乙女はアイドルになる   作:s.s.t

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なるべく早く投稿しました(震え声)

たぶん過去一番書き直したけど相変わらずクオリティはお察しです。



ウサミンのパーフェクト設定遵守教室(ブロマイド付き)【後編】

それからさらに1時間ほど働いてやっと勤務は終了となった。

 

この後は事務所に戻ってまたウサミンから色々教えてもらう予定で、今は合流する前に着替えているところだ。

 

 

「あ、剥離剤忘れた」

 

Pさんにもらったパッド無駄に高性能なせいでつい装着してること忘れるんだよなー。昨日は面倒で付けっぱなしのまま寝たから今日剥離剤持ってきてねえや。

 

忙しなく働き続けて汗かいたしカツラもちょっと蒸れたからシャワー浴びたい。パッドも無い方がスッキリするからできれば外したい。

 

事務所のシャワー室使わせてもらえないかなー。

今まではダンスレッスンとかの後でもタオルで拭いて直帰してたからまだ使ったことないんだよね。

女子用のシャワー室も男子用のシャワー室も誰かと鉢合わせたらややこしいことになるから無理だろうけど。

 

今日は汗かくと思ってなかったしタオルさえ用意してないよ。まだ帰れないのにベタベタのまま過ごすのはやだなぁ。

 

 

「有ちゃん着替え終わりましたかー?」

「あ、ウサミンいいところに」

「ワキャー!?」

「汗拭きたいんだけどタオルとか……ってあー」

 

 

ちょうどいいタイミングでウサミンが更衣室に来たからタオル持ってないか聞こうとしたのに、勢いよくドアを閉められてしまった。

 

「着替え中ならそう言ってください! 外で待ってますからね!」

「そんなの別にいいってー。通路にいると邪魔になるし入って来たら?」

 

メイド服脱いで下はもうジーンズ履いたし、上半身なら裸見られても平気だから無問題。

むしろここで恥ずかしがったら男としてどうなのって感じだし。パッドとブラの時点で既に手遅れかもしれないが気にしてはいけない。

積極的に見せたいわけじゃないけど恥ずかしがっているとも思われたくないっていう面倒な心理なのよね。

 

その辺りをきちんと説明するとウサミンも渋々といった様子で部屋に入ろうとする。

 

 

「ほ、本当にいいんですよね?」

「なんでウサミンの方が恥ずかしがってんの」

「男の子の裸なんてほとんど見たことないんですよ」

「海とかプール行けばいくらでも見られるやん。珍しいもんじゃないでしょ」

「もうはしゃげる歳でもないですからプライベートでそういう所はずっと行ってませんよ。お仕事で水着着る時も周りは女の子だけですし」

「ああそうですね。そんな歳ですもんね」

「言葉のあやです」

 

17歳でもう枯れてるとは悲しいなー(棒)

 

いや海とか行かないのは俺も同じか。主にぼっち的な理由でアウトドア全般未経験。

さすがにウサミンまでぼっち仲間だったりはしないだろうけどね。

 

「ま、ウサミンが男の裸に慣れてなかろうと私には関係ないかな!」

「う〜、有ちゃんも少しは隠してくれればいいのに………………あれ? 有ちゃんって本当に男の子でしたよね?」

「なにその反応? これが女性の身体に見えるとでも?」

「いえ、こうして見るとけっこう女の子っぽいなーって。ブラで起伏が生まれてますし、そのジーンズとかもレディースなのに普通に履けてますよね?」

「レディースだとなんかあるの?」

「ヒップラインのデザインとかけっこう男物と違いがあるんです。有ちゃんは違和感ありませんし体格からして女の子向きみたいですね」

「また嬉しくない事実が発覚したなあ。……長話してたら体冷えてきた」

 

 

タオルあるか聞くだけでどんだけ脱線してるんだ。

俺の身体の特徴とか今はどうでもいいんだよ。今じゃなくてもどうでもいいけど。

 

 

