東方大魔王伝 -夢現幻想-   作:黒太陽

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第十三話 潜入

神殿・地下牢

 

「ふむ……」

 

鎖に繋がれる紫をエスタークは難し気に見た

 

「衰弱が激しい様ですね八雲紫」

 

(ここ連日の強制使用が祟りましたか)

 

この数日、幾度もスキマは使われた、それが衰弱の原因

 

(やはり咄嗟の使用のダメージが大きいですね、仕方無いとは言え無理をさせ過ぎた……)

 

(洗脳すれば強制使用ではなくなるのでダメージはありませんが命令が必要になるのがネック……)

 

エスタークが紫を洗脳しないのはスキマの使用にあった

 

洗脳すればダメージは無くなるのだが使用に命令が必要になる、そうなれば命令と実行の間に僅かな時間差が生じる、だからその時間差を嫌ったエスタークは強制使用にして自分の好きな時に使用出来る様にしていたのだ

 

事実そうしていなければ死んでいた場面は幾つもある、なのでこの選択が間違いだとは思っていない

 

 

「フフ……」

 

項垂れる紫が妖しく笑った

 

「どうだったかしら?幻想郷は……」

 

笑みを浮かべた紫が顔を上げる

 

「……中々でしたよ」

 

無表情に語るエスタークを見て紫は更に笑みを濃くさせた

 

「怒りと焦りが見える……感じる……手痛い歓迎を受けたみたいね」

 

「……ッ!」

 

内面を見透かす様な紫にイラつきが増す

 

「今私と話せている事を奇跡と思いなさい……弱く、愚かなエスターク……」

 

 

ガッ!

 

 

「元気そうでなによりです八雲紫……」

 

「あぅぅ!?」

 

顔を掴まれ握り潰そうとするエスタークに呻く紫

 

「それだけ元気ならば大丈夫でしょう……」

 

耳元で囁くとエスタークは牢を出ていった

 

 

「ッ……くっ!?」

 

痛みを耐えながら紫は歯噛みする

 

(誰も倒せなかった……のね……)

 

可能性に賭けていたのだ

 

幻想郷に住む頂点や仲間がエスタークを倒すのを

 

エスタークの苦い雰囲気から幻想郷に向かい辛酸を舐めた事はわかった

 

しかしそれが倒せなかったと解らせたのだ

 

(もう奴が油断する事はないでしょう……なら希望は……)

 

周到なエスタークがこれ以上危険な幻想郷で表だって行動する筈が無いと考える紫は僅かに残された希望を思う

 

(神奈子……それは本当に出来るものなの?出来ても勝てるの?)

 

詳細を知らないが故に不安に襲われる

 

計算高い紫からすれば内容も成功率もわからない賭けは論外、話にならない

 

(……信じてる)

 

だが信じるのだ

 

今はそれしか出来ないのもある、でも計算を越えた絆が二人にはあるから信じるし耐えるのだ

 

(……やるしかないわね)

 

覚悟を決めた

 

エスタークが何か大きな事をスキマで行おうとしているのを感じた紫は耐えきってみせると心に誓う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

永遠亭

 

「すまないな妹紅……」

 

ベッドで寝ている慧音が謝る

 

「謝るなよ慧音、ダイも無事だったんだしさ」

 

妹紅ははにかんで見せる

 

「だが私がダイの事を知らずに調子に乗ってしまったからダイは危うく連れ去られる所だったんだ……」

 

責任を感じている慧音は目線を下げる

 

「気にするなって!」

 

その慧音に妹紅は言う

 

「ダイの事を話さなかった私も悪いんだ、気にするなって!」

 

「しかしだな……」

 

「だから気にするなって!……それにさ……」

 

暗い慧音に妹紅は少し恥ずかしそうに言った

 

「慧音も生きてる……友達が両方無事だったんだ、私はそれだけで充分だよ」

 

「妹紅……」

 

妹紅の言葉に慧音の表情は明るくなっていく

 

ダイと同等の友と思ってくれているのが嬉しいから

 

ダイが居なくなるのも嫌だがお前も同じように居なくなるのも嫌、だから両方無事な今が最良の結果だから気にするな

 

そう言われたから嬉しいのだ

 

「ありがとう妹紅」

 

「んっ!」

 

二人は笑い合った

 

 

 

 

 

「じゃあ私は行くよ」

 

椅子から立った妹紅は行くと言う

 

「何処へだ?」

 

何処とは色んな意味が混じっている

 

紅魔館へ帰るのかエスタークを探すのかはたまたただ退院するから行くのか

 

「紅魔館へさ、一応ダイと色々回って異常が無いかを見てから戻るつもりさ」

 

「そうか……ではダイはお前に返す、頼んだぞ」

 

「任せとけ!ダイは私が絶対に守るから心配するな!」

 

「お前だと安心出来る……だが気を付けてくれ、何があるかわからないからな」

 

「わかってる!もうドジはしないさ!」

 

固く誓った妹紅は永遠亭を出ていく

 

向かう場所は地霊殿、そこにパチュリーがダイと一緒に待っているから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幻想郷の僻地

 

「……」

 

そこへ佇み風を受ける少女

 

「……うーん……」

 

頭を掻き唸った

 

(読みが外れたかな?)

