…なんでたっちゃんに党名が無いんやぁ…
話は鈴ちゃん転校と同時に始まります。
ブロロロロロロ……
車の音がやけにうるさい。…ISがあれば空を自由に飛べるのにな…。
――――IS――――
正式名称『インフィニット・ストラトス』
10年前、突如現れたそれは既存の兵器を上回る圧倒的強さ故に各国で軍事利用が危ぶまれた。…が、それは『アラスカ条約』とかいうもので阻止された。…まあこのISについては追々話すとして、この世界最強兵器の最大の欠陥が『女しか乗れない』ということである。
このことで世界は変わった。世界中の全467個の大半を保有する通称『IS発展国』では女性を軍や組織に入れようと国が『女性優先法』なるものを定めた。…察しのいい人なら分かるかも知れないが、これによりすぐに『IS発展国』には『女尊男卑』の風潮が広まった。制定した国は主に日本、イタリア、イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ、ロシア、中国、インド、ブラジル…等々。まあ普通の男性が今の世の中で暮らして行くには『女、うざい、IS、…はぁ』と言った感覚で今は大丈夫である。
こんなことをなぜ今俺が考えているのかと言うとだ…
「おい布仏。もうすぐIS学園だ、降りる準備をしろ。」
「分かりました。ありがとうございます、織斑先生。…これから3年間、よろしくお願いします。」
「あぁ。…全く、あいつはこれぐらいの挨拶すらもできんのか…」
「あいつ?…あぁ、織斑一夏ですか。…弟さんですか?」
「まあな。察しがいいな、流石は『布仏』、と言ったところか?(ん?…布仏?……まさか、な)」
「いやぁ、普通分かるでしょ。名字とか雰囲気とかで。あ、俺にも姉と妹が居るんですよ。しかもちょうどこのIS学園に通ってるんですよ。」
「っふ、ならその二人に恥ずかしいところは見せられんな、『男性操縦者』よ。」
…そのISを『世界で2番目に動かした男性』になっちゃったからです。
◆
「ねーねー、おりむー。二人目の男の子が見つかったらしーよー。」
「っな!!そ、それは本当か!のほほんさん!」
「う、うん〜、テレビで…やって…たよ〜。…個人情報は…分から…ない…けどー」
「マジか!!…ってなんで名前が分かんねえんだ!!なあ!のほほんさん!!」
俺、織斑一夏は興奮している。今だ。現在進行形でだ。何か分からんがISに触れ、動いちゃったから保護という名目で俺以外女子の学校に入れられ、正直キツかったのだ。
そこに男が入ってきてくれる…なんと有難いことだ!!これは是非とも友好的な関係を作らねばならん!!!!
「い、一夏さん?…本音さんが目を回してますわよ?」
「え?…あ、ご、ごめん!のほほんさん!」
何と言うことをしてしまったんだ俺は。セシリアに止められるまで気づかなかった。あまりに興奮しすぎたせいでのほほんさん…本名布仏本音さん!(ヨシ、オボエテタ。)の肩をガクガクと揺らしてしまった。否、揺らしすぎてしまった結果、気絶させかけてしまった。…今の御時世こんなことをしたら…
「ふぇ?別にいいよ〜、おりむ〜。男の子が入ってきてくれて嬉しかったんだよねぇ〜。」
こういうのほほんさんみたいな人以外はすぐ怒って警察沙汰だろう。
「あれ?そういや中国の代表候補生も転校してくるんだよな?…同じ時期なのか?」
「一夏!今お前は他人の事を気にしている場合では無いだろう!」
「そうですわ!一夏さん!クラス対抗戦に向けて私、セシリア・オルコットと放課後訓練を…」
あとこの2人、幼馴染みの箒とこの学園で友達になったセシリアもだ。…多分通報はされないと思いたい。
「まあクラス代表で専用機持ちは俺と後4組の子だけって聞いてるし…大丈夫だろ。」
ああ、大丈夫だ。俺には千冬姉と同じ、『雪片弐型』があるんだからな!絶対負けられない!
「――――その情報、古いよ。」
◆
「――――その情報、古いよ。」
強制入学ってことで織斑先生に連れられて1年1組の前に来たらちっこいのが居るんですが…なんだろ。弄ったらすっごい楽しそう。
「ええ、中国の代表候補生、凰鈴音よ。今日はクラス対抗戦の宣戦布告に来たのよ!一夏!!」
『――――』
「んな!…なんてこというのよあんたは!」
その外見に似合わないポーズを取りながら教室に居る誰かに叫んでいる。教室の前、しかもHR前にそんな事をした彼女が悪いのだろう。織斑先生が彼女の背後を寄り、出席簿による一撃を喰らわせる。…TPOはしっかりしないと…
◇
はぁ…ようやく行ったか、凰のやつめ。…はぁ。あいつもとんでもないやつの毒牙に掛かってしまったな。
「座れお前ら。…アイツと同じことをするぞ?」
私もやたら滅多に出席簿で人の頭を叩くなんてことはしない。口で言って聞くならそっちの方が楽だからだ。
…まあ実際こう言いながら出席簿を見せる事で生徒がすぐに席に着いてくれると本当に楽だ。
「それではHRを始める。普段なら山田先生がやってくれるのだが、今日は特別な転校生が居るからな。…入れ。」
◇
『――――入れ。』
その言葉だけ良く響いて聞こえた。俺がドアの前に立つと…開いた。自動ドアかよヤベェなIS学園。
「布仏、自己紹介をしろ。」
言われて俺は教卓の前に立つ。
「
「「「「「「「「…………………き」」」」」」」」
…き?
「「「「「「「「きゃあああああ!!!!」」」」」」」」
「男子!2人目!!お兄さん系!!」
「趣味ほぼ女子じゃん!!!」
「特別な男子2人目もこのクラスに!!ありがとう神様!!」
「身長高っ!!織斑君よりも高い!?」
「それより名前!カッコ良すぎでしょ!!」
…まあそうなるわな。……え?
「「……え?」」
思わず声に出てしまった。姉ちゃんと一緒にこの学園に居るから会えるとは思っていたが…ってか声被ったぞ…
「…本音?」
「…お兄ちゃん?」
我が妹よ。
◇
「いやぁ〜、まさか二人目がお兄ちゃんだったなんてねぇ〜。」
「良かった…本音が居てくれてほんとによかった…。簪は?」
「かんちゃんはねぇ〜、4組だよぉ〜。」
しばし兄妹の至福の時間。…しかし流石は本音。その雰囲気からなかなか人を寄せ付けない。
…まあクラスの子も分かってくれてるのか?
「そうか…また仲悪くなってないよな?」
「うん。それは大丈夫〜。お兄ちゃんがあの時仲直りさせてからはずっっと仲いいよ〜。」
「そっか、…じゃあ後で楯無と姉ちゃんにも会いに行くか。…本音はどうする?」
「ん〜…着いていく〜。久しぶりにお兄ちゃんと一緒にいたいし…」
少し寂しげな顔をする本音。…実は訳あって俺は『更識』『布仏』の両家から一年程姿を消した。そのこともあってだろうか…やたらと甘えてくるのだ。まあ可愛いから嫌ではないが。
「可愛いやつだな!このこの!」
わしわし、と強めに本音の頭を撫でるとてひひ、と本音の口から声が漏れる。あぁ^〜…本音が可愛い…このままいつまでも…
「なぁ、ちょっといいか?俺、織斑一夏!よろしくな!!!!」
コメント、アドバイス等々よろしくお願いします!