つないだ手   作:Gasshow

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注意
・この小説は、緋弾のアリアの設定を借りただけの小説です。肌に合わないと思ったら、プラウザバック推奨です。…………ほんと、ただの駄文なんで。
・原作キャラの口調とか違ってる可能性があります。許して下さい。
・この作品は原作の前だけでしか話が進みません!加えて、文章力皆無なので、たまに何を描写してるのか分かんない時があると思います。創造力が豊かな人向けです。ほんとすみません。
・これらが大丈夫な人はどうか読んでやって下さい。


出会い雨

道を歩いていると、野良犬や野良猫に遭遇することはよくある。特に夜はそうだ。ゴミ箱を漁っていたり、目の前で横切るのを見たりする。少し違ったものになるが、捨て猫や捨て犬なんかもよく見かける。仕事の帰り道で小動物が中にいるダンボールが目にとまることなど稀ではない。昔から世話焼きと言われてきた俺は、見かける度に家で飼ったり誰か貰ってくれる人を探したりしてしまうのだ。お陰で俺の住居はいつの間にか小さな動物園のようになっている。そんな俺はある日、犬や猫とはまた違ったものを拾った。いや、拾ったと言うのは間違いだ。保護したと言うべきだろう。何故ならばそれは小さな小さな女の子だったのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それにしてもひどい雨だな」

 

仕事場であるイギリス警察庁からの帰り道の途中に、雨宿りをしながら悪態をついていた。最近雨続きではあったが、まさかイギリス(ここ)で台風並の大雨に遭遇するとは予想外だ。お陰で天気予報とは案外あてにならないものだと再認識させられた。傘は持っているがこの雨だとあまり意味を成さない。今は道路の下に通っているトンネルの中で雨が大人しくなるのを待っている途中だ。トンネルの天井に付けられた明かりが断続的に点滅する様は、俺の気分をより一層に沈めた。

ふと腕に付けている時計を見た。短い針が九を少し越えた辺りを指している。明日が休日とはいえ、あと一時間後には家に着きたいものだ。内心溜め息をついた所でジャリっと地面に何かが擦る音を耳にした。大雨にもかかわらずそんな音を聞き取れたのはここがトンネルだからと言うのが大きいだろう。

何かいるのかと思い、特にやることも無いので音のした方に行くことにした。妙に響く自分の足音を聞きながらさして長くもないトンネルを歩いていくと、なにやら布を被った変な物体が見えた。俺の膝丈ほどの大きさで、上からボロボロになった黄土色の布を被っていた。目の前に移動して、しゃがんでしばらくそれを見つめていた。すると、ごそっとそれが動いたのだ。何かの生き物なのかと意を決してぺらっと(めく)ってみる。

 

まず目に留まったのは、土汚れや光量が少ないせいで酷く濁って見えた金色の長い髪だった。下には膝を抱えて丸くなっている小さな人の胴体がある。(うずくま)っているので顔は見えないが、どうみても子供の女の子だ。

 

(アジア人……いや、日本人か?)

 

まさか夜中のイギリスで自分と同じ日本人に会うとは思っていなかった。俺がそんな考えを巡らせていると、俺が布を(めく)ったことに気がついたのだろう。自分の体に(うず)めていた顔を(うえ)()げ、俺の顔を見た。そうすると必然的に見つめ合う形になる。

 

「……………………………………。」

 

「……………………………………。」

 

何をどうしたらいいのかよく分からないので俺もこの子も固まったままだ。

 

(…………それにしても)

 

全身傷だらけだ。体も泥沼に放り込まれた後のように汚れている。いや、その前にそもそもこの少女は服を着ていなかった。だからか少し見ただけでも彼女が痩せ細っているのが分かる。すると、そんな彼女が突然立ち上がって逃げるように外に向かって走り出した。だが俺から数メートル離れた所で……。

 

ズシャッっと盛大に前から突っ込むように転んでしまった。俺はゆっくりと腰を上げて、彼女の元へ向かう。俺が側に寄ると急いで起き上がろうとするが、力が入らないのかモゾモゾと芋虫のように動いてしかいなかった。俺は、もしやと思ってしゃがみ、彼女の足と手をとって見た。触れる寸前にビクッと一瞬動いたが、俺はお構い無しに続けた。

 

思った通りだった。全身酷いとは言ったが、それ以上に足が酷い。膝下なんかは泥や血の塊のせいでどれが皮膚か分からない。

 

「………………はぁ」

 