 

何も起きないから

 

今はダイと慧音の事件より翌日の昼過ぎ、何も起こる気配が無い

 

(もう来る頃だと思ったんだけどね……)

 

残念に頭を下げた瞬間だった

 

(!!……空から!?来た!?)

 

直ぐ様顔を上げるとそこには

 

「あー……これは想像以上だな……」

 

その光景に思わず頬を掻く

 

 

 

オオオオオオオオオオオオッ!!

 

 

 

大量の敵が居たからだ

 

空に広げられたスキマから次々と落ちている

 

「魔帝異変と白者異変の時もこんな感じだったっけ」

 

少女は気も無く呟いた

 

昔なら逃げ惑っていたに違いない光景

 

だが今はそんな気は微塵も無い

 

 

ドサッ

 

 

少女の前に敵が落ちた

 

「こいつら妖怪……」

 

敵を確認した少女の顔が歪む

 

(甦らされたのか……チッ……自分の兵じゃなくわざわざ幻想郷の妖怪を使うとはね……嫌がらせも兼ねるなんて余程頭に来てるみたいだ)

 

「シネェェ!!」

 

妖怪達が少女を襲う

 

 

バシュ……

 

 

弾幕を受けた妖怪達は消え去った

 

「悪いけどもう昔の私じゃないんでね、そう簡単にはやられないよ」

少女は誇らしげに微笑む

 

逃げないのは強くなったから

 

この程度の妖怪が束になっても苦戦すら有り得ない程強くなったから逃げない

 

もう昔とは違うのだ

 

 

(よし……ここからだ……今だけ心を殺せ、今だけ私は昔に戻る……)

 

怒りを抑え、深呼吸した少女

 

「……行こうか」

 

目的を秘めて飛び立った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地霊殿

 

「……確かに、それは気になるわね」

 

「その子に興味を示したのもそれが関係あるかもしれません」

 

部屋で二人の会話が聞こえる

 

「この子が神の力を持つから?」

 

「そうなのですか?」

 

「ああ、話してなかったわね、おそらく……だけどね」

 

「……エスタークは魔族なのでしょう?相容れない神の力を欲する理由がわかりません」

 

「もしこの子が神の力を持つならたぶん神の涙、神の涙の特性は願いを叶える事……」

 

「なるほど……ならそれとは関係無しに欲したと考えれますね」

 

「どちらにしろこの子は渡さないけどね」

 

「それは私も賛成です、ですが貴方達は神の力を持つから……だけではないのでしょう?」

 

「そう……この子は私達の、妹紅の大切な友達だもの、例え力が一切無くてもそれは変わらない」

 

「羨ましい限りです……」

 

二人はダイを見る

 

「ピィ……ピィ……」

 

ダイは静かに寝息を立てて寝ていた

 

「……来たわね」

 

「何がですか?」

 

問うた瞬間、部屋のドアが勢いよく開けられた

 

「ダイ!!」

 

それは妹紅

 

「ピィ!?」

 

叫ばれた声にダイは驚き周囲を見回す

 

「……ピィ!!」

 

妹紅を確認したダイが飛び出した

 

「無事で良かった!」

 

ダイを受け止めて笑う

 

「退院おめでとう」

 

二人の内の一人が話し掛ける

 

「パチュリー!ダイを見てくれてありがとう!」

 

一人はパチュリー

 

「元気そうで安心しました」

 

「永琳とダイのお陰だよさとり」

 

もう一人はさとり

 

「エスタークを探すのですか?」

 

「そうだけど……それよりなんでパチュリーは地霊殿に居るんだ?」

 

「私が呼んだのです」

 

「なんで?」

 

「エスタークに関して気になる事があったのでパチュリーさんの意見を聞こうと思いお呼びしました」

 

「気になる事?」

 

「ええ、エスタークが八雲紫をどうやって捕らえたか……です」

 

「……倒したんじゃないのか?」

 

「魂魄妖夢と風見幽香に勝てないのに?」

 

「あ……」

 

