏み出した。
秀「待つのじゃ雄二!何する気じゃ!?」
雄「決まってんだろ!あれを引き離す」
秀「無茶じゃ!ここは明久たちに任せるのじゃ」
雄「このまま何もせず見てるだけなんて俺らしくねぇ」
秀「じゃが!」
明「2人とも下がって!」
僕は2人の前に立ち、迫ってきた糸を斬り伏せていく。だが、あまりの数の多さに1本見逃した。その見逃した糸が雄二の肩を掠めた。
雄「ぐぅ」
秀「雄二!」
明「秀吉!雄二をお願い!」
秀吉は雄二に肩を持ちこの場から離れた。その時の雄二の顔は苦痛に歪んでいた。きっと苦痛は肩の痛みではなく助けられない苦しみからきているのだろう。
雄二、まかせて。絶対僕が霧島さんを救って見せるから!
明「白姫、セフィ!援護をお願い。この1撃で決める!」
白セ「了解!」
セフィが僕たちに迫ってくる糸を撃ち抜いていく。おかげで僕は糸に気にすることなく霧島さんに突っ込んでいく。糸で捕えられないことが分かると今度は糸を何重にも束ね、霧島さんの前に即席の壁を作る。このままでは壁にぶつかってしまう。そこにすかさず白姫が躍り出た。
白「月宮流剣術 貳蛟龍(ふたつみずち)!」
炎を纏った刀が糸の壁を斬り上げた。壁は斬られたところから発火し、あっけなく燃え落ちた。これで障害はなくなった。僕は足に力を入れさらに走るスピードを上げ、霧島さんの手に憑く魔精霊目掛けて剣を突き出した。
明「絶剣技、初ノ型 紫電!」
雷閃のような突攻撃が、霧島さんの手を貫いた。貫かれた精霊は形が崩れ、霧散した。魔精霊が消えると霧島さんは糸が切れたように倒れた。
魔精霊が消えたら空を覆っていた雲も消えた。そのあと来たアレイシアの援軍にその場を任せ、僕たちは霧島さんをアレイシアの息のかかった病院まで運び込んだ。ここの病院は普通の患者のほかに精霊使いや精霊に取り付かれた人なども収容している病院だ。ここなら霧島さんも大丈夫だろう。
霧「・・・・」
「「「・・・・」」」
だけど、未だ目覚めない霧島さん。それを見つめるみんな。部屋の中は重苦しい空気が充満している。誰も話そうとしない。本当はさっきのことも聞きたいだろうけど、この状況では仕方ないだろう。そんな空気を打ち破るようにドアの開く音が響いた。開けたのはグレイワースだった。
グ「どうだね、坊や」
工「えっと・・どなた?」
明「この人はグレイワース。この部屋を確保してくれた人だよ」
雄「そうか・・・恩にきる」
グ「構わないさ。それよりどうだい容体は?」
明「まだ目覚めない。早く目覚めるといいんだけど」
優「代表・・」
工「だいひょー・・」
2人も心配そうに霧島さんを見る。他のみんなも同じ表情だ。雄二も俯き手を強く握っていた。
雄「・・翔子」
呟くように霧島さんの名前を言った。それに反応するように霧島さんの瞼が動いた。
「「「!!!」」」
みんながすかさず駆け寄った。
霧島さんはゆっくりと瞼を開け、周りを見渡した。
霧「・・ここは?」
雄「翔子・・!」
優「代表!」
工「良かったよ、無事で!」
姫「本当です!」
秀「一安心じゃな」
島「心配したわよ!」
康「・・・安心」
セ「もう心配はいらんだろう」
白「どこか痛いところとかありますか?」
明「良かった」
レ「良かったわね明久」
みんなが霧島さんに駆け寄り、思い思いに口を開いた。しかし、霧島さんはぼぉーっとこちらを見ていた。まるで・・。
雄「? どうした翔子?」
そうまるで・・・前にいる人が誰だかわからないように。
霧「・・あなたたち・・誰?」
いかがでしたでしょうか?
少しおかしいと思うところもあると思いますが、そこは目を瞑ってもらえるとうれしいです。
休筆中も「早く、次投稿してくれ」というメールを何通かいただきました。とてもうれしかったです。待っていて下さる方々がいるというだけで感謝感謝です。
それでは今回はこれで。
感想、よろしくお願いします。