艦隊これくしょん 艦これ ~水面の愛と水底の命~   作:hatahata

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注意 これは艦隊これくしょん 艦これの二次創作となっております。
別に見てあげてもいい、という心の広い方たちはお紅茶でもすすりながらゆっくり見ていってね!


初陣 壱

初勝利から一夜明けた。

しかし、いつもの深海棲艦の襲来に怯える朝ではなかった。

朝のニュースは、いつもの深海棲艦の被害を伝える報道ではなく、昨日の勝利を伝えていた。

朝刊も一面全部を使い、勝利の記事が書かれていた。

 

「司令官さん、おはようございます。それ何ですか?」

 

「おっ、吹雪か。今朝届いた新聞だ。見るか?お前たちの事が書いてあるぞ。」

 

「えっ!本当ですか!?」

 

そうしていると、他の子達もぞろぞろと出始めた。

全員新聞に目が行っているようだ。

 

「ということで、全員集まった様だ。今日も仕事だ。今日の任務は船団護衛だ。」

 

「船団護衛。ですか。輸送船なんて生き残ってたんですか。」

 

「これが意外と生き残ってるんだな。今回の作戦は船に積んである物資が目的だ。はっきり言って日本全国の物資をかき集めても到底持たない。けど、船で運ぼうとしたらすぐにサヨナラバイバイ、だ。けど、今回はちゃんとした護衛もいる。」

 

「どこからの船ですか?」

 

「中国、東南アジアからの物資、主に石炭や石油だな、後は食料品とかだ。中国に停泊しているはずだからそのまま長崎の佐世保まで護衛して欲しい。内容はそんな感じだ。」

 

「編成の方はどうなるんですか?司令官さん?」

 

「編成か・・・。そうだ漣。砲の修理は終わったのかい?」

 

「それがその~あのですね。砲の修理自体は殆ど終わったのですけど、砲の照準の調整とかもしなくちゃあ、いけませんから、今回の出撃には多分間に合いませんね。はい。」

 

「ということで、今回は、漣を除いた他全員で出撃する。旗艦は神通でいいかな?」

 

「はい。わかりました。頑張りますね。」

 

「後の細かいことは後で伝える。一応皆解散していいよ。」

 

「「「「了解!!」」」」

 

そして、みんなは蜘蛛の子散らすようにあちこちへ消えていった。

 

 

 

「神通、そういやお前の武装ってどこにあるんだ?砲の様なものが見当たらないのだが・・・」

 

「あっ、主砲ですか?だったらここにありますよ」

 

と言って、腕の上にある小さな砲の様なものを指した。

形は14㎝砲そっくりそのままミニチュアサイズにしたようなものだった。

 

「これ!?マジで言ってるの!?もっとさ!こう!でっかいのじゃないの!?」

 

「そう言われましても・・・私の武装はこれなので・・・。それでしたら一回試し撃ちしてみましょうか?」

 

「えっ?あ、あぁ。よろしく頼む。」

 

二人は港に出て、神通は海に出た。

 

「目標はあの輸送艦でいいよ。」

 

「えっ?本当にあれでよろしいのですか?」

 

「いいよ、別に。どうせ直す資材もないから。沈めて漁礁にでもしてやれ。」

 

「だったら遠慮なくやっていいんですね!」

 

「お、おぉ。意外とやる気だな。」

 

「主砲撃つのはかなり久しぶりですからね!そりゃあもう!」

 

『何だろう・・・このいつもとの差は・・・まあいいか。』

 

「じゃあ行ってきますね!」と満面の笑みで輸送船に近づいて行った。

 

距離は約1,5キロ。

前世では華の二水戦の旗艦。

十分すぎる距離だ。

 

『輸送船なら榴弾で十分。一発でやれる。」

燃料タンクに狙いをつけた。

 

「撃ちます!」

 

とてもあの小さな砲から出るようなものではない爆音が響いた。

そして輸送船の薄い装甲を貫き、燃料タンクの残っていた燃料に誘爆し、真っ二つになって1分もかからずに沈んでいった。

海斗はただ唖然として見ていた。

顔面蒼白である。

 

「どうですか!見てましたか!」

 

「お、おう。す、すごいなぁ。あははははぁ~~。凄く頼りになるよぉ。」

 

『やっべぇ。マジで沈めやがった。敵潜水艦の攻撃って沈んだって報告すればいいか。』

 

「私たちは海上で真の力を発揮しますからね。」

 

