駄兎の日々   作:陸のトリントン

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みなさん、お久しぶりです。

今回は、千冬視点の話となります。

それにしても約2ヶ月ぶりの更新にショックを隠し切れません。

自業自得なのに・・・


47話 束は修学旅行を楽しむ その3

生徒健全推進委員会

 

度重なる不良生徒達の抗争により低下していく組織の求心力向上及び、巻紙礼子を中心に結成された組織『KOF(King of Freedom)』の壊滅を図るために作られた生徒会直属の部隊である。不良生徒の非行防止及び暴動鎮圧、KOFの壊滅が主な活動であり、織斑千冬を含めた10名の精鋭達で構成されている。

 

結成当初は生徒会長選抜のメンバーだったか、手柄の奪い合いが多発しており仲間同士の信頼は無いに等しかった。また、戦闘経験の無いメンバーが半数以上のため暴動鎮圧などの武力介入は稀であった。そのため、冬に起きたKOFによる生徒会室襲撃事件の際は、戦闘経験の浅さが原因で1時間で生徒会は拠点(生徒会室)を捨てざる得なかった。

 

拠点(生徒会室)を失い、生徒健全推進委員会は『存在するだけの組織』に成り下がった生徒会は生徒達に見放され、自然消滅寸前へと追いやられてしまった。しかし、生徒会の行動に賛同していた教師陣のバックアップと織斑千冬の単独での暴動鎮圧により、生徒会は徐々に組織としての勢力を取り戻していった。戦闘経験の浅さは織斑千冬の訓練と、生徒会長の戦術講義により克服され、卒業式前日に拠点(生徒会室)を奪還した。この時の抗争により、生徒会はいまだ健在であるという事をKOF及び他の生徒に見せしめる事となった。

 

その後、生徒会の徹底して管理と生徒健全推進委員会の組織力強化により、自然消滅は回避されたが戦況は膠着状態になっている。

 

ちなみに、中間試験、期末試験の期間中にKOFによる生徒会室の襲撃はあったが、どれも失敗に終わっている。

 

しかし、彼らに休息は無い。

 

花火の如く暴れ回る不良生徒達を鎮圧し、目が届かぬ所で処理を行わなければならない。それは、修学旅行の夜とて例外ではない。

 

 

 

「離せぇぇぇ!俺はまだ、何もやってないぞ!」

 

「就寝時間を過ぎての部屋の退出は違反だ。生徒会の処罰を受け、更生せよ」

 

 

 

今日もどこかで生徒の鎮圧に乗り出すのである。

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

PM9:00

 

旅館

 

エレベーターの前で仁王立ちをして獲物を今か今かと待ちわびている女が一人いる。

 

「就寝時間を過ぎても部屋から出て行く者はいなくなったか?」

 

名は織斑千冬。女武蔵の異名を持つ生徒健全推進委員会の委員長。常人を卓越した剣術で葬り去った不良生徒と犯罪者は数知れず。生徒会と教員達からも高く信頼され、多くの生徒達の模範であり憧れの存在。まさに武人という言葉が似合う生徒である。

 

だが、そんな彼女にも一つだけ弱点がある。

 

「さて、もう一度周辺の見回りでも・・・」

 

廊下の見回りを行おうとした時、彼女の背後から弱々しくスカートが引っ張られた。

 

「誰だ?この私に・・・」

 

振り返り、スカートを引っ張ている犯人を睨みつけた。

 

「まいごに・・・なって・・・ぐすっ・・・」

 

黒髪のおさげに、ピンクのパジャマ。テディベアを片手に涙ぐんでいる女の子がスカートを引っ張っていた。見た目は5、6歳と思われる少女は、武人の睨みに怯えてしまい泣きそうな状態であった。

 

「いや・・・その、ごめんね。迷子になったんだな?で、部屋の鍵とかはないの?」

 

「あるけど・・・なんてかいてるのか・・・わからない・・・」

 

少女は部屋の番号が書かれているカギを千冬に渡した。彼女は千冬に母性的なものを感じたのか、終始千冬の顔を見つめていた。だが、千冬は部屋の番号を見るやいやな、すぐに少女の手を握り鍵に書かれている部屋へ向かって行った。

 

「・・・・・・」

 

無言で少女を連れている千冬の姿は生徒の模範となる姿であるが、これが織斑千冬の弱点である。それは・・・

 

 

 

(おさげの女の子・・・可愛いな)

 

 

 

良くも悪くも度が過ぎる程の子供好きである。

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

「ママぁ!」

 

無事に部屋に辿り着いた時、おさげの女の子は一目散にドアを開けて母親の所へ駆けつけた。千冬は女の子が部屋に入るのを見届けた後・・・

 

「よしっ!」

 

静かに力強くガッツポーズをとった。

 

だが、千冬が至福の時間を過ごしている時、別の場所で事件は起きていた。




次回は束視点の話になります。
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