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まゆき視点
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早いもので、七色ヶ丘に来て一ヶ月が経った。
『友達、出来たか?』
と、パパに訊かれた事がある。その時の私は、こう答えた。
「うん、バッチリ!」
私は嘘を吐いた・・・・・・。
パパとお母さんに心配かけたくなくて嘘を吐いたけど、恐らくパパは私の言った事が嘘なのだと理解している。そして、お母さんも・・・・・・。
結局、私は二人に心配しかかけていないのだ・・・・・・。
「はぁ~・・・・・・・・・」
七色ヶ丘に来てから、何度溜め息を吐いただろうか・・・。
友達?そんなの、未だに出来てないよ、一人も。
周りはプリキュア好き。そんな中で友達なんて出来るわけもないし、作りたいとも思わない。
あれ以来、本当に誰も私に話しかけてこなくなった。そうなる様、私が徹底しているからだ。
挨拶はしないし、休み時間なんかは常に一人で居るようにしている。
部活にも入らず、学校が終われば即帰宅。まぁ、たまにはコンビニに寄ったり、本屋さんで立ち読みしたりするけど。
後はこのまま何事もなく、出来ればプリキュアと関わりの無い生活を送れ──
「あっ!?やっぼっしっさーーん!」
そう・・・何事もなく・・・・・・。
「おーい!やっぼっしっさーーーん!!」
何事も・・・・・・
「夜星さん!おっはよーー!!」
何ご・・・・・・
「さぁ、ウルトラハッピー目指してきょ「ふんっ!!」ふぎゅ!?」
振り向き様に、星空さんの顔面にアイアンクローを決め込んでやる。
「ちょっ・・・や、夜星さ~ん。朝から女の子の顔にアイアンクローは駄目だって~」
ちっ・・・・・・『例外』が居るのを忘れてた・・・。
「もう~・・・!朝は元気よく『おはよー!!』って言わなきゃ駄目なんだよ!?」
私のアイアンクローから解放された星空さんが『はっぷっぷー!』と頬を膨らませている後ろから、
「みゆきさん。夜星さんはきっと、照れているだけなんですよ」
「・・・・・・・・・誰が照れてるって?」
「夜星さん、お早うございます」
おい、笑顔で無視すんな。
学校へ向かう途中で『例外』である星空さんと青木さんが声をかけてきた。
青木さんは何となく分かる。どうせ、クラス委員長としての義務感的な事で私に接してくるんだろう。そうでなきゃ、私に嫌悪感を抱かないはずが無い。
で。何よりも一番分からないのが星空 みゆき、彼女だ。
何を考えているのか全然分からない。
幾ら話しかけてきても、 その全てを無視した。
挨拶だって、返した事は一度も無い。
皆と同じように、私に嫌悪感を抱くはずだ。
なのに・・・。
星空さんだけは、そうならなかった・・・。
日野さん達に向けるのと変わらない表情を私に向け、『友達』にかけるのと変わらない言葉を私にもかけてくる・・・。
「みゆきさん、私は生徒会のお仕事がありますので先に行きますね」
「うん、またあとでねぇ~!」
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みゆき視点・放課後の教室
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キーンコーンカーンコーン
「夜星さーん、一緒にかえ──」
いつもの様に、夜星さんを下校に誘う。
断られてばかりで一緒に帰った事はまだ無いけど、今日こそは!
「・・・・・・・・・あ、あれぇ~?」
今日こそは!なんて思ってたのになぁ~・・・。
既に、教室に夜星さんの姿はなかった。
「夜星さんなら、チャイムと殆ど同時に帰ったで?」
あかねちゃんが教えてくれた。
「ふぇ~・・・・・・!?」
夜星さん、早いよぉ~・・・orz
「はっぷっぷー・・・・・・!」
う~・・・・・・・・・でもでも!今日が駄目でも明日!明日駄目なら明後日!明後日が駄目なら明明後日!明明後日が駄目なら──って、その次は学校お休みだぁ~・・・!
「・・・・・・なぁ、みゆき。何でそない諦めんの?一ヶ月経っても、何も変わらへんのやで?」
私達は今、商店街の文房具屋さんに来ている。なんでも、やよいちゃんが漫画を描くのに必要な画材が足らなくなったとかで、その補充の為に来ていた。
今日はあかねちゃんとなおちゃんは部活お休み。れいかちゃんも生徒会の集まりが無く、五人が揃っている。
やよいちゃんのお買い物が終わるまで私達はお店の中で別行動。
そんな中でただ見てまわるだけだったあかねちゃんは飽きたのか、私に訪ねてきた。
「何でって・・・・・・そんなの、友達になりたいからだよ」
前に、不思議図書館で話した想いは今でも変わっていない。
「・・・・・・でも、本当はね」
「本当は?」
「・・・自分でも、よく分かってないんだよね」
そう・・・。私自身、どうして自分が夜星さんにこだわるのか分かっていない。友達になりたいから、それもあるけどそれだけじゃない気がする。それが何かは『思い出せない』んだけど・・・。
(・・・思い出せない・・・・・・?)