「大丈夫ですか? 早く服着ちゃいましょう」

「いや服着るで思い出したけど汗拭こうとしたらタオルなかったんだよね。ウサミンパワーでなんとかならない?」

「ナナの予備のタオルでよければ使いますか?」

「ウサミンパワーは?」

「こんなことでウサミンパワーに頼っちゃダメですよ。有ちゃんが本当に助けてほしい時に使ってあげます!」

「なら度肝を抜かれるようなすごいの期待しとくわ」

「いやいやあんまり期待されすぎても困ります。何と言いますかそのぉ〜、ウサミンパワーにも限界があってですね……」

「ていうかウサミンパワーってなに?」

「有ちゃんがそれ言いますか!? 話を合わせたナナが馬鹿みたいじゃないですか!」

「え、じゃあウサミン星人は不思議パワー使えないの? ハートウェーブとかメルヘンチェンジは全部ポーズだけのまやかしだったの!?」

「ゔっ。も、もちろんウサミンパワーは実在します。ただいざという時のために力を蓄えなきゃいけないんです!」

「それどこに蓄えてるの? 自分の体? 普段身につけてる物? 暴発とかしない?」

「えーとそれはその……こ、これです! このリボンです!」

「それ? そのウサミミの代用品として使われてるリボン?」

「そうです!このリボンはナナにとってコエンマ様の魔封環と同じものなんです!」

「今の十代の何割がそのネタを理解できるんだ」

 

ひょっとしてそれはギャグで言ってるのか?

魔封環と違ってウサミン普通にそのリボン外すよね? 設定ガバガバやないか。

 

無理に話に乗っからなくてもいいのにスルーできないとか難儀な性格だよほんと。

 

 

というかまた話が逸れた。暖房あるとはいえいいかげん寒くて耐えられん。

あ、くしゃみ出そう。

 

「へっくし! もう予備のタオルでいいから借りていい?」

「ああそうでしたね。くしゃみが出るほどですし冷えた汗をそのままにしてたら風邪引いちゃいます」

「ウサミンはくしゃみした後ちくしょうとかばかやろいとか悪態つくんでしょ?」

「お年寄りの方しかやりませんよそんなの! はいタオルです!」

「サンキューウッサ」

「この後事務所でウサミン講座やりますけどナナをいじるのはやめてくださいね」

 

ウサミン講座ってなんやねん。いやそのままの意味なんだろうけどもう少し他の名前なかったんだろーか。

 

 

それはそうと ねんがんの タオルを てにいれたぞ!

マジでここまで長かった。99%俺のせいだけど長かった。もはや汗乾いてる気もするがやっとベタベタから解放されるぜ。

 

タオルを受け取って首筋、胸元、背中の順に拭いていく。

顔はメイクが落ちるから我慢。後で崩れてないか鏡でチェックしなきゃ。

 

背中拭こうとしたけどなかなか手が届かないなー。乾布摩擦みたいにできれば楽なんだけど、さすがに貸してくれた本人の前で乱暴に扱うのはちょっとね。

 

 

「背中届かないならナナが拭いてあげましょうか?」

「助かるけどさっきまでウサミンこっちを見るのも躊躇してたよね?」

「見た目が男の子っぽくないのでだんだん慣れてきちゃいました」

「理由は釈然としないけど、まあいいや。それじゃあお願いしていい?」

「ナナにお任せあれです!」

 

そういえば山田さんに肌白いとか線細いとか身体のことで色々言われたけどあれも女性らしいって言われてたんだなー。変態の戯言としてスルーしてたけどウサミンまでそう言うなら俺の身体は女性寄りなのかもしれない。

そのおかげでPさんに拾ってもらえたんだから文句は言えないけどやっぱ複雑だわー。

 

 

「よいしょ、よいしょ」

「いつもすまないねぇ、ナナちゃん」

「あらあら、それは言わない約束ですよ。おと……おか………………??」

「いや別にどっちでもいいから。そんなに悩むほどのことでもないでしょ」

「有ちゃん的にはどっちが正解なのかなと思っちゃいまして」

 

トイレとか着替えとか重要な問題ならともかく、ちょっとしたお遊びなら男扱いでも女扱いでも気にせんわ。

 

「まあ今の外見から言えばお母さんが正解かなー。むしろウサミンの方がお母さんに近いけど」

「こんなに大きな子がいる歳じゃありませんじゃなくてナナの方が年下です!」

「そこはほら、年齢云々じゃなくて母性の有無ってことで」

「まったくもう。はい、拭き終わりましたよ」

「あざーす」

 

さりげなく面倒見がいいところなんか母性を感じさせるよね。オカンっぽい。

 

見た目は実年齢にそぐわない驚異的な若さだけど。今はウサミミフード付きの私服に着替えているから余計に子供っぽく見える。子供服を大人サイズにした感じ?

