いやぁ、モチベーションを上げるのは意外と苦労します。
※追記:サブタイトルを変更しました。
ドイツ 某所
私の名前は巻紙礼子。今は・・・リフトに乗って、どこかに降りてる。
「一体どこまで降りてるんだ?」
「さあな。少なくとも、その先に決勝戦の相手がいるだろう」
定期的に配されてある灯りがリフトを照らしているけど少し寒い。一体どこまで降りるつもりなんだ。厚手のフライトジャケットを着こんでるがそれでも寒いって、地下何メートルにいるんだよ。
「くくく。長きに渡る宴も今・・・」
「ああ、分かった分かった。今は静かにしてくれねぇか?」
エムは相変わらず何言ってるか分からねえ。
「さっさと決勝戦の相手ぶっ倒して、ベットでぐっすり寝たいよ全く」
そんな愚痴をこぼしていたら、リフトが止まった。
「どうやら着いたみたいだ。礼子、エム。気を引き締めろよ」
目の前には5m程もある大きな鉄製の扉が開き、私達3人は扉の向こうにある光景に驚愕した。
「これは・・・ISコア!?」
「驚いた。この俺が探しても探しきれなかったISコアのコピーだ。とすると、ここはISコアのコピーを作ってる『謎の組織』の本部か」
「魂の共鳴を起こす虚偽の鎧か」
壁一面中に並べられているISコアのコピー。前に旦那から話を耳にしていた。無人機を作り、IS学園を襲撃させた組織の存在。私達はその本部にいると思われる。
並べられているISコアの先には一つの大型モニターが掛けられている。そこに映っているのは・・・
「これって、IS学園じゃねえか?」
「映ってるのは織斑一夏とラウラ・ボーデヴィッヒ。後の二人は篠ノ之箒とシャルロットデュノアか」
何で旦那が知ってるんだ?
「何で一夏とラウラ以外の二人を知ってる?」
「箒ちゃんの方は嫌でも知ってるさ。ISの開発者の妹だろ?」
まあ、私は奇声を上げて相手を気絶させた剣道少女としか覚えてないが。
「それにシャルロットちゃんの方はデュノア社の社長が会社のイメージアップを図るため、彼女を男装させて入学させたからな。この俺がシャルロットちゃんの経歴を調べて、デュノア社が良いようにしてるっていう事が分かって、それを世界に報告したらデュノア社のイメージダウンが起こったけどな」
「うわぁ、シャルロットの奴絶対私達を恨むだろう」
「安心しろ。彼女は被害者だ。俺は被害者を虐める趣味なんか持ってないさ」
「だと、良いんだが」
ま、浮気なんてしたら一発ぶん殴るだけの話だから。
「やっぱり、来てくれると思ってたわオータム」
突然、部屋に響き渡る艶のある声。嫌に背中に走る口調。
「この声は・・・スコール!」
「ええ、そうよ」
モニターの傍から姿を現したのは赤いドレスに身を包んだスコール。はっきり言って嫌な趣味をしてるもんだ。
「一体、ここで何をしてるんだ?」
小難しい話が苦手な私は簡潔に問いだ出してみた。何で問いただしてるのかは・・・はっきり言ってその場の勢いだ。
「簡単な話よ。ISを作ってるの」
「ISの何をだよ?」
「全てよ」
「!?」
スコールの問いに旦那が反応した。
「だが、ISコアを作り上げるには数が多すぎやしないか?この配列だと、まるで何かの電池みたいだな」
「相変わらず、変な所で勘が鋭いのねオータムの旦那さんは。まあ、ここで全てを話してもあなた達に止める術はないけどね」
旦那に勘付かれたくない所を付かれて顔を歪めながらも、スコールはどこか余裕のある表情をしている。
「どういう意味だ?もしや・・・」
「気付いたみたいだね。あなた達の戦いもデータにするのよ」
旦那とスコールの会話の意味が全く分からない!
「ISのコアを作るのにあなた達のデータが入れば、戦闘時のデータ収集が楽になるのよ」
「良いモルモットを探すために『世界異種格闘技大会』を開いた訳か。そしてお前は・・・」
「そのモルモットを探すために
「それは災難でしたね。計画を立て直してる中、本部を突き止められてしまって」
「それはどうかしら?」
旦那の煽りを気にせず、スコールはニヤリと笑い始める。
「あなた達の戦闘データが入れば、この本部も用無しよ」
「だが、ISのコアはISの戦闘データが無ければ意味がねえだろ」
「スコールの言う通り、あなた達の戦闘データは今後の稼働データの参考程度。ISの戦闘データは別に取らないといけないわね。でも、今ISの戦闘データが取れる場所があればどうする?」
「どうするって・・・お前まさか!?」
「そう。IS学園でデータ収集を行えばいい話よ。丁度良くモルモットちゃんが頑張ってくれてるからね」
「モルモット?」
「そう。ラウラ・ボーデヴィッヒちゃんよ。彼女が使ってるISにちょっとした機能が搭載してるのよ」
そう言い、スコールはモニターの下からキーボードを降ろし、エンターキーを押した。
『っ!?うわぁぁぁぁぁ!』
モニターには、電流をほとばしりながら黒い液体に飲まれるラウラの姿があった。
「ヴァルキュリートレースシステム・・・VTシステムのお披露目よ。そして・・・」
『これより、決勝戦を開始します』
決勝戦開始のアナウンスが鳴り響く。こいつの顔を見るのは、もううんざりだ。
・・・・・・
時を同じくして、IS学園
「ラウラ・・・?」
一夏の目の前にいるのは、黒く光沢のあるISを纏った千冬の姿をした何かだった。
「ラウラを・・・ラウラを返せぇ!」
白式はスラスターを吹かし、黒い千冬の姿をした何かに・・・
「駄目!」
シャルルのIS『ラファール・リヴァイヴ・カスタムII』の
「一夏!落ち着いて!あのまま突っ込んだら・・・」
「離せ!俺がラウラを・・・」
「一夏!駄目!」
「うぐっ!それでも、あんなわけの分からない・・・」
「それでも駄目だよ!」
「だ、だから、ラウラは・・・」
「だぁめなんだよ! それ以上(ラウラに)近づかないで!」
「ごはっ!」
一夏は
「おかしいなあ・・・。涙が流れている・・・ひとつも悲しくないのに・・・」
シャルロットの病状は悪化の一途を辿っている。
「山田先生、あの二人を止めてください。あの偽の修羅は私が倒します」
「ええ!?いや、でも・・・」
「あんな虚像に倒れる私ではありません。ご安心ください」
「生身で戦うのは・・・」
「きえぇぇぇぇぇ!」
「箒さん!?」
篠ノ之箒は生身で黒い千冬の姿をした何かに斬りかかりに行った。
「誰か助けて下さぁぁぁい!」
山田先生が色んな意味で助けを呼ぶのも無理はない。
次回は、束の大進撃の予定です。
ご意見、ご感想、お待ちしております。