東方大魔王伝 -夢現幻想-   作:黒太陽

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第十一話 暗躍

神殿

 

(あれが頂点……藤原妹紅……)

 

戻ってきたエスタークは王座に座り今しがたの事を振り返る

 

 

カタ……カタ……

 

 

震えが止まらない

 

(死んでいました……)

 

あの時、妹紅が輝夜ごと攻撃しようとしたあの攻撃

 

受けていれば死んでいた

 

スキマで回避しなければ間違いなく

 

(我ながら情けない……強がるので精一杯とは……)

 

弱味を見せない為とは言え妹紅に発した言葉を情けなく感じる

 

(他にまだ5人も……)

 

妹紅一人にこの様、その同格がまだ5人

 

(やはり諦めるのが賢いのでしょうか……)

 

諦めが強くなった

 

頂点と対峙したからだ、その余りのレベル差を感じたから諦めを強く視野に入れたのだ

 

「それにしても……」

 

震える手に持つ御守りを眺める

 

(やはり何か因果を感じます……初めて幻想郷に行ったあの時と同じ感覚……)

 

御守りを凝視する

 

(私が感じた因果とはまさか大魔王バーンの……?)

 

初めて幻想郷を訪れた時に感じた感覚、自分に近い何かの感覚

 

それを御守りからも感じたエスタークは御守りを作ったバーンがそうなのかと思う

 

(これが私の探すべきものだとすれば……)

 

因果は目的を変えさせた

 

(一先ず幻想郷は後回しです……この因果に出会うには……今は遺産しかありませんか)

 

幻想郷の支配は優先度を下げ、目下の目的は遺産

 

理由も確証も無いがするべき事が決まる

 

「しかし……」

 

表情には出ないが心中は不安があった

 

(素顔を見られた訳ではありませんが存在は広く知られたでしょう……それに焦りがスキマを隠すのを忘れさせた、八雲紫を捕らえたと考えられてもおかしくはない……そして八坂神奈子達も……)

 

頂点との接触が不安の理由

 

あれだけの事をしでかし、肝心の者は捕らえられなかった

 

成果は自分には不用の御守りのみ

 

代償は敵と広く認知されたであろう事

 

支配は尚の事難しいが隠密に行動するのさえも厳しいと感じたのだ

 

 

「私にもっと力があれば……」

 

 

そう思わずにはいられない

 

力があれば今の情けない状況は無い、力で幻想郷を捩じ伏せれるからだ

 

 

 

『殺し……破壊せよ……』

 

 

 

「ッ!?」

 

突然頭を過った言葉に頭を押さえる

 

「……夢以外にも聞こえだした……」

 

囁く謎の声

 

エスタークは以前からこの声を聞いていた、死と破壊を望む声を紫を捕らえた日から

 

(なんだこれは!?幻聴ではない……いったい何故……)

 

謎の声に苦悩するエスターク

 

そこに憤怒する者が現れる

 

「エスターク!!」

 

それはバルバトス

 

「……何ですか?」

 

横目で睨むエスタークにバルバトスは叫んだ

 

「俺を幻想郷に送れぃ!!」

 

「何のために?」

 

「決まっている!あのガキをブチ殺すんだよ!!」

 

「……やめておきなさい」

 

エスタークは頼みを断った

 

勝ち目が無いからだ、萃香に敗走したバルバトスが警戒強まったであろう幻想郷に行ったところで返り討ちが関の山だからだ、萃香は勿論の事、他の者にも敵わないかもしれない

 

警戒が強まった事をバルバトスは知らないがそれを差し引いても怒りに我を忘れた愚か者にしか見えなかった

 

「知ったことか!早くしろ!!お前も殺すぞ!!」

 

「……やってみますか?」

 

脅しにエスタークは動じない、やれやれと言った顔でバルバトスを見ている

 

「気に食わん……お前のその態度が気に食わねぇんだよ!!」

 

斧を構えたバルバトス、本当に殺るつもりだ

 

