艦隊これくしょん 艦これ ~水面の愛と水底の命~   作:hatahata

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注意 これは艦隊これくしょん 艦これの二次創作となっております。
別に見てあげてもいい、という心の広い方たちはお紅茶でもすすりながらゆっくり見ていってね!


しかし提督はこう言いました「一部例外がある。」と

波乱万丈の重巡の部が終わり、空母の部が始まろうとしていた。

会場は重巡寮の真反対の所にあるが歩いて10分ほどでつけるところにあるのでそこまで遠くはない。

海斗と紀伊が空母寮に着くと既に会場は観客であふれかえっていた。

今回の酒飲み大会のハイライトと言われている空母の部という事だけあって熱気は軽巡の部や重巡の部以上だった。

これも艦娘の不思議なところであって酒は戦艦系が強いというイメージがあるが空母系の艦娘はどの艦種以上に酒に対する強さがずば抜けているのだ。

現に酒保でのアルコール類の売り上げの実に6割ほどを空母勢が占めている。

 

「さ~ぁ!はじまるでぇ!酒飲み大会空母の部!司会は龍驤が務めるでぇ!よろしゅうな!」

 

「解説は鳳翔がやらせていただきます。どうかよろしくお願いします。」

 

「まずは選手紹介といこか!こっちの選抜方法は量で決め取るから他の部よりも出場者は多くなってると思うで!ほんならいくで!エントリーナンバー一番!我が鎮守府のエース空母!一航戦代表加賀!」

 

「加賀です。伝統と栄光の一航戦の誇りに誓って絶対優勝するわ。鎧袖一触よ。」

 

「加賀さんは空母の中でも結構お食べになるほうですけどお酒も強かったなんて、初めて知りました。頑張ってくださいね。」

 

「エントリーナンバー二番!酒を飲む姿はまさに龍の如し!二航戦代表飛龍!」

 

「飛龍です!二航戦も一航戦に負けないところを見せたいと思います!頑張ります!」

 

「ここで飛龍さんですか。我々空母の中で横鎮の三翼鳥といわれている方の一人です。正規空母の中では追随を許さないほどの大酒飲みで、優勝最有力候補の一人です。」

 

「エントリーナンバー三番!好きなものは七面鳥より酒!五航戦代表瑞鶴!」

 

「今日こそは一航戦の奴らに一泡吹かせてやるわ!頑張るね!」

 

「瑞鶴さんもかなりの強豪、強さは二航戦の飛龍さんにも匹敵するとも言われています。」

 

「次からは軽空母の選手を紹介するで!エントリーナンバー四番!清楚でおしとやかな模範美女!どのような戦いを見せるのか!?祥鳳型一番艦祥鳳!」

 

「どうも、祥鳳です!かなり強い方がそろっていますが、頑張ります!」

 

「祥鳳さんは見た目とは裏腹にうわばみだそうです。瑞鳳さんによるとどんなに酒を飲んでも二日酔いをしている姿を見たことをないそうです。」

 

「エントリーナンバー五番!鎮守府最強の大酒豪!こいつに勝てる艦娘がいるのでしょうか!?隼鷹型一番艦隼鷹!」

 

「いやぁ~来たねぇ!この日が!もうワクワクして寝れなかったよぉ!今日は楽しんでいきたいね!」

 

「隼鷹さんは...説明不要ですね。鎮守府での数々のお酒に関する記録、伝説の多くは隼鷹さんのものです。そして横鎮の三翼鳥の頂点に君臨する、まさに酒の女王です。空母の部で一番優勝に近い選手です。」

 

「エントリーナンバー六番!水上機母艦やからって舐めたらアカン!千歳型一番艦千歳!」

 

「千歳です。この鎮守府では数少ない水上機母艦ですが、頑張ります!」

 

「千歳さんは隼鷹さんと肩を並べるほどお酒に強い方で、お給料の半分はお酒で消えていくと言われています。横鎮の三翼鳥のトップ2でもあり、隼鷹さんとの勝負が見どころになりますね。」

 

「以上の六人が今回の出場者や!空母の部では日本酒(一升瓶)で勝負や!一本終わったら挙手で教えてな!選手のほうからの要望で制限時間は無限、そんだけ余裕があるってことかね。じゃあ始めるで!」

 

鳳翔と龍驤が旗を懐から取り出し、膝まづいた後に旗を大きく振り上げた。

発艦始メの合図である。

それと同時に一升瓶の蓋が抜かれ、一斉に飲み始めた。

祥鳳、加賀、瑞鶴は律儀にコップに注いでから飲んでいたが、飛龍、隼鷹、千歳の三人は豪快にラッパ飲みしている。

楽しんでいくといっていた割には本気の顔になっている。

普通の人間(艦娘でもそうだが)では日本酒を一本飲むのにはどんなに早くても一晩はかかるはずだが...

