乙女はアイドルになる   作:s.s.t

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この話だけネタを詰め込み過ぎて長いです。
元ネタ知らないネタも使ってるから、間違ってたら恥ずかしいなーと思いますけどまあいいやの精神です。


秘密がバレた!

「もうマヂムリ。帰宅しよ」

 

 

ぜえぜえ息を吐きながらボソッとつぶやいてみる。

なんとか途中でぶっ倒れずに済んだけどマジで地獄だったでござる。

 

日舞の先生に姿勢とか教わるついでに踊りもちょっとやったけど、ゆったりした動きとは違う筋肉を使った。

全身が痛いんだけどそれだけいろんなところを酷使したんだろうね。ダンスやってる奴が超人扱いされるのもわかる。

いつか俺にも「有はダンスやってるからな」とか言われる日が来るんだろうか。

来ても嬉しくねーな。

 

 

「でも最後までついてこられるなんて小鳥遊さんすごいです」

「ダー。ユウは体力、あります」

「あ、ありがとうございます。ダンス自体は酷いものでしたけどね」

 

 

完全にグロッキーで落ち込む俺を、新田さんとアーニャさんが慰めてくれる。

ありがたいんだけどアーニャさんのそれは俺の名前を呼んでるの? それとも二人称でyouって言ってるの?

 

 

「小鳥遊さん、大丈夫? スポーツドリンク要る?」

「渋谷さん。お気遣いありがとうございます」

 

 

はーこの一杯のために生きてるぜー。

もうさっさと帰りたいけど疲れすぎて動く気にもなれない。

もうここで寝ていいんじゃね? あとはPさんがきっとなんとかしてくれるはず。

あーでも、この子たちに対しては乙女モードで接してたんだよな。

急に態度変えたらびっくりするだろうし普通に感じ悪いやつじゃん。どうしよ。

うーん面倒だけどもうちょっとこのままの方がいいかな。

 

 

と、そこで後片付けをして退室していったベテトレさんと入れ替わりにドアから入ってくる影が2つ。

 

 

「凛ちゃんたち、レッスン終わったかにゃ?」

「この人が例の新人さん? うっわー! すごい美人じゃん」

 

 

こ、こいつらは!

ウッヒョー! アスタリスクだにゃ!

CP終了後各メンバーがソロや新ユニットの仕事を増やしていく中でいまだにバラエティーを中心に根強い人気がある芸人コンビ! あ、芸人って言っちゃった。

 

解散芸をネタにされるぐらいしょっちゅう口ゲンカしてるけど、カメラのないところでも一緒に行動してるってのはやっぱ仲良いんだな。

 

バラエティーの露出が多いしCPの中では杏ちゃんの次に好きなアイドルなんで会えて嬉しい。

ただ出来れば満身創痍な今のタイミングはやめてほしかった。

 

 

「みくは前川みくにゃ。お姉さんの名前はなんて言うのかにゃ?」

「た、小鳥遊有です」

「私は多田李衣奈です、よろしくお願いします!」

「はい、お二人ともよろしくお願いします……」

 

「凛ちゃん! 小鳥遊さんにあのことは聞けたのにゃ?」

「あ、ごめん。聞こうとしたんだけどその前にレッスン始まっちゃって」

 

 

あのこと? そういえば渋谷さんがレッスン前何か言いかけてうやむやになってたような。

もしかしなくてもそれって最初に俺をにらんできた理由にからんでるじゃないですかやだー。

 

これ以上厄介ごと増やさないでくれよ。今はHP0状態なんだよー。

 

 

「それならみくが聞くにゃ。小鳥遊さん!」

「は、はい」

「ズバリ、小鳥遊さんはPちゃんと付き合ってるのかにゃ?」

「は、はい?」

 

 

何を言っとるんだこいつは。

ぼっちの俺に恋愛関係の質問をしてくるとかどんだけ残酷な仕打ちだと思ってるんだ。

 

あとPちゃんって誰。ウチの事務所プロデューサーもたくさんいるんだからPちゃんじゃわからんだろ。

あれ、でも俺もPさんの名前知らないかも。マ、マッカーサーとかそんなのだったような? 占領統治されちゃう。

 

 

「あの、Pちゃんというのはどなたのことですか? 生憎私はまだ事務所に入ったばかりで、担当のプロデューサーさん以外は知らないんです」

 

ただし武Pさんを除く。

 

「みくちゃんが言ってるPちゃんっていうのは武内プロデューサーのことです。ほら、顔がロックなあの人!」

 

ああなんだ。武Pさんのことだったのか。

でも顔がロックってわけがわからないよ。だりーなェ……

ぴにゃとかヤクザとかロックとか、色々例えられて武Pさんの顔も忙しいね。

 

 