「八雲紫は人質や罠の類いに掛かる間抜けではありません、危険と判断すれば人質ごと攻撃はいとわないでしょうしスキマがあるので生半可な罠では捕らえられません」

 

「確かに……」

 

「そこで私が考えたのはエスタークは切り札を持っている、そう考えたのです、二人に敗走したのを考えると使用を躊躇する様な何か代償のある類いのものを……」

 

「……神奈子達は?」

 

「守矢も捕らえたのならおそらく人質、あの3人の仲を考えれば誰かを捕らえれば手出しはできません……それを狙われたのでしょう」

 

「……なら気を付けとかないとな」

 

「そうです、可能性を考えているのといないのでは大きく違います、最善は何もさせずに倒すのが一番ですが」

 

「だな」

 

 

考察が済んだ時、また部屋のドアが開いた

 

 

「客が来てるよさとり」

 

「勇儀?」

 

来たのは勇儀、特に慌てた様子も無い

 

「あたしが伝えに来たのがそんなに変かい?」

 

「それもありますが……お客とは?」

 

「まぁ客って言っても正確には団体さんだけどね、そんでもって地霊殿の客じゃなくて地底への客さ」

 

「旧都への……客?」

 

首を傾げるさとりに

 

「そう、地底は今襲撃されてるよ」

 

勇儀は他人事の様に告げた

 

「襲撃!?エスタークか!!」

 

妹紅が声を荒げる

 

「襲撃してるのは妖怪さ、生気をあまり感じないから甦らされたんだろうね、そのエスタークって奴に」

 

「何か狙いが?」

 

パチュリーが問う

 

「そんな風には見えないけどね、ただ暴れて退治されてるだけにしか見えないからね」

 

「……退治?」

 

さとりが聞いた

 

「ああ、次々退治されてるよ、弱過ぎて話にならない」

 

つまらなそうに勇儀は語る

 

旧都に現れた甦らされた妖怪達は旧都に住む妖怪達に全く敵っていなかった

 

勇儀がつまらないのはそれが理由、戦うにも値しない弱さだから

 

「でも数だけは一丁前に居るんだよ」

 

しかし数が多い、だから勇儀はうんざりしてさとりに伝えに来たのだ

 

「パチュリー!行くぞ!」

 

「わかったわ!」

 

二人はすぐに向かおうとする

 

「どちらへ!?」

 

「決まってるだろ!旧都の甦らされた妖怪を一掃するんだ!」

 

「お待ちください!」

 

向かおうとする二人を止める

 

「旧都は心配要りません!貴方達二人は人間の里に向かってください!」

 

「里に……?そうか!」

 

さとりの意図を理解する

 

慧音は今永遠亭に居る、その慧音が里を守っている

 

つまり今、里は隠す事も出来ない無防備な状態

 

いくら自警団が居るといえど数の前では分が悪い

 

今幻想郷で一番危ないのは人間の里だったのだ

 

「急ぐぞパチュリー!」

 

「ええ!」

 

「あ……おい……」

 

飛び出ていった二人に勇儀は伝えようとしたが二人には聞こえなかった

 

「しょうがないねぇ……人間なんてどうでも良いけどちょっと手伝ってやるか」

 

「勇儀……お願いします」

 

「あいよ」

 

腕を回しながら勇儀は出ていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

旧都

 

「なんて数だよ……」

 

二人は地霊殿の前で止まっていた

 

旧都を蔓延る妖怪達に

 

「これ程の事が出来るなんて……」

 

旧都には空も大地も夥しい数の妖怪が蔓延していた

 

大地を覆い尽くす所々で戦闘により妖怪が弾けている

 

確かに勇儀の言う通り生気をあまり感じない妖怪達の動きに強さは感じないがそれでもこの数には不安を感じずにはいられない

 

「やっぱり私達も加勢に……」

 

里より先に旧都を助けようとする妹紅

 

 

「良いから行きな……ここは私が引き受けてやるよ」

 

 

勇儀が二人の横に並ぶ

 

「でも……」

 

渋る妹紅に勇儀は呆れた

 

「自惚れてるねぇ皇帝不死鳥……」

 

「勇儀……」

 

その言葉に黙る

 

「あんたが強いのは認める……けど何もかも守ろうとするのは自惚れが過ぎるんじゃないかい?」

 

「……」

 

「あんたは誰より優しい奴だからね、その気持ちがわからん訳じゃない、でも限度を知りな、何もかも守れる程あんたは器用じゃないだろうに……」

 

そして勇儀は妹紅の頭に乗るダイを指差す

 

「今は守れる者に集中しな、許容範囲内の者をね、状況に焦れば心に隙が生まれる……エスタークって奴はその心の隙を狙ってるんだろうさ」

 

