俺の入学試験が終わり、その後の一般生徒のISの機動が無事終了し、昼休み。本音に『たまには屋上で食べよ〜。』と言われたので楯無、簪、姉ちゃん、本音、俺と5人で屋上に行ったのだが…
「あら神無さん、神無さん達も屋上ですか?」
セシリア、鈴、箒、ティナ、シャルル、そして一夏の6人も屋上に居たようで…
「神無…なんなんだ…お前は…」
とまあ一夏が昼飯を食う前に聞いてきたのだ。…まあ怪しまれるか。いきなり世界最強に並ぶなんて普通はありえんからな。
「…なんだって言われてもな…」
ちらりと楯無の方を見る。楯無もその意図に気づいたようで…
「…まずいところは隠せば喋ってもいいんじゃない?」
ということなのでこの6人には俺がどういう人物なのか説明することとなった。
「…自分からは言いにくいんだがな…」
「はいはーい、じゃ、あたしから。」
こういう時、鈴のようなズバッと来てくれる子が居るのは助かる。…しかもこういう子はほんとにマズイことか本能で察知して聞いてこないという神回避も見せてくれるのだ。
「…神無、あんたは……一般人じゃない!」
「うん、そだよ。」
「軽!?」
「まあそうなるわよね。いいわ、私から説明してあげる。」
鈴の問いに肯定したところで楯無から説明が入る。
「神無はね、特殊なのよ。数年前に自身の名を封印、自らの全てを仕事のために回してきたの。幼少期から格闘や隠密の訓練を受け続け、『神無』を襲名した際、個人として、そして子どもとしての立場を捨て、大人の社会に入ったの。」
「な、なんですか…それ…。名前を封印…?」
「そうよ、織斑一夏くん。神無は常に戦いの中に身を置いてきたの。彼が『神無』を襲名したのは小学校を卒業して直ぐ。その時から仕事をし始めたから中学には行ってないし、2年前からは日本中を飛び回り、1年前からは世界中で動いてたの。」
「…神無に聞きたい。お前はどんな生活をしてたんだ?」
「どんなって言われてもなぁ…親父が病弱だったから『布仏』の血筋でその時2人しかいなかった男の1人の俺が『強くなれ』って言われてたし…3歳ぐらいの時にはもう武術やり始めてた。」
親父は病弱で激しい運動をするとすぐに倒れてしまうような人だ。さらに祖母は健在だが祖父は他界している。故に『神無』を継げるのが俺しかいなかった、という理由で修行をしていた。
「後は…小学校で習うことは小2で全部習い終わったし、剣道、空手、柔道、合気道、あとは人体急所の場所や…あー、数え切れねぇな。」
「そりゃそうでしょ。普通の生活じゃ考えられない生活よ?…織斑一夏くん、確かに織斑先生は強いわ。…でもね、目に映る事を全部あなたのものさしで測っちゃダメよ?自分の普通が他の誰かの異常ということはあるし、逆もまたあるの。」
自分が『これが普通だ』と思うことが他人には『普通ではない』なんていうのはよくあることだ。俺は家で修行を積み、幼少期を過ごしてきた。だから、当時の俺にとってはそれが普通だった。…だがもちろん、他の子は違った。放課後になれば友達と遊び、休日は親に外に連れていってもらえる。それが『普通』だった。
「ガキの頃から楯無達以外の子どもと一緒に居た記憶が無いし、修行も常に筋肉隆々の大人と一緒、それが俺の普通だった。」
「そ、そんなのっ!?」
「確かに子どものすることじゃないし、させることでもない。」
当たり前だ。一夏の反応は正しい。子どもという遊び、学ぶ時期に俺は遊ばず、学び、鍛え、戦ってきた。
「でもな、こんな環境に生まれたからこそ、出会えた人達もいる。」
「…それで、後悔したことは無いのか?」
「無い。断言できる。そのおかげで力も手に入れたし、使い方も知れたつもりだ。」
「…はぁ、そんな年齢にそぐわない考え方するから友だち出来ないのよ。」
痛いとこを突かないでくださいな、楯無さんや。
「え?お前友だちいないのか?」
「…同年代にはほとんど居ないな。居るとしても一回り上の人達だ。」
「じゃあ、俺が、俺たちなってやるよ!」
…なんだろうな。自分で決めて行動する。初めて一夏が俺に話しかけてきた時と似ているが…嫌な気分ではない。…IS学園に来て変わったか?