 

 

「ナナちゃんは何歳か言えるかなー?」

「それ小さい子にする質問ですよね!?」

「あっ、なんかごめん」

 

 

自分で言っといてなんだけどこれウサミン相手だとエゲツない意味の質問になっちゃうわ。

 

汗も拭いたしさっさと服着て移動しよー。

 

 

 

 

 

ところ変わって事務所の会議室。

おおっぴらには話せない内容が多いということでPさんがアイドルの来ない場所を手配してくれたようだ。

 

「ウサミン講座はっじま〜るよ〜☆」

「うわキツ」

「労働して疲れた後だからこそテンション上げていきましょう!」

「うーい」

「もっと元気に!」

「わぁい!」

「オッケーです!」

 

不意打ちされなければキャラ崩れないんだよなーウサミンは。

小さい子どもなんかはウサミンを信じてる子も多いから子ども相手ならボロが出にくいってことなんだろうきっと。子どもの夢を守るウサミンまじウサミン。

せっかくノリノリなんだしここは生徒役に付き合ってあげよう。

 

 

「ウサミン先生、今日は何を教えてくれるんですか?」

「ウサミン流処世術です」

「夢が壊れそう」

 

なんかすごく実用性ありそうな内容なんですけど。現実的だね!

いきなり処世術ってどういうことだよ。

 

 

「今日は有ちゃんに色々お見苦しい姿を見せてしまいました。もはやナナが取り繕う意味はないので本気でいきます」

「取り繕えないことと取り繕わないことは違う、みたいな?」

「これでもナナが取り繕わない姿を見せるのは大人組の人たちだけなんですよ? 高校生や大学生くらいの年齢の子に愚痴るわけにもいかないですからね」

「大人組には愚痴ってるのか……」

 

何気にウサミンの落ち込んでいる姿はレアだったらしい。

まあ年下の子に将来の不安とか口にしても理解してもらえないだろうしね。

 

「有ちゃんには親近感を覚えるのでナナの処世術を教えちゃいます。女装アイドルと声優アイドル、進む方向は違えど茨の道を歩む仲間としてサポートしますよ!」

「ああそこに繋がんのね。教えてもらえるのは素直に助かるのでありがとうございます」

「有ちゃんだから教えるんですからね! 門外不出ですよ! あとさっきも言いましたがナナをいじるのは禁止にします」

「まあ話進まなくなるから仕方ないね」

 

どうせ俺がいじらなくても自爆すると思うけどねー。

ともあれ経験豊富なウサミン流の処世術を教えてもらえるなら実りは大きいだろう。こりゃもう足を向けて眠れないね。

 

 

会議室に備え付けられたホワイトボードにウサミンが可愛らしい丸文字で最初のお題を書き込む。

 

 

「初めに気をつけなきゃいけないのは自己紹介です! デビューしてから売れるまで、アイドルは様々な現場で顔を売らなければいけません。スタッフさんにもお客さんにも覚えてもらうために自己紹介は重要ですよ!」

「想像以上に真っ当な内容だった」

「お仕事の出来で評価されるのが一番ですが新人だと失敗もあるでしょう。とりあえずはインパクトで勝負して、個性的な自己紹介やキャラクターで相手の記憶に残ればこっちの勝ちです」

「ああ、ウサミンのあいさつとかキャラもそういう理由で」

「ウサミンはキャラじゃありません! ですが他人に強い印象を与えられることは確かにナナの武器と言えるでしょう」

 

ただの電波じゃなくてちゃんと理に適っていたんだなー。本人の趣味って理由の方が大きそうだけど。

 

 

「有ちゃんはインパクト面ならクリアしていますね。クールな見た目とふざけた性格のギャップはそうそう忘れられません」

「ふざけた性格て。もっと他に言い方あるでしょ」

「ですが増田さんから渡されたプロフィールにはそう書いてありましたよ?」

「ちょっこれまたPさんの手回しなの?」

 

「えーとですね……ありましたこれです。増田さんがこれまでに調べた有ちゃんの性格とか嗜好の情報が載ってます」

 

 

そう言ってウサミンがカバンから取り出したのはそこそこ厚さがあるA4サイズのファイルだった。

もう驚きを通り越して呆れるレベルだよ。担当アイドルとはいえ普通そこまでやる? 仕事熱心なんだとしてもアイドル1人にかける労力としては割りに合わないでしょ。

 

中にいったい何が書かれてんの? ウサミンはそれ全部読んだの?

