駄兎の日々   作:陸のトリントン

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皆さんお久しぶりです。

仕事が山場を迎えたのでやっと投稿できるようになりました。

随分急な展開になってると思いますが、温かい目で読んでいただけたら幸いです。


41話 束は連れて行かれる

セシリアとラウラがレゾナンスに来る1時間半前。

 

「ここが魂の装飾を生み出し砦」

 

「頼むから日本語で喋ってくれねえか?」

 

「礼子さん。この人はどうしようもないので放置しておくのが適切かと思われます」

 

「いや、放置したら厄介な事を起こすから」

 

私はマッキーにデュエルを申し込まれたけど、デッキもクーちゃんに売られたのでそれを買いに行くついでに水着も買おうとレゾナンスに来たけど・・・

 

「束。お前、水着はどういうのが好きなんだ?」

 

「マッキー・・・私、帰るよ」

 

家に帰りたい。

 

「おいおい。ここまで来てそれは無いだろ?」

 

「人が多くて、私の心が潰される」

 

「いくら何でも人見知り過ぎるだろ」

 

マッキー・・・いくら何でもこれは無理。お店に来るお客さん数人が限界なのに、不特定多数の人がたくさん集まる場所だなんて。ネットで買えばいいのに。

 

「礼子。どういうルートで買い物をするんだい?」

 

「私とクロエは水着売り場に行ってるから、そこら辺をふらついててくれ」

 

「OK。ゆっくりと買い物を楽しんできな」

 

ちょっと!?私とエムが抜かれてるけど!?

 

「マッキー!私は!?」

 

「旦那が話したいことあるから、その後で買い物してくれ」

 

何!その公開処刑!?

 

「じゃあ、水着売り場に行ってみるか。クロエ、行くぞ」

 

私が顔を青ざめてるのを横にマッキーはクロエと一緒に水着売り場へ行ってしまった。

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

「さて、Ms.束。君にお願いがあるんだ」

 

え!?マッキーがいなくなったら近くのベンチに座り込んで頼み事して来たよ!もしかして結婚!?

 

「な、ななな何でずかなぁ?」

 

「そんなに慌てることじゃないさMs.束。君さえよければウチで働かないか?」

 

「え?」

 

「君の頭脳は物凄く優秀だ。俺以上である事は間違い」

 

一つの組織を壊滅させたハイスペックナルシストが言っても全然説得力を感じないんだけど。

 

「それに、君は誰かに褒められたいんじゃないかな?」

 

「い、いや・・・そんな事は・・・」

 

「君の経歴を調べたけど、周りは酷い事をするね。君にISコアを作らせたにも関わらず、その事実は揉み消されて勝手に作った事にされているし、脱走を雲隠れしたと言って誤魔化してる。おまけに何か起これば君のせいにして事なきを得ようとしている。それでも諦めずに夢に突き進んでいく君は素晴らしいよ。周りが何と言おうと自分を曲げずに夢を叶えようとする。そんな君を俺は応援したいんだ」

 

「で、でも・・・」

 

「給料なら今貰ってる3倍は出そう。どうだい?」

 

完全に私を買収する気だ。

 

「君みたいな人がこんな田舎でくすぶってはいけない。君の能力を世界に知らせるべきだと思うよ。そうすれば、君を馬鹿にすることは無くなるし、世界を君の思うがままにできる。そんな事をしたくないかい?」

 

「わ、私は・・・」

 

「君を馬鹿にした人、コケにした人を見返したくないのかい?君の家族だって喜んで戻って来るに決まってる。俺の会社に来ないか?」

 

「・・・家族?」

 

そうだ・・・私は家族と世界を元に戻すと決めたんだ。でも・・・

 

「そうさ。君が会社に入ってくれれば、手厚いサポートで君の家族と世界を戻す事なんてすぐにできるさ。だから・・・」

 

「・・・け、結構です!」

 

「どうしてだい?」

 

「そ、それは・・・そこ、そこまでの事をしなくても・・・も、問題ないからです」

 

「何を言ってるんだい?問題は思っていたより深刻なんだ。無人機を投入した謎の組織は一体のISに細工をして壊滅。それを探すためには君の力が必要なんだ」

 

言ってる事は正しいけど会社の利益の為に言ってるだけだ。それに私は家電量販店で正規店員として働いている。だけど・・・

 

「た、他人に頼りたくないんです!」

 

「どうしてだい?君一人で対処できる問題ではないんだぞ?」

 

「いや・・・他人に頼りたくないんじゃなくて・・・か、家族はじ、自分一人で解決したいんです。だから、もし、ひ、一人で駄目だったら、その・・・」

 

「そん時こそ、他人に頼るんだろ?」

 

え?今、マッキーの声がしたような・・・

 

「って、マッキー!?水着売り場ばにいたんじゃ・・・」

 

「おいおい。さっきまでいたのに、人を幽霊扱いするな。それに、水着売り場に行く前にちょっと試したいことがあってな」

 

「え?試したいこと?」

 

「そっ。お前の覚悟ってやつをだ」

 

じゃあ・・・さっきの誘いは?

 

「察しの良いあんたには分かってるはずだけど、さっきの誘いは嘘だ。あんたの覚悟ってのを知るためのな」

 

「な、何だぁ。ビックリしたぁ」

 

私はその誘いが嘘である事に安堵した。本当ならショックを受けるのが当たり前だけど、私は決めた事をちゃんとやらなければならないと思う。まあ、見知らぬ人が沢山いる所に行くのも嫌だけど。

 

「と言う訳だ。こいつの覚悟を聞いた所でクロエの本音を聞いてみるぞ」

 

・・・え?クーちゃんの本音?

 

「ほら、クロエ。束に言いたいことがあるだろ?」

 

マッキーの背後から、白のワンピース姿のクロエが現れた。あれ?さっきまでジーパンに白シャツ姿だったのにいつの間に着替えたんだ?

 

「博士」

 

「は、はい」

 

「ごめんなさい。博士の気持ちも知らずに身勝手な行いをしてしまい、誠に申し訳ございません」

 

「え?」

 

クーちゃんが深々と頭を下げて謝ってる!?

 

「クロエの奴とちょっとお話して、自分に非がある事を認めたんだ」

 

マッキー、それ絶対バイオレンスなお話だよね!?

 

「まあ、これで一件落着だし、改めて水着を買いに行くぞ」

 

「ま、マッキー!?」

 

マッキーに言われるがままに私は水着売り場に行かされることになった。そして・・・

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

レゾナンス 5階 カードゲーム売り場

 

「今、いっくんの声がしたような・・・」

 

「束。いつまでブースターパックと睨めっこしてるんだ?」

 

水着売り場から逃げる様にカードを睨めっこしている私でした。




次回、紅椿完成の予定です。

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