「ははっ、いいのか?また織斑先生と対等に戦って嫉妬とか…」
「しない。…俺自身も勝手に決めつけてた。鈴が神無は特殊な環境で育ったって言った時、俺は信じてなかった。」
「鈴すげぇな。」
「マジでそうだとは思わなかったわ。…なんか漫画やアニメに出てきそうなキャラよね、あんた。」
「ISが出てきた時点でここにいる奴らは全員そうだろ。…で、一夏は今の楯無の説明になっとくしてくれたのか?」
「…正直まだ神無がどんな奴か分からないって言うのはある。…でも俺や千冬姉と全く違う環境で育ったから、強いっていうのは分かった。」
よほど楯無の『自分のものさしで測るな』が身にしみたのだろう。…今の一夏は冷静だ。
「…だから…ごめん。俺神無のこと何も知らないのに…」
「…一夏は悪くない。何も知らない、というより誰にも知られてはいけないんだ。…例えそれが友でもな。」
「そういう世界もあるんだな…、ってことは神無は生身だと相当強いのか?」
「自分で言うのもなんだがな。まあ剣道ぐらいなら付き合うわ。」
「…私も手合わせ願いたいな。」
…箒も?…あぁ、なるほどね。
「篠ノ之流か。」
「ああ。…神無の実力とやらも知りたい。常に戦いに身を置いてきた者の実力を。」
「分かった。…そろそろ飯食うか。」
その後、俺たちは屋上に座り、昼飯を食べていた。11人という大所帯である。
「…悪くないでしょ?誰かに知ってもらうって。」
「そうだな。…楯無はそういう人居るのか?」
「居るわよ。少ないけど、家のことも話した子も居るし。…何もそこまで『更識』と『布仏』の立場を気にしすぎなくていいわ。あなたはここに任務で来たんじゃないもの。」
「そうだよ〜お兄ちゃん。」
「私も、弟には学生生活を楽しんでもらいたいですし。」
「…最近表情固かったし、…もっと気楽でいいと思う。」
「だから〜……
もっと年頃の男の子として生活なさい?」
「…おい。」
あろうことか皆がまだ弁当を食べているのにも関わらず楯無が腕に抱きついてきた。ほら、周りをご覧なさい?ぽかんとしてるよ?皆。
「ん?なぁに?」
「なぁに?じゃねえよ、離れろ。夜は許したが皆の前ではするな。」
俺はここでミスを犯した。…言い方が悪かったのである。
「…お嬢様。夜、とはどういう意味ですか?」
「お兄ちゃんもケダモノだってことだね〜…」
「違う…本音、ケダモノは神無じゃない…お姉ちゃん。」
とまあ身内まで知らないことを俺と楯無はしてしまったせいで…
「い、いやいやいや、違うの!まだそんなことはしてなくて、ただ寝るときに抱きしめさせてもらってるだけで!」
と楯無が更に墓穴を掘った故に…
「お、大人なんだな、神無は…」
「あーあ、ティナかわいそ。」
「ハ、ハレンチだぞ!神無!」
「そうですわ!まだお付き合いもしていないのにそんなこと…っ!」
「寝るときに抱きしめさせてもらってるって、楯無さんも積極的ですね。」
「むぅぅ……」
といった具合に周りが騒がしくなるのだった。…でも、
こういうのも、悪くない。
以上神無くんの真相(一部)と一夏の心変わりでした。
…この話の補完も後々しますので、これからもよろしくです。
ティナ・ハミルトン
デカイ、可愛い、純粋そう。
良いよね、どんな外見か分からない人は今すぐぐーぐるさんに。
ザ・パツキンでシャルとはどこか違う。けどいい。
もっともっと乙女にしたい。早くR-18書きたい。