「ぷはぁ!いやぁ、美味しいねぇ~!お替わり!」

「隼鷹早い!始まって五分でもう一本終わってしまった!流石は横鎮の三翼鳥のトップ!圧倒的や!」

 

隼鷹に続き、千歳、飛龍と三翼鳥組が一本目を飲み切ったところでまだ他の三人はまだ一本目の半分ほどしか飲んでいなかった。

流石に一升瓶一本は多すぎたか。と思っていたが加賀がぼそりとつぶやいた。

「・・・おつまみが欲しいですね。」

 

 その声を隼鷹は聞き逃していなかった。

 

「あ~。確かに酒だけだと飽きるし、飲みにくい・・・。おお!いいこと考えた!」

 

そう言うと席から立ち上がり龍驤に耳打ちした。

最初は驚いた顔をして、一人では決めきれなかったので鳳翔にも聞いた。

鳳翔は「別にいいのではないでしょうか?」といったので渋々龍驤は隼鷹の意見を了承することにした。

 

「よし、交渉成功!いつものヤツ頼むぞ!加賀さんはいつもの弁当屋!千歳は例の居酒屋!あたしはピザ頼むから!」

 

そして三人はケータイを取り出し、慣れた手つきで番号を打ち込みだし、加賀は弁当屋に、千歳は居酒屋に、隼鷹は宅配ピザ屋にそれぞれ頼んだ。

馴れ馴れしい口調からしてかなりの常連らしい。

千歳は店員をけいちゃんとニックネームで呼んですらいた。

30分ほど待つと品物が会場に次々と到着した。

その間に隼鷹、千歳は四本目突入、飛龍、瑞鶴が三本目、加賀、祥鳳が二本目とそれを追いかける形となっている。

 

「おぉ~!来たねぇ来たねぇ!ちゃっちゃと分けちゃおうか。ピザは三枚頼んであるから二人で一枚ね。えーっと、オードブルと宴会セットは~・・・」

 

「加賀さんと相談して一人一人前あればいいって相談して両方六人前頼んでおいてあるよ。」

 

「サンキュー千歳!こっちも一人一枚頼んどけばよかったなぁ~。まぁ~いいか。じゃあ分けるよ~。」

 

隼鷹がビニール袋に入った宴会セット達を手に取り、各員に配る。

そして蓋を開けると揚げ物の香ばしい匂いが漂い中には鶏の空揚げやエビフライ、アメリカンドッグなどが入っており、千歳が買った宴会セットには鶏の軟骨、枝豆、エイヒレなどの酒のつまみには最適な料理が大量に入っていた。

 

「ふふ~ん。こうやって見てみるとあたしたちがやったことは無駄じゃなかったってことってしみじみ思うなぁ。半年前にこんなことしてたら三か月分の給料は吹っ飛んでたところだったからなぁ~。今でも少し高いけど。」

 

「確かに日本海の開放には少し手間取りましたけどそれなりのものは私たちの恩恵になりましたね。何よりもごはんのお替わりも前は2回までというひどさでしたが解放後にはお替わり制限が撤廃されたのが一番の報酬ですが。」

 

海斗はまず最初に日本海の開放から着手し始めたのだ。

理由としては公には大陸とのパイプを確保し、戦争続行の為の資源の確保をするという理由であった。

確かにそのころの日本には日本近海の開放が可能な程度の資材はあったのだがその後の多方面への出撃となると全然足りない。

資源の確保が急務であったのだ。

 

「おかげで加賀さんいつもおなか空かせてましたもんね~。」

 

と、ここで観客であり、加賀のパートナーであり、心から信頼している赤城が横やりを入れてきた。

加賀の宴会セットに目を輝かせながら。

 

「そういう赤城さんだって『もう駄目~。餓死する~。』って散々言ってたじゃないですか。それにそんな目してもあげませんよ。これは私のものです。」

 