ほっとく訳にもいかないかと、俺はしゃがんだまま少女に背を向け言った。

 

「ほら乗れ。そんな足じゃ歩けないだろ。それにーー」

 

目線をトンネルの入り口に向けた。

 

「ちょうど雨も小降りになったところだしな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の住まいはごく普通のマンションだ。いや、普通より少しボロいかもしれない。というのも、初めての猫を引き取った時に当時住んでた住居がペットを飼うのを禁止していたのでわざわざこんな所に住むことになったのだ。だがそれでも不満に思った事などほとんどない。前より駅に近くなった分こちらの方が良いかもしれないと思ったほどだ。背中に少女を背負いながら扉の鍵を開けて中に入る。中は特に何の特徴もない普通の内装だ。よく言えば整っている、悪く言えば何もないと言うべきか。取り合えず自分の部屋に入って少女をベットに下ろした。顔を見たが会った時と何ら変わってない。何を考えてるか分からない顔だ。上着を脱いでネクタイを緩める。それをクローゼットに掛けて少女の方を向いた。

 

「少し待ってろ」

 

そう言って部屋を出て救急箱を取って再び部屋に戻った。少女は俺が出た時と何ら変わりない状態で大人しく座っていた。

 

「その布こっちに渡せ」

 

彼女が身に纏っているボロボロの布を取らなければ、傷の手当てが出来ない。しかし彼女はぎゅっと力を入れて布を渡そうとはしなかった。仕方ないと無理矢理それをひっぺがして布を取り上げた。使い古されたボロ布が彼女の手から離れる。簡単に引き剥がせることができて少し驚いてしまった。少女の裸体が晒される。明るい所で見たお陰でさっきより体の傷がよく見えた。手足は擦りむいたような細かい傷がほとんどだ。足の傷が酷いのは素足で歩いていたからだろう。他はそこまで目立つ傷はなかった。だが一つだけ気になる点があった。

 

(こいつは…………)

 

背中に大きくはないが、他とは異なった種類の傷があった。彼女の傷は打撲や擦りむいたものがほとんどなのだが、背中に三本並んだ皮膚を裂いたような、他より少し深い傷があるのだ。治ってきているので何によってついたものかは分からないが、一ヶ所だけそんな傷があったのだ。まぁ何かに引っ掛かってしまいできたのかもしれないし深く考えるのは止めておいた。

 

「さて、風呂場に行くぞ。お前は身体中汚れているからな」

 

手で抱えて行こうとして、再度俺はこの少女を見た。そしてその時、あることに気がついた。

 

「お前、何を持ってるんだ?」

 

少女は右手に青色に輝く、何かを持っていた。

 

「…………十字架か?」

 

俺がそう言うと、少女は両手を使いそれを胸の前でぎゅっと隠すように握った。

 

「別に取りゃしない。それよりほら、さっさと行くぞ」

 

恐らく余程大事な物なのだろう。俺から見れば、少し高価そうな小さな十字架としか見れないが。まぁとにかくと、風呂場に二人で行き体をぬるま湯のシャワーで流してやった。痛がっているが、傷の中の泥を落としてやらないと破傷風などの病になってしまうので仕方ない。風呂から出し消毒をして絆創膏(ばんそうこう)や包帯を巻いて治療した。

 

そして、落ち着いたところで俺は少女に向かい、こう言った。

 

「腹減ってないか?」

 

「……………………。」

 

俺がそう言ってやると、しばらくはボケッと黙ったままだったがーー

 

 

こくん

 

と一つ頷いた。

それを聞いて俺は台所に向かった。料理は昔からやっていたので特技の一つだ。何がいいのか分からなかったので、俺が小さい頃よく食べていたチャーハンを作ってやることにした。何の工夫もない普通のチャーハンだ。俺は出来立てを机の上に置いて、少女を座らせた。

 

「ほら、食えよ」

 

机の上のチャーハンをあまりにも凝視していたので、俺は早く食べるように言った。すると、少女はスプーンを握りしめ思いっきり器の中身を口一杯に詰め込んだ。予想通り、相当お腹が減っていたのだろう。

 

「…………喉、詰まらせんなよ」

 

その様子に苦笑しつつ、皿の横に水の入ったグラスを置いてやった。すると、少女は食事を中断しネズミの様に膨らませた頬のまま、こちらをじっと見てきた。

 

「…………どうした?」

 

