あのクリスマスから二ヶ月の歳月が経ちました。
いっくんがISを起動して世界が騒いでる中、私は胃痛と戦いながら普段通りの生活を送っています。
マッキーの旦那さんとの出会いをマッキーに聞いたら・・・
「旦那と出会ったのは、世界異種格闘技大会の決勝戦かな。中々強かったけど、私の敵じゃなかったな。その後も何度かいろんな大会で出会って、そのままの流れで付き合って結婚した」
私と違って充実した人生を送っている。
その事をクララに話したら・・・
「リアルに充実してる人達に裁きを!」
と叫んだけど、どこか無理をしている様子だった。
「クララ、どうしたの?何か悩みでもあるの?」
「先生、実は協力して欲しいことがあります」
「協力?」
クララの上官、シュヴァルツェ・ハーゼの隊長、ラウラ・ボーデヴィッヒ少佐が二日前から家出をしたきり戻ってこないと言うのだ!
隊長の専用機の調整に時間が掛かり、入学を六月まで待たなければならないというのと、「隊長の未来の旦那さん」こと織斑一夏がISを起動させIS学園に入学したことを切っ掛けに、一夏に対する思いが暴走。「せんようきがなくても、いちかにあいにいきます」と、置き手紙を残して姿を消したと言う。
「恐らく、部隊のデータベースを閲覧し、その情報を頼りに織斑一夏の所在を突き止めると思われます」
「IS学園の所在地は?」
「残念ながら、生徒たちの安全を配慮して保護者やISの関連企業の人達にしか知らされてません」
「そっちには?」
「情報は・・・まだ」
だとすると、これは何か裏があるな・・・
「クララ。隊長の専用機を精密検査したら?」
「と、言いますと?」
「いや、入学予定の人に所在地を知らせないなんておかしい。きっと、その専用機に何か秘密が隠されてると思うよ」
「分かりました。専用機の開発元に連絡をとり、隊長の専用機を視察と言う名の調査を行ってみます」
「うん。それでいいと思うよ。じゃあ、後日連絡するから。ばいばーい」
クララの声に元気が戻った。いやあ、良かった良かった。
「だけど、駅に公衆電話が残ってて助かったよ。テレホンカードもたくさんあるし、電話には苦労しないよ」
前時代の人の過ごし方をしてるけどいいや。今日は休みだから、何しようかな。
「すみませーん!」
私に声を掛けてくるのは・・・
「ん?どうしたの?」
リュックサックをしょっている子供だ。しかも銀髪のロングヘアーに左目に黒の眼帯を付けてる。・・・新手の痛ファッションか?
「しのののたばねさんですかー?」
・・・何で分かったの。
「い、いやあ、わ、私は篠ノ之束じゃあ、ご、ございませんよ」
私、子供相手にすごく汗を流してるんだけど・・・怖いわぁ。最近の子供は痛いファッションからニュータ〇プ並みの感性を持ってるなんて。
「やっぱり、しのののたばねだぁ!」
「えぇ!?いや、だ、だから、私は・・・」
「ねぇ、ねぇ!しのののたばねでしょ!」
「あ・・・いや・・・その・・・」
「しのののたばねでしょ!!」
子供の有り余るパワーに私は圧倒され・・・
「そうです・・・私は篠ノ之束です」
心が折れた。
「あのね。わたし、おうちがなくてこまっているの」
「うん」
「だから、あたらしいおうちがみつかるまでとめさせてくれない?」
「それは・・・」
「何をしてるのですか、博士」
「あ、クーちゃん」
ここで現れたのは救世主(※但し、束を救うとは言っていない)ことクーちゃん。
「実はね、この子が突然泊まって欲しいって言うんだけど・・・」
「まずは警察に連絡しましょう。児童誘拐未遂事件として。博士、短い間でしたけど・・・」
「待って!話、聞いてた!?私はこの子が泊まって欲しいと言ってて困ってただけ!」
「・・・え?」
・・・あ。この子の前で言ってしまった。
「わたし・・・いらないこ・・・うぅ・・・」
そんな事言ってないよ!?と言うより、泣きそうになってる。ヤバいよ・・・このままじゃ、本当に警察にお世話になっちゃうよ。
「お家はどこなの?」
「・・・わからない」
ってか、クーちゃんが子供の話し相手になってるけど・・・何、その優しい表情は!?私には一度もそんな顔をしたこと無いじゃん!くそぉー!子供めぇ!
「なんでリュックを背負ってるの?」
「あたらしいおうちをさがしてるから」
「新しいお家?」
「・・・うん」
その子はポケットから写真を取り出した。
「ここがあたらしいおうち」
「これは・・・」
「IS学園だね」
ちょっと待って。この子は・・・
「ね、ねえ君」
「なーに?」
「な、名前はなんて言うの?」
「ラウラ・ボーデヴィッヒ。15さい」
「・・・・・・」
クララ・・・問題が解決したよ。
次回、駄兎と黒兎の共同生活?
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