駄兎の日々   作:陸のトリントン

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紅椿が完成する話を執筆しようとしたら、束が引き籠る話になってしまった。

・・・どうしてこうなった?


39話 束は引き籠る

膨大な資金を手に入れた私は、日本へ凱旋した。

 

いやぁ、ヒーローみたいな活躍をしたら1千万もらえるなんて嬉しいよ。おまけに、マッキーが紅椿の製作を手伝いに来てくれるから頑張らないと。

 

「クーちゃんよ!私は帰っ・・・」

 

「お帰りなさい博士。どうでしたか、ドイツの慰安旅行は?」

 

勢いよくドアを開け、私が見た隠れ家は・・・

 

「く、クーちゃん?」

 

「DVDBOXとBlu-RayBOXとフィギュアとゲームを全て売却した所、110万のお金が戻って来たので10万円程生活費にあてました」

 

インテリ感抜群の装飾になっていました。白いテーブルに黒の椅子。豆電球むき出しだった灯りは丸いLEDに差し替えられて、プロペラっぽいファンが天井に付けられて回っている。冷蔵庫も最新の大容量省電力のタイプだし、高級そうなカーペットが敷かれてて、その上に除湿器と加湿器が置かれている・・・・・・私のお宝を生贄に捧げて。

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

「クロエ。束がドイツに行ってる間、お前は束のDVDとかゲームを全部売って金にしたのか?」

 

「はい。博士にも事前に言ってましたので、宣言通りに行いました」

 

「それで、Ms.束は自分の部屋に引き籠ってしまったと。しかし困ったもんだ。お顔を拝見しようとしたら、引き籠ってしまうとは」

 

「博士は人見知りが激しい方なので、引き籠らなくても会話は困難です」

 

「漆黒の鎖を解き放ち、天へと昇天する翼は何処へ?」

 

「ちゃんとした日本語で話してください」

 

私は束のIS製作を手伝おうと隠れ家に来たが、束は自分の部屋に引き籠っている。クロエもこうなることを承知で行ったが・・・

 

「クロエ、いくら何でもやりすぎだろ。私だって、自分の趣味の道具とか全部売られたら旦那であろうとぶん殴るぞ」

 

「ですが、収入の7割を趣味に費やされて困っているのです。警告も行いましたが・・・」

 

「物事には限度ってもんがあるだろう。確かに警告を聞いて改善させなかった束も悪いが、そこまですることなのか?」

 

「そこまですることだと判断して、行動しました」

 

こいつ、意外と頑固だな。いや、外との関わりがあまり少ないからこうなるのか?だとすれば・・・

 

「よし!束は私が何とかするから、残りは紅椿の製作に取り掛かれ。第四世代だろうと何だろうと、基礎は同じだ。作れる所は設計図を基に作るぞ」

 

「分かったよ。礼子の為に一肌脱ぐとするか」

 

「盟友よ。因果を断ち切り、漆黒の闇に白き光を照らしてくれよ」

 

頼むから日本語で喋ってくれ。

 

「クロエ、IS製作を手伝う代わりに条件がある」

 

「何ですか?」

 

「IS学園は近々臨海学校をやるみたいだから、私達と一緒に来い」

 

「言ってる意味が分かりません。理由から話してください」

 

「簡単な話だ。お前、この町以外のこと知らないだろ?だから、それ以外の事を知ってもらう必要があると思うが?」

 

「分かりました。臨海学校はいつから始まるのですか?」

 

素直に言う事を聞いたぞ。束との差は一体何なんだよ?

 

「今日から3週間後だ。水着は後でマドカと一緒にレゾナンスで買いに行く」

 

「分かりました。では、お茶とお菓子を用意しますので、製作を行ってください」

 

そう言い、クロエはキッチンに向かって行った。

 

「礼子。どうやって束を立ち直らせるんだ?」

 

「簡単だ」

 

私は束の部屋の前でカードの束を取り出した。

 

「束!ドアを開けろ!」

 

私の叫びと同時に静かにドアが開き、目が真っ赤に腫らしながら涙を流している束がいた。

 

「・・・何?」

 

こういう時に限って物凄い効果を発揮する魔法の言葉がある。それは・・・

 

 

 

「私とデュエルしろ」

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

IS学園 学生寮

 

一夏とラウラの部屋

 

「え・・・部屋替え?」

 

「クラスリーグマッチの一件でボーデヴィッヒさんの部屋替えが急遽・・・」

 

「嘘だぁぁぁ!」

 

「お、織斑くん!?窓から飛び出ないで下さい!」

 

「離せぇ!俺はラウラと添い遂げるんだぁ!」

 

織斑一夏、錯乱状態に陥る。

 

「うおぉぉぉぉぉ!ぎゃあぁぁぁぁぁ!いやぁぁぁぁぁ!」

 

織斑千冬、絶賛混乱中。

 

「うえぇぇぇぇぇん!」

 

ラウラ・ボーデヴィッヒ、号泣。




次回、また「黒兎の日々」を執筆する予定です。

ご意見、ご感想、お待ちしております。
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