魔法少女リリカルなのはvivid 強さの先にあるもの   作:猿山

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どうも皆さん!最近暑くなってきましたね。まだまだですけど夏バテには気を付けてくださいね。


それではどうぞ!


Memory:12

 

 

 

 アインハルトさんは凄い人だ。私は何度も戦ったからよくわかる。歳は私より2つ上できっと私達がしてきた練習量を遥かに超えるくらい練習して来たんだと思う。強くて優しい、とても頼りになる先輩。それがアインハルトさんだ。だけど

 

「偽・覇王断空拳!!」

 

 アインハルトさんの大切な人でまだほんのちょっとの間しか過ごしていないけど、私達を優しく見守ってくれていたガイさん。そんな彼がアインハルトさんの技である『覇王断空拳』を使った。その姿はまさしくアインハルトさんと同じだった。その攻撃を喰らったアインハルトさんは地面へと倒れていた。私達は信じられなかった。ガイさんが使った技にか、はたまたアインハルトさんが倒れてしまったことにか。いや、両方にだろう。絶対にアインハルトさんが勝てるとは思っていなかった。だけど

 

『わかりました。私、インターミドルの挑戦を受けさせてもらいます』

 

 そう約束をしてくれた。インターミドルの舞台で戦いたいという私の我儘に答えてくれた。

 

「アインハルトさんッ!!」

 

 だから私は叫んだ。驚きや悲しみ、そして願いを込めて。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 暗い。あたり一面が真っ暗だった。どうして私は此処にいるのだろうか?……そうだ、思い出した。私はガイさんと戦っていた。そしてガイさんの攻撃、『覇王断空拳』を真似たものを受けてしまった。つまり、私は負けてしまったのだろう。そして意識が途絶えてしまったのだ。

 悔しい。手が届くと思っていた。私の拳ならきっと次元最強に届くと。だけど現実は違った。一度も当らない私の攻撃。そして私の隙をついてくる鋭い攻撃。攻防共にレベルが違った。私の世界は狭かったと自覚していたけど、それ以上に狭かったと思う。彼の言った通りだ。

 

『それでも現実は悲惨だ。どんなに頑張っても敵わないものがいる』

 

 本当に届かなかった。私の拳は彼にも届かなかった。悔しい。これまで一生懸命に努力してきた。何度も挫けそうになった。そのたびに思い出す彼女、『オリヴィエ』の顔を。決心した彼女の顔を少しも曇らせれなかった。そして今回もそうだ。彼に、私の(おもい)は少しも届かなかった。後悔しても遅い。もう過ぎたことだ。だけど

 

「(ごめんなさいヴィヴィオさん、そして皆さん。私は皆さんとは……)」

 

 そんな懺悔をしていたとき。ふと、声が聞こえた。

 

『アインハルトさんッ!!』

 

『絶対に諦めないでッ!』

 

『まだ、終わってませんから!』

 

 ヴィヴィオさん。リオさん。コロナさん。皆さんの声が、思いが心に響いた。

 まだ終わってない?まだ私の拳が届くかもしれない?だったら!

 

「(諦めたくない。あの時みたいに見届けるだけはもう嫌だ!!)」

 

 そして私の心に、再び炎が灯った瞬間だった。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 アインが立ち上がった。時間にして1分弱だろう。早かったと思うか、遅かったと思うかは人それぞれだ。だけど

 

 

――LIFE 120

 

 

 最早、風前の灯火だ。そんなアインに止めを刺すのは簡単だ。だけど

 

「アイン、降参しろ。今ならまだ間に合う」

 

 アインの体はもうボロボロだ。成るべくならこれ以上は傷つけたくない。だけどアインは首を左右振った。

 

「いいえ。私は諦めません。ガイさんの為にも。そして皆さんとの約束の為にも!」

 

 その目には確かに炎が灯っていた。しっかりと確かに強い炎が。

 

「そうか。だったら!」

 

 俺はアインに向かって拳を放った。しかし、俺の拳は届かなかった。何故なら

 

「(バインド!?しまった。これは)」

 

 アインの必殺技である『覇王断空拳』が来る。そう確信した俺はすぐさま抵抗した。しかし、バインドが一向に壊れなかった。そこで俺は理解した。

 俺の心が彼女に屈服したんだ。彼女なら大丈夫。きっと俺みたいにはならない。そう理解したからこそ俺はバインドが壊せなかったのだと。だったら

 

「覇王……」

 

 認めるしかないな。

 

「断空拳!!」

 

 この子なら俺みたいな過ちはしないと。

 

 それにしても。流石にバリアジャケットなしの攻撃は痛いな……。

 

 

――LIFE 0

 

 

――WIN アインハルト

 

 こうして俺とアインの試合は幕を閉じた。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

「う~ん……あれ?」

 

「お、目が覚めたか」

 

 あの後アインはぶっ倒れた。無理もない。限界を超えてまで戦ったんだから。俺は何時ぞやと同じように膝枕をしてあげていた。それから少ししてアインの目が覚めた。そしてアインは俺の顔をジーッと見つめて、そして

 

「▲#□/¥●~!!」

 

 真っ赤になりながら何語かわからない言葉を放った。少しは落ち着け。

 

「ガイさん。ど、どうして!?それに試合は?」

 

「試合はお前の勝ち。膝枕をしているのはお前がぶっ倒れたから」

 

「そ、そうなんですか……え?勝った。私がですか?」

 

 俺は頷いた。するとアインはプルプルッと震えた。そして

 

「やりましたガイさん!私、貴方に勝ちました!!」

 

 俺に抱き付いてきた。いや、個人的には嬉しいよ。けれど

 

「お熱いですねお二人さん」

 

 場所は選んでほしいかな。皆が居る場所で抱き付かれると。それとヴィヴィオちゃん。ニヤニヤしない。アインハルトはヴィヴィオの言葉を聞いて俺から離れた。さっきより顔を赤くして。

 

「兎に角!私は勝ちました。ですからガイさん」

 

「ああ、約束だ。アインの大会出場を認めるよ」

 

 その言葉にアイン。それからヴィヴィオちゃん達も喜んだ。大丈夫。きっとこの子達なら俺みたいには……

 

「そういえば気になったんだけど」

 

 ルーテシアちゃんの方を俺は向いた。

 

「ガイさんって同居人だけど。別に大会出場を認めるのはアインハルトのご両親じゃない?」

 

 その場を凍り付かせるのにそれ以上の言葉は要らなかった。

 俺とアインはお互いの顔を見た。そしてすぐさまアインのご両親に連絡を取った。

 

 

 結果的には了承は得た。二人とも口をそろえて「怪我しないように」といった。それから俺はこっぴどく叱られた。

 

 

 

END

 

 




今回で合宿編は終了です。次回はインターミドル前なので少し寄り道をする予定です。


それではみなさん。次回もリリカルマジカル頑張ります!
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