あと最初の部分はアニメvividの語りを抜粋しました。
ーーその世界はかつて、長い戦乱に晒されていました。幾つもの国が乱立し、領土と実りを奪い合い、侵略し合った乱世の時代。
ーーそんな時代を終わらせるべく、諸国の王達は覇権を巡って更に争い、乱世の規模を大きくしてーー。
ーーそれでも、戦乱の時代からその歴史の終焉まで、さまざまな想いを持って生き抜いた人々がいました。
ーーある時、その歴史の中で彼らは異形の存在に遭遇しました。それは天使・悪魔・堕天使と自らを称したのです。三種族はお互いに争い、やがて被害は人間である彼らにまで及んでいき、このまま争っていては滅んでしまうと考えた王達は同盟を組み、三種族の争いに介入することになったのです。
ーーこの三種族に人間を加えた戦争は、突如として現れた二匹のドラゴンを、全ての種族が協力して封印するまで続くことになっていくのです。
ーーその世界の名は“ベルカ”。今はもう、歴史の中に名を残すだけの世界ーーーー。
しかし、幾年の時が過ぎた現在も彼らは滅んではいなかった。
英雄達は己の使命を自らの子ども達に託した。
“世界の均衡を保つ為の抑止力となる”という使命をーーーー
ーーとある公園ーー
「間に合いませんでしたか……」
悲壮感を表情に出す視線の先には公園の中心で血溜まりに沈む1人の少年がいた。もっと早く助けに入れればと後悔した。
けれど現実には間に合わず、こうして罪も無い民が命を落としてしまったことに彼は酷く胸が締め付けられる想いであった。
せめて彼の顔を、存在を記憶に刻み付けようと近づこうとした瞬間、唐突に少年の制服の胸ポケット部分から眩いほどの紅い光が溢れる。
「ーーこの感じ、この魔力の高まり……これはグレモリーの…?」
次いで少年の傍に魔法陣が浮かび上がり、そこから現れたのは紅髪の美女。
「私を喚んだのは貴方かしら? 普段なら良くて朱乃が喚ばれる程度なのだけれど……へぇ、そういうことね。
ーーねぇ、貴方は生きたい? それとも諦める? 決めるのは貴方よ。もし生きたいと願うなら私がそれを叶えてあげる。
ーーそう、貴方は生きることを選択したのね。でも良いの? 後悔するかもしれない、それでも貴方は生きることを願うのね?
ーーそれが貴方の決めた選択ね。良いわ、ならこれからは私の眷属としてその力、存分に奮いなさい!」
彼女の手からチェスのポーンである駒が八個、少年の胸へと沈んでいく。全ての駒が沈みきると、先ほどまで消えかけていた命に活力が戻ってきた。
「ある程度の予想はしていたとはいえ、残りの歩兵の駒を全て使いきってようやく転生なんて…。でも益々楽しみねーーーー
ーーそうは思わないかしら? そこで見物している貴方」
「……気付いていらしたのですか」
「そもそも隠す気が無かったでしょう。貴方が何者かは知らないけれど、遥かに格上であることは判るわ。本当に隠す気なら、きっと私では気付けなかった筈よ」
「……どうやら私は貴女を過小評価していたようです」
「別に気にしていないから構わないわ。卑下されるのは慣れっこだもの」
肩を竦めて紅髪の美女は苦笑まじりにそう口にした。
「私の名はリアス・グレモリー。見たところ貴方は人間のようだけれど、私を見て驚かないってことは貴方も裏の人間なのかしら?」
「……詳しいことは話せませんが……」
「なら聞かないことにしましょう。この子を家に送り届けないといけないことだし」
「……賢明な判断です」
「……それじゃあ機会があればまた会いましょう。何処の誰かは知らない虹彩異色の華麗人さん」
一瞬魔力が溢れたが直ぐに消え、微笑みをこちらに向けて彼女は転移で去っていった。
「どうやら貴方の言っていたことは本当のようですね。
ーーーーサーゼクス・ルシファー殿」