「べ、別に欲しいわけじゃないですし。そして頑張ってくださいね。一航戦の誇りにかけて頑張ってください。」

 

そう言うと赤城は何故か頬を膨らませて立ち去っていってしまった

しかしその手には彼女が最近買ったと言っていたスマホが握られていた。

 

 

おつまみが来てから選手たちのペースは一気に上昇していた。

遅れをとっていた加賀と祥鳳は他の四人に追いつき始め、横鎮の三翼鳥組はさらにペースを上げそれを引き離すという展開になっていった。

 

「ふぅ~。流石は横鎮の三翼鳥。レベルが違うわね。けど私だって負けられない!」

 

祥鳳は四本目の最後の一杯を飲み干して五本目を瑞鳳からもらった。

もう勝ちを取りに行ってるのか、コップに注がずに三翼鳥組みたいに直にラッパ飲みし始めた。

一杯ずつ飲むのに比べてスピードは遙かに速いが体のほてりが尋常じゃない。

焼けつくような暑さが体の内からにじみ出てくる。

 

「くぁ~!熱い!」

祥鳳のほてりは限界点に達したのかおもむろに来ていた着物をはだけさせた。

上半身は身に着けているサラシ一丁になり、その格好でまたもやラッパ飲みを始めた。

 

「ちょ!祥鳳はん!それはアカンで!一応提督も見ているんやから!」

 

「うるさいまな板空母!別にこの格好してもいいだろ!それに出撃中もこんな感じだし!」

 

「まな板空母とはねぇ~。言いはりやったなぁ。祥鳳は~ん。人のコンプレックス悪く言うやつにはお仕置きが必要やなぁ~。」

 

そう言うと龍驤は懐から巻物のようなものを取り出し、広げた。

そこには飛行甲板と何やら難しい漢字が書かれている。

次に取り出したのは人形、とは形が少し違う紙を取り出した。

 

「やめてください!龍驤さん!いくら胸が薄いといわれても味方を傷つけちゃいけません!」

 

「ちょっ!鳳翔はんまで!ちゃうんや!あいつはうちの敵や!その腕を放すんや!うちにはあの性根を叩きなおす使命が!いや!義務があるんやぁ!」

 

鳳翔が龍驤を羽交い絞めにしておろおろしていると視線の中に海斗が入ってきた。

 

「提督!どうしましょう!」

 

こういう事態は祥鳳の発言から予想はしていた。

ならば命令はこれしかない。

 

「龍驤には悪いが少し黙っててもらおう。龍驤への攻撃を許可する。例の一発をお見舞いしてやれ。」

 

「そんな!提督!撤回や!そんな命令撤回やぁぁぁぁぁ!!?」

 

羽交い絞めしていた右手が龍驤の首筋に当てられる。

 

「すいません龍驤さん!これも大会の風紀の為です。一気に行きますよ!」

 

「嘘やろ!鳳翔はん!その技は止めてグボァ!?」

 

鳳翔の即死級の一撃が龍驤の首筋に振り落とされた。

 

「うわぁ~。龍殺しが決まったかぁ。ありゃ生きてるかもわからないな...。さて、部屋にでも運ぶか。みんなはそのままやっててもいいよ。」

 

先ほどの龍殺しと言われた技は鳳翔の必殺技である。

この技を受けたものは戦艦だろうと失神するという威力を持っているらしい。

主に鎮守府内の暴徒鎮圧や危険な酔っ払いの制圧などで発揮される。

 

「祥鳳さんもまた悪口言ったら一発も見舞いしますからね。」

 

「は、はいぃぃ!」

 

 

空母の部が始まってから二時間が経過しようとしていた。

彼女らの飲むペースは最初ほどの勢いはなくなったもののまだ余裕の表情を見せている。

そして裏ではある事態が起こっていた。

空母に出す日本酒が置いてある空母寮の台所で瑞鳳と翔鶴は驚きと焦りに悩まされていた。

 

「何ですって!もう出す分のお酒がなくなっちゃったのですか!?」

 

「本当よ!もう三本しかないのよ!空母の部の分の日本酒がもうないのよ!どうしよう!まだ誰もギブアップしてないんだよ!絶対足りないよ!」

 

