IS 本音の兄、虚の弟(リメイク版制作中)   作:チャリ丸

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サブタイ迷走中

神無以外のキャラクターは作者の印象を書こうと思います。


ベネルクス三国ですか?いいえ、ただのヨーロッパ3カ国です。

 

「…っクソが。2人の少女の人権無視…それも代表候補生のねぇ。1人は女として生きるのを禁じられ、1人は騙され違法ナノマシンの移植…か。終わってやがる、ヨーロッパ。」

 

思わず歯を強く噛み締めてしまう。数年前からヨーロッパの動きが怪しかったのは知っている。その時はドイツだけだったが、ここ最近はフランスやイタリア、イギリスにベルギーなど数えればきりが無い。

 

「…IS世界シェアトップ3の内2つがヨーロッパの企業、だが…絡んでるのは向こうだけじゃなさそうだな。」

 

世界中から集められた情報を整理する。神無という存在は場所が場所、そして条件が揃えばなら国のトップに近い発言権を持つ。それを使い俺は裏の情報を集めている。政府だけでなく、女性権利団体等の動きもそれなりには把握済みだ。

 

「日本、アメリカ、イタリア、イギリス、フランス、ドイツ、中国、ロシア、インド、ブラジル…発展国共か、日本も最近怪しいしな。…ちょいと被害者さんを利用させて貰いますか。」

 

 

IS発展国でない国はあまりISという存在を良く思っていない。自国に力が来ない、来たとしても莫大な金がかかるからである。ISというものは作るのもそうだが、維持費や武器の開発にも何億もかかる。技術が発展していない国は開発に失敗して金をドブに捨てるなんてこともザラにある。だからこそ『女性優先法』を制定していない。『必要の無いもの』として認知しているからである。

 

 

そんな一般人に聞かれてはマズいことをしているとまたまた扉がノックされる。

 

「どうぞー。」

 

整理した情報を保存し、キーボードとディスプレイを戻してから相手に中に入るように促す。

 

「…セシリアか、どうした?お前も見舞いに来てくれたのか?」

「…えぇ、それもありますが…」

 

俺の直ぐそばに来たセシリアがそう返す。

ん?なんだ?肯定しているがどこか歯切れの悪いような…そんな喋り方だ。

 

「……聞きたいことでもあるのか?」

「…はい。…布仏神無さん、あなたがここ、日本が誇る守り刀なのですね?」

 

…なぜ知っている、という疑問が一瞬浮かんだが直ぐ吹き飛んだ。

 

「そういやオルコット家の令嬢だったな。…汚い所も少しは知っているか?」

「はい。……私の、いえ、お母様とお父様の財産を影で守ってくださっていたのは神無さんなんでしょう?」

 

セシリアの両親は数年前に他界している。オルコット家というのは所謂貴族、相当な財産を持っていたため1人残ったセシリアに近づこうとする輩がかなり多かった。イギリスの対暗部用暗部組織との会談の時にその中継役を買って出てくれたのがオルコット夫妻だった。オルコット家の大人は対暗部用暗部組織との関わりを持っている。

夫のアドルフ・オルコット氏は凛とした男性だった。…家ではセシリアとのコミュニケーションが上手く行ってなかったそうだが、仕事となると頼もしい人だった。

妻のシンシア・オルコット氏も凛とした女性だった。何者にも流されず、しかし人の意見はちゃんと聞き入れる。その上で行動していた。

そんな2人にある時、俺と同じぐらいの娘が居ると聞かされ、『もしも』の時があれば裏で守って欲しい、と頼まれた。…無論、無償で受けた。仕事の報酬というのは何も金だけではない。俺は2人から異国での人の暖かさを貰った。

 

 

「…シンシアさんとアドルフさんはいい人達だったよ。…誰から聞いた?」

「お母様専属の執事からですわ。あと、お父様とお母様がしていた仕事のことも聞きました。」

「…どう思った。」

「たった一つ、誇らしい。それだけですわ。確かに聞いた時は驚きましたし、そんなことを2人がしていたのかとも思いました。しかし、深く、深く聞くにつれ、そのような考えは無くなりましたわ。お父様とお母様は立派に国とオルコット家、そして私を影で守っていてくださったのだと、そう思いました。」

「そうか、…ならよかった。今度イギリスに行ったときには会いに行かせてもらおう。久しぶりに話したいこともあるしな。」

「はい。是非、是非そうしてくださいまし。…お父様もお母様もきっと喜びますわ。…神無さん、仕事をしている時のお父様はどんな人でしたか?」

 