紀伊がいつの間にか海斗の後ろに立っていた。

 

「紀伊、見てたのか。」

 

「ええ。けどいいんですか?あの輸送船は大事なものだったはずじゃ・・・?」

 

「気にしたら負けだ。いいね。」

 

「そ、そうですか。」

 

「そういや、『海上で真の力を発揮する』ってどういうことだ?」

 

「はい。私たちは深海棲艦から完全に負の念を取り除いた存在、要は曲がりなりにも私たちは深海棲艦です。なので彼女らの特性の一つである『陸上ではスペックが大幅に落ちる』逆に捉えれば、海上では本気になれる。ということです。だから、おもちゃに見える砲も、海上に出れば実物並みの威力が出るということです。ですが陸上でも生身の人間より数段強いので、あまり怒らせたりすると危ないですよ。」

 

「あ、ああ。そうなのか。」

 

「あのぉ。たしかあの輸送船って大切なものだったはずですけど大丈夫なんですか?」

 

「アア、ダイジョウブダヨ。ウン、ゼンゼンダイジョウブダカラ。キニシナクテモイイヨォ。」

 

「声が固いんですがそれは・・・。」

 

「輸送船は護衛し終わったらそのまま受領しちゃえばいいじゃないですか。」

 

「やっぱそうなるか。輸送船はいろんな国籍の船が混ざってるからなぁ。説得は上の人に任せようか。神通はみんなを呼んで出撃の準備して。3時間後には出撃するから。」

 

「わかりました。でもどうやって佐世保まで行くのですか?作戦は確か今日中に発動するはずですけど」

 

「まあ、気にするな。お前たちに、科学の進歩を見せてやる。」

 

「そ、そうですか。では呼んできますね。」

と言って、寮へと走って行った。

 

「でも本当にどうするんですか?今から佐世保なんて、海路だと一日じゃあ着きませんよ。」

 

「だから言っただろ、紀伊。科学の進歩を見せてやるって。」

 

ものの数分もすると、六人全員が揃った。

 

「艦隊!準備完了しました!」

いつもの神通とは違う、威勢のいい、張りのある声だった。

 

「おお、揃ったか。じゃあみんなついてきてくれ。今から厚木まで行く。」

 

「えっ?厚木、ですか。でもなんでいったい?」

 

「いいから、早く。こっちだ!」

 

そう言って海斗は先に歩いて行き、六人は早足でついて行った。

4~5分ぐらい歩いて基地の外れまで行くと、六人が見たことがない飛行機があった。

機体の塗装は所々剥げていて、赤錆が所々についていた。

 

「見たことがない機体ですね。オートジャイロに似ている気もしますが・・・?」

 

と神通は不思議に思って海斗に聞いた。

 

「ああ、これはヘリコプターっていって、オートジャイロとは少し別物だな。お古の機体だから乗り心地は少し悪いかもしれないけど、そこは我慢してね。整備とかは一応してもらったから厚木までは持ってくれると思いたいが。」

海斗が操縦席に乗り、エンジンを始動させる準備をした。

 

「各種計器異常なし、っと。さあ!頼む!ついてくれよぉ~!」

 

念を入れるようにAPUのスイッチを入れると、甲高い音とともに、ローターが回り始めた。

 

「よぅし!ついた!さあ、乗った乗った!」

 

神通から乗り始め、吹雪、白雪、叢雲、五月雨の順に乗り、最後に乗った電がドアを閉めた。

 

「全員乗りました。いつでも行けます。」

 

「わかった。じゃあ行くか!」

 

海斗はエンジンの出力を上げた。

エンジン音がどんどん大きくなっていく。

機体は段々浮き始め、一路厚木へと向かい始めた。

 

「すごい!動いたよ!動いた!」

 

「いやぁ、白雪ちゃん。動くから使うんじゃん。」

 

「でも新鮮な体験ですよねぇ!垂直に離陸しましたよ!」

 

「でもちょっと怖いです。何だか変な感じがするのです。」

 

「そう?私は結構楽しんでるわよ。景色も結構いいじゃない。」

 

 

 

2時間ほど飛行しただろうか、海斗が基地と連絡を取り始めていた。

後10分ほどで着くらしい。

 

『オンボロだと思っていたが意外と持つじゃないか。』

 

そう海斗は思っていた。

後ろの六人も、最初は初めて乗るヘリに少し戸惑っていたが、もうすっかり慣れていた。

もう基地は目と鼻の先だ。大丈夫。

海斗はこの前支給してもらった缶コーヒーを開けた。

一般人にはまず手に届かない高級品である。

 