「わかったかい?」

 

勇儀は微笑む

 

「……だな」

 

妹紅は頷く

 

「強くなったからって調子に乗ってたみたいだ、私の手も翼も……自分が思う程大きくない……確かに、確かに勇儀の言う通りだ」

 

自惚れは確かにあった、私なら出来ると

 

実際はそんな事は出来ない

 

全てを守ろうとすれば必ずどこかに綻びが出来る

 

力を持とうが万能ではないのだ

 

だから勇儀に諭された妹紅はそれを認識し自らを諌めた

 

 

「わかったなら行きな、道は作ってやるからさ」

 

そう言った勇儀は妖怪の群れに飛び込む

 

 

「うらあああああああっ!!」

 

 

猛りと共に大地を踏み鳴らした

 

 

ドオォォォ……!

 

 

衝撃が広がっていく

 

広がった衝撃は空の妖怪を押し飛ばし広い空間を作り出した

 

「行け!」

 

「行くぞパチュリー!」

 

二人は作られた道へ飛び出し旧都を出ていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

永遠亭

 

「鈴仙ここはお願い、私は周囲を片付けるわ、てゐと協力して姫様を必ず死守しなさい」

 

「わかりました!行よてゐ!うおー!私のこの手が真っ赤に燃えるぅ!!」

 

「……うざっ!」

 

永琳は二人に任すと迷いの竹林へ飛び立つ

 

「多いだけっていうのも面倒なものね」

 

甦らされた妖怪達は永琳に次々と葬られていく

 

苦戦などしよう筈もないが数の多さにはさしもの永琳も苦戦せざるをえない

 

(ん……?)

 

殲滅する最中、気になる者を見つけた

 

(あれは……死神?)

 

見つけたのは小町

 

妖怪達を触れずに滅している

 

(流石死神、死者の相手はお手の物って訳ね、しかし……)

 

その様に感心しながらも疑問があった

 

(何故ここに死神が?あの二人は獄から動かない筈……この妖怪達が死者だから?獄に干渉されたから始末に?)

 

考えるも問い質す暇は無い

 

(まぁ良いわ……)

 

なので永琳は再び殲滅に戻る

 

疑問を秘めて……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここじゃなかったか……」

 

周囲の妖怪を始末した小町が呟く

 

(隠すには良い場所と思ったんだけどハズレ……これで幻想郷のほぼ全てを探した、無縁塚は骨が折れた……)

 

彼女は妖怪を始末しに来ていた訳ではなかった

 

死神である彼女ならこの程度の死者を死神特有の力で滅するのは至極簡単

 

その気になれば今この幻想郷である者達を除けば一番殲滅力があった

 

しかし彼女には優先すべき事があった

 

それは魔理沙の肉体の確保

 

それが今死者の相手より優先すべき事だから

 

(あと探してないのは紅魔館と霧の湖だけ……やっぱり紅魔館が本命だけど話したらあの4人が黙ってる訳ないよなぁ……かといって潜入するにはあそこは難易度が高過ぎるし……)

 

悩んだ末に小町は結論を出した

 

(先に霧の湖かな……紅魔館は霧の湖を探した後で考えよう)

 

飛んでいく

 

(居るわけないよなぁ……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人間の里

 

そこには既に大量の妖怪が押し寄せていた

 

「これ以上は抑えられない!」

 

自警団が里に入れまいと必死に抑えるも妖怪の進軍は止まらない

 

「持たない……!?」

 

自警団の壁が破られる刹那

 

 

「夢符「二重結界」!!」

 

 

里を結界が覆った

 

「おお!博麗の巫女が来てくれたぞ!」

 

結界を作ったのは靈夢

 

博麗神社から現れた妖怪を確認した彼女は神社を結界で守り一番危険に晒される可能性が高い人間の里に現れたのだ

 

「上白沢さんは!?」

 

「慧音先生は重傷で永遠亭で入院している!」

 

「だから隠されてないのね……来てみて良かった」

 

そうは思うものの靈夢の表情は優れない

 

「どうした!?」

 

「ごめんなさい……結界はそう長く持たせれないみたいです……」

 

結界に神経を注ぐ靈夢が謝る

 

「修行してなかったから……防ぐので精一杯なんです……」

 

修行をしていない彼女の力では押し寄せる妖怪達の進軍を僅かばかりしか止めれなかった

 

防御に全てを懸けても僅かばかりしか止めれない

 

里の周囲には数百を越える大軍から里全体を守る結界、これだけでも充分に凄い事だが力不足は否めない

 

「私が時間を稼ぎます!耐えてください!」

 

「だが耐えるだけでは……」

 

耐えるだけでは現状を打破出来ない、寿命僅かに伸びただけ

 

「大丈夫です……」

 

靈夢は苦笑する

 

「必ず来ますから……」

 

内心複雑ながらもそれだけは信じているから……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

他にも襲撃された場所は多い

 

だがどこも妖怪達は蹂躙出来ず倒されていく

 

幻想郷は慣れていたからだ、この手の攻撃に

 

過去にも同じ事が二度あった、だから混乱は少ない

 

ただ1ヶ所を除いて……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神殿

 

「チィ!」

 

幻想郷の映像を見るエスタークはイラつきを抑えられない

 

(わかってはいた……幻想郷の強さは……しかし……!)