「あの、私もレッスン前小鳥遊さんにそのことを聞こうとしたんです。プロデューサーとはどういう関係なんですか?」

「みくと李衣奈ちゃんは食堂で小鳥遊さんとPちゃんが一緒に食事してるのを何回も見てるにゃ! Pちゃんはなんか妙に気安そうだったし、小鳥遊さんの口拭いてあげたり髪の毛梳いてあげたりすっごい仲良さそうだったにゃ!」

「これはもう絶対付き合ってるって噂で持ち切りなんですよ!」

 

 

あーなるほどねー。そういうことかー。

 

 

 

 

わかるわ。

 

 

 

 

いや実際心当たりはあるんだよね。

俺の方は武Pさんの前だと気張る必要がないからついつい甘えちゃって、武Pさんは武Pさんで生真面目なのか面倒見が良いのか自堕落な俺の世話を焼いてくれる。

髪の毛も実はカツラ被ってるから手入れが面倒臭くて、放っといたら傷んでたんで武Pさんがやってくれたのだ。

武Pさんが気安いのは俺が男って知ってるからじゃないかな?

 

まさか男同士のスキンシップ(意味深)がこんな誤解を生み出してしまうとは。

俺ってば罪な女ね! 男なのか女なのかどっちだよ。

 

しかし噂ってどこまで広がってるんだろう。アイドルの間だけならまだいいけど、スタッフの耳にも入ったらホモと誤解されるかもしれない。

 

誤解を解かなきゃ(使命感)

 

 

「あの、私と武Pさんは付き合ってませんよ」

「じゃあどういう関係なんですか? ただの友達にしては呼び方も親しげなんだけど」

「ええと渋谷さん、友達と言いますかなんと言いますか」

 

俺と武Pさんって友達なの?

ぼっちは友達と友達じゃないやつの線引きに超敏感だから気軽に「◯◯は俺の友達だ」なんて断言できないんだよ?

その辺の苦しみわかってる?

 

「やっぱり二人は恋人同士なんじゃないの? そうじゃなくても付き合う寸前とか」

「い、いえ! 私たちはそういうのじゃなくて……。そう、武Pさんが新人の面倒を見てくれてるだけです!」

「でもプロデューサーは小鳥遊さんの担当じゃないよね? そんな話聞いてないし」

「えっと、面接を受けた時にお世話になったんです」

「それだけで仲良くなる? プロデューサーは女性に対しては向こうから誘われない限り一緒に食事しないんだよ? さっきから何か隠してるみたいな態度だし、もしかして小鳥遊さんがプロデューサーを狙ってるの? アイドル目指してるなら恋愛はご法度だよ? 特にプロデューサーだけは絶対にダメなの。まだ新人だから知らなかっただけなんだよね? だからこれからはプロデューサーに頼らないで自分のプロデューサーと仲良くなることを優先しよ?」

 

 

こわい! こわい! しぶりん怖い!

なんでそんな武Pさんのこと知ってるの?

最後とかもう武Pさんに手を出してほしくないだけだよね?

あとさっきから敬語もなくなってるし顔が無表情だしとにかく怖い。

 

あ、なんか泣きそう(涙

 

まさか俺が男だってことを隠してるだけでこんなに誤解を解くのが難しいとは。

それ以前に渋谷さんがこっちを警戒しすぎてる気もするけど。

 

 

「り、凛ちゃん。小鳥遊さんは違うって言ってるんだし、プロデューサーとは何もないと思うよ?」

「リンはちょっと落ち着いた方がいいです」

「こ、これってみくたちのせいなのにゃ?」

「うーん。火をつけちゃったのは私たちかもね。あ、火をつけるって言い方なんかロックじゃない?」

「この空気でボケるとか火に油を注ぐ気かにゃ。にわかロッカーは毎回ライブでギター燃やして金欠になればいいにゃ」

 

 

必死に渋谷さんをなだめてくれる新田さんとアーニャさんは天使。

隅っこで漫才してる2人は芸人。

みくにゃんのために毎日焼き魚を差し入れしてやろうかこんにゃろう。

だりーなはこれから毎日ギターを焼こうぜ?

 

渋谷さんは少し冷静になったみたいだけどまだ唸り声が聞こえそうなくらいに俺をにらんでる。無表情よりはマシだけど。

ちょっと武Pさんを守る番犬に見えなくもない。

これがネットで噂の凛わんこってやつか。

 

 

「渋谷さん、どーうどーう。お手」

「……あぁ?」

「ひい! ご、ごめんなさい」

「凛ちゃん、手を出しちゃダメだよ!」

「殴るならボディにしな、ですリン」

「アーニャちゃんそれ違うにゃ」

「また誰かに間違った知識教えられてるね」

 

 

アイエエエエ!? コワイ! 実際コワイ!

