「ぜえ・・・ぜえ・・・ぜえ・・・」
駅裏でヤンキーにカツアゲされた時、見回りの警官が来なかったら私の人生は終わりを迎えてた。
「これで・・・やっと家に帰れる」
私は息を切らしながら、家に帰った。
「うーん。じゃあ、こうだ!」
「そう来ましたか」
丁度、クーちゃんとラウラちゃんがチェスをやってる。見た所、ラウラちゃんが優勢だ。
「帰って来たよ」
「そうですか。早く夕食を作ってください。帰って来るのが遅すぎです」
冷たすぎだよ、クーちゃん。チェスに集中したいからって。
「では、私はこうします」
「へへ。これならどうだ」
「うーむ・・・困った」
「クロエおねえちゃんはチェスとかにがてなの?」
「いえ。触れる機会が全くなかったので色々と考えさせられます」
二人とも仲が良すぎ。
「二人とも。晩御飯が出来たよ!」
私がお玉でフライパンを叩いて二人に夕食の時間を知らせた。
「どうやら、ラウラちゃんはチェスが強いみたいですね」
「へへっ!チェスのドイツたいかいでゆうしょうしたんだもん!」
「それはすごい」
「でしょ!」
「博士も何か表彰されればいいんですが」
「頑張れば賞の一つや二つは・・・」
「ひきこもってたらひょうしょうされないよ?」
ああ・・・純粋な言葉が私の心に突き刺さる。
・・・・・・
そんなこんなで翌日の朝、クララがやって来たので駅でお迎えに行きました。
「先生が迎えに来てくれて感謝しています」
「そっか・・・じゃあ行こうか」
「大丈夫ですか?」
「いやあ、ラウラちゃんの相手するのに結構・・・体力つかっちゃてさ」
あそこまで寝相が悪い人は初めてだ。何回、私の顔に蹴りが入ったのか。
「そうですか。隊長は今も怒っていますか?」
「ううん。反省して、クララが来るのを待ってるよ」
「分かりました」
クララも少し思いつめた顔をしちゃってる。仲直りできるか不安だな・・・
「ただいま」
「失礼します」
クララを連れてのご帰宅だが・・・
「あれ?二人ともいない・・・」
え?ボイコットですか?
「先生、二人は?」
「どこいったの?」
すると、エプロン姿のクーちゃんとラウラちゃんがひょっこりと現れた。
「博士、帰って来たのですか」
「うん。で、そのエプロン姿は?」
「ラウラちゃん。クラリッサにプレゼントを」
ラウラちゃんはクラリッサに小包を渡した。
「なかなおりのクッキー」
ラウラちゃんの渾身のてづ・・・
「許せる!」
許すの早っ!
「お騒がせして申し訳ありません」
「いやいや。別に大したことじゃなかったから」
「お詫びと言って何ですか、このDVDを差し上げます」
仲直りしたラウラちゃんとクララは一緒に帰ることにしたけど、詫びにDVDって・・・
「クララ、このDVDは?」
「軍の上層部に提出した隊長の活動記録です。この活動記録によって隊長の部隊存続が決まりました」
何か凄いもの貰っちゃよ。
「それでは、またいつの日かお会いしましょう」
「バイバーイ」
ラウラちゃんが手を大き振ってたけど、どう見ても十五歳に見えない。
「その活動記録を見るんですか?」
「気になるじゃん。ドイツ軍の上層部がラウラちゃんの部隊存続を決めた程のモノだよ」
私はBlue-RayプレーヤーにDVDをセットし、再生ボタンを押した。
『ラウラ・ボーデヴィッヒです!』
『きゃははは!くすぐったいよー!』
『えっと・・・こう?』
『おいしい!』
『わたしをおよめさんにしてくれるひとをぼしゅうしています!』
『おかえり!おにいちゃん!』
『おにいちゃん!いっしょにおふろにはいろう!』
「クララ・・・上層部にこんなものを提出したの・・・」
DVDの内容はISスーツではなく、様々な水着を着たラウラちゃんが泳いだり、泡風呂に入ったり、シャワー浴びたり、イタズラされたり、お兄ちゃんと言ったり、コスプレしたり・・・はっきり言えばジュニアアイドルの映像を見てる気分だ。
「ドイツ軍はロリコンの集まりですか?」
「クーちゃん・・・私には分からない」
ドイツ軍・・・色んな意味で世界一だよ。
・・・・・・
とあるホテルにて
「千冬姉・・・それは本当なのか?」
「ああ。ラウラの入学は六月だ」
織斑一夏は千冬から電話でラウラの入学に関する話を聞かされていた。
「何で四月じゃないんだ?」
「専用機の完成に時間が掛かっているらしい。詳しいことは分からん」
「そ、そっか・・・」
「そう落ち込むな。とにかく、お前は頑張って参考書に書いてある事すべてを憶えろ。では切るぞ」
電話を切られた一夏は・・・
「神様のバカやろぉぉぉ!」
ベットに八つ当たりした。
次回は「マッキー帰郷する」の予定です。
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