『ヘリに乗りながらコーヒー飲むってどこのブルジョワだよ、俺は。」

 

顔には余裕の笑みすら見えた。

後ろの六人もいろいろ談笑している。

海斗は横目で地上を見た。

深海棲艦の空襲であたり一面の焼け野原になっている。

 

『もう焼け野原はたくさんだ。』

 

海斗が町から目線をそらした時に後部座席で声が上がった。

 

「何かがこっちに来ている。友軍?」

 

「どっちだ?」

 

「北東です」

 

すぐに双眼鏡を取り出して北東の空に向けた。

しかし太陽と重なって中々見えない。

 

「接近中です。」

 

「こっちからだと全然見えない!」

 

太陽が雲の影に隠れてやっとこちらに向かってくる小さな点を見つけた。

 

「クソ!何かに掴まれ!」

 

すると海斗は機体を一気に急降下させた

 

「ちょっと!あなた一体何してるの!?」

 

「敵機だ!」

 

窓の外を見るとすでに二機の深海棲艦の戦闘機が食らいついている

 

「真後ろです!」

 

「わかってる!」

 

 

海斗は急降下を止め、機体を持ち起こすとともに左へ急旋回した

強烈な遠心力がかかり、みんなが左側へ押しつぶされた。

 

「こちらジーク1!敵機に捕捉された!現在回避行動をとりながらそちらに向かっている!送れ!」

 

『こちら管制塔。敵機は何機だ。送れ。』

 

こちらの切羽詰まった状況とは真反対の事務的で淡々とした口調だった。

 

「二機!」

 

『了解した。こちらで迎撃準備を整える。基地まで誘導しろ。ご武運を。』

 

それだけで通信は切れてしまった。

 

「なにがご武運をだ!ふざけるな!」

 

そう愚痴を言いながら操縦桿を左右に振り続けた。

 

「武装はないんですか!?」

 

「全部取り外した!」

 

さらに機体を降下させた。

街は焼き払われているので建物にぶつかる心配はほとんどない。

しかし彼我の距離はどんどん縮まっていく。

 

「司令官さん!このままじゃ!」

 

「わかってるけどこれが限界だ!」

 

海斗が機体をわずかに右に旋回させて敵機を見ると敵機の下部がチカチカ光るのが見えた

 

「やばっ!」

 

海斗は右旋回したまま操縦桿を前に思いっきり倒した。

ガンゴンと敵機の弾が当たる音が機内に響く。

 

「撃たれてるのです!」

 

「そう言われても!」

 

 

 

 

 

海斗が無事機体から這い出てくると、少し海斗より年上ぐらいの男が近づいてきた。

 

「見事な着陸でしたな。私は横田基地司令の大宮二左だ。」

 

「ありがとうございます。これでも私、海自でも腕の立つ方だったんですよ。」

 

海斗は六人の所に行った。

みんなの顔には疲労の跡が見える。

「・・・大丈夫か」

「「「「「「・・・・・・」」」」」」

「・・・お~い。」

「また何かに乗るんですか。」

「まあな。今度はちゃんとした新品の、しかも最新鋭のやつだ!俺たちが乗ってきたのとわけが違う!」

「・・・本当ですね。」

「本当だって!信じて!お願い!」

「・・・わかりました。行きましょう。」

ちょうどその時に迎えの車が来た。

「何で土下座なんてしてるんですか?それよりも乗ってください。今から格納庫まで案内します。」

おでこに砂を付けた海斗を含めた七人が乗ると車は出た。

 

格納庫に着き、扉を開けるとそこには見たことのない巨大で新鋭的な形をした輸送機があった。

神通たちは初めて見る機体に、あのオンボロヘリ以上の興味を示していた。

「提督。この機は一体・・・?」

「ああ。これか。これは航空自衛隊。要は空軍が僅か三年前に試作したばかりの最新鋭音速輸送機XC-3だ!兵員収容人数100人!最高速度マッハ2!ここだけの話ちょっとした改造をすれば爆撃機になるらしい!」

「すごい!これで行くんですね!」

「ああそうだ!」

「これがあったらあの戦争にも勝てただろうに・・・。」

「いや。あの頃の日本の工業力じゃまず無理だからな。」

「司令官。何でこんなに機体がカクカクしてるの?」

「これはステルス性を確保するためだ。こんな風な機体の形状だとレーダー波は色んな方向に飛んで行って中々見つけにくくなる。それに表面にレーダー波を吸収する素材を使ってるからなおさら見つかりにくくなるってわけ。」

