PCが壊れた。というよりも不具合で機能停止したりしている状態です。
小説を書けるような状態ではないので、しばらく更新できそうにありません。
誠に申し訳ありません。
私は椛のお迎えで、再び妖怪の山に来た。
天狗達がこちらを睨み付けている。
視線が痛い。
まだ着かないのか、まだ着かないのかと思いながら手に汗握る。
「着きました。此処です」
椛はこちらを振り向き、扉の横に立った。
「此処からは貴方以外の者は通すなと命令されております。もちろん私も通れません。私は此処で待っております」
「わかったわ、ありがとう」
私は椛に感謝すると共に、扉に手を差し伸べる。
扉は木の軋むような音を出しながら開いていく。
扉の向こうには、和風の屋敷が建っていた。
まるで一つの一軒家のように、だが普通よりもとても大きく広い。
貴族が居座るかのような屋敷だった。
私は奥に進んでいき、障子の向こうに人影が見えた。
「誰ぞ…」
人影はこちらに気付き、誰かを訪ねた。
「博山霊奈よ」
「入れ」
私はそう言われ、部屋の中に入った。
目の前には、大きく黒い翼、白色の長い髪、白の胴衣のような服、下は黒の袴に、おまけには顔に鼻高天狗のお面を被っていた。
「久しぶりじゃな、博麗よ」
「ええ、久しぶりね。鞍馬。それと私は博麗ではないわ」
「わしにとっては今もお前が博麗だ」
私が鞍馬と呼んだ人物。
彼の正体は、天狗の上司である、大天狗と呼ばれた者。
名前は鞍馬雪草(くらま せっそう)
大天狗の中でも一番の実力者であり、天狗の長でもある、天魔と同等の力を持っている。
私はその大物と友人でもあった。
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十年も前の話。
まだ博麗の巫女をやっていた頃、一度人里の依頼で妖怪の山に出向くことがあった。
その依頼のおかげで、侵入者扱いされ、天狗達にしつこく追い回された。
逃げる際に、ある一軒家で天狗達がいなくなるまで匿うつもりだった。
だが、そこに入った運の尽きだった。
その家は大天狗の家だった。
「何者ぞ…」
大天狗は静かに問うた。
「ただの…巫女よ」
「そのただの巫女が、わしの敷地内に侵入してくるとは、どういう了見よ?」
大天狗は私の首筋に、帯刀を構えた。
「随分、物騒な物ね。天狗は皆こうなのかしら?」
「お主がどこの誰すらもわからない者に、ましてや人間に、天狗の領域を荒らされるつもりは毛頭ない」
「別に好きでこんなところで来たわけじゃないんだけどね」
「ほう、では一体何のためだ。人間よ」
大天狗は今一度問うた。
突然、いくつか足音が聞こえてくる。
恐らく、哨戒していた天狗が此処に来たのだ。
「人間、どこかに隠れよ」
「え?」
「何をしておる、早くどこかに隠れよ!」
大天狗は言うとおりに、私は隠れた。
微かに、天狗達の声が聞こえてきた。
私は耳を立て、聞き出す。
「大天狗様、こちらに紅白の人間を見ませんでしたか?」
「いや、わしのところには来ていない。何か問題でもあったのか?」
「はい、実は侵入者が居まして、現在詮索中です」
「そうか。見つけ次第、その人間をわしのところに連れて来い。良いな?」
「承知致しました」
それ以降会話が途切れ、天狗達が翼を広げ、飛び去って行く音が聞こえる。
そして、一気に空気は静まり返った。
「人間、行ったぞ」
「匿ってくれるなんてね。ありがたいわ」
再び私の首筋には、帯刀が置かれた。
「勘違いしては困るのう。返答次第ではその首を刎ねる」
「……なら、正直に言うけれども、私の目的は人里で子供が山に入ったと言われ、連れ戻してほしいと依頼されただけ」
「信用できぬな」
「ほらね、天狗は頑固だから同族以外は信用するに値しない」
「……何が言いたいのだ」
「私は貴方達を信用しない、と言っているの」
「人間如きが生意気な、我々を馬鹿にするのか」
「黙らせるなら、私の首を刎ねれば良い話よ」
双方それ以上何も言わずに、行動も起こさず、睨み合った。
私と大天狗が睨みあっている中、また足音が聞こえ始めた。
「大天狗様、いらっしゃいますか?」
「此処に居る、何用じゃ」
「はい、紅白の人間ではないのですが、人間の子供を見つけまして、大天狗様にこれをどうするか訪ねに来た次第です」