自分の個人情報とか他人に知られたことなかったから身構えるわー。

 

 

「このXファイルに有ちゃんのデビュー計画が記載されていますが、それによると特にキャラ作りなどはせず素の性格でデビューするそうですね」

「そういえばそんな話もあったね」

「キャラ作りが必要ないのはナナも同意見です。しかしだからといって楽できるわけではありません。有ちゃんは女装なんて特殊な事情を抱えていますから特定のキャラを演じるより大変かもしれませんよ」

「あー確かに秘密が多くなりそう」

「カツラやパッドは物理的な証拠になりますし、私生活や子供の頃の話も何が疑われるきっかけになるかわかりませんから細心の注意を払ってください」

「私もそこはバレるわけにいかないから普段から気を付けてるよ?」

 

最近ではカツラの手入れも自分でやるようになったしムダ毛の処理も覚えた。メイクやファッションもPさんに渡される女性誌を熟読して勉強している。

 

以前と比べて女装のクオリティは着実に上がっているし、カツラやパッドがバレないように他人との身体的接触を極力避けている。ぼっちだから身体的接触は元々なかったけど。

 

 

「というわけでこれ以上注意しろと言われても何したらいいかわからんです」

「そこで今日は増田さんの考えたゲームをやってもらいます」

「用意がいいっすね」

「増田さんはウサミン講座のスペシャルアドバイザーですから。『こんなこともあろうかと』の人みたいですね!」

「そのネタは……はやぶさで一時期流行ったからセーフかな?」

「ルールは簡単! 有ちゃんにはこれから嘘を2つと真実を1つ話してもらいます。ナナはどれが真実か見抜こうとしますのでバレないような上手い嘘を考えてください」

「話す内容は自由?」

「有ちゃんに関することならなんでもいいですよー。とっさの言い訳を考える訓練ですから制限時間は1分ですはいスタート!」

「ちょっはやっ!」

 

 

急に開始して焦らせるところまでがセットのゲームかな?

増田さんの性格の悪さが滲み出てますわ。

 

やべ、余計な思考に気を取られて時間食った。

細かい内容は話しながらでも考えられるから重要なのはどんな真実を話すかだろう。嘘2つより真実1つ考える方が早いし。

 

後は全部嘘っぽいことを話すか全部本当っぽいことを話すかの二択なんだけど「しゅーりょーでーす」ああもうテキトーでいいや。

 

 

「何を話すか決まりましたか?」

「まあぼちぼちですね」

 

本当はまだ考え中だけどポーカーフェイスでごまかそう。ウサミン(の反面教師)から学んだテクニックだ。

とりあえず選択を迷わせるような嘘を考えるか。

 

「それではどうぞ」

「じゃあまず1つ目。私は今朝パンではなくご飯を食べた」

 

まずはどうでもいい内容で判断材料の少ない嘘。確率は五分五分だから確実に相手は迷うだろう。

 

 

「甘いですね有ちゃん。私の手にはXファイルがあることを忘れていませんか?」

「なぬ?」

「これによれば有ちゃんの朝食はパン派。よって1つ目は嘘です!」

「……なんだそんなことか。果たしてその程度の情報で決めつけてもいいのかな?」

「え?」

「私は今まで食ったパンの枚数をおぼえているほど気の利いた人間じゃない。そんな私がわざわざご飯を食べたと言った理由がわからないのか?」

「はっ! まさか!?」

「そう! たまたまパンを食べなかったからこそ今朝の食事を覚えていてそれを話すことができた……という可能性もあるので、せいぜい嘘か本当か悩んでくれたまえ」

「そ、そんな! Xファイルの情報が通用しなくなるとナナには勝ち目がありません! 素の洞察力で有ちゃんに勝つのは不可能って増田さんに言われてたのに!」

 

 

それはウサミンが悪い。

別に俺は嘘が上手いってわけでもないのに勝ち目0ってウサミン弱すぎぃ。

 

ていうかXファイルは反則級でしょ。ウサミンが動揺している間になるべく書かれてなさそうなことを考えなきゃ。

 

あーでもああいう手もアリなのかな?