「こうなったら軽巡の部と重巡の部で余ったビールを出すしかありませんね。後あるのは戦艦の皆さんの分ですから...。一応提督に聞いておきますね。」

翔鶴はスカートのポッケからケータイを取り出し、提督に電話を掛けた。

 

「もしもし、翔鶴どうしたんだ?何か問題でも起きたのか?」

 

「はい...。実は空母の部で出す分の日本酒が終わってしまいまして、軽巡の部と重巡の部で余ったビールを代わりに出してもいいかと聞きたかったのですが。よろしいでしょうか?」

 

「えっ!?足りなかったの!けど残りは戦艦の分だしな~。別にいいよ、空母の選手にはそう説明してやればいいよ。ビールは後何本残ってるんだ?」

 

「ええっと...。合わせて36本ですね。」

 

「という事は一人六本か。奴等には少々少ないような気はするが仕方ない、そいつらを投入だ!」

 

「わかりました。そう伝えておきます。」

そういい、電話を切った。

 

「いいって?」

 

「大丈夫です。瑞鳳さん。残りの日本酒を持って行ったら残ったビールを取りに行きましょうか。」

 

「了解です!」

 

 

「うひぃ~!飲んだ飲んだ~!でもまだたらねェ!じゃんじゃんもってこ~い!」

 

「結構酔ってますね隼鷹さ~ん。けどまだまだいけるでしょう、千歳もあと二本は余裕でしょ!」

 

「飛龍さ~ん。そういう貴方こそ大丈夫~。目の焦点があってないわよ~。一体何本飲んだの~。」

 

「わからな~い!」

 

「私も~!」

 

「「「ギャハハハハハ!!」」」

 

「あの方たちはおもしろほうにやってまふね」

 

「加賀、ろれつが回ってないわよ、大丈夫?」

 

「だいひょうふでふ・・・はいしゅういっひょくよ・・・ヒック!」

 

「加賀さん、大丈夫じゃないですよ、無理はしないでください。」

 

「わかってまひゅけど・・・ご、ごこうへんには、まけたくにゃい・・・」

 

「いや、あんた何本飲んだか覚えてるの?」

 

「お、おぼえてにゃい・・・」

 

「駄目じゃん」

 

彼女たちは既に常人であったらあの世へ行ける量の酒を飲んでいる。

それでもまだ飲める、もしくは飲むという意思がある。

恐ろしいものだ。

 

「え~と、ここで選手の皆様にお知らせがあります。空母の部の分の日本酒が終わってしまったため次のお替わりからビールが適用されます。しかしこれにも数に限りがあるので一人六本までとさせていただきます。それが終わってしまったら空母の部は終了とさせていただきます。」

 

「ほうほう、ビールかぁ!日本酒にも飽きてきたからちょうどいいや!お替わり!」

 

「私も~!飛龍も飲むでしょ!」

 

「勿論!」

 

「加賀、あんた飲める?私と祥鳳はいただくけど・・・」

 

「私も・・・もらう・・・ごこうひぇんには・・・。」

 

「・・・あんまり無理しないでよね。三本頂戴!」

 

その後の経過は・・・皆様のお察しの通りである。

 

「え~。私も大変驚いているのですが、残りのビールも全部終わってしまいました。ただいま飲んだ本数の計算をしている最中なので少々お待ちください。」

 

宴会セットのごみや飲みこぼし、食べこぼしなどでかなり汚くなった机の上に、彼女らの飲んだ一升瓶が並べられる。

 

「結果が出たようです。空母の部優勝者は・・・。軽空母隼鷹さんです。記録はなんと一人で21本もの日本酒と6本のビールを飲み干すという前人未到の大記録です!おめでとうございます!」

 

「いやぁ~。まさか勝つとは思わなかったよ~。千歳とか飛龍とかがいたからさ~。でもうれしいな。またこの大会開いてほしいな~。二冠達成したいな!」

 

「ありがとうございます!次は戦艦の部となります。お隣の戦艦寮に移動してください。」

 

 

次の戦艦の部でこの酒飲み大会は終幕となる。

空母と違った戦いが見れると思い、観客も興奮しているようだ。

どのような戦いになるのだろうか?

