東方愚者伝~対話と天秤と油~   作:寄り道峠

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さてさて、ようやくそれっぽい展開になってきました。今回はお喋り多めです。まだまだ東方成分が足りませんね……


現状確認と三人目

SideT

コツ、コツ、コツ

暗い神社の階段に二人の足音が響く。

 

T「しかし、よくキレなかったな。お前ならプッツンしてしまいそうだったけど」

H「キレた所でどうにかなる訳でもないだろ?」

T「まあそうだけど。それにしても、東方か。どうする?」

H「帰りたいか否かで言えば微妙。ラノベの新刊や新作ゲームなんかに未練はあるが学校とか進路とかを気にしなくていいのは楽だ。逆にお前はどうしたい?」

 

どうだろうか。帰さないとまで言われたから考えてもいなかったけど。帰りたいかどうかなら……帰りたい……のだろうか?ヒメガミが言うみたいにこの先進路やらなんやらの話はもう気にしなくていいのだろう。ただ、それだけで、答えは出ない。

 

T「どうしようもないな。とりあえず生きていくさ。しょうがないことだろ?」

H「俺もそうだが、軽いなお前。いっそキモイよ」

T「価値観の相違かな?」

H「危機感の相違だ」

T「いろいろ考えた上でだ。それに、まだ気になっていることもあるし。一端、少しでも未来が見えてるんだから、他のオリ主様にあやかって仕事でも探そうや。なーんて」

H「人里で教師でもするのか?他人に教えた事なんてねーぞ俺」

T「俺はあるから大丈夫だ。一応教育系志望だからな」

H「……あっそ」

T「こっち手伝わないなら、別のことしてもらうぞ」

H「畑仕事とかか?無理だな。すぐにできるような仕事じゃない」

T「そんなんじゃねーよ。まあ、それは、あとで話すよ」

 

そろそろ、下につくからな。

見えてきた道には魔理沙ともう一人女性が立っていた。

 

魔「おお、遅かったな。お前ら」

慧「お前たちが、魔理沙の言っていた人間か?はじめまして。人里で教師をしている上白沢 慧音だ」

T「はじめまして、トイツキ ノゾムです」

H「ヒメガミ ユウイチです。よろしくお願いします」

慧「よろしく。さっそく、家に案内しよう。ああ、安心しろ、空き家が結構余っているんだ。金なんかをとったりはしないよ」

 

それはよかった。金なんてほとんどないからな。

 

T「よろしくお願いします」

H「ありがとうございます」

 

そのまま家に着くと

 

慧「必要なものはある程度揃えておいた。何かあったら私のところに来てくれ」

T,H「「ありがとうございます」」

さて、家の中を見てみるか。……

 

SideA

部活も終わり、家に帰るため自転車に向かっている時だった。同じ部の仲間に声をかけられた。

 

「おーい、アオキ」

A「なにー?」

「お前、自転車体育館側だろ。体育館のカギ閉めといてくれ」

A「ああ、分かった」

 

少々面倒だがしょうがない。

カギを受け取って、体育館へ向かう。

扉を開けると、暗闇に襲われた。あれ?体育館の電気全部消えてる?

 

A「どうなってんだ?」

 

そう呟いた時、ものすごい浮遊感とともに一気にどこかに落ちて行った。

落ちていくなか、誰かの笑い声が聞こえた気がする。

 

???「フフフフ」

 

そして、俺は気を失った。……

 

???「え……?なんでここに人が?えっと、どうしましょうか。とりあえず幽々子様に……」

 

 

 

 

 

 

SideT

さてさて、家の確認も終わって。ヒメガミと話している。情報整理だ。

 

T「とりあえず、簡単な飯も用意できたし。現状確認といきましょうか」

H「これからどうする?というか仕事する?」

T「ああ。そのへんは明日慧音さんに頼むつもり。まあ多分教師の手伝いだろ」

H「俺は出来ねーぞ」

T「分かってるよ。別のことを頼むって言ったろ。お前には、人里の地理を調べてもらうつもり。あと、古本屋とか、八百屋とかも見つけといてくれ」

H「そんなんすぐ終わるぞ?」

T「だから、調査範囲を広げていくんだよ。気をつけないといけない場所やらなんやらを見つけておくんだ。主に『太陽の畑』等の花畑。霧の湖、迷いの竹林、妖怪の山、etc.」

H「多いな」

 

そりゃあ、幻想郷なんて、人里から一歩出れば魔境なわけだし。博麗神社に行くだけでも危険が伴うだろう。それならば、何か所か本当に危険な場所だけでも見つけておかないと絶対死ぬ。

 

T「ちょっとずつでいいさ。それにさっき言った、ちょっと気になることってのがあっただろ。それも含めて香霖堂に行きたいから、見つけておいてくれ」

H「了解。ところで、気になったことって?」

T「ああ、それはな……いや、やっぱりいいわ。」

H「……」

 

なんだか、こいつによく睨まれている気がする。

 

T「いや、まだ、確定じゃないし、説明がつかないところもある。それに、もうひとつやらなくちゃいけないことがあるだろ」

H「スペルカードか?」

T「ああ」

 

懐から何枚かの白い紙を出す。さっき、もらった。なんでも、いい弾幕を思いついたらこれに入れておくんだと。

 

T「紫さんの言葉が正しければ今は、紅魔郷より前だ。だとすれば、後少しで、『紅霧異変』が起きる。介入する可能性を考えると、少しでも力がいる」

H「介入、するのか?」

T「ああ、ここが俺たちの知っている幻想郷なら、やりたいことがある」

 

個人的なことだから無理強いまではしないけど。

 

H「そうか」

T「ただ問題なのはこれなんだよな。

霊夢が言っていたことだが、俺たちは二人とも、魔力や霊力がほとんどない。ようするに一般人レベルだ。

弾幕ごっこをするにしても、すぐ燃料切れじゃあ意味がない。だが、今から鍛えても雀の涙程度だろう。

だから、こっちのほうもなにか対策を立てる必要がある。俺は一応考えがあるが、お前はどうだ?」

H「無いな。お前の方法でなんとかならないか?」

T「残念ながらこれは俺の能力ありきの方法だから無理だ」

H「もう能力の利用法考えてるのか。だとすると、俺も能力を得るしかないか」

 

実際、俺の発覚が早すぎたように感じることからも、ヒメガミの能力がもう現れているのかもしれないし、まだ先なのかもしれない。何が起こるかわからない。ホント、ファンタジーだよな。

 

T「おそらく紅霧異変までは少し時間がある。あの異変はたしか、夏に起きたはず。今はまだ夏の手前だ。一か月は言いすぎにしても、何週間かはあるはずだ。焦らず生活の基盤を作りながら考えていこう」

H「そうだな。明日はどうする?」

T「俺は慧音さんに頼んで、仕事を探す。お前は人里の八百屋や古本屋を見つけておいてくれ。あと、時間があれば香霖堂も」

H「分かった。じゃあ飯を食い終わったら、寝るか」

T「ああ、今日は疲れた」

 

こうして幻想入りした俺たちの一日目は終わった。まだまだ、わからないことだらけだが、なんとかやるしかない。

 




というわけで、アオキ君のログインと二人の拠点入手回でしたね。
いや~アオキ君は一体どこに行ってしまったのでしょうね~
次回は幻想郷での二日目と三日目の予定です。
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