とある無能力者の絶対能力   作:ノナノナ

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チャットルーム

 

 ID.20001ミサカ

 『ねえねえ、街の中に変な雰囲気が漂っているんだけど、なんというかペリペリしてるっていうか、よそよそしいっていうか。誰か知らない?』

 ID.19090ミサカ

 『それを言うならピリピリですよ上位個体。それは都市伝説のせいです』

 ID.20001ミサカ

 『都市伝説?ってなあに。とミサカはミサカは、自分の知らないニューワードに興味を持ってみる。』

 ID.13577ミサカ

 『学園都市の学生たちの間で、まことしやかに流布されている噂話の事です。大半はとるに足らない与太話ですが、中にはたまに真実が含まれている場合もあります。血液占いなどはその典型例ですね』

 ID.10039ミサカ

 『いえ、星占いが最も真実を言い当てています。とミサカは修正を求めます』

 ID.20001ミサカ

 『だから占いじゃなく都市伝説って…』

 ID.10777ミサカ

 『学園都市だけでなく、世界の何処にも似たような話はあります。「天から少女が降って来る時、空飛ぶ超古代文明の遺産の鍵が開かれる」とか。降って来るのは女の子ではなくあの少年がふさわしいと思うのですが。ふふふ…』

 ID.20001ミサカ

 『あ、海外のミサカから情報が来た。で、学園都市で流行っている都市伝説って、何なのよって、ミサカはミサカは駄々をこねながら知りたいこと最優先!』

 ID.10032ミサカ

 『そのような仕草はミサカに振り向けても逆効果なだけです。とミサカは鬱陶しつつ、お子様な上位個体に思わずため息を吐きます』

 ID.番外ミサカ

 『――――』(ケケッ、実際お子ちゃまなのだし。)

 ID.10032ミサカ

 『病院その他で収集した噂によれば、巷で流行っている正体不明の能力者狩りとは、珍しい能力者を捕獲し、密かにその脳が取引されている。レベル5もその対象――。というものです』

 ID.20001ミサカ

 『脳って、じゃあ以前にミサカの脳が狙われていたように、あの人やお姉様も危険!てことなの? とミサカはミサカは狼狽するうっ』

 ID.10032ミサカ

 『だから都市伝説です。ただ、何人かの能力者が行方不明になっていることも事実で、この学園都市ならあり得ない話ではありません。と感想を述べつつこの場の報告を終わります』

 ・・・・・・・・・・・・。

 

 

 第7学区にある教職員向けの分譲マンション。教職員向けとは言っても結構な広さがあり一介の高校教師が借りられるような物件ではない。しかし、リサーチを兼ねているのでかなり安値で借りることが出来ている。

 

 夕べの日差しがリビングを照らしている。

 「るッせェなぁ、さっきから何一人で騒いでンだァ」

 ごろんとリビングのソファーに寝ころびながら、一方通行は先程から手足をパタパタさせている幼女に舌打ちする。

 「都市伝説だよ、都市伝説!」

 水玉模様のワンピースを着た十歳前後の少女。栗毛色の髪にアホ毛をぴょこんと立たせて、ソファーから身を起こす。

 「んあ、都市伝説ゥ。なンだそりゃ」

 肘掛椅子にだらしなく身を沈めて、面倒くさそうに言う髪も肌も真っ白な少年。少女のように華奢な身体だが、目付きは鋭く近寄りがたい雰囲気を持つ。

 

 「上位個体が都市伝説に嵌って、現在MNW(ミサカネットワーク)は絶賛炎上中。代理演算にも影響があるかもよ。ギャハ。」

 説明する目付きの悪いアオザイ姿のハイティーン。ネットワークに流れる負の感情を一身に集める、シスターズの番外個体。高校生の御坂美琴を凶悪キャラにしたらこんな感じだろうといった風貌。

 

 「なんでも能力者狩りが横行してるって噂。レベルに関係なく稀少な能力を持つ者が襲われているんだって。アンタなんか一番狙われやすいんじゃない。学園都市で一人しかいない能力だもんね」

 ダージリンティーを飲みながら、芳川桔梗が答える。

 

 一人しかいない能力と聞いて、忌々しいツンツン頭の男の顔が浮かぶ。

 「ハ、能力ってのは一人に一つづつなンだ。つまり230万人いりゃ230万通りの能力があるってこと。稀少かどうかなンて、所詮、枠組みに嵌めただけのもンだろーよ」

 つくづくどーでもいいって顔で吐き捨てる一方通行。

 

 「学園都市最強に迫る危機! でもアナタはワタシが守ってあげる。って宣言しながら、アナタにダイブ‼」

 「ゲフッ。ってなンでいきなりオレの上に乗っかかっているンですかァ、チビ!」

 「モヤシが満更でない顔でツンデってるよ、ヒャッヒャッヒャァ」

 「ツ・ブ・ス・ぞ!この‼」

 あまりの鬱陶しさに青筋が立ちそうになる一方通行。

 「そりゃそうと、黄泉川はどうしたんだ。随分遅いようだが――」

 「彼女ならアンチスキルが忙しいって。何でも調べ物とかなんとか。今日の夕食どうなるのかしら、ハア…」

 物憂い表情でこの家の居候(ニート)からの返事。

 

 「……ふーん…」

 興味なさげに応える一方通行。

 (またぞろ、この街のクソどもが動き出したって訳か――)

 

 

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