-トントン
「はい。」
「失礼しますの。」
ドアを開けて、病室に入ってきたのは、白井黒子だった。
「おう、白井か。無事だったか?」
男は自分の事など気にせずに他人の心配をしていた。
「えぇ。わたくしは大丈夫ですの。ありがとうございますですの。」
「別に。お礼を言われたくて助けたんじゃねぇしさ。」
「お体の方は大丈夫ですの?」
「まぁな。この通りだ。」
「・・・・・・・・」
「??」
突然白井が黙ってしまった。
「あの・・・・・」
「なんだ?」
「どうしてあなたは自分を犠牲にしてまで誰かを助けるんですの?」
「いきなりだな。・・・・・・・理由なんてねぇよ。助けたいから助ける。それだけだ。」
「そうですの・・・・・」
再び沈黙が訪れた。
「白井。」
「・・・・なんですの?」
「ちょっと話をしたんだがいいか?」
「えぇ。というより、さっきまで会話をしていたではありませんか。」
そう言って白井は少し微笑んだ。
「そうだな。・・・・じゃあ・・・御坂の事なんだけどさ。」
「・・・・・お姉さまのことですの?・・・・まさか!!お姉さまを狙っていらっしゃ・・」
「違ぇよ。」
「そうですの。安心しましたわ。・・・で、お姉さまがどうかしましたの?」
「あいつどうにかならねぇか?」
「どうにか・・・・とは?」
上条当麻は事あるごとに御坂美琴に勝負を挑まれていることを白井に話した。
「お姉さまの帰りが遅くなるのはそういうことでしたの・・・」
「あぁ。」
「しかし、気になる点が一つ・・・・」
「なんだ?」
「あなたは確か“
「そうだけど・・・・・」
「さっきあなた、“俺のこの右手が・・・”って言ってませんでしたか??」
「あぁ。これか、白井は知らなかったっけか。俺のこの右手のこと。」
「えぇ。存じ上げておりませんわ。」
「この右手、“
「イマジン・・・・ブレイカー?聞いたことありませんわね。」
「当然だ。イマジンブレイカーは生まれつき俺に宿る能力だ。だけど、測定のしようがないから、“
「それで・・・そのイマジンブレイカーとは一体どんな能力ですの?」
「この右手で触れたものが、それが異能の力ならどんな能力でも打ち消せる能力なんだ。白井、お前の能力って確か“
「えぇ。」
「俺を飛ばそうとしてみてくれ。」
「やってみますわ。」
白井は能力を発動しようと、上条当麻の右手に触れた。
「・・・・確かに発動できませんわね・・・・って・・!」
「どうした?」
(思わず、殿方の手を握ってしまいましたわ!!・・・・意外と手、大きいですわね・・・)
白井は上条当麻の手を握りながらそんな事を思っていた。
「・・・・本当に消してしまうとは。確かに負けず嫌いのお姉さまならず~~っと追い掛け回すのも無理はないですわね。勝てる見込みがないんですもの。」
「どうしたらいいんだ?」
「・・・・ちょっとお姉さまに相談してみますわ。」
「おう。頼むな。」
「では早速行ってみますの。」ヒュン!!
「あ。テレポートで行っちまったよ・・・お礼言えなかったじゃん・・」
この日、白井黒子が来ることは無く、一日が過ぎていった。