振り下ろされる刹那、エスタークはスッっと手をバルバトスにかざした

 

「ぐぅおおおっ!?」

 

突然バルバトスが悶え倒れる

 

「調子に乗った貴方の立場を教えてあげます」

 

かざしながらエスタークは話し出す

 

「貴方は私を仲間と思っている様でしたがそれは大きな間違い……貴方は駒、私の私兵なのですよ」

 

「なんだとぉ……!?」

 

「貴方は……いや、他の方も知らないでしょうがね、甦らせた時に記憶を弄ったので貴方は死んでいた事も知らない」

 

「な……に……」

 

「理解出来ないでしょうがそういう訳です、私に逆らえば死ぬ事になります、これは理解出来ますね?」

 

「……おのれぇ!!」

 

「……狂人と言えど誇りはあるのですか、よろしい、また襲われるのも面倒ですので少し弄りましょうか」

 

「何をする気だ……」

 

「大丈夫です、私が上だと弄るだけですよ、性格までは変えません」

 

「俺のこの怒りは……」

 

「それも心配要りません、貴方は伊吹萃香を倒せば良い……怒りのままに……」

 

「それであのガキを殺せるなら……好きにしろ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ……」

 

バルバトスの居なくなった場所でエスタークはまた考え込んでいた

 

(やはり因果が気になります……まるでそうしろと言われている感覚……危険ですがやりますか)

 

エスタークは遺産を集めるのを決意する

 

(そういえば……バルバトスで思い出しました、生ける強者に気が行き過ぎてましたね)

 

同時に思い出す

 

(一緒に見てみますか……ああそうだ、確か死んだ頂点が居ましたね……生者に比べれば幾分力は落ちますが良い戦力になりそうです)

 

不気味な笑みを浮かべ

 

エスタークは準備を開始する……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

永遠亭

 

「……んっ……」

 

目覚めると馴染み無い天井だった

 

「……ああ、永遠亭か……」

 

すぐに理解して起き上がった瞬間

 

「妹紅!!」

 

「ピィ!」

 

確認する間も無く抱きつかれた

 

「親分……ダイ……みんな……」

 

抱きついたのはチルノとダイ、ベッドの回りにはレミリア達が居た

 

「手酷くやられた様ね妹紅……」

 

すました様にレミリアが話す、しかし表情に苦さが滲んでいる

 

「悪いみんな……心配掛けた……」

 

心配に見ている皆に申し訳なく謝る妹紅

 

「良いのよ妹紅……気にしないで」

 

気にするなと妹紅に言う

 

蓬莱人である妹紅は甦れる

 

だから普通なら心配に値しないのだ、死んでも大丈夫だから

 

なのに心配したのは……

 

「何とか生きてたよ、約束は守れたみたいだ」

 

約束を知っていたから

 

最期の時に妹紅がバーンと交わした約束の1つに死ぬ事は許さないとあった

 

それは死を否定する事

 

死を重く捉え人間と同じ様に生きる事

 

体は人ならざる物、だが心だけでも人間でいろ……

 

約束から感じた想いを汲み取った妹紅は今まで守りと通していた

 

 

「文から聞いてるわ、エスタークって奴の仕業みたいね」

 

「エスターク……」

 

その名で思い出す、戦った事を

 

「あいつ……魔族だったよ」

 

「魔族……そう……」

 

妹紅の言葉にレミリアの心境は複雑

 

「バーンと同じ……」

 

パチュリーが呟く

 

バーンと同じ魔族な事が複雑な理由

 

今まで幻想郷で見た魔族は魔帝を除き比較的害の無い者ばかりだった

 

その中でもバーンは特別

 

だからその特別だったバーンの種族に親近感を抱いてしまっていたのだ

 

魔族は悪い者が多いと知っているが確証も無い親近感を勝手に抱いてしまっていたから敵とわかっていても複雑だった

 

「でも退治するんですよね?」

 

