駄兎の日々   作:陸のトリントン

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今回の話はクロエ視点が入っています。

クロエのキャラが深まるはずです。


21話 束は黒兎を招待する

「クララ。明日までに来れる?」

 

「問題ありません。私が早急にそちらへ向かいます」

 

「じゃあ頼む。このままだと本当にIS学園に行っちゃうから」

 

「分かりました。では明日、会いましょう」

 

クララに連絡をし、明日私の地元に来るように連絡したけど・・・

 

「クロエおねえちゃん。きれい!」

 

「ありがとう。人に褒められるのは初めてですね」

 

「え!そうなの!?」

 

「はい」

 

「じゃあ、わたしはクロエおねえちゃんをはじめてほめたひと!」

 

「そうです」

 

クーちゃんとラウラちゃんの仲がすごく良いんだけど。おまけにクーちゃんは笑顔だし。

 

「博士、早くこの子を家へ連れてって下さい」

 

「は、はい」

 

クーちゃん、私を見る目がいつもよりキツイんですけど・・・

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

「ここがおうち?」

 

「はい。暗くて居心地は良くないですが、一晩泊まるには問題ありません」

 

「きょういちにち、よろしくおねがいしまーす!」

 

家にたどり着いたのは良いけど、私は蚊帳の外だ。

 

「博士、今日の夕飯の食材を買いに行ってください」

 

「え!?いや、なんで・・・」

 

「買いに行ってください」

 

「だから、なん・・・」

 

「買いに行ってください」

 

「クー・・・」

 

「行ってください」

 

「・・・はい」

 

完全に主従関係が逆転している。

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

さてと、博士は夕食の買い出しで出かけて行きましたか。

 

「ラウラさん。聞きたいことがあります」

 

「なに?」

 

「おうちが無いのは嘘ですね?」

 

「う、うそじゃないもん!」

 

私はラウラちゃんのネームタグを見せた。

 

「ネームタグにはきちんと住所が書いてあります。どうして嘘をついてまでIS学園に行きたいのですか?」

 

「うそじゃ・・・ないもん」

 

ラウラちゃんが泣きそうになってる。・・・どうも、対応の仕方が博士と同じになってしまう。

 

「では、教えてくれませんか。IS学園に行きたい理由を」

 

「いちかがいるから・・・」

 

「いちか?織斑一夏のことですか?」

 

「うん・・・」

 

博士の話を盗み聞きする限り、ラウラちゃんと織斑一夏は恋人同士と分かっている。ここは、優しく接しないと・・・

 

「一夏君もラウラちゃんと会えないことに悲しんでいると思います。だけど、皆に迷惑を掛けるのは違います」

 

「でも、しがつにいちかにあえるっていったのに、うそついたんだよ」

 

「だからです。嘘を言ったから家出をする。それは悪いことなんです」

 

「うそいったほうがわるいもん」

 

子供の屁理屈に悪戦苦闘しながらも私は対話を試みる。少なくとも博士よりは意志が強い。こんなところで諦めてしまってはいけない。

 

「ラウラちゃんを心配してる人はいるんだよ?」

 

「いないもん」

 

「どうしてですか?」

 

「だれもいないから」

 

「どうしてそれが言えるんですか?」

 

「だれもいないもん。だからしんぱいするひとはいない」

 

「私は心配しています」

 

「どこをしんぱいしてるの?」

 

「ラウラちゃんがみんなにちゃんと謝ってくれるのか」

 

「・・・」

 

ラウラちゃんが何も言わなくなった。

 

「誰もラウラちゃんをいじめたくて嘘を言ったわけではありません。ラウラちゃんとの約束を破ってしまって、それが原因で家出をしてしまって、皆はその事に心を痛めてるんです」

 

「いためてないもん。みんなおとなだもん」

 

「大人でも心を痛めることはあるんです」

 

博士の場合は自業自得ですけど。

 

「・・・クロエおねえちゃん」

 

「何ですか?」

 

「みんな・・・しんぱいしてる?」

 

「はい。だからおうちに帰ったら、ごめんなさいって謝ってね」

 

「うん・・・」

 

「良い子、良い子」

 

私は優しくラウラちゃんの頭を撫でた。この子は誰よりも純粋で優しい心の人なんだ。だから、その純情を汚さないようにしないと。それにひきかえ・・・

 

「どうして博士はダメダメなんだ・・・」

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

「おい!有り金、全部寄越せ!」

 

「いや・・・無理です」

 

「いいから寄越せぇ!」

 

 

 

篠ノ之束

 

現在、駅裏で女のヤンキーにカツアゲされている。




次回は黒兎との別れを執筆する予定です。

ご意見、ご感想、お待ちしております。
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