 

拳を握り締める

 

(混乱すら起きないのか!)

 

イラつきは幻想郷に対して

 

いくら弱いとは言えこの数の妖怪達を前に冷静に対処している幻想郷に腹が立つ

 

過去に同じ様な事があったのは知っているがそれでもこの対応の良さは予想外

 

(これではただの徒労に……)

 

望む結果を得られない事で失敗が頭を過った瞬間

 

「里は隠されていないのですか……」

 

同じく映像を見る執事、ウォルターが呟いた

 

「それがどうした?」

 

ミストが尋ねる

 

「私が読んだ本に人間の里は有事の際に隠されるとあったから気になったのですよ」

 

「なるほど……なら今隠されていないのは何かあったか隠すに値しないということか」

 

「あの様子を見るに後者ではなさそうですがね」

 

二人は里について議論を交わす

 

「……」

 

それがエスタークの耳に入った

 

(人間の里……隠す……守人……)

 

繋がっていく

 

「……ウォルター、その人間の里を隠す守人の名は?」

 

「確か……上白沢慧音、でしたね」

 

「……!」

 

(昨日の妖怪……!)

 

繋がった

 

(これは使えるかもしれません)

 

そう考えたエスタークは能力を使う

 

「集え亡者達よ……狙いは人間の里です」

 

甦らせた妖怪に命令を下した

 

(後は機を見極めるだけです……)

 

また観賞に戻った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人間の里

 

「~ッゥ!?」

 

結界に亀裂が入り始めた

 

(数が……増えた!?)

 

明らかに妖怪の数が増えたのを目と結界を通して伝わる

 

幻想郷に散った妖怪達が徐々に近い者から集まって来ているのだ

 

(これ以上増えたら……!?)

 

時間すら稼げないと感じる、圧倒的な数に結界を維持する力が足りない

 

 

ビシ……ビシ……

 

 

(もう……ダメ……!?)

 

結界が破壊される間際

 

 

 

「火の鳥―不死伝説―!!」

 

 

「火符「五指爆炎弾」!!」

 

 

 

大きな炎鳥と炎弾が妖怪達を焼き払った

 

 

「……絶対来ると思ってましたよ」

 

靈夢は疲れた顔で微笑んだ

 

「大丈夫か!」

 

「被害状況は!?」

 

「ピィ~!!」

 

妹紅、パチュリー、そしてダイが駆けつけた

 

「大丈夫……自警団が少し傷を負ったくらいで里は無事です」

 

「そうか、この結界はお前だろ?お前が守ってくれてたのか靈夢」

 

「ええ、まぁ……」

 

バツの悪そうな顔で靈夢は答える

 

「助かった!後は任せとけ!」

 

そんな靈夢を気にせず妹紅はまだ大量に居る妖怪達へ身構える

 

「ダイを頼む!遅れるなよパチュリー!」

 

ダイをパチュリーに渡して告げると妹紅は妖怪達の軍に炎を纏い飛び込んでいく

 

「誰に向かって言ってるのよ……」

 

ダイを抱えたままパチュリーは魔力を集中させ大量の弾幕を精製し放つ

 

「……やっぱりね……」

 

靈夢がうんざりした様子で呟いた

 

(やっぱり貴方達が来たら問題が問題でなくなるのよね……)

 

二人の強さに呆れていたのだ

 

妹紅が焼き払い、パチュリーが妹紅が自由に動ける様に弾幕でサポートする

 

妹紅は当然としても明らかなサポートの弾幕すら自分では敵わない力が籠っている

 

(もう帰ろうかしら……)

 

強過ぎる力に自らの役目が終わったのを悟った靈夢は結界の力を弱める

 

「!?靈夢!まだだ!」

 

それを妹紅が止めた

 

「何でですか……疲れたのに……」

 

妹紅へ顔を向けて抗議する靈夢

 

「うわぁ……」

 

顔が歪み

 

「バカでしょ……」

 

愚痴が零れた

 