 

「これから戦艦の部が始まるヨー!実況は金剛がやるのデース!」

 

「解説はこの私、大和が務めさせていただきます。よろしきお願いします。」

 

「じゃあ!恒例の選手紹介から始めるデース!戦艦の部の選抜方法は空母の部と一緒デース!エントリーナンバー1!頼れる私の妹!頭脳派に見せかけての武闘派!金剛型四番艦霧島!」

 

「霧島です。よろしくお願いします。お姉さまの為にも優勝したいです!」

 

「霧島さんはお酒が苦手な金剛型姉妹の中で唯一お酒が飲めて、しかもお酒に対する強さも一級です。ぜひ頑張ってもらいたいですね。」

 

「NEXT!エントリーナンバー2!日本初の超弩級戦艦は伊達じゃないデース!扶桑型二番艦山城!」

 

「どうも、山城です。扶桑型の誇りにかけて、姉さまの為にも優勝したいです。」

 

「山城さんは見た目とは裏腹に結構飲む方だそうです。よくお姉さんの扶桑さんと朝まで飲んでいるらしいです。期待できますね。」

 

「エントリーナンバー3!航空戦艦の時代を見せつける!瑞雲を片手に今日も参戦!伊勢型一番艦伊勢!」

 

「どうもどうも~。伊勢だよ!航空戦艦として負けるわけにはいかないねぇ~特に山城、あいつにだけは負けたくないね。」

 

「伊勢さんは航空戦艦としては唯一の参戦です。妹の日向さんからの情報だと『かなりの呑兵衛』だそうです」

 

「エントリーナンバー4!あの世界のビック7が参戦!鎮守府の人気者は優勝を掴みとれるのか!長門型一番艦長門!」

 

「ビック7の威厳をかけて絶対に優勝して見せる。ただそれだけだ。」

 

「長門さんは普段はあまりお酒は呑まないのですがひとたび飲み始めたら止めれない。と半分苦情のような情報が妹さんの陸奥さんからいただいています。それでも本大会ではその特性が武器になりますね。」

 

「エントリーナンバー5!鎮守府の切り札も参上!世界最強のbattleshipはお酒にも最強なのか!?大和型二番艦武蔵!」

 

「ここはぜひとも大和型としては優勝したいものだな。ここで負けたら最強の名に傷が付くからな。」

 

「武蔵はかなりのお酒好きで部屋の床下にいつもお酒を入れているんです。飲む量も尋常ではなくよくつき合わされるのですが夜のうちに4本は平気で飲み干してしまうんです。かなりの強敵です。」

 

「ここからは海外艦の登場デース!エントリーナンバー6!ビールの国ドイツから参戦!ビスマルク級一番艦ビスマルク!」

 

「まだ日本にはあまり慣れてないけどお酒はあっちで鍛えられてるわ!絶対優勝よ!」

 

「ビスマルクさんは祖国にいたころはドイツ艦娘でもトップクラスの耐性の持ち主だったらしいです。ビールは大丈夫でも日本酒は大丈夫か。彼女の問題点ですね。」

 

「エントリーナンバー7!こちらはワインの国イタリアからの参戦デース!ヴィットリオ・ヴェネト級二番艦リットリオ!」

 

「Grazie mille per il Suo aiuto.リットリオです。まだ日本に来て少ししかたってないのにこのような場に出ていいのかわからないですけど、頑張りたいです。」

 

「ワインの国イタリア出身だけあって鎮守府では少数派のワイン派の方です。普段は日本酒を飲まないリットリオさんはどのように戦っていくのか、注目です。」

 

「戦艦の部はこの7人でやっていくヨー!ルールは至ってsimple!keep drinkingネー!制限時間は90分!

じゃあ!Here we go!」

 

そして金剛が副砲で空砲を撃ち鳴らし、戦艦の部が始まった。

酒はコップや瓶ではなく、一抱えもするような大きい盃になみなみと注がれていた。

「うわっ!なにこれ大きい!日本人ってこんなに大きな器で酒を飲むの!?」

 

「こんなに大きいなんて思いませんでした。やはりGiapponeseはすごいですねぇ。」

海外勢はかなり驚いているようだ、そして巨大な盃に興味を示している間に

 

「「「お替わり!」」」

 

他の戦艦勢はあの量を一気に飲み干してしまったらしい。

 

「ファッ!?早すぎる!リットリオ!Japanischに負けていられないわよ!私たちもいくわよ!」

 

そう言いビスマルクは盃の日本酒を一気飲みする。

ドイツビールとはまた違う感覚がビスマルクを襲う。

いつもは一気に飲んでもへっちゃらだが今回は違う。

やけに頭がぼうっとする。

 