大天狗はそれを耳にして、目を見開いた。
少し考える素振りを見せ、こちらを見た後にこう告げた。
「今すぐわしの所に連れて来い。後はわしが引き受ける」
「はっ!」
天狗は再び消えて行った。
大天狗は帯刀を首から下ろし、深く頭を下げた。
「すまんかった」
「別にいいわ。一人で見つける手間が省けたから」
「だが、わしはお主を誤解してしまった。せめて、何か詫びさせてくれぬか?」
「詫びなんていらないわよ。人生で誤解の一つや二つなんてあって当然じゃない」
「しかし、わしの気が済まぬのだ。わしは天狗の身でありながら、同族以外にも迷惑を掛けたのなら詫びをする。わしの一つの信条なのだ」
「難儀なものね」
私は、自分が利益があって、大天狗が納得するものを考えた。
「最近、私は外部からの情報がほしかったのよね。噂を聞く限り、天狗は新聞を作っていると聞いたことがあるけど?」
「ああ、そうじゃ」
「で、私は天狗の新聞を購読しようと思うの」
「何じゃと!?今までに天狗の新聞を購読した者などおらなかったが、お主をそれを成そうというのか?」
「ええ、もちろん。これで貸し借りなしよ」
大天狗は少し間を置いた後に、承諾した。
「…わかった。引き受けよう」
「それじゃ、天狗にも色々な新聞があるそうね。どれが一番良いのかしら?私はそれを買おうと思うの」
「いや、その必要はない」
大天狗は必要ないと言った。
なぜ?という風に、私は首を横に傾げた。
「部下の新聞よりも、わしが直々にお主のために新聞を作る。もちろん無料(タダ)で提供するつもりじゃ」
「わざわざ、貴方が作らなくても問題ないんじゃないかしら」
「わしが部下に言ったところで、納得する者はおらんわい。じゃからこそ、上司であるわしが先取りしなければならないのじゃ。文句はあるものならば、わしを力づくで止めればいい話じゃ」
それはもはや強制ね。
部下が上司に逆らえないのはいつの時代も同じ。
特に、人間達のような反乱ならともかく、妖怪の上下関係は、強い者が上に立ち、弱い者は下に付く。
いくら部下が数十人数百人束になってかかって来ようと、勝てるはずもない。
「それに、わしはお主を気に入ったみたいじゃ…」
「何か言ったかしら?」
「い、いや何も…」
大天狗は何か小さな声で呟いたが、私には聞こえなかった。
「わしの新聞を購読する者ならば、名くらい聞いておかねばな。わしは鞍馬雪草じゃ。主は?」
「私は博麗、博麗霊奈よ。今後ともよろしくね」
これが、私と大天狗の最初の出会いだった。
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過去の話はともかく、本題に戻るとして。
私が此処に来たのにも、理由はある。
「して、お主がわしにただ会いに来た訳ではあるまい。用件はなんじゃ?」
さすがは大天狗。何でもお見通しなことで。
「単刀直入に言うと、もう一度貴方の新聞を購読したいの」
「ほう、そんなにわしの新聞が恋しいか?」
鞍馬は冗談っぽく言ったが、私は鋭く睨む。
まじめな話を逸らすような事やめてくれないかしら?
「冗談に決まっておろうに。お主も短気よのう」
「それなら、まじめにしてくれないかしらね?」
「おお、こわいこわい」
鞍馬は何の動揺もない。
大抵の人なら、気圧すれば怖気づくのだけれど、やはり彼には効かないようだ。
「話を戻すかの。で、わしの新聞を購読だったな?」
「ええ、そうよ」
「なぜ、わしのじゃ?新聞なら他の天狗が書いているではないか」
「確かにそうね」
新聞なんて他の天狗に頼れば、いくらでもある。
しかし私は確信がある。
「でも他のを読んでみると、だいたいはデマじゃない。それに比べて、貴方の情報は的確。それは昔に思い知らされたわ」
「それで、わしということか」
私は黙って頷いた。
鞍馬は少し何かを考えたようだが、すぐにこう言った。
「よかろう。ちょうどわしも仕事ばかりで退屈しておったところじゃ」
「そう言って、新聞どうのこうの言い訳つけて、仕事サボるつもり?」
「な、何を言っておる!そんな訳あるはずないじゃないか馬鹿者!」
鞍馬は焦ったように否定した。
絶対に仕事したくないから、やりたいだけよね?