しかし少女は何も話さないで、首をふるふると横に振ると、今度はゆっくりと食べ始めた。その様子に俺はふと微笑むと、少女から少し離れた位置にあったソファーに座ってその様子を眺める事にした。ゆっくりと、それでも確実に減っていく皿の中。目の前で一生懸命、食事をしているのは可愛らしい普通の少女だ。だが、そんな少女が何故傷だらけであんな所にいて、一枚の布を纏うだけの姿で座り込んでいたのか。何か事情があるのだろうが、それは彼女の口から直接聞くしかあるまい。そんな事を考えている時に、かたっと音がし、それで俺はハッと意識を戻した。少女が食事を終えて、スプーンを皿の上へと置いた音だ。俺は座ったままで、少女の方へと顔を向けた。

 

「もう、いいか?」

 

俺は、彼女がコクンと一つ頷いたのを確認すると食器を台所へと持っていき、食器を洗い始めた。シンクへと水が流れる音と共に、雨がマンションの窓へと当たる音が聞こえる。もう少し帰りが遅かったら大変だったなと思いながら、洗い終わった食器をひっくり返してシンクの横へと置いておいた。

 

「さて、もう眠い……だ…ろ。もう寝たのか」

 

後ろへと振り返ると、少女は机の上に突っ伏しながら目を閉じ、寝息をたてていた。あれだけボロボロだったのだ、疲れて眠ってしまっても無理はない。このままでは駄目だと俺は彼女をベットへと運ぶことにした。彼女を腕へと担ぎ上げ、自室に入り彼女をベットへと寝かした。包帯だらけの姿はミイラ男ならぬミイラ女だったが、気持ち良さそうに眠る彼女を見ていると、俺も眠気がやって来た。風呂も夕飯も食べてないが、この睡魔には抗えない。一つあくびをし、俺も寝るかと思った所で気がついた。ここにベットは一つしかない。少女がベットを使っているとは言え俺自身、床やソファーで寝るのは勘弁したい。

となると、俺も一緒にベットに入って寝ることとなる。まぁ俺は幼い女の子に欲情する変態的趣味は持ち合わせてはいないので、別に問題は無いのだが、何ぶん怪我人が横で寝ているのに、俺のせいでまた怪我をしてしまっては本末転倒だ。俺は床に薄い布を敷いてそこで眠りに入ることにした。部屋には雨と風の音が響き、隣では深い息づかいが聞こえる。俺は目を開けて、体を横へと傾け、深く寝入る少女の顔を覗き見た。俺はこの少女を、犬や猫の様に突発的判断で連れ帰ってしまったが、一体どういった事情でああなってしまったのか?これからどうするか、と少し考えた。だがほんの少しした所で止めた。真実を確定するにはあまりにも情報が少なすぎるからだ。

 

「…………明日、役所にでも行くか」

 

俺はポツリとそうこぼして、体を元へと戻す。目を閉じるとすぐに意識が離れていく。外から聞こえる雨と風の音を聞きながら、静かに俺は寝息をたてていた。しかしその時、俺は知るよしもなかった。この少女が常人とは事を逸した事情を持っていたことを。そして、俺の人生をひっくり返し、全てを変えていく、そんな出会いであったことも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「少しヒヤッとするが、我慢しろ」

 

俺はそう言って、ベットで横たわる少女の額の上に濡れたタオルを置いた。置いた瞬間に彼女はビクッと体を揺らした。思っていたよりも冷たかったのだろう。俺は氷水の入った桶を足の下へと置いて、俺の方をぼうっと見ている少女の顔に視線を合わせた。あまり、しっかりと思考が働いていないようだ。

 

「おそらく過度の疲労と、心身の痛みのせいで熱が出たんだろう。しっかりと休めばすぐによくなる」

 

彼女は何も反応をせず、焦点の合ってない目で俺を見ているだけだった。この少女がこうなったのは俺が朝、起きた時からだ。俺が目を覚まし、しばらくした後で彼女は起きた。しかし、起きても様子が変だったのでどうしたのかと体に触れてみればこの通りだったのだ。熱は出ているが、風邪の症状が無いことから、これが疲労から来ていることは間違いなかった。

 

「俺はこれから少し出掛けてくるから、大人しく寝てろよ」

 

そう言って俺は立ち上がって、部屋を出るために一歩、外へと歩き出そうとした。しかし、右足に何か引っ掛かったような違和感を感じた。違和感のある方へと目を持っていけば、そこには小さな手が俺のズボンの膝裏辺りを掴んでいた。

 

「どうした、何か用か?」

 

しかし、相変わらず彼女は首を横に振るだけで言葉は発さない。言葉にしないので、なぜ彼女が俺を止めたのか分からない。

 

「…………側にいた方がいいのか?」

 

当てずっぽうで適当に口にした言葉だったが、俺が思い付くのはこの程度が関の山だ。俺は質問に対する返答をしばらく待っていたのだが、彼女はふと仰向けになりながらこくりと一つ頷いた。なんと、当たりだったらしい。理由はどうか知らないが、もしかしたら精神的に不安なのかもしれない。

 

「…………分かった分かった。少しだけ待ってろ、準備しに戻るから。安心しろよ、すぐ戻ってくる」

 

それを聞いて安心したのか、少女はすっと手を離してゆっくりと瞼を閉じた。俺は静かに部屋の扉を開けて、粗方必要な物をまとめて持ってきた。持ってきたのは彼女に飲ませる為の水分や、暇を潰す為の本の(たぐ)いだ。俺はベットの横に椅子を置き、そこで本を開いた。天気は晴れやかな快晴で、昨日のような雨風の音は一切しない。だからか、ベットで寝ている少女の寝息がひどく大きく聞こえた。

 

「…………色々と聞くのは、元気になってからだな」

 

一つそう呟いて、俺は再び文字の海へと意識を潜らせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれからどれだけ時間がたったのか、少なくとも日が落ちて辺りが暗くなるほどの時間がたったのは間違いない。その間、ずっとこの少女の隣で座りながら本を読んでいた。別に本が嫌いなわけではない、むしろ好きな方なのだが俺としては少し時間を無駄にした気分だった。今日が休日と言うこともあるだろう。まだ隣の少女は寝たままだ。

 

「……さて、飯でも食うか」

 

本を読むのに夢中で昼飯をとるのを忘れていたのもあり、俺は激しい空腹を感じた。席から立ち上がり、キッチンへと向かう。だが今更、本格的な料理などする気にもなれず、今晩は簡易なインスタント食品ですますことにした。そのために俺が鍋でお湯を温めていると、後ろからギギッと木の(きし)んだ音が聞こえた。気配を感じ振り替えると、そこには寝ているはずの少女が扉を支えにかろうじて立っていた。

 

「………どうした?寝てないと駄目だろ」

 

俺は鍋を温めていた火を一旦止めて少女の元へと向かう。しゃがんで顔を見たが、表情に疲れはあるものの、随分と良くなっている。俺は彼女の額に手のひらを当てて熱を測った。

 

「…………熱はかなり引いたようだな」

 

まだ少し過剰な体温が残っているものの、おそらく明日には良くなっているだろう。

 

「治りかけが一番重要なんだ。今はしっかり寝ておけ」

 

俺がそう言うと、今度は俺の服袖を握ってきた。おそらく、勝手にどっかに行くなと言いたいのだろう。

 

「分かった分かった。すぐ行くから早く寝ろ」

 

俺は少女を抱きかかえ、そのまま寝室へと向かった。その最中(さなか)、ふと寝息が聞こえたので自分の腕の中を見てみると案の定、彼女はすやすやと眠っていた。

 

「……寝付き良すぎるだろ」

 

それが風邪のせいなのか、傷のせいなのか、もしくはそれ以外の何かなのかは分からないが、昨日会った人間にここまで甘えるのはどうしたことか、不安を感じているんだろう。俺はそのまま彼女をベッドに下ろし、自分もそのまま椅子で眠ることにした。そして、ふと少女が来てからのことを振り返った。ちょっとした偶然で、明らかに異常な状態で出会った少女のことを。彼女は何者なのか?なぜこんな状態でここにいたのか?

 

「………まぁ明日、仕事中にでも調べてみるか」

 

そう呟いて俺は瞳を閉じた。ただ、明日は仕事で朝が早い。少女と会話ができるのは俺が帰ってきてからだろう。名前だけでも聞いておいて良かったと今更になって思った。俺は彼女の名前を頭の中に思い浮かべる。

 

 

 

峰理子(みねりこ)』それが彼女の名乗った名前だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




やってしまった。ついにもう一作に手を出してしまった……(遠目)。まぁ、言っても仕方がありません。とにかく、この小説はプラドから逃げ出た峰理子がとある武偵の男と出会う話です。原作あんまり読んでないけど、この設定で大丈夫ですよね?(自信皆無)
今年は受験と言うこともあり、殆ど更新出来ないと思います。次の更新は何ヵ月後かな……。
今のところありませんが、完結が無理だと判断したら、この小説消すかもしれないのであしからず。
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