やはり気になるのだろう、親が仕事をしている姿というものは。それにアドルフさんとのコミュニケーションが上手く行ってなかったそうだから、亡くなってしまった今、しっかりと聞いておきたいのだろう。

 

「凛として、時にはジョークも言う、そして何より頼りになる人だったよ。表と裏の線引きもしっかりできていて、セシリアとシンシアさんの為に、曲げられない意思というものを感じた。」

「そう、ですの……。」

 

俺の言葉を聞いたセシリアは急に俯き、涙を流した。

 

「……ごめん、なさい…ごめんなさい…お父様…」

「…今は泣け。……大丈夫だ、今、お前が無事で、今を楽しんでいたらな。それが、アドルフさんとシンシアさんの願いだ。」

 

 

ダムが決壊したかのように、声を上げて、俺の胸に顔をうずめてセシリアは泣きだす。

俺はそっと、彼女が壊れないように抱きしめた。身体が痛むが、今そんなことを口にするのは野暮だろう。

 

 

 

 

 

 

「み、みっともない所をお見せしてしまいましたわ。お、お体は大丈夫ですか?」

 

顔を赤くしながらそう言うセシリア。それ程涙が出たということか。

 

「ああ、大丈夫だ。…泣きたい時は泣けばいい。…憑き物は取れたか?」

「はい!ありがとうございました、神無さん。…では、お気をつけて。」

「あぁ。…あ、くれぐれも俺が裏の人間だってことは皆には内緒でな。」

「分かってますわ。…もしかして本音さんも?」

「…そうだ。普段はあんなんだが怒らせるなよ?…キレるとマジで怖いから。」

「ふふっ、分かりましたわ。では。」

 

 

彼女は笑顔で医務室を出ていく。その足取りは羽のように軽かった。

 

 

 

 

「なあ、鈴、箒。俺ってさ…俺ってまだまだ弱いよな。」

 

セシリアと神無が話している時、先程の3人は屋上に集まっていた。

 

「…」

「…」

「敵一体倒しただけで気が抜けてさ、あとは神無と先生に頼りっきりだ。」

「…それでいいじゃない。」

「あぁ、別にお前がやらなくてはならない、なんてことはない。」

「分かってる。…それでも、俺は皆を守りたい。誰かに頼ることなく。神無は、自分があんなにボロボロになってても、誰かのことを真っ先に考えてたし、何より冷静だった。」

「…神無は特殊な環境で育ったからじゃないの?名前がどうとか言ってたし。」

「私が死にそうになった時も冷静だったし、ありえんことではない。」

 

自分を卑下する発言をする一夏を慰める鈴と箒。だが、一夏は止まらない。

 

「そうやって決めつけるのは勝手すぎるぜ。神無は訓練機でしかもあまりISに乗ってないのに鈴と箒を守った。…でも、俺は守れなかった。」

 

一夏は気づかない。…自分の中で『他人を守る』ということが一種のスポーツのようになっていることに。誰かを自分が守るか、相手が守るか。

 

「…何が言いたいわけ?一夏。」

「…俺は、もっと強くなりたい。だからさ2人とも、いや、ここにはいないけどセシリアも入れて3人さ、俺の特訓に付き合ってほしい。」

 

一夏は知らない。この3人はまだまだ弱いことを。強くなるなら教師や先輩にコーチを頼めばいい、ということを。

 

「しょ、しょうがないわね、ま、まあ?そこまで言われたら手伝ってあげなくもないけどね〜。」

「う、うむ!私も手伝わせてもらう!」

「あぁ、よろしく頼む。」

 

 

 

 

そして――

 

――――――

――――

 

「むぅ……いつアタックしかけたらいいかしら。というより私1人の女として見られてる?…どう考えても家族としか…はっ!?か、家族…そ、それってもう…けっ、結婚…」

 

 

 

 

神無が医務室で休んでいる間、木に隠れて遠くから医務室の中を窓越しに見ていた生徒会長もいたとか。

 

 

 

 

 

 

「よ、皆久しぶりだな。」

 

無人機襲来から一週間が経った。俺の怪我はほぼ完治した。俺の治療を担当した先生曰く「なんでこんなに治りが早いんだ」だと。昔からですから気にしないでください、とだけ言っておいた。「化け物か」とツッこまれた。心外である。

何故か楯無が関係者以外の面会を禁止したせいで身内しか見舞いに来てくれなかった。…さりげなく本音と楯無は毎日来てたが、簪や姉ちゃんも時々来てくれた。なぜ時々なのか、と楯無に聞いてみたところ、『2人ともシャイなのよ』と答えられた。…確かその日楯無が出た瞬間に悲鳴が聞こえたが気の所為だろう。