『日本の酒はアルコール度が高いのか?これは少々きつい戦いになりそうだな。』

 

隣のリットリオも何とか一気に酒を飲み干したが頬がかなり赤くなっている。

彼女も同じような感覚に陥っているのであろう。

逆隣りでは日本戦艦勢が談笑しながらお替わりを待っている。

奴等は化け物か...。

そう思いながらもビスマルクはお替わりを頼んだ。

待っている間右隣に座っている武蔵に聞くことにした。

 

「武蔵、日本の酒はこんなにもきつい物なのか。かなり驚いているのだが...。」

 

「確かに日本の酒はアルコール度数が高めのものが多いな、特に今私たちが飲んでいる焼酎っていう酒はアルコール度数が確か...20度かな。ビールが平均で4~5度、ワインでも10~12度だから比べると高いな。」

 

「そう...なのか。格が違うな。」

 

「いや、飲んでいくうちに慣れると思うな。祖国に帰るころには焼酎の美味しさがわかるようになって帰るぞ。」

 

「そうかもしれないな。祖国に帰る前に味わっておかないとな。」

 

 

そうは言ったもののリットリオ、ビスマルクの海外艦勢は焼酎に慣れることはできずビスマルクは3杯目、リットリオも4杯目を半分ほど残してリタイアとなった。

しかし日本の艦娘たちはまだまだ、と次々にお替わりをしている。

お替わりを待つ間は喋る、そして来たら一気飲み、そしてお替わり、の繰り返しだ。

話の話題は最初はただの世間話だったが、長くなるにつれて別の話題になっていった。

7杯目の焼酎を飲み干し、待っている間に霧島はこのようなことを聞いた。

 

「ねえ、長門さん。あの時はどこにいたのかしら?」

 

「あの時、とは?」

 

「ガダルカナルをめぐる戦いの時よ。私たちが戦っていたときあなたは何してたのよ。」

 

長門は少々ドキッとした表情を見せたが素直に答えた。

 

「ほ、本土で待機していたが...。」

 

「はぁ!?ふざけるんじゃないわよ!私たちが必死になって戦っていたのにあなたは何?高みの見物でもしていたの!?」

 

「そのようなことは断じていない!お前にはわからないだろうが、連合艦隊の指揮というものは非常に大変だったのだからな!艦船の数も戦線の広さも開戦前よりもはるかに大きかった!それに大事な連合艦隊の旗艦が易々と最前線に出れるか!」

 

「でましたよ連合艦隊旗艦を口実にして逃げるやつ!確かに連合艦隊旗艦は大切な配置だけど、安全な本土でふんぞり返ってるだけじゃない!それじゃああんたは海軍床の間の置物じゃない!ただのごくつぶしよ!」

 

「落ち着け二人とも!今はそういう話をするところではないだろう!」

武蔵が仲介を取ろうとした、が

 

「武蔵も同じようなものよ!あんたもトラックでず~っと待機してたじゃない!おかしいでしょ!」

 

「私たち大和型は大量の燃料を消費する!そう簡単には出せる代物ではないんだ、仕方がないだろう!」

 

「仕方があるもないもただの言い訳よ!大和型さえ来ていればここまで苦戦していなかったかもしれないのに!その46センチ砲は何のためにあったのよ!ただのお飾りだったの?」

 

「そのようなわけがないだろう!私たちは海軍の切り札だ!飾りな訳があるか!」

 

「その切り札はレイテで別に活躍することもなくやられたらしいじゃないの!艦隊決戦なんて結局起こらなかった!要はあなたたちはただの役立たずだったってことじゃない!」

 

「霧島!言っていいことと悪いことがあるぞ!ふざけるな!」

よほど頭にきたのか武蔵は霧島をいきなり殴り飛ばした。

 

「ちょ!武蔵!それは流石にやり過ぎよ!」

 

当の殴られた霧島は殴られた頬を擦っていたが未だに怒りの色は収まってはいなかった。

 

「上等じゃないの!」

 

近くにあったビール瓶を武蔵めがけて思いきり投げつけた。

しかし酔っていて狙いが定まらずビール瓶は・・・

長門に直撃した。

ビール瓶は彼長門の顔面で盛大に砕け散り、彼女は体中ビールでびしょ濡れになってしまった。

 

