東方三姉妹~Scarlet devil sisters~ 作:宵月 律架
「ここは・・・一体・・・。」
私が気がついたときそこは、いつもの街の面影のない霧深い大きな湖の畔だった。
五月蝿いくらいの街の音、人々の声、至る所から奏でられる音楽達・・・それらの音は一つ残らず消え失せていた。
私の手に残ったのは、今朝出かける時に持って出たバックだけ。中身は、点字板や白状などの補助具と数冊の本だ。
ふと、私が立っているところからそう遠くないところに紅い建物の影が見えた。いかにも禍々しいそれは、しかし、今の私には一筋の希望でもあった。
***
今日は、なんだか妙に左目が疼くきがします。
こういう時は割と良いことがあるんです。例えば、レミリアお姉様が部屋に来たり、咲夜が本を読んでくれたり、パチュリーのところで面白い本をみつけたり・・・。
でも、お屋敷のすぐ外に全然知らない人間の気配がしているので、あまりお屋敷内を歩き回らない方がいいかもしれませんね。
トントントン・・・
あ、噂をすれば、レミリアお姉様がやって来たようです。
「シャル?居るかしら。」
「いますわ、お姉様。」
「入るわよ?」
「ええ。」
お姉様が入ってきた。
近くまで来たお姉様の顔は、若干困惑している様に見えます。主に蝙蝠みたいな翼がシュンとなっているあたりが。
「お姉様、どうしたの?なんだか困っているみたいだけれど・・・。」
「ええ、まあね。貴女も気づいているでしょうけど、館の外に人間が一人・・・それも外来人のようでね。」
外来人とは、ここ幻想郷の結界を越えてしまった人らしいです。
「うん、気配は感じていたから今日は、お部屋で大人しくしていようと思っていたところで・・・。」
「それがねえ、どうも貴女に何か影響を与える可能性が大きいみたいで。」
「ふうん。それで?」
お姉様が大きなため息を吐いてこう言った。
「つまり、貴女が私たち以外の者の目に触れることになるのよ。貴女はそれでいいのかって言いたいの。」
「ああ、うーん。それは分かんないかな。お姉様が会ってみて良いと思ったらでいいんじゃないかしら?」
「まあ、それもそうなのだけれど・・・。でも、貴女もそろそろ自分で決断できるようにならないとって思って。」
「それじゃあ、お姉様の判断に任せるって決断ってことで。」
お姉様は分かったといってから、「この子はまったく」なんて言いながら部屋を出ていった。
そして、「その時」は午後のティータイムにやってきました。
それは、私が紅茶を飲んでいる時でした。
あの「知らない気配」が近づいてきたんです。
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