 

「あーー!布仏くん!大丈夫だったの!?」

「みんな心配してたんだよ?今日から戻れるの?」

「正体不明の敵と戦ってたんだよね?ヒーローみたい!」

「ほんとにありがとう!」

 

クラスメイトの皆が集まってくる。…ってかなんで敵のこと知ってんだ?……本音が苦笑いしてる。あいつめ…

 

「皆に怪我が無くてほんとによかった。でも悪いな。警備を任されていたのに侵入させちまって。」

「そんなの気にしなくていいって、みんな無事だったんだし、ね?」

 

そう相川さんが言うと周りの岸原さん、谷本さん、鏡さんが激しく頷く。

 

「今度はあんなみっともない動きはしないよ。今日テストあるし。」

「え?今日なんかのテストだっけ?」

「俺だけのテスト。まだ入試受けてないことになってるから今日のIS模擬戦闘で実力測るらしい。」

「へー、それってさ、ボコボコにされたら公開処刑ってやつ?」

 

相川さんや、言葉を選びなさい。相手が相手だと酷く傷つけてしまうぞ。

 

「ま、そうなるが…ならないように善戦するさ。」

「そっか、楽しみにしてるねー。」

 

四人は自分の席に戻っていった。…もう少しでHRか、などと考えていると

 

「か、神無くん!?」

「ん?…ティナ?」

 

2組にいるはずのティナが現れた。…もう少しで織斑先生来るぞ?

 

「だ、大丈夫なの?怪我したって聞いたけど?」

「あぁ、もうすっかり元気だ。…ティナにもだいぶ迷惑かけたみたいだな。すまん。」

「えっ!?い、いいよ。全然。私は大丈夫だったし。それより、もっと自分のこと大切にしなきゃダメだよ?…傷ついたら心配する人もいるんだし。」

 

楯無と似たような事を言うティナ。…ほんと、言われて改めて思うが、心配してくれる人がいるのは嬉しい反面申し訳ない。

 

「…分かった。そうするよ。…織斑先生来るぞ?」

「っ!?う、うん!ありがとね!じゃ!」

 

そう言葉を残してティナは2組へ駆けていった。…見つからなくてラッキーだったな。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ええっと、今日はですね、なんと転校生を紹介します!それもなんと2人です!」

 

山田先生の知らせでクラス中が騒ぐ中、神無は1人静かだった。

 

「(早速動いたか、フランスにドイツめ…止めようとはしたんだがな、如何せん時間が足りん。っくそ、どこまででも闇は深いってか。)」

「…お兄ちゃん、顔怖いよ?」

「……本音、これは『神無』としての任務だ。『楯無』からのな。」

 

神無は授業に戻る前、楯無から追加の仕事をもらっていた。

 

―どんな理由があろうとも、一度IS学園に入学した生徒を守り通せ―

 

フランスとドイツから来るであろう2人は大人によって人生を狂わされた少女。そんな彼女達に学生生活を楽しんでもらおうというものだ。

もっとも、彼女達が必要ない、と言えばそこで終わりだが。

 

 

ドアが開き、2人が入ってくる。…そして、クラスから音が消える。

 

 

なぜなら――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのうち1人が男だったからだ。




あ、あれ?セシリアフラグ立っちった?


更識楯無

女神。時々見せる乙女チックな部分が…良い。箒のようにデカ過ぎず、丁度いい。何から何まで完璧。それが更識楯無。
家柄上、精神的にキツいはずなのだが、周りにそれを見せようとはせず、明るく振舞う天使。結婚してください。
更に僅か16歳でロシア代表になり、IS学園生徒最強、つまりは生徒会長を務める。ミスコンテストもロシア代表でいいよ。可愛すぎる。
しかもなんでもできる完璧超人のようにみえて裁縫が苦手。女子力が低くなりそうだが逆に女子力を高めている。結婚しよう。
人をおちょくったり、煽るのが得意だが、決して言われて嫌なことは言わず、さらにピンチになったら助け、更に裸を見られても殴らないというまさに菩薩メンタル。結婚しましょう。
ザ・ヒロイン。アニメで見たときはびっくりした。急に出てきて『シャル一択』と思っていた作者の気持ちを一気に掻っ攫って行ったのが彼女。おそらくこれから書く作者のISの小説は必ず彼女がヒロインの1人になっているでしょう。だって一夏に取られたくないもの。
たっちゃんといちゃいちゃしたい。ピンクの空気を生成したい。いちゃいちゃしたい。結婚したい。大型ショッピングモールで朝10:00ぐらいから夜の8:00ぐらいまでデートしてそっから――――(ry
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