・・・どうしてこうなった?
膨大な資金を手に入れた私は、日本へ凱旋した。
いやぁ、ヒーローみたいな活躍をしたら1千万もらえるなんて嬉しいよ。おまけに、マッキーが紅椿の製作を手伝いに来てくれるから頑張らないと。
「クーちゃんよ!私は帰っ・・・」
「お帰りなさい博士。どうでしたか、ドイツの慰安旅行は?」
勢いよくドアを開け、私が見た隠れ家は・・・
「く、クーちゃん?」
「DVDBOXとBlu-RayBOXとフィギュアとゲームを全て売却した所、110万のお金が戻って来たので10万円程生活費にあてました」
インテリ感抜群の装飾になっていました。白いテーブルに黒の椅子。豆電球むき出しだった灯りは丸いLEDに差し替えられて、プロペラっぽいファンが天井に付けられて回っている。冷蔵庫も最新の大容量省電力のタイプだし、高級そうなカーペットが敷かれてて、その上に除湿器と加湿器が置かれている・・・・・・私のお宝を生贄に捧げて。
・・・・・・
「クロエ。束がドイツに行ってる間、お前は束のDVDとかゲームを全部売って金にしたのか?」
「はい。博士にも事前に言ってましたので、宣言通りに行いました」
「それで、Ms.束は自分の部屋に引き籠ってしまったと。しかし困ったもんだ。お顔を拝見しようとしたら、引き籠ってしまうとは」
「博士は人見知りが激しい方なので、引き籠らなくても会話は困難です」
「漆黒の鎖を解き放ち、天へと昇天する翼は何処へ?」
「ちゃんとした日本語で話してください」
私は束のIS製作を手伝おうと隠れ家に来たが、束は自分の部屋に引き籠っている。クロエもこうなることを承知で行ったが・・・
「クロエ、いくら何でもやりすぎだろ。私だって、自分の趣味の道具とか全部売られたら旦那であろうとぶん殴るぞ」
「ですが、収入の7割を趣味に費やされて困っているのです。警告も行いましたが・・・」
「物事には限度ってもんがあるだろう。確かに警告を聞いて改善させなかった束も悪いが、そこまですることなのか?」
「そこまですることだと判断して、行動しました」
こいつ、意外と頑固だな。いや、外との関わりがあまり少ないからこうなるのか?だとすれば・・・
「よし!束は私が何とかするから、残りは紅椿の製作に取り掛かれ。第四世代だろうと何だろうと、基礎は同じだ。作れる所は設計図を基に作るぞ」
「分かったよ。礼子の為に一肌脱ぐとするか」
「盟友よ。因果を断ち切り、漆黒の闇に白き光を照らしてくれよ」
頼むから日本語で喋ってくれ。
「クロエ、IS製作を手伝う代わりに条件がある」
「何ですか?」
「IS学園は近々臨海学校をやるみたいだから、私達と一緒に来い」
「言ってる意味が分かりません。理由から話してください」
「簡単な話だ。お前、この町以外のこと知らないだろ?だから、それ以外の事を知ってもらう必要があると思うが?」
「分かりました。臨海学校はいつから始まるのですか?」
素直に言う事を聞いたぞ。束との差は一体何なんだよ?
「今日から3週間後だ。水着は後でマドカと一緒にレゾナンスで買いに行く」
「分かりました。では、お茶とお菓子を用意しますので、製作を行ってください」
そう言い、クロエはキッチンに向かって行った。
「礼子。どうやって束を立ち直らせるんだ?」
「簡単だ」
私は束の部屋の前でカードの束を取り出した。
「束!ドアを開けろ!」
私の叫びと同時に静かにドアが開き、目が真っ赤に腫らしながら涙を流している束がいた。
「・・・何?」
こういう時に限って物凄い効果を発揮する魔法の言葉がある。それは・・・
「私とデュエルしろ」
・・・・・・
IS学園 学生寮
一夏とラウラの部屋
「え・・・部屋替え?」
「クラスリーグマッチの一件でボーデヴィッヒさんの部屋替えが急遽・・・」
「嘘だぁぁぁ!」
「お、織斑くん!?窓から飛び出ないで下さい!」
「離せぇ!俺はラウラと添い遂げるんだぁ!」
織斑一夏、錯乱状態に陥る。
「うおぉぉぉぉぉ!ぎゃあぁぁぁぁぁ!いやぁぁぁぁぁ!」
織斑千冬、絶賛混乱中。
「うえぇぇぇぇぇん!」
ラウラ・ボーデヴィッヒ、号泣。
次回、また「黒兎の日々」を執筆する予定です。
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