駄兎の日々   作:陸のトリントン

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タイトル通りの意味ですが、駄目束なので超人的な戦いはしません。




36話 束は戦う

午前5時

 

ラウラちゃんのステージ衣装決めから1週間後。シュヴァルツェア・ハーゼ本部の指令室ではクララを中心にブリーフィングが行われている。隊員達は綺麗に整列し、モニターの傍にいるクララの話を聞いている。

 

「これより、本日の作戦を説明する。我々の機動部隊が敵拠点での破壊活動を円滑に進めるため、敵拠点のシステムハッキングを行い、データ収集及び敵拠点の全機能を停止させる」

 

ここでの仕事は機動部隊のサポート及び情報収集である。敵が機密保持の為に拠点を破壊される前にデータを盗んで、機動部隊を暴れさせるという至って単純な作戦だけど・・・

 

「敵拠点にはISが配備されてる恐れがある。それは、ここにいる我が先生が対処する。先生、何か質問はありますか?」

 

「えっと・・・一つ聞いていいですか?」

 

「何ですか?」

 

「皆、この服装で聞いてるの?」

 

「はい。我が部隊の士気を高めるにはこれが一番効果的なのです」

 

紫色のハッピを着て作戦内容を聞いている部隊なんて聞いたこと無いよ。『ラウラ命!』とハッピに堂々と張ってる衣服で作戦を展開する部隊はここだけだと思うよ。

 

「午前6時に作戦を開始する。それまで各々準備に取り掛かるように。解散!」

 

クララの掛け声と共に隊員達は各々の持ち場に付いた。

 

 

 

『みんなー!ライブにきてくれてありがとー!』

 

『みんなのことが、だいだいだいすきだよー!』

 

『いちかはわたしのむこ!』

 

 

 

準備・・・なの?

 

「全員、隊長のライブや番組出演の映像を見てモチベーションを上げているとは感心する」

 

クララ、この部隊がちゃんと軍として機能しているのか疑問だよ。

 

「先生はこの席で作戦を行ってください」

 

クララが私の為に解析道具一式を用意してくれた。場所はモニターの傍にあるクララの席の隣だけど・・・

 

「何でラウラちゃんのグッズがたくさん置かれてるの・・・」

 

「先生に我が隊長の素晴らしさをより知ってもらいたいからです!」

 

パソコンの壁紙は魔法少女姿のラウラちゃん。アイコンは全部ラウラちゃん。マウスもラウラちゃんをイメージしたカラーリングになってる。椅子も机もラウラちゃん。

 

「これで先生の作業効率は確実に上昇します!」

 

どこからどうツッコんだらいいんだろう・・・

 

「先生も、我が隊長の映像を見てモチベーションを上げてください」

 

クララは私を席に着かせてラウラちゃんのライブ映像を見せようとした。

 

「あの・・・私は大丈夫だから」

 

「そうですか。何かあったら私に声を掛けてください」

 

クララは凄く残念な顔をして持ち場に戻ったけど、私はラウラちゃんの魅力知りに来たわけじゃない。それは断言して言える。

 

 

 

午前6時

 

「予定時刻だ。これより作戦を開始する」

 

クララの掛け声と共に皆がインカムを取り付けてキーボードを打ち始めた。

 

「大尉。機動部隊が敵拠点の監視塔を破壊しました」

 

「Bポイントを爆破し、敵をおびき出せ。Aポイントはセキュリティ解除後、爆破を行え」

 

「了解」

 

おお・・・こ、これが軍の作戦。映画で見るより、空気が重い・・・胃が痛くなりそう。

 

「大尉。敵が迎撃システムを起動させました」

 

「先生。迎撃システムをダウンしてください」

 

「は、はいぃ!」

 

クララの真剣な眼差しに驚いた私は颯爽とシステムハッキングを行った。

 

「えっと・・・何だこれ?随分脆いセキュリティシステムだなぁ」

 

敵の防衛システムにハッキングしたけど、2年前のセキュリティソフトを使用している時点でため息がつくよ。そんなんでよく守れると考え付くよ。

 

「これならこれをするだけで・・・いや、ついでにこれを送っちゃえ」

 

私はシステムをダウンさせる代わりに、とあるウイルスを送信した。

 

「ラウラちゃんの画像と映像を送られたら敵はパニック状態だ」

 

敵が襲来して、システムはラウラちゃんだらけの画像と映像で使い物にならない。性質の悪い悪戯だけど、謎の組織が調子に乗らない為に私は敢えて心を・・・

 

「大尉。機動部隊が敵の白旗を確認。敵部隊は全員武装解除をしています」

 

降参するの早っ!

 

「随分早く終わったな・・・警戒を怠らせるな。囮の可能性もある」

 

「諜報部の情報によると、敵はラウラ少佐の映像を見た直後に武装解除を行った模様です」

 

ええっ!?私が悪戯で送ったウイルスで降参って・・・

 

「敵部隊を捕獲後、全部隊を撤退させろ」

 

「クララ!?」

 

「安心してください先生。謎の組織の本拠地がどこにあるのか分かりました」

 

「お、おお・・・わ、分かったよ」

 

「それにしても、誰が隊長の映像を流したんだ?お陰で我が同士が増えて嬉しいのだが・・・一体誰が?」

 

ごめんクララ。私が悪戯目的でウイルスという形で送りました。

 

「大尉。隊長の東京ドームライブの段取りが終了しました」

 

「よし!これより、1時間以内に敵組織を壊滅させろ!その後、隊長の東京ドームライブのステージ作成に取り掛かるぞ!」

 

「「「「「了解!」」」」」

 

誰か、ここ(ドイツ)にワクチンを導入してください!

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

時を同じくして、IS学園 第一アリーナ

 

学年別トーナメント

 

織斑一夏&シャルル・デュノア対篠ノ之箒&ラウラ・ボーデヴィッヒ

 

「どうした一夏!貴様の実力はそんなものか!」

 

箒の一太刀に白式はアリーナの壁に叩きつけられる。白式のディスプレイにはスラスターの故障を知らせるアラームが一夏の耳に鳴り響き、一夏は箒の強さを嫌でも理解せざる得ない。

 

「卑怯だぞ箒!」

 

「どこが卑怯だ!ただ単に、貴様がタッグの申請用紙を出さなかったからこうなったんだ!」

 

「そう言うが・・・」

 

 

 

 

 

 

「生身で戦うってどういう考えだ箒!」

 

 

 

篠ノ之箒

 

搭乗IS:なし

 

装備品:IS学園指定制服、日本刀

 

 

 

「兵器の性能が戦力の決定的差でない事を貴様に教えるためだ!」

 

「それ以前の問題だろ!」

 

「それに貴様はラウラにしか目が向いていない!貴様が犯罪に手を染める前にその怨念を殺す!」

 

「そう言って、俺を油断させるつもりなんだろう!」

 

「そうでもあるがぁぁぁぁぁ!」

 

織斑一夏、篠ノ之箒と交戦中。

 

 

 

「シャルルおにいちゃんには、まけないから!」

 

「ぶはっ!鼻血がぁ!鼻血が止まらないぃ!ティッシュ!誰がティッシュぅぅぅ!」

 

シャルルもといシャルロット・デュノア。ラウラ・ボーデヴィッヒの可愛いガッツポーズに悶え苦しむ。




次回は、また巻紙視点になります。

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