「まあ、引き受けてくれるなら何でもいいわ」
「おっと、誰が無料(タダ)で購読させると言った?もちろん条件付きじゃ」
そんなうまく行くわけもないよね。
鞍馬もいちおう天狗。それなりに厳しい条件を付けてくるかもしれない。
「何、条件と言ってもお主の思っているほど厳しくはない」
私が思っているほどじゃない?
「条件とは、お主に博麗を襲名してほしいのじゃ」
「…なぜかしら?」
「わからんか?わしはお主の頼みを聞くのではなく。博麗の巫女の頼みを聞くと言っているのじゃ」
「それなら、霊夢が頼みに来たら、貴方は了承するのかしら?」
「もちろんじゃ。だが、あの娘がわしにところに来るなんてことはない。お主に仮に連れてきたとしても、あの娘は嫌というじゃろう」
「随分と、霊夢のことよく知ってるじゃない?」
「何、あの娘が博麗を襲名した時から、わしの部下の鴉天狗から情報を流れての」
霊夢と関係を持った鴉天狗というと、あの『文々。新聞』て書かれていた新聞の人かしら?
毎朝、空から新聞が凄い勢いで投げ付けて来るのはありがた迷惑だ。
「今更、私が博麗を名乗ったところで、何も変わりはしないわ」
「最初に言ったじゃろう?わしにとっては今もお主が博麗と…わしの信頼するのは『博麗』であるお主じゃ」
私はすでに博麗のなりそこないであり、博麗を名乗る資格なんてない。
そうなれば鞍馬との交渉は決裂。
私は表情が曇り、悩み始めた。
数分の時間が経ち、結論を出した。
「……わかったわ。博麗を襲名する」
「なれば、わしもお主のために新聞を書くとしようかの」
「私のために?どういうことかしら?」
「…お主には、到底わからないことかもしれぬな…」
訳が分からない。
鞍馬は言ってることが全く以ってわからない。
まあ、引き受けてくれるなら別にいいか。
私はそう思い、立ち上がろうとする。
「何じゃお主、もう帰るのか?」
「ええ、夜から予定があってね」
「守矢神社の宴会か?それならわしと共に一緒に行かぬか?」
「そのつもりだったけど、人里でお酒を買ってから行くことにしたわ。妖怪のお酒は辛いからね。自分用のを用意するつもり」
「そうか…」
鞍馬が少し寂しげな表情に見えたが、私は気にせずに立ち去ろうとした。
「では、また宴会での」
去り際に、鞍馬に声を掛けられた。
私は振り向かないで、手を振りこう答えた。
「ええ、またね」
私は大天狗の屋敷を後にした。
門まで戻ったら、椛が待っていた。
「大天狗様に、失礼はなかったですか?」
「ええ、特に何も…」
「そうですか」
鞍馬には「わしとお主との関係は伏せておけ、ばれたら色々と厄介なのじゃ」と言われてるので、何もないと言った。
私は一人で山を歩いて行こうとしたら、椛に引き止められた。
「どこに行くのですか?」
「人里まで買い物よ」
「では、山の入り口まで案内します」
「ついて来る必要はないわよ?」
「私は貴方が余計なことを仕出かさないことはわかってますが、他の者が納得しないでしょう」
「監視、という訳ね」
「そういうことです」
私は椛と同行し、山を降りて行った。
明けましておめでとうございます!
年越しすぐに投稿しようと考えまして、急いで一週間ほどで急いで書いたものです。
いつも通りぐだぐだしてますがすいません。
今回はオリキャラを出しました。
妖怪の山の天狗の上司、鞍馬雪草(くらま せっそう)です。
容姿は本文に書いてある通り、大きな黒い翼、白色の長い髪、白の胴衣のような服、下は黒の袴です。
オプションには、顔に鼻高天狗のお面を被っています。
お面の下は、かなり鋭い目つきであるという設定です。
能力は現在のところ不明となっております。