視線の先の妹紅の更に先

 

そこには里を囲っていた数の倍はあろうかと思われる妖怪達が押し寄せて来ていたからだ

 

「どうするんですか?」

 

結界に力を戻した靈夢が問う、答えは決まっていると知りながら

 

「蹴散らす!」

 

妹紅が力強く答え

 

「次は私でしょ妹紅」

 

パチュリーが構える

 

(ですよね……やっぱり貴方達には敵わない……)

 

靈夢は内心落ち込みながらも里が余波に巻き込まれない様に結界の力を最大に高める

 

「獄から甦った貴方達にお似合いの魔法があるわ……」

 

詠唱をしながら魔力を集中させるパチュリー

 

「出でよ……獄の雷……」

 

かざした手から黒い雷が迸る

 

 

「雷符「ジゴ……」」

 

 

放とうとした魔法は

 

 

「あたい!参上!!」

 

 

妖精の声に止められた

 

「親分!!」

 

現れたのはチルノ

 

「人間の里以外は一掃しました!」

 

そして大妖精

 

「流石ね二人共」

 

友の加勢に頬が緩む

 

「当たり前でしょ!って言うかあんた達なんでこんなのに苦戦してんの?」

 

首を傾げるチルノ

 

「苦戦なんてしてないだろ!ただ数が多いから時間が掛かってるだけだって!」

 

「ふーん……」

 

妖怪達を見ながらも納得いかないチルノ

 

「あたいがやる!」

 

自らやると宣言する

 

「……良いわよ」

 

魔法を中断したパチュリーが言った

 

「久し振りに見てみたいしね」

 

パチュリーは妹紅と共に靈夢の傍に下がる

 

「備えてて……」

 

「え?なんでですか?」

 

警告に聞き返す靈夢

 

「いいから」

 

「はあ……」

 

言われるままに気を入れる

 

 

「大ちゃんいくわよ!!」

 

「いいよチルノちゃん!!」

 

 

皆が見守る中、二人の妖精が掛け合い、チルノが両手を妖怪達にかざす

 

 

 

「凍符「エターナルフォースブリザード」!!」

 

 

 

手から極冷が一瞬で広がった

 

 

 

 

「………………」

 

 

 

 

一瞬が過ぎた後の光景……

 

「久し振りに見たけど……相変わらず馬鹿げてるわね」

 

「まったくだ……」

 

広がる光景に呆れにも似た感心が浮かぶ

 

「これが幻想郷で最も強い者……ですか……」

 

靈夢は驚きで声のトーンが下がる

 

広がる光景

 

それは人間の里を囲む全ての妖怪を氷付けにしている様だった

 

「さ、寒い……」

 

我に返った靈夢は周囲の冷気に震えだす

 

「ほら」

 

妹紅の出した炎が4人を暖める

 

「強過ぎるって言うのも考えものね」

 

「だなぁ」

 

パチュリーと妹紅がチルノを見ながら話し出した

 

「能力の制御は出来てるのに強過ぎる冷気がどうしても周囲に影響を与えるのよね、こればかりは仕方ないけど」

 

「強くなった弊害だな、能力が能力だけに余計に表れてる」

 

苦笑する二人

 

(だから備えろって言われたのね……)

 

靈夢が訳を理解した所でチルノが合図を出した

 

「大ちゃん!」

 

「任せて!」

 

合図を受けた大妖精が力を高める

 

「えーい!!」

 

腕を振り抜くと凄まじい暴風が発生し広がっていき氷付けにされた妖怪を全て砕いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「片付いたわね」

 

一掃出来た場所で6人が集まっている

 

「楽勝ね!」

 

「やったねチルノちゃん!」

 

「ピィ!」

 

笑い合う4人

 

「ふぅ……」

 

安心する靈夢

 

「……」

 

ただ妹紅だけは砕かれた妖怪達を見て黙っていた

 

「どうしたの妹紅?」

 

「……いや、腹が立ってさ……」

 

呟く様に返した妹紅、その視線の先の妖怪と怒りにパチュリーは怒りの意味を悟る

 

(死んでいるとは言えやはり許せないのね……)

 

例え死んでいたとしても幻想郷の妖怪だった者なのだ、言わば同胞

 

操られたそれを殺すのは仕方のない事だとわかっていても怒りは抑えられない

 

「妹紅……貴方は守る為に当然の事をしたのよ、だから抑えて」

 

パチュリーの声を受けた妹紅

 

「……!!」

 

拳を握り締める

 

(……よし)

 

拳は解かれた

 

「もう大丈夫だよパチュリー」

 

ニッっと笑うとダイへ向く

 

「ダイ……」

 

そして手を差し伸べた

 