効果ありそうだし試してみよ。

 

 

「くっ。ほんの少し慌ててしまいましたが残り2つも選択肢があるんです。勝負はまだわかりません!」

「まあ棄権されてもつまらないからゲーム続行ね。2つ目は実は女性経験があるで、3つ目は実はロリコン。これで3つ言ったから今度はウサミンが考えてねー」

「え? ええ!?」

「Xファイルは見てもいいけど無駄だと思うよー」

「だって、2つ目も3つ目も真実だとしたらマズイような……でも1つ目はあからさますぎますし、まさか本当に……」

「ふはは悩め悩めー」

 

 

俺はこのゲームでPさんの伝えたかったことを理解した。効果的な嘘をつく方法を自分で見つけ出せということなんだろうけど、これも既に見つけた。

試した結果は上々。ウサミンの狼狽ぶりを見れば一目瞭然だぜ。特にウサミンは絶対この嘘を見抜けないだろう。

 

 

「ううー。ナナは有ちゃんがそんな人ではないと信じています。だから答えは1つ目が真実です!」

「はいざんねーん。正解は2つ目が真実でしたー」

「はあ!? それが一番ありえないですよ!」

「おうこらウサミンさすがの有さんも今の言い草には怒っちゃうぞー」

「こ、言葉の綾です!」

「言葉の綾が万能な言い訳だと思うなよ」

 

確かにウサミンの考えている意味では女性経験無しだし、ぼっちだからありえないって言われてもしょうがないけどさ。

面と向かって言われたら誰だって頭にくるよね?

 

まあ勘違いするように誘導したのはこっちだしそろそろ説明しよーか。

 

「種明かしすると女性経験っていうのは女性と関係を持った経験じゃなくて、女性になった経験のことね」

「はい?」

「ほら、現在進行形で女装してるしそういう意味なら女性経験豊富でしょ?」

「で、でも有ちゃんそんなこと一言も言わなかったし普通は別の意味で」

「説明義務なんてルールになかったし聞かなかったウサミンが悪いと思いまーす」

「ずるいです卑怯です卑劣です!」

「卑劣様と呼ぶがいい」

 

 

人を騙すには相手が勝手に勘違いするような嘘をつけばいい。ちぃ、覚えた。

 

 

「ゲームもクリアしたし次行こうぜ」

「先には進みますけどまだナナは納得してませんからね!」

 

ついついゲームに熱中しちゃったけど何を話してたっけ?

 

自己紹介の重要性から始まって、女装がバレないように気を付けろって話になったんだよね。それからじゃあどうすればいいのって聞いたらゲームやらされて、卑劣な嘘をつけばいいって結論が出たのか。

 

今更になって振り返るとひでーな。

こんな調子でいいのウサミン講座?

 

 

「それでは次ですが、次は…………次ってなんでしたっけ?」

「それを生徒に聞く?」

「ゲームに熱中していたら段取りをど忘れしました」

「ウサミン流処世術を教えてくれるって言った後、自己紹介の話で止まってる」

「ああそうでした……」

「まさかその歳で認知し「違います!」」

 

食い気味に否定された。

 

「ナナをいじるの禁止って言いましたよね?」

「私もど忘れしてました」

「ならおあいこですね。真面目に勉強しましょう」

「はーい」

 

 

学習すること、それが現在(いま)の武器。

 

 

▼小鳥遊有は【ウサミン流処世術初級】を習得した

【自己紹介の秘訣】を覚えた

【ポーカーフェイス】を覚えた

【卑劣な嘘】を覚えた

【ウサミン星の挨拶】を覚えた

【一人称の秘訣】を覚えた

【辛い時自分を慰める小さな嘘】を覚えた

 

▼ウサミン講座を修了した!

安部菜々→小鳥遊有の好感度が1上がった

小鳥遊有→安部菜々の好感度が1上がった

報酬としてPさんから『メイド服の小鳥遊有ブロマイド写真』をもらった!

 

 

 

「いらねえ!!!」

 

 

 

『メイド服の小鳥遊有ブロマイド写真』を床に叩きつけた!

 

 




姉ヶ崎さんを増田Pの囮にしたり、武内Pを師匠の囮にしたり、まったくもってウチの主人公は卑劣なヤツです。



ぼちぼち話をたたむ方向に行こうかと検討しています。

アイドルデビューしたら一旦完結にして、出来れば手直しした後に不定期で更新再開みたいな流れを考えていますが予定は未定です。
デビューするところまで行くのにもまだ時間がかかりそうですし、ご存じの通り作者はかなりいいかげんな人間なので突然予定を変更することもありえます。

とりあえず完結するかもしれないということだけ伝えたくてお知らせしました。

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