「そろそろ出発するので、搭乗してくださーい。」

パイロットがそう言うと輸送機のハッチが動く音がした。

七人は初めて乗る最新鋭機にまるで遊園地で乗り物を待っているときのようなドキドキ感を感じながら乗った。

中は外見のきつさとは裏腹に広く、横にずらりと座席が並んでいた。

しかし流石に旅客機ではないので座席の座り心地は良いとは言えなかったがヘリの時よりかはましに思えた。

シートベルトは超音速時の時の考慮の為か戦闘機のハーネスのような抱え込み式の物だ。

 

「Attension,please.間もなく当機は出発いたします。機長は勝俣亮介一空曹、副操縦士は居りませんが大丈夫でございます。ハッチに近寄らずに座席に座ってシートベルトを付けてください。ただいまの長崎空港付近の天気は晴れ。航行ルート上にも天候上の問題はありません。長崎空港へは40分ほどで到着する予定です。それでは快適な空の旅を。」

 

アナウンスが入るとハッチが閉まり、機が動き始めた。

 

「おお!動いた動いた!」

 

「そりゃあ飛行機なんだから動くわ。」

 

「だって飛行機なんて乗るの初めてなんですよ!司令官さん!」

 

「さっきまでヘリに乗ってたじゃないか。あれも一応飛行機なんだぞ。」」

 

みんなも口々にそうだそうだと言い張る。

どうやら完璧にヘリ恐怖症になってしまったようだ。

そういってる間に機が滑走路に出て離陸の準備を始めていた。

 

「これより離陸します。」

 

エンジン音が急に大きくなり、機は急に速度を増した。

しばらくすると機が離陸し、フワッとした感触が七人を襲った。

そして、ギアを収納し、フラップを元に戻した機体はグングンと上昇していた。

 

軍用機なのと超音速機という理由から機体に窓はなく、ほとんどはそのまま寝てしまった。

しかし海斗と吹雪は起きていた。

 

「司令官さん。」

 

「何だ?吹雪。」

 

「今まで気になってたんですけど、何で司令官さんは海軍に入ったのですか?今の軍隊は徴兵制じゃなくて志願制だって聞いたので。わざわざ辛い軍隊に何で入ってきたのかなって、思ったんで。」

 

「俺か?そうだなぁ・・・。一番の理由としては本当にろくでもない理由だけど、軍事物、特に海軍、その中でも帝国海軍に興味があったからだ。」

 

「そうだったのですか。」

 

「そうだ。俺が子供の頃は第二次世界大戦、特に大東亜戦争の知識だったら誰にも負けない自信があったな。まあ、親友の中にもそういうやつがいたが・・・。そいつは今陸自にいるはずだ。あ、陸自は陸軍だ。生き残ってるかは知らないが。」

 

「それで?」

 

「高校を出た後は航空学校、昔で言うところの予科練に入って、卒業した後は海上自衛隊で艦載機のパイロットをしたんだ。そして深海棲艦との戦闘で乗ってた機体も落とされた。あきづきには同期も何人か乗ってた。学校の友達も何人も戦死したよ。」

 

「そんな過去があったんですか...。そうだ、ご家族はどうされているんですか?」

 

その質問を聞いたとき、海斗の口が一瞬引きつったようにみえ、指も震えていた。

 

「家族・・・か。」

 

そのまま海斗は黙ってしまった。

 

「どうかされましたか?」

 

「...何でもない...」

 

「司令官さん、ご家族は?」

 

「何でもないって言ってるだろ!」

 

叫び声が機内にこだました。

吹雪はその声にびっくりし、他の艦娘たちも驚いて起きてしまった。

パイロットはその時福岡県上空を通過中とのんきな声でアナウンスしていた。

 

「...ごめん、忘れてくれ。」

 

高度を下げ、減速を始めている。

 

「Attention、please.当機はこれより長崎空港へと着陸いたします。着陸後はお忘れ

物の無いよう注意してから降りてください。」

 




今回も無事(?)投稿できました!
今回から艦これ要素が少しずつ出てきましたがまだまだですね。
ちなみに今回出てきたヘリはSH-60Jというヘリがモデルです。
C-3の方はB-2+超音速っていう夢のような輸送機ですね。
燃費?いえ、知らない子ですね(鼻ホジ)
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