「ほぅ。これは宣戦布告ととらえてよろしいのかな。金剛型の分際でこの私に喧嘩を売るとはなぁ。」

 

首の関節を鳴らしながら拳を固く握りしめる。

長門完全お怒りモード突入である。

 

「2対1、あの時と同じ状況ね。いいわ!かかってきなさい!」

 

 

「ふぃ~。龍驤入渠完了っと。戦艦の方も見に行くかぁ~。またあいつら何かやらかしてない事を祈るが。」

 

そこに一人の艦娘が飛び込んできた。

 

「提督!大変じゃ!」

 

「おお、利根か。どうしたんだ。また問題でも起きたのか?」

 

「いいから早く来るのじゃ!」

 

利根に連れられて戦艦寮に行くと

 

「中々やるわねぇ!けど全然遅い!」

 

「ちょこまかと動いて!じっとしていろ!徹底的に叩き潰してやる!」

 

大乱闘状態になっていた。

壁のいたるところに大穴が空き、テーブルは原型を留めておらず、床には投げ合ったと思われるビール瓶の破片が散乱している。

姉妹艦の金剛、比叡、榛名、陸奥、大和が必死になって取り押さえようとしているが相手が暴れていて迂闊に近寄れないような状況になっている。

提督はあまりのひどさに言葉が出なかった。

半ば機能停止状態に陥っていた海斗の服の袖をちょこちょこつまんでくる者がいた。

 

「て~い~と~くぅ~。いいとこにいるじゃ~ん。一緒に飲もうよぅ~。」

その声で我に返ったが時すでに遅し、強引に引っ張られてしまった。

 

「おい!隼鷹!離せ!」

 

「いぃ~じゃないかぁ~。あっちはあっちで楽しそうだしさ~。こっちで一緒に楽しもうよ~。」

 

「ああもう!どうしてこうなったぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

 

 

鎮守府から遠く離れた太平洋に浮かぶ孤島。

そこで一人の深海棲艦、人間たちがリ級重巡洋艦と呼ばれているものが部屋でささやかな酒宴を開いていた。

 

「はぁ~!さっき沈めた奴らの輸送船に積んであった酒はうまいなぁ~!久しぶりの一人酒とでもいきますかぁ」

 

艦娘が現れ始めてから彼女たちの絶対優位は失われた。

それどころか逆に負け戦がちらほらと見え始めてきたのだ。

しかしそうはいってもまだあまり戦力の充填ができていなかった、人間たちが住む領土近海周辺を奪取されてだけでおり危機感というものは感じてはいなかった。

 

彼女が一人酒を始めて数分としないうちにまた別の深海棲艦が部屋に入り込んできた。

彼女よりも一回り大きい、人間にタ級と呼ばれている戦艦だ。

 

「おい!出撃だぞ!ってお前何してるんだ!こんな真昼間から酒なんて飲んで!」

 

「いいじゃないっすか~。それにどうせ出撃っていったってどうせ『女王様』のおたずねっすよね~。もう何年も探してるんっすよ。それってただの噂じゃないっすかぁ~?」

 

「確かに噂かもしれない。けど探さなければならないんだ!」

 

「えぇ~。面倒くさいっすよ。そんないないような人を探すのは。」

 

「つべこべ言わずについてこい!」

 

タ級はリ級の腕をつかんで外に出させる。

外は強いスコールが降っており前方が全く見えない。

海もとても荒れていて到底外海に出ることなど不可能に近かった。

 

「うわぁ~、こりゃひどいなぁ~。せんぱ~い、止めましょ~。これじゃ逆にうちらが危ないっすよ。」

 

「ちっ、さっきまでは降ってなかったのに。仕方がない、捜索は明日に延期だ。」

 

「いよっしゃぁ!中止っと!先輩も飲みましょ!ね!」

 

「私はいらない!人間が作ったものなんて口にできるか!」

 

「全く、固いお方だねぇ先輩は。」

リ級はそそくさと基地の中に戻っていった。

一人ただ残されたタ級は荒れる海をただ見つめているだけだった。

 

『女王様。いったいどこにおられるのですか?』

 

 




やっと終わりました、鎮守府酒飲み大会。終わらせるのに三カ月かかるとか、さぼりすぎですね。
以後気を付けます。
次回から本編再開です!
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