「勿論だよ、あいつはスキマを使っていた……スキマ妖怪が紫以外に居るなんて聞いた事も見た事も無い、あの幻想郷を愛する紫が協力なんてする筈が無いし……紫は多分あいつに捕まったんだ」

 

「ならもしかして守矢も……」

 

「多分な……この半年ずっと居ないみたいだし神奈子と紫は連絡を密に取り合ってた、紫を助けに行って返り討ちに合ったんだろう」

 

「生きてるのかな?」

 

「生きてはいるだろ、守矢神社の存在が稀薄になってないのがその証拠だよ、もし死んだなら神社に溜まる神気が無くなって守矢神社は廃墟になってる筈だし」

 

「……元凶を叩かない事には解決にならないって訳ね」

 

「だと思う、それでお願いがあるんだけど良いかなみんな?」

 

「何?」

 

「あいつは私に任せてくれないか?」

 

「怪我のお礼?」

 

「それもあるけど……取り返さなくちゃならない物があるんだ……」

 

「!?妹紅……貴方御守りが……」

 

「……ダメかな?」

 

「……わかった、けど優先させるだけよ?」

 

「わかってるよ、私が居る時だけはやらせてくれたらいい……ありがとう」

 

話し合う言葉は部屋に入ってきた女性の言葉で中断される

 

「目が覚めたみたいね」

 

「永琳!」

 

入って来たのは永琳

 

「腕の感覚はどう?」

 

「ん?ああ!大丈夫だよ!切れてたなんて気付かないくらい違和感が無いよ!」

 

「驚いたわ、久し振りに帰ったら慌てる鈴仙に腕が無い貴方……」

 

「流石だよ、こんな傷口も無く綺麗にくっつけれるなんてさ」

 

「……それは私じゃないわ」

 

「え?永琳がやったんだろ?」

 

「つけたのは私だけど傷口を消したのはその子よ」

 

妹紅の胸に居る者を指差す

 

「ダイが?」

 

胸に居るダイを見つめる

 

「ピィ……ピィ……」

 

胸に埋もれるダイは泣いていた

 

「これも驚いた……いきなり手術室を壊して入って来たのだからね」

 

「……」

 

「鈴仙につまみ出さそうとしたけど振り切って接合を終えた貴方の傍に来た、そして光を放ったと思ったら傷口は綺麗に消えていたのよ」

 

「……そうだったのか」

 

ダイをまた見つめる

 

「ダイ……ありがとう」

 

「……ピィ!!」

 

礼を聞いたダイが怒った

 

「ピィ!ピピィ!!」

 

とても怒っている

 

「悪かったよダイ……心配掛けてゴメンな」

 

「ピィ~!!」

 

また涙を溢れさせて泣いた

 

心配だったのだ

 

ただ妹紅が心配で心配で堪らなかった

 

妹紅が死んでも甦れる事はダイは知らなかったのもあるが例えそれを知っていても心配だったし同じ事をしただろう

 

友達が心配で堪らなかったから怒り、そして無事だったから泣いたのだ

 

「親分も大丈夫か?」

 

同じく抱きつくチルノへ目を向ける

 

「バカ!」

 

俯いたチルノが叫ぶ

 

「心配したじゃない……死なないって約束したのに……」

 

顔を上げたチルノの目にも涙

 

不安だったのだ

 

もしかして死んだら甦れないんじゃないかと……

 

不死であるのは知っているチルノだが友を失いたくない想いがそんな事を考えさせてしまったのだ

 

「悪かった……」

 

その想いを知るが故に妹紅も辛い

 

心配をさせてしまったのが心に響く

 

「大丈夫だよ……もう心配要らない、掛けない……」

 

「約束!」

 

「ああ……約束だ!」

 

その光景を微笑ましく見守る皆

 

「あ……輝夜は?大丈夫なのかあいつ?」

 

思い出した妹紅が永琳に聞く

 

「……意識が戻らない」

 

「何かあったのか!?」

 

答に詳細を促す

 

「あった……のかもしれない」

 

「?……どういう事だ?」

 

「わからないの、何故目を覚まさないのか……外傷は無し、術を掛けられた痕跡も無し……原因がわからないの……」

 

「なんだよそれ……」

 

永琳ですら原因のわからない事態だった

 

輝夜は倒れて以降ずっと意識が戻らないらしい

 

「だから様子を見るしかないの……ずっと夢を見ているみたいに眠り続けてる……まるで眠り姫……」

 

「……1回殺してみたのか?」

 

魂を基点に甦れるからその際に異常は消えるのではないかと思い聞いた

 

「試してないの、怖くてね……」

 

永琳は試していなかった

 

原因がわからないから

 

わからないから全てに不安が過る、何が起きるかわからないから

 

もし殺した時にそれが引き金で悪化するかもしれない可能性が怖かったのだ

 

それが軽いものならいざ知らずだが相手は輝夜であり重いもの、仕える姫にそんな不確かな事は出来なかったのだ

 

「……悪い永琳、私のせいだ……」

 

招いたのは自分、だから謝らずにはいられなかった

 

「貴方が悪くないのはわかってる、気にしないで」

 

「でもさ……」

 

「大丈夫よ、私が責任を持って治すから……では私は戻るから……もう少し休みたいなら好きにして」

 

妹紅に非は無いと言い永琳は部屋から出ていく

 

「輝夜は永琳に任せておけば大丈夫よ……それで今後だけど……」

 

パチュリーを筆頭に今後の対策を話し出した

 

 

 

 

 

 

 

 

「最近コソコソと何かしてるみたいだけど何をしているの?」

 

部屋から離れた廊下でレミリアが永琳を呼び止める

 

「……」

 

永琳は喋らない

 

「……話したくないならいいけど?」

 

「……死者の行方を探してるの」

 

「死者……そう……上手くいってる?」

 

「……それなりにね」

 

「頑張りなさい……」

 

「貴方も気をつけて……」

 

二人の会話はそこで終わる

 

 

 

 

「妹紅!大丈夫か!」

 

 

遠くから聞こえる慧音の声に二人は微笑み合い別れた

 

 

 

 

その後念の為にもう少し永遠亭で休む事になった妹紅、そして他のメンバーはエスタークを探し始める事になる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

香霖堂

 

「がはっ……!?」

 

店内で倒れる者が居る

 

「これですか……」

 

棚に飾られる物を見上げる者が居た

 

「これが遺産の1つ……シャハルの鏡……」

 

手に取り眺める

 

「くっ……何が目的なんだ……!」

 

「森近霖之助……知りたいですか?」

 

倒れるは森近霖之助

 

見下すはエスターク

 

エスタークは遺産を手に入れる為香霖堂に来ていた

 

「言わば強盗ですよ……フフ……このシャハルの鏡が欲しかったのです」

 

「やめてくれ……それは誰にも譲れない物なんだ……」

 

「ふむ……」

 

霖之助の頼みにエスタークはシャハルの鏡を見つめると顔を向ける

 

「これは因果に辿り着く物ではありませんね……ですが……」

 

見下す表情は笑みが混じった

 

「貰っておきましょう、有能な防具ですから……」

 

「待て……!!」

 

霖之助の手がエスタークの足を掴む

 

「おやおや……そんなにこれは大事な物ですか?」

 

「そうだ……!それは僕……のっ!?」

 

答えきる前に顔を蹴られる

 

「僕の……なんですか?」

 

ドスッ

 

「早く教えてください」

 

ドスッ

 

「ほら……口を動かすだけですよ?」

 

ドスッ

 

「どうしました?」

 

ドスッ

 

「ああ失礼……足の方が勝手に……さぁなんですか?」

 

「……僕の……大……事、な!物だ!」

 

「知っています」

 

バキッ!

 

メキッ!

 

グシャ!

 

ドガァ!!

 

手を踏み砕かれ、痛めつけられ蹴り飛ばされた霖之助は壁に叩きつけられ崩れた商品に埋もれる

 

「知っていて手を出したに決まっているでしょう」

 

愉快気に香霖堂を出るエスタークは少し離れた場所で止まった

 

(あまり大きくは動けません……森近霖之助が狙いやすかったので良かったですがハズレ……これから先は慎重に行かねばなりません)

 

誰も居ない森の中で考える

 

「そこに居るのは誰なのだー?」

 

「!?」

 

突然掛けられた声に身を強張らせる

 

「こんにちはなのだー!」

 

そこには黒い服を着た金髪の少女

 

(驚かされた……この妖怪は……確かルーミア……遺産を持つ者……)

 

少女はルーミア

 

能天気な彼女は普段通り面白い事を探しにフラフラと散歩していたのだ

 

(遺産はリボン……こうして見ると魔力は感じますが本に書かれる通り特別な道具ではありませんね)

 

「私はルーミアなのだー!お前は誰なのだー?」

 

考えるエスタークにルーミアは問う

 

(……見られましたし始末しましょうか、森近霖之助はさほど強くないので放っておきましたがこの妖怪も同じく……)

 

指に力が籠る、同時に魔力が集まっていく

 

「暇なら遊ぼうなのだー!」

 

「……」

 

指の力が抜けた

 

(何もわからぬ愚者……捨て置いても問題はありませんね)

 

始末はやめた、ルーミアの無邪気な言葉に毒気を抜かれたのだ

 

「申し訳ありません、私は用事があるので貴方の御相手は出来ません……貴方が麗しき女性になった時には一緒に踊りましょう」

 

「そーなのかー、じゃあ諦めるのだー」

 

特に気にしていないルーミアは歩き出す

 

エスタークと擦れ違った瞬間

 

「!?」

 

違和感に気付く

 

(あのリボン……遺産ではない方のリボンから強い力を感じた!)

 

(あれは封印でした……力が押さえられているから愚者に?)

 

仮説を立てたエスタークはリボンを見る為に振り返る

 

「……遅かったですね」

 

既にルーミアは消えていた

 

(……次に会えたらその時はゆっくり見させて貰いましょうか、では……)

 

エスタークは人気の無い場所へ移動すると準備を始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???

 

「!?」

 

女性は感じた

 

「来ましたね……」

 

(獄への干渉が……)

 

自らが管理する領域への侵入を感じる

 

(物色している……狙いはやはり霧雨魔理沙……)

 

「大丈夫ですか!?」

 

焦燥の表情に部下の女性も慌てる

 

「今はまだ大丈……むっ!?」

 

侵入者に動きが出た

 

(強い妖怪や人間を物色しだした……霧雨魔理沙は諦めた様ですね)

 

気を緩める事なく感じ続ける

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幻想郷・洞窟内

 

(霧雨魔理沙の魂が居ない……なるほど獄の管理者の仕業ですか)

 

エスタークの表情は変わらない

 

(最悪肉体が手に入れば甦らすのは可能、今は置いておきましょう、霧雨魔理沙が無理なら……)

 

能力の方向を変える

 

(……博麗の巫女、博麗霊夢……これも八雲紫と同格、良い者を見つけました)

 

能力を高める

 

(……これも無理……あらかじめ主な死者には施しがしてあったのですか、どうやら私の存在は知られていた様ですね)

 

拒絶する強い力に自らの存在を知った上の事だと知る

 

(……気に入りません)

 

機嫌が悪くなる

 

(してやったと思われているのはどうにも気に入りません)

 

抵抗者の笑みを思ったからだ

 

(大した戦力にはなりませんが……まぁ良いでしょう、私を舐めた事を後悔させてあげましょう……)

 

笑みを浮かべたエスタークは能力を最大に高めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???

 

「ッ!?」

 

顔が歪む

 

(全体に干渉してきた!?この力……まさかそんな!?)

 

すぐさま抵抗を強める

 

「……ッ!?貴方も手伝いなさい!!」

 

眼下の女性に命令する

 

「わ、わかりました!」

 

二人の力で抵抗するも

 

(強過ぎる!?止められない!!)

 

 

 

バンッ!

 

 

 

弾かれた二人の女性は壁に吹き飛ばされる

 

「うぅ……くっ……」

 

部下の女性が頭を押さえ立ち上がる

 

「大丈夫ですか映……!?」

 

倒れる女性を見た

 

「映姫様!!」

 

駆け寄り抱き上げられた女性は意識はあるが衰弱している

 

「まさか……獄に居る死者を全て甦らせるなんて……」

 

呟かれた事実

 

幻想郷の死者は全て管理を外され干渉者の手に落ちてしまった

 

「どうされるんですか映姫様?」

 

部下の女性が不安を露に問う

 

「甦らされた死者は今は獄の帝王の居城……断定は出来ませんが今すぐには事を起こさないでしょう、ですから小町……」

 

 

「霧雨魔理沙の確保を最優先しなさい、もし奴の手に渡れば幾分力は落ちますが強大な敵になりかねません、それは防がないといけません」

 

小町と呼ばれる部下に命令を下す

 

「わかりました映姫様!事は急ぎます……もう隠れてやる必要はありませんね?」

 

「ええ……こうなった以上は仕方ありません、私は二人を守る為に動けません……頼みましたよ小町」

 

「任せてください!行ってきます!」

 

小町は任務を果たす為にすぐに出ていった

 

「……」

 

椅子に持たれる女性

 

(本来なら私は閻魔として中立の立場……肩入れはしてはいけない決まり……)

 

女性は天井を見つめる

 

(ですが私にはこれくらいしか出来ません……魔帝により滅びの道を歩む筈だった幻想郷を救った……)

 

 

 

(大魔王バーン……貴方に恩を返すには……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは地獄……

 

 

 

幻想郷の地獄……

 

 

 

獄は地の獄であり天の獄でもある、つまる所向かう場所は同じ、扱いが変わるだけ……

 

 

 

 

そして彼女は獄の最高裁判長

 

 

 

名を四季・映姫・ヤマザナドゥ

 

 

 

幻想郷の獄を管理する閻魔

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幻想郷の僻地

 

 

ビュウ……

 

 

一陣の風が吹いた

 

「わぷっ!?」

 

少女の顔に風に運ばれた物が覆う

 

「なんだよ……って新聞か、しかもあのブン屋のかよ」

 

ほんの少しだけ不機嫌な少女は新聞を読む

 

「……あの妹紅が重傷!?地獄の帝王!?」

 

そこで初めて事件を知る

 

「……他にも被害者と思われる者が多数……あの白狼天狗もか……」

 

新聞を読み終えると少女は暫し考え込む

(重傷……あの妹紅が?バーンに鍛えられた後も修行し続けたあの皇帝不死鳥が?私がひっくり返す目標の一人が?)

 

少女はそれを認めない

 

(新聞には特別強いとは書いていない、スキマを使っていたとだけ……なら確定だね)

 

自らの答は決まる

 

(正面からやり合ってあの妹紅に勝てるものか!大方搦め手だろうさ……場所は永遠亭、あの医者とてゐはそんなヘマはしないだろうからあの兎か姫さんが人質って所か)

 

そして考えが決まった

 

(どれ、一肌脱いでやろうか!)

 

少女は飛び立つ

 

(まぁ恩がある訳でもないけど……バーンの友達だからね……私の自己満足だねこれは、それに……)

意思を持って

 

(気に食わないからね……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

運命は止まらない……

 

 

 

 

 

 

幻想郷が見る夢に……

 

 

 

 

 

 

また一人……一人と……

 

 

 

 

 

 

 

 

 




帝王、暗躍する
そしてまた現れる新たな者

静かなれど着実に物語は進んでいます。


ちょっと前作を読み直してみたんですがなんかこう……これホントに自分が書いたのか?って思います、こんな演出良く考えたな……って……

なんか別人みたい……


物語的には今は中盤くらいですかねぇ……行き当たりばったりなのでなんとも言えませんがww

次回も頑張ります!
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