おいで、と言う様に

 

「ピィ!」

 

ダイがパチュリーから飛び跳ねて妹紅へ向かう

 

僅か数メートルの距離をダイは駆ける

 

 

 

ブゥン……

 

 

 

ダイの横にスキマが開かれた

 

「待ちましたよこの時を」

 

スキマから腕を伸ばすのはエスターク

 

混乱は無理だと知ったエスタークは考え方を変えていた

 

勝利の際の安堵、安心の隙を狙ったのだ

 

妖怪達を一掃し、もう大丈夫だと言う油断を……

 

 

(これで私の悲願は成就される……)

 

ダイを掴む瞬間、目的の達成を感じた

 

 

ガシッ……

 

 

「させると思うか?」

 

エスタークの腕を掴む者が居た

 

「藤原妹紅!?」

 

掴まれた事に驚愕するエスターク

 

(馬鹿な!?完全に虚を突いた筈!?)

 

映像を見ていたエスタークは妹紅や他の者が完全に油断していると確信していた、だから行動に移ったのだ

 

それを見抜かれていた事が信じられない

 

「何でも自分の思い通りに行くと思うなよ?」

 

妹紅はエスタークの襲撃を予測していた

 

弱い妖怪達を暴れさせるだけとは思えなかったからだ

 

ならば目的は?と考えた時に思い浮かんだのはダイの誘拐と遺産の奪取

 

どちらも心配だった妹紅は当初両方守ろうとした、しかし勇儀に諭された事で両方は無理だと感じた妹紅はダイを守ると決めていた

 

そして狙うなら混乱の最中か勝利時の気の緩む時

 

妖怪達を相手にしている時は来なかったから襲撃は勝利時だと確信し、皆が安堵する中も気を入れ続け、誘き出す為に一芝居うったのだ

 

「紫達を返して貰おうか」

 

「ぐっ……ッゥ!?」

 

腕を捻り上げる

 

「そして御守りも……!!」

 

ビキッ……ピキッ……

 

「うぅぐあっ!?」

 

骨にヒビが入る

 

「お前の退治はその後だ……」

 

声には明確な殺意があった

 

既に許せる範囲などとうに振り切っている

 

死者を甦らせ幻想郷を危険に晒した事、友を傷付け拐おうとした事、バーンの御守りを奪った事

 

もう痛め付けるなどの優しい事では済まされない

 

殺す以外の選択肢はなかった

 

 

「……!!」

 

エスタークは携える剣を抜く

 

「させるかよ」

 

抜く腕を押さえる、剣は半分程抜かれた所で止まった

 

「……ヌアッ!!」

 

掴まれた腕を力一杯動かし

 

ザンッ

 

自らの腕を切り離した

 

「……」

 

血を浴びた妹紅は驚きはしない

 

「はぁ……はぁ……」

 

息を切らすエスタークを見据えるだけ

 

「まさか……逃げれると思ってるか?」

 

驚かないのはエスタークの先が死であるから、だから血を見たくらいで驚かない、今まで幾度も血は流し、浴びてきたのもある

 

そして……

 

「それは無いわ妹紅、この状況でそう思えるのは頭の弱い者だけよ」

 

エスタークの背後からパチュリーが答える

 

「早く返せ!」

 

チルノに大妖精も居る

 

エスタークは4人に囲まれていた

 

「そう……早くしろ……」

 

妹紅が近付く

 

例えスキマを持とうとも今この距離で自分なら逃げられる前に捕まえるか最悪殺せる、スキマを使わずに逃げるのはこの4人を前に不可能な事

 

だから焦りも不安も無い

 

「八雲紫と八坂神奈子達を殺しますよ……?」

 

エスタークは言う、人質だと、自分にこれ以上手を出せば命は無いと

 

「……やっぱりお前は生かすべきじゃ無い」

 

拳に炎が宿る

 

この期に及んでまだ人質だなどと脅しを言うエスタークに危うさを感じたのだ

 

紫等を奪還するまでの僅かな時間でさえ生かすべきでは無い

 

そう感じた

 

「紫達はどうにかなる、だから先に消えてろエスターク」

 

トドメを刺すべく構えた

 

 

 

 

ズドドドドド!!

 

 

 

 

5人を弾幕が襲った

 

「ッ!?何だ!?」

 

弾幕は誰にも当たらず地面で爆ぜ大量の砂煙を上げる

 

(何が……)

 

エスタークも状況を掴めない

 

そのエスタークの耳に小声で声が聞こえた

 

「逃げるぞ!こっちだ!」

 

声の主はエスタークを掴むと直ぐ様その場から離脱する

 

「えいっ!」

 

大妖精が砂煙を吹き飛ばす

 

「……逃げられた……だとぉ!!」

 

妹紅が叫ぶ

 

「今のは弾幕だ!誰だ今のは!」

 

怒りを露に怒鳴る

 

弾幕を扱うのなら幻想郷の者、それがエスタークを救ったから怒るのだ

 

取り返せる確実な機を失った怒りも拍車をかけ妹紅は大地を殴った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人間の里より少し離れた森の中

 

「危ない所だったな……エスターク!」

 

少女が微笑む

 

「……何故私を助けたのです?何者ですか貴方?何故私を知っているのですか?何が目的です?」

 

エスタークは距離を置き尋ねる、その目は猜疑の目で

 

「おいおい、そんな一気に質問されたら困るよ」

 

少女は苦笑する

 

「1つずつ答えるよ、まずあんたを助けたのはあんたが私にとって待ち望んだ者だからさ」

 

「待ち望んだ……者?」

 

「そう、ずっとあんたみたいな奴を待ってた、幻想郷を根底からひっくり返せる者をね」

 

「……どうやって私を?」

 

「ああそれは新聞で知ったのさ、あんた結構有名なんだよ?」

 

「……目的は?」

 

「さっき言ったろ?幻想郷をひっくり返したいのさ、だからそれが出来るあんたの仲間になりたいから助けたのさ」

 

「仲間に……なりたいですか」

 

「私は弱い妖怪でね、昔から強い妖怪に怯えながら過ごして来た、そんな幻想郷が私は大嫌いなのさ、強者が幅を効かせる幻想郷が……弱者に救いが無い幻想郷が……」

 

「……」

 

「ダメかな?もしダメなら諦めるけど……」

 

「……何者ですか?」

 

「あ、まだ答えてなかったな」

 

「鬼人正邪だよ」

 

告げられた名は鬼人正邪

 

かつて幻想郷に仇なし、バーンに救われた天邪鬼

 

その彼女がエスタークを危機から救ったのだ

 

「鬼人正邪……確か貴方は大魔王バーンに救われた者だと記憶しています、そして……」

 

「強い力を持っている事も……」

 

エスタークは幻想郷の強者は全て記憶していた、その中に正邪も入っていた、頂点を越える為に鍛えた力は本にも乗るまでになっていたのだ

 

「そうだけど……頂点に比べたら雑魚と変わらないよ、まぁ一矢報いるくらいは出来るだろうけどね……あんたも体感したろ?あの馬鹿げた力をさ?」

 

「……確かに馬鹿げた力でした」

 

「私はあの頂点達が気に入らないのさ、だから潰してやりたい、潰す意味は何でも良い、そこにあんたの目的が被らないかな?」

 

「……私の目的の1つは幻想郷の支配、支配が潰すと同義ならば目的は被りますね」

 

「へぇ、支配が目的なのか、まぁ私の考える弱者の理想郷とは違うけど潰せるなら良いかな」

 

正邪はうんうんと頷く

 

「もう一回聞くけど仲間にしてくれない?助けてやったんだし良いだろ?」

 

「……」

 

エスタークは暫し正邪を見詰め考える

 

「良いでしょう」

 

正邪を仲間になる事を認めた

 

「本当か!やった!」

 

喜ぶ正邪を前にエスタークはスキマを開く

 

「案内しましょう、私の城へ」

 

スキマへ入っていく

 

「……」

 

スキマを見ながら笑顔の正邪

 

(なんとか上手くいった……それにしても妹紅の奴怒り過ぎだ!殺そうとしやがって……殺したらどうやって八雲紫達を助けるんだよ、どの異世界かもわからないくせにまったく……)

 

内心愚痴りながらもスキマへと歩いていく

 

(こっちは任せな、大丈夫……上手くやるさ!)

 

そう呟くとスキマへ入っていく

 

「なぁ!絶体絶命の危機を救ったんだから幹部くらいにはしてくれよ~」

 

「元よりそのつもりです」

 

その会話を最後にスキマは閉じられた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霧の湖の側の森の中

 

「嘘……」

 

小町が呟いた

 

「居たよ……」

 

目的の者を見つけたから

 

「まさかこんな簡単な場所に隠すなんてねぇ……ガキの浅知恵ってやつかね、逆に見つけ辛かったよ……」

 

 

氷に覆われたそれを手に取ると小町は森から消えていった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




また詰め込んじゃったなぁ……

はい、少女の正体はご存知正邪でした、正邪だからこそこの役目が出来ますね、ゲスロリガンバレ!

エスタークがしょっぱいのが気になり始めましたけどまぁ良いやww

次回も頑張ります!
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