場を和ませようと思っただけなのに。

殺意の波動に目覚めた凛がもう止められない止まらないかーっぱえびせん!

殴り出したらきりんがないってか。アホか!

りんりんりん、拳が飛ぶ♪ 蜂のように刺される!

あかんもう自分でもわからんくらいパニクってるダメだヤバい誰か助けてー。

 

 

 

「邪魔するわよー。今日のスケジュールに変更があるんだけど、有ちゃんいる?」

「ぴ、Pさん!」

「あらあら有ちゃん、どうしたの急に抱きついてきて。疲れちゃっても運ばないわよ」

 

 

救いの神や! セリフはやっぱり鬼だけどもういいや!

とりあえずPさんが乱入したおかげで渋谷さんの動きは止まった。

 

 

「ちょっと新人アイドルと武内プロデューサーの交際疑惑について噂の真偽を確かめてたところにゃ」

「あらそうなの? とうとう有ちゃんにもばれちゃったのね。もうちょっと広まった方が面白そうだったのに」

 

え、なんだって?(難聴)

つーか難聴であってほしい。聞き間違いだと信じたい。

信じて身を預けたプロデューサーが担当アイドルの噂を面白がる鬼畜外道だったなんて……

やっぱり鬼じゃないか(確信)

 

「増田さんが小鳥遊さんのプロデューサーなんですか?」

「そうよ李衣奈ちゃん。みくちゃんも、久しぶりね。二人ともクール部署には遊びに来ないから寂しいわ」

 

増田さんって誰? Pさんのこと?

あーそんな名前だったんだ。マッカーサーじゃないじゃん。

むしろ同列扱いしたらマッカーサーに失礼ですわこりゃ。Pさんの方がよっぽど鬼軍曹だもんね。マッカーサーは元帥か。

 

 

「それよりも増田さん。結局小鳥遊さんとプロデューサーってどういう仲なの?」

 

渋谷さんはどうしてもそこ鬼になんのね。間違えた、気になんのね。

鬼はPさんだから。

 

「Pさん! この女にバシッと言ってやってくんなせえ! 武Pさんとはなんでもないって。…………あの、本当に。渋谷さん怖いからなんとかして」

「もう。しょうがないわね。凛ちゃん、有ちゃんは見ての通りただのニートこじらせたぼっちだから、武内君はこの子の面倒見てるだけよ」

 

俺の説明がひどすぎるよPさん。

いや、間違ってないけどね? でも最近はPさんに言われて働いてるやん?

 

「増田さんこそ何言ってるの? 小鳥遊さんがニートだとかぼっちだとか、全然そんな感じしないんだけど」

「確かに小鳥遊さんはキレイなお姉さんって印象だにゃ」

「あら? 有ちゃんみんなの前で素は見せなかったの?」

「いやその、新人だし丁寧な方がいいかなって。すんません! みくにゃんのマネしてました!」

「にゃにゃ? どういうことにゃ?」

「あ、間違えた。猫かぶってました!」

「ふにゃーー! みくは猫キャラなだけで猫かぶってるわけじゃないにゃ!」

「ていうか口調変わってる……呼び方も」

「いっつもみなさんのことテレビやネットで見てたんで心の中では違う呼び方してました! 多田さんのこともだりーな呼びです」

「だ、だりーなはちょっと嫌なんだけど」

「なんか急に別人みたいだね、アーニャちゃん」

「ダー。みくは猫をかぶってるのですね」

「そっちじゃないよ」

 

 




秘密1:主人公と武内Pは付き合ってない
秘密2:主人公は猫を被っていた
オチ:みくにゃんは被害を被っていた



人物紹介のコーナー。

●新田美波(にったみなみ)
作者はこのアイドルのことをよく知らない。
「歩く○○○○」というネタがあることは知ってるけど使い過ぎると絶対ファンに怒られるので自粛した。
下品なネタはご法度だからね。AVが元のネタなんてもってのほかだね(すっとぼけ)

特徴を知らないから質問役させたりツッコミ役させたり何とか出番を作ろうと頑張った。
ずっと丁寧口調で主人公のことをさん付けで呼ぶのが彼女だと思う。

●アナスタシア(アーニャ)
この子のフルネームなんていうの? が作者の第一印象。
作者もロシア語がさっぱりなので調べるのも面倒臭いし自己紹介ではお茶を濁してみた。英語か中国語ならいけるのに……

喋り方も「、」を多用する、「アー」とか「ダー」と最初に言わせるっていうのが主流みたいなのでそうしたけど難しい。アー、ダーってお前は赤子かと。

「デレマスのオチ担当と言えばみくにゃん」という作者の固定観念をブチ壊したアイドルでもある。
みくにゃんがオチであることは当たり前すぎて意外性に欠け、オチとして弱いと悩んでいたところに現れた救世主。


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