あれ?私、何かを忘れてる・・・?
「自分でも分かってへんって・・・・・・何や、それ」
テヘッ☆
「ん~・・・何て言えば良いのかな・・・・・・。夜星さんとは、ただ友達になりたい、って訳じゃなくて・・・・・・。夜星さんが抱えている『悲しみ』を和らげてあげる事が出来たらなぁ、って・・・・・・」
「夜星さんが抱えているモンって・・・・・・プリキュアがオカン殺した言う話か?あれな、どう考えたって嘘や思うで?本当の事訊こうにも、夜星さん、だ~れにも心開いてへんから、真実を知るんは至難の技や思うんやけどなぁ」
やっぱり難しいよねぇ~・・・はぁ~・・・・・・。
「みゆきちゃん、あかねちゃん、お待たせ」
やよいちゃんがれいかちゃんとなおちゃんと一緒に戻ってくる。
「ん?なおも何か買ぉたんか?」
「うん、私は弟達に色鉛筆と画用紙をね」
やよいちゃんの用事も終わり、時計を見ると、暗くなるまでにはちょっと余裕があった。
私達は不思議図書館───
「・・・えっ?」
「な、何や・・・?」
「えっ?えっ・・・?」
「何・・・今の・・・?」
「・・・・・・」
「クル~・・・」
順に、私・あかねちゃん・やよいちゃん・なおちゃん・れいかちゃん・そして、私の鞄の中に隠れているキャンディ。
それは、文房具屋さんを出た直後の事だった。
不意に『何か』を感じる。『何か』というのは本当にそうとしか言い様が無く、具体的な事は分からない漠然としたものだったからだ。
「もしかして・・・皆も・・・・・・? 」
私の言葉に、あかねちゃん達が頷く。
「バッドエナジー・・・・・・とかやないみたいやな・・・・・・」
空を見上げれば、広がるのは普通の空。バッドエンド空間じゃないのは一目瞭然。
周りに居る人達からもバッドエナジーが出ている、なんて事は起きていない。
「気づいたのはウチらだけみたいやけど・・・・・・今のって、ヤバない・・・?」
「バッドエンド王国とは別の敵が出てきたって事・・・?」
あかねちゃんとなおちゃんの言葉に、私は鞄の中のキャンディを見る。
「キャンディ。今、私達が感じたのって何か分かる?」
キャンディはちょっと震えながらも、
「何かは分からないクル・・・・・・でも、バッドエナジーの気配よりも嫌なものなのは確かクルゥ~・・・・・・!」
私は何も言わず、皆を見る。
あかねちゃん達は私の視線を受けただけで、同じ考えだったのか頷いてくれた。
「・・・・・・よっしゃ、行こか」
私達が感じたのは一瞬だけで、キャンディはまだ感じているみたい。
私達はキャンディの感覚を頼りに、『何か』を目指して走った。
私達がたどり着いたのは、七色ヶ丘公園だった。
そこで私達は、思いもよらなかった衝撃的な光景を見る。
「ちょっ・・・・・・ど、どういう事や、あれっ!?!」
「夜星さんっ!?」
あかねちゃんとれいかちゃんが驚きの声をあげる。
私達の目が映す光景。
それは夜星さんが、黒ずくめの大人の人に首を締め上げられている光景だった。
「み、みゆき~・・・!」
「キャンディ?」
「あの黒いのから、とても嫌な力を感じるクルゥ~・・・!」
「っ!?」
夜星さんを助けなきゃ!!
「皆、いくよっ!!」
「「「「うんっ!!!!」」」」
私達はスマイルパクトを取り出し、叫んだ。
《レディ!》
「「「「「プリキュア!スマイルチャージ!」」」」」
《ゴー!》
《ゴー!ゴー!レッツゴー!》
スマイルパクトからパフが飛び出し、それを手に取り、私達は自分の体に当てていく。
それが終わると、そこに居るのは、
「キラキラ光る、未来の光。キュアハッピー!」
「太陽サンサン、熱血パワー。キュアサニー!」
「ピカピカピカリン、じゃんけんぽん。キュアピース!」
因みに、今回のピカリンじゃんけんはグー。
「勇気リンリン、直球勝負。キュアマーチ!」
「しんしんと降り積もる清き心。キュアビューティー!」
「「「「「五つの光が導く未来!輝け、スマイルプリキュア!!!!!」」」」」
私達は伝説の戦士、プリキュアへと姿を変えた。
「夜星さんを、放してーーーー!!!!」
まゆき嬢に一体何があったのか!?それは次回の後編にて。
報告を1つ。現在、UA 500突破(すでに600越えてるんですけど)記念に番外編を制作中。メインはまゆき嬢とやよいちゃんで考えています。
最後に。
一言でも良いので、感想が欲しいなぁ~・・・・・・なんて。