博麗神社
「あの……霊夢様、師匠を助けてください!」
靈夢は願う
操られた師を助けて欲しいと
「……良いのね?」
師を見ながら背を向ける霊夢は問う
「えっ……どういう事ですか……?」
質問の意味がわからず聞き返す
「ウゥ……ウ……!!」
弾幕が二人を襲う
結界で防いだ霊夢はそのまま師に飛び込み祓い棒を振り師の祓い棒とぶつかる
「死に戻して欲しいのかって事よ!」
霊夢の問いは試していた
師の状態を理解しての助けの願いなのかを
「死に……戻す?」
靈夢は理解していなかった
「そうよ、あんたの師匠は見たところエスタークって奴の能力で甦ってる、エスタークが能力の使用を止めるか死んだら元々死人だったこいつは死に戻るだけよ」
祓い棒を弾き合い靈夢の前に戻る
「れ、霊夢様が生き返ったのなら師匠……は……?」
「……私と魔理沙は事情が違う、こいつは生前の肉体を象った魂の具現体……本来の体が既に消えているから私達の事情でも生き返れないのよ」
「そんな……」
「だか……ら!」
師の攻撃を防ぎながら霊夢は答えを聞く
「何をしたところで死からは逃げれない……でもあんたが望むなら!師匠との僅かな時間くらいなら作れる!それが私が出来る唯一の助け!」
「……」
「どうするの!一思いに倒すのも助けよ!」
激化する攻撃を結界で持ちこたえながらの霊夢の催促に靈夢は
「……」
答えれなかった
「……じゃあ私の好きにやらせて貰うわね」
一言告げると
パァン!
結界と共に師の弾幕を全て打ち消した
「不幸ねあんたも……こんな情けない弟子を残して死んで……その上操られて博麗神社を攻撃するなんて……」
霊力が上がっていく
「私が後を任せたのにその私に尻拭いさせるなんてあんたも望んでなかったでしょうに……」
後ろの靈夢が息を飲むその霊力の高さ
「……私が止めてあげるわ、あんたの師である私が!」
歴代で最も強いと呼ばれた力
「ジャマヲ……スルナァ!!」
師が霊力を高め霊夢に向かう
バチィッ!
互いの霊力がぶつかり押し合う
「ウガアアアッ!!」
高まる霊力
先代の博麗の巫女足るに相応しい力を発揮し霊夢を押す
「……」
霊夢は押されながらも焦らない、それどころか悲しく師を見ている
「修行はしてたみたいね……強くなってるわ……」
後継だった者の成長を感じる
「死んでなきゃ私に肉薄出来たかもしれないのに……」
グググッ……
霊夢が押し始める
「残念ね……」
カッ!
霊力が師を弾き飛ばした
「……!?」
飛ばされた師は体勢を直し霊夢を睨む
「懐かしいわね……修行時代はいつも泣いて血反吐吐いてたっけ……もう無理です、勘弁してください、早苗さん助けて……って……」
「……!!」
圧倒的な霊力を前に師は怯む
「思い出させてあげるわ……」
かつての修行風景を思い出し微笑む
「こ、これが……」
靈夢もその力に戦慄する
(歴代……最強……)
自分とは比べ物にならない霊力の差
まるで雲と泥、天と地、月と鼈
何をどうあがこうとも勝てないと思わせる圧倒的な力の差
博麗霊夢
バーンとの約束を守り通したその力を解放し
闇に堕とされた後継に立ち塞がる
「アァアアアァアッ!!」
師が祓い棒を構え突き出す
「甘い……」
ほんの少しだけ動き祓い棒を避け、掴む
「ガアッ!」
霊力を集め弾幕を放とうとする
ドッ……!
掌底が顎を打つ
「撃つのが遅い、通常の弾幕はいつでも撃てる様、常に溜めておけって教えたでしょ?」
ドドドッ!
撃った弾幕が当たり師は吹き飛ぶ
「……グッ……ウゥ……!?」
体勢を立て直す師は霊夢に視線を向ける
だが視線の先に霊夢は居なかった
「受身が下手……攻撃を受けたら最低すぐに防御か回避を出来る様にって教えなかった?」
ドウッ!
霊力を放ち衝撃を与える
「ッガ!?」
また吹き飛んだ師に弾幕が迫る
その弾幕を避けた師の目の前には霊夢が居た
「回避が大き過ぎ、出来る限りギリギリで回避して無駄を無くせって教えた筈だけど?」
祓い棒で顔を叩く
(つ……強過ぎる……)
それを見ていた靈夢は唖然としていた
自分の師を赤子の手を捻る様に圧倒する霊夢に
「あー……霊力の集束にムラがあるわね、だから自分の思う以下の威力しか出てない」
(……昔師匠に霊夢様の事聞いた事があった……)
靈夢は思い出した
師に霊夢の事を尋ねた時の事を
(そしたら急に青ざめて……震えながらボソボソ言ってた……)
師に手も足も出させない霊夢を見て思い出した
(あれは人間じゃない……あれは愛弟子にする所業じゃなかった……鬼だ……鬼巫女だ……って……)
師が恐れ戦いていた事を
(鬼の様に強い……巫女……)
その強さに見惚れる靈夢だが
(……あんたにも言ってんだけどね)
戦いの最中、霊夢が自分を何度か見ていた事は気付かなかった……
何度かの指導を交えたぶつかりが行われた時だった
「あー!もう!」
霊夢が突然叫んだ
「だからなっちゃいないって……」
大玉の弾を作り
「言ってんでしょうがー!!」
師へぶつけた
「アゥ……ウァッ!?」
吹き飛び境内を擦って倒れる師
「……!!」
霊夢が力を込めると
キンッ
師を二重の結界が覆う
「夢境「二重大結界」!!」
結界を張られた師は霊力を放つが破壊出来ない
「あんたじゃ無理……その結界はバーンだって閉じ込めれる様に鍛えた私の最高の結界よ」
事実師には破壊出来なかった、実際にバーンを抑えれるかは今はもう確かめる事は出来ないがそれが出来ると思わせる強度が確かにあった
「……ふぅ」
結界の前に立った霊夢は一瞬だけ躊躇し
それを使用した
「符の参「魔浄閃結」!!」
魔を浄化する技を
「……ッ!?……!!?」
展開された陣から出る浄化の力に師は体を痙攣させ
倒れた
「師匠!!」
その様子に靈夢が慌てて駆け寄っていき、霊夢は結界を消した
「師匠……」
倒れる師に話し掛けると師はゆっくりと顔を上げた
「靈夢……」
顔中に汗を垂らしながら我が子を呼ぶ顔は嬉しそうでもあり、悲しそうでもあった
「洗脳は解いた、でも……」
霊夢が二人に近付く
「わかっています……迷惑を掛けました先代……」
霊夢へ頭を下げる
「……いいから早く済ませなさい、時間が無いわ」
「はい……」
師は靈夢へ向いた
「靈夢……」
「師匠……」
二人の会話が始まった
「ごめんね靈夢、辛い目に合わせて……」
「……大丈夫です」
「時間がなかったからあんな事でしか貴方に伝えられなかったの……」
「……」
靈夢の目に涙が溜まる
先の言葉は自分を想っての事だったのだとわかり安心したからだ
(……エスタークの洗脳前に予め術を施して僅かな間だけ自我を保っていたのね)
師の様子と言葉、更に同じ巫女であり弟子であり後継である霊夢は何をしたのかを悟っていた
(でも……魔の力を浄化された魂は……)
これから起こる事を知る霊夢はそっと目を逸らした
「ごめんね……寂しかったでしょ?」
「……寂しくなかったです」
「嘘おっしゃい……」
師の手が頬に触れる
「もっと貴方に教えてあげたかった……博麗の巫女の使命や生活の仕方なんかね……こんなに神社を汚しちゃって……」
「ごめん……なさい……」
目から溢れる涙が止まらない
「覚えておいて靈夢……博麗の巫女はね……持ってなきゃいけないものがあるの……」
「……なんですか?」
「どんな異変にも立ち向かう意志……負けない、諦めない心……」
博麗の巫女として教えれる最後の事
「それは………!?」
師の言葉は止まった
「師匠!?」
呼び掛ける靈夢の前で師の体は崩壊していく
「……洗脳と同時にエスタークの能力からも解放したのよ、能力が切れた死者は……死に戻る」
師の状態を教え、霊夢は促した
「別れの挨拶をしなさい……前は出来なかったんでしょ?」
靈夢と師の様子に察し、二人を見守る
「師匠……!」
消え行く師に抱きつく
「……靈夢」
そっと頭を撫で、涙に濡れる靈夢に
「握手……」
手を差し伸べる
「……」
言われるがまま握手する靈夢に師は言った
「この手はね……昔、とっても昔に幻想郷を救った人と握手した手なの……」
体が崩れていく
「あの人みたいに……強く……強く生きて靈夢……」
「師匠……!」
完全に崩れる間際また二人は抱き合う
「霊夢様……もし貴方が幻じゃないのなら……この子を……お願いします……!」
「……任せなさい」
「ありがとう……ございます……」
塵になる刹那
「!!」
靈夢は自らの能力で感じた
一緒に遊んだ時、修行した時、買い物に行った時、ご飯を食べた時、寝た時……
そのどれからも感じたのは深い愛
靈夢の事をいつも想っていた事だった
「バイバイ……靈夢……」
微笑む師
「儷奈……お母さん……!!」
最後に聞いた言葉に師は満足した様に笑うと
消えていった……
「あの……霊夢様?」
「……何?」
師の言っていた事を思い返し聞いた
「師匠ってあの大魔王バーンに会ってたんですか?」
寿命的に有り得ない事を
「……あいつ……儷奈は流れを緩やかにする能力を持ってたの」
「それは知ってますけど……それって弾幕とかを避けたりする時に使う能力ですよね?」
「それは使い方の一種、流れを緩やかにするって言うのは文字通り物事の流れを緩やかにする」
「……?」
「わからない?」
「はい……」
「……あいつは寿命の流れを緩やかにしてたのよ」
「寿命を……」
「そっ……じゃなきゃ私とそう歳が変わらないあいつが生きてる訳ないじゃない」
「……ですよね」
「……物覚えが悪い奴だったわ、才能なんてちっとも無くて……でもその分だけ努力してた、何年も何十年も……自分が出来るのはこれだけだからって……」
「……」
「だから私は後継者にしたのよ、心が強かったから……力なんて後からでも付けれるし」
「凄かったんですね師匠……」
「私が選んだのよ?当然でしょ?」
「……師匠……」
自分の師が褒められたのが誇らしくて
形はどうあれまた会えた嬉しさと別れの悲しみが混じり合い
「うぇ……えぇぇん……」
状況も憚らずまた泣いた
エスタークパレス・左翼内
「オレ様を倒す算段だぁ?」
「そう、もう詰んでるのよ貴方」
パチュリーの返事にフレイザードは声を上げ笑った
「手も足も出なかったもやしがなに抜かしてんだ!笑わせるなよ!」
「今の内に笑っとくといいわ、それが最後だし……もう笑えなくなるから……」
「……テメェ……!!」
パチュリーの怯えも何も無い態度に怒りを見せるフレイザード
「ならやってみやがれ!!」
そのまま突撃する
「では御教授しましょう……」
パチュリーが語ると周囲に弾幕が発生する
「そんなちんけな弾幕で……」
構わず突撃するフレイザード、その弾幕も魔力から生成した弾だから跳ね返せると思っていた
「弾幕……だとぉ!?」
そして瞬時に理解した
呪文ではなく弾幕を使う意味を
「それ……」
弾幕がフレイザードを襲う
「ウオオオッ!?」
弾幕を一身に受ける
シャハルの鏡に当たった弾をいくつも跳ね返すが後続の弾に相殺されパチュリーに届かない
「ウギェェェッ!?」
体を穴だらけにされてフレイザードは吹き飛んだ
「わかったかしら?シャハルの鏡の弱点を……」
のたうち回るフレイザードにパチュリーは解説を始める
「答えは反射範囲と魔法式、その鏡に当たった魔法しか跳ね返せれないのが弱点よ」
胸にあるシャハルの鏡を手を逆さに指差す
「シャハルの鏡は元々バーンの居た世界の道具を模して作った物……だから想定する魔法式はバーンの居た世界の魔法式に対しての物なのよ」
「バーンの世界の魔法はどんなに広範囲でも魔力は1つに繋がってる、だからシャハルの鏡にさえ触れれば跳ね返せる……これは魔法式がそう公式化してるからそれに対する作りになるのは当然の事……」
「それに対し幻想郷の魔法式は主に魔力の細分化、魔力を細かく分けるから1つ跳ね返しても全部とはいかない……跳ね返すには全てに当てなければならない……でもその大きさでは四方八方から来る弾幕は防ぎ切れないわねぇ」
淡々と告げられる説明にフレイザードの表情は青冷めていく
「そして私はその2つの魔法式を組み合わせる事が出来る……」
先程より大きく強い弾を生成し展開する
威力ある分かれた大量の弾、2つの魔法式を応用した高威力弾幕
かつてバーンが行っていた事をパチュリーは実践して見せた
「ウググググ……!?」
大量の弾幕を前にフレイザードが悔しく歯軋る
「終わりね」
詰んだ事を悟らせたパチュリーが撃とうとする瞬間
「ナメるんじゃねぇぇぇ!!」
フレイザードが咆哮し氷と炎を激しく放出した
「ウオオオ……!!」
周囲を舞う氷炎が左右両手に集まり球体を成す
「……まさか……」
それを見たパチュリーはある呪文を連想した
己の持つ必殺の呪文を
「……!」
阻止せんと弾幕を放つ
「ラアァッ!!」
フレイザードの周囲に炎が渦を巻き弾幕を防いだ
「チッ……!」
高威力の呪文を放とうとするがシャハルの鏡の存在を思い出し撃てない
パチュリーが見守る中
完成させたフレイザードは炎を消し……
「ヒヒ……」
姿を表した!
「ヒャーハッハッハァ!!」
高笑いを出しながら姿を表したフレイザードの両手には引き絞られた魔力
「……メドローア」
それを見たパチュリーが呟く
「そうだ!メドローアだぁ!」
誇らしげに見せつけるフレイザード
「出来たぜオレにも……!!」
フレイザードは出来た
魔法使いではないフレイザードがメドローアを出来たのはその体の特性だった
氷と炎の魔法のみに特化したフレイザードだったから出来た
「お前のお陰だぜぇ……!」
出来たのはパチュリーの存在が大きかった
本に載っていたパチュリーの項目、そこにあった極大消滅呪文の記述
それを知っていたからフレイザードは試し、成功させた
昔どこかに居た同一体が持っていた可能性、それを成し遂げたのだ
「消し飛ばしてやるぜ!」
拳を僅かに覆うそれをパチュリーに向けて構えた
「……やれるならね」
得意顔のフレイザードに渋いパチュリー
彼女には渋い理由があった
(パレスには防壁が張り巡らされてる……そんな中でメドローアなんて撃たれたら跳ね返りで皆が危ない……)
パレスを覆う防壁の存在、マホカンタが混ざった防壁に触れればメドローアはどこに返るか分からず跳ね返り続ける
そうなれば妹紅達やフランに当たる可能性もある
「受けてあげるわ」
だから避けれない
「バカが……消えろぉぉ!!」
メドローアは放たれ
バシュ……
相殺された
「ナッ……ナニィ!?」
出来た必殺技を瞬時に無効化された驚きで何が起きたのか説明を求める目でパチュリーを見る
「……メドローアを使えたら相殺も出来るのよ」
「……相殺だぁ?」
「そうよ、経験の浅い坊やには難しいでしょうけどね」
含み笑うパチュリーにバカにされた感じがして顔が引き吊る
「クソガァァァ!」
またメドローアを作ろうとするフレイザードに
「そしてこれが……」
パチュリーも動いた
異なる2つの属性の球体を融合させる
「オラアッ!!」
メドローアを構えるフレイザード
「!!?」
見開く目
そこにはメドローアを構えるパチュリー
「これが私のメドローアよ」
驚きなのはメドローアを使えるからではない、使える事は知っている
なら何故驚いたのか?
それは……
「同じ呪文といえども使う者の魔力の絶対量によってその威力は大きく異なる……」
パチュリーの構えるメドローアが自分の物より遥かに多く、大きく、強かったから
「メドローアには当てはまらないけどメドローア同士がぶつかる場合のみ適用される……つまり……」
凛々しく構えるパチュリーは告げた
「貴方の負け」
撃ち合えば勝ち目は無いぞ、と……
「ウググググ……!?」
歯噛むフレイザード
完全に詰んでいた
必殺のメドローアは力負けし、反射しても相殺される、魔力切れを狙うにも魔力量に圧倒的な差がある為先に切れるのは自分、メドローアを止めれば弾幕が来る
どうやっても勝ち目が無かった
「……ならぁ!!」
メドローア消したフレイザードは走った
「えっ!?」
向かったのはレティの居る結界
「だらああっ!!」
力任せにぶち抜き中のレティを捕まえる
「撃ちたきゃ撃てよ!弾幕でもなんでもなぁ!こいつも道ずれだ!」
フレイザードはレティを人質に取った
「先生!私に構わず……」
レティが叫ぶ
「……大丈夫よレティ」
言わんとする事をわかっていたパチュリーはそれを踏まえて大丈夫だと言った
「形勢逆転だ!オレ様の勝ちだ!」
頭を掴み盾にするフレイザードに
「いえ……それでもやっぱり……」
パチュリーはゆっくりと
「詰んでるのよお前……」
負けを告げた
「深淵の極大消滅呪文……そこに新たな式を組み込む……」
矢を模したメドローアが再び球体に戻り、パチュリーの手から離れ頭上に浮き上がる
「その式の解……」
球体が細かく、大量に分裂していく
「消滅の幕!」
展開されたのは弾幕
それもただの弾幕ではなくメドローアの弾幕
メドローアに幻想郷の魔法式を組み込み大量の消滅弾幕を展開したのだ
「ッ……!?だが……!!」
恐ろしい光景に怯むフレイザードだったがまだ諦めない
「それをこいつに当たらない様には出来ねぇだろうが!」
人質をより密着させて怒鳴る
「レティ」
「は、はい……!」
「じっとしてなさい」
「……!はい!!」
パチュリーを信頼するレティは体に力を入れ不動に徹した
「本気で撃つ気……」
フレイザードが声を出した瞬間
ドッ!
体に穴が空いた
「ウ……オッ……オ……!?」
ドドドッ!
次々穴が空いていく
レティを寸分で避けながら
「……!!」
途中パチュリーはある良く知る魔力を幻想郷から感じ口元を緩ませた
「……賢者とはどこかのがさつな大魔導士と違って魔力の扱いに広く秀でた者を指して賢者と言うのよ……」
ドド……ドッ!
「その賢者が自らの魔力を手足の如く操れない訳がないじゃない」
ドドドドド!!
「オアアアッ……!?」
無くなっていく体にバランスを崩し、更にレティを振り回すも小さな光の矢はフレイザードだけを消していく
「消符「ディスアピアランスアロー」!!」
光矢が腕を消し、レティを開放する
そして体の殆どを消されたフレイザードはシャハルの鏡を落とし、核に僅かな氷と炎のみのが宿る姿になった
「チェックメイトね」
レティにシャハルの鏡を回収させ避難させたパチュリーが告げる
「み……見逃してくれ……」
最早何も出来ないフレイザード
「これ以上攻撃されたら死んじまう……何もしないから見逃してくれ……」
命乞いしか出来ない
涙目でパチュリーを見上げる
「……」
そこには冷やかに見下すパチュリーの表情だった
「お前を見逃す事が出来ない決定的な理由があるわ……」
小さなメドローアを作り出す、ちょうどフレイザードの核と同じくらい
「お前は私の弟子を傷つけた……」
冷酷な瞳は一切の情状酌量の余地を感じさせない
「お前の死因はたった1つ……たった1つの単純な、でも決定的な答えよ……」
「ま、待て……!?」
ドシュッ!
「お前は私を怒らせたからよ……」
フレイザードは消え去った
「せ…………が……!」
「……せー…………が……!」
呼ぶ声
「……んっ……」
呼ぶ声が聞こえて青娥は目を覚ました
(……ここは?)
上半身を起こして周囲を見る、映るのは木々、どうやら森の中らしい
(魔物の大群に襲われて……そこで意識を失ったのね)
最後に見た光景を思い出し今の状況を探る
(体は……大丈夫、軽傷ね)
上半身から感覚で診ていく青娥に声が掛かった
「せー……が……」
声は背から
青娥は呼ばれるまま顔を向ける
「芳香!!」
思わず声が裏返った
腰にしがみついている芳香に驚いた
「芳香……貴方……それ……」
しがみついているのは驚きだったがそれ以上に芳香の状態に驚きを隠せなかった
下半身が全て無くなり、右腕は千切れかけ、体の至る所に切り傷や殴打の痕、抉れてもいる
そして顔半分が無くなっていた
「な、なんで貴方がそんなになってるのよ……」
キョンシーでなければとっくに死んでいる傷
混乱している青娥は自分と芳香の状態から察する事が出来なかった
「せーが……」
芳香が口を開く
「守ーる……って……言ったから……」
「あっ……」
青娥は思い出した
魔物に飲まれる前に芳香が言った言葉を……
「せーが大丈夫……でしょ……?」
「うん……大丈夫よ……芳香ぁ……!」
芳香の問いに涙が流れた
理解したから
あの状況から気絶した主人を守る為に攻撃を一身に受けながら逃げてきた事が
「ごめんね……ありがとう……ありがとう……!!」
堪らず抱きつき強く抱き締める
「せーが……なんで泣いてるんだ?……どこか痛いのか?」
泣いている主人に失敗したと顔を曇らせる芳香
その芳香に青娥は
「全然痛くないわよ!大丈夫!」
元気に笑って見せた
「良かった……せーが良かった……」
安心して笑う芳香
「……少し休んでなさい芳香」
「うん……眠いから少し……だけ……寝……る……」
芳香は目を閉じると
「……」
動かなくなった
(……ありがと芳香)
そっと頭を撫でると青娥は芳香に術を掛け姿を隠す
(全部終わったら直してあげるからね……)
そう誓うと飛び立って行った
芳香の分まで戦う為に……
エスタークパレス・尾翼内
「オオオオッ!!」
覚悟を乗せた鋼線が舞い上がる
「死ね……!フランドォォォォル!!」
全てを込めた鋼線がフランを襲った
ズババ……ヒュカ……スパッ……
「……」
ズバババババババババ……
「……」
バババババババババ……!!
「……」
全てを一身に受けるフランは何もしない
「……グゥ……クッ!?」
痛みに一瞬攻撃が緩む
(持て……まだ死ねん!殺す……殺すんだ……!!必……ず……!!)
「……アア……ッ!アアアアアッ!!」
再び力を入れ直し終わらせる為の終わらない攻撃は続く
もう戻る道は無い
その意思にあるのは無意味を前にずっと残り続けた想いの残骸の片付け
二度目の生をせめて納得いく終わりにする為の餓鬼の自己満足
「……」
それを受け続けるフラン
まるで弟の我が儘を聞いてやるかの様にただ佇む
バババ……バババババ……
数百、数千の意思の果て
ババ……バババ……ババ……
時間にして数分程度の事だった
バ……バ……バ…………バ……
その時は来た
「……ハァ……ッハァ……」
息を荒げ項垂れるウォルター
その手はもう動かない
「……ダメだったね」
巻き付く鋼線を取ったフランが告げる
「ああ……ダメだった」
自嘲気味にウォルターは笑った
「もう無理だ……勝てないよ……」
年相応の口調になり負けを認める
「僕はアーカードどころかあいつとは別の吸血鬼にも勝てない哀れな道化さ……」
笑えよ、と言いたげにフランを見る
「わかってるよウォルター……ウォルターは私やお姉様にアーカードを見ていただけなんだよね?」
フランにはわかっていた、ウォルターが自分とレミリアに向ける殺意の理由を
「……そうだよ、強い……頂点なんて呼ばれてる吸血鬼……あまりの強さに僕はあいつを重ねてた……無意味と知りつつも……ね」
ウォルターはフランに宿敵であるアーカードを重ねていた
だからあれだけの殺意を以てフランに敵意を表していたのだ
本人と違う無意味な事とはわかっていながらも……
「あいつに会えない人生ならエスタークに着いていくのも良いと思ってたけど……君達を知って思ってしまった、湧いてしまった……勝ちたい気持ちが押さえきれなかった!」
心情を吐いたウォルターの左腕が崩れ去る
「……時間だ」
もうすぐ来る死を感じ目の光が消える
「……ウォルター!」
フランが叫んだ
「なんで諦めるの!勝てないから諦めるの!?おかしいよ!」
「……君は知らないんだフランドール、強過ぎる者を倒せる唯一の好機を逃した奴の気持ちなんて……」
もう聞かないでくれと言う様に目を閉じたウォルターに
「知ってるよ!!」
フランは言った
「あたしにも強過ぎる人が居た!倒せる好機どころかそれすら無かったくらい強い人が!」
「……バーンか」
「そうだよ!もう居ないから勝てないけど……!あたしはずっと修行してる!越えたいから!」
「……」
「相手が強いんならもっと自分が強くなったら良い!あたしの目標のバーンがそう言ってた!だからあたしは今でも強くなる為に頑張ってるの!」
「……」
「だからウォルターも頑張ろ?」
「……!」
「あたしと一緒に頑張ろうよ!」
「……!!」
思わぬ提案に目を白黒させるウォルターにフランは言った
ウォルターの職がそうなのとその強い想いを知って親近感が湧いたからからか
フランは願った
「あたしの執事になってよ!」
仲間になってと
「……」
暫し二人は見つめ合う
「ダメ……かな?」
沈黙に拒絶を感じたフランに
「……フッ」
ウォルターは微笑んだ
「僕は目標を失った死神だった……エスタークに従っていたのは操られても記憶を弄られていたからでもない……ただの時間潰しさ……」
「僕が仕えるに値した主は一人だけ……」
昔を思い出し天井を見上げる
「でも……」
またフランへ向いたウォルターは答えた
「お前みたいなお転婆少女に振り回されるのも悪くないかもしれないね……」
「やった!」
受け入れを匂わす答えにフランは跳び跳ね喜ぶ
「あたしだけの執事だよウォルター!」
「お前……だけ?」
「うん!紅魔館には咲夜ってメイドが居るんだけどお姉様専属みたいになってるし……だからウォルターはあたしだけの執事!」
「……わかったよ」
「やったー!」
専属の約束をしたフランがウォルターに駆け寄る
「じゃあまずウォルターを治さないとね!大丈夫!永琳ってすっごいお医者さんが居るからすぐ治るよ!」
「……そうか」
「行こ?ウォルター!」
フランが手を差し伸べる
……カチッ
何かが作動する音が聞こえた
「!?」
瞬間ウォルターが目を見開き叫んだ
「やめろ!やめろエスターク!」
「ウォルター……?」
突然の叫びにフランが頭を傾げたと同時
ボウッ!
二人の周囲に9本の火柱が上がった
「!?」
炎が二人を包むように間隔を狭めていく
これはエスタークがバーンの記憶から作り、仕掛けた物
ある死神の作ったお気に入りの罠
「クソッ!!」
この部屋に仕掛けられていた罠だったが発動させたのはウォルターではない、したのはエスターク、彼がフランに罠に掛けるなどそんな気は一切無かった
「えっ……えぇ!?」
迫る炎に動揺するフランを
ドッ……
ウォルターが押した
「ウォルター!!?」
炎の隙間から外に出されたフランの目の前でウォルターが炎の壁に包まれ見えなくなる
「待ってて!今助けるから!」
能力を使い罠を破壊しようと試みる
「行ってください……」
声がそれを止めた
「なんで!?」
助けを拒否するウォルターに声が荒ぐ
「もう助かりません……もう……間に合わない、僕はもうすぐに死にます……」
「あたしが間に合わせる!間に合わせるから!だからそんな事言っちゃダメ!」
「……既に間に合ってないのです、私は既に死んでいた身、フランドール様がエスタークを討つのならどの道私は消える運命なのです」
「そんな……そんなのってないよ!」
ウォルターが死人だったなんてフランは知らないし能力が途絶えたら死に戻るのも知らない
だからこそ生者だと思っていたフランはウォルターを自分の執事に誘ったのだ
「ウォルターはあたしの!あたしだけの執事なんだよ!勝手は許さない!!」
納得いかないフランは能力を使う
「行け!!」
手は止められる
「行くんだ!!」
それは命令にも似た……
「行きなさい!!」
仕えるに値する主の為に叫ばれる……
「行くのです!!」
絆の証……
「フランドールお嬢様!!」
既にウォルターは成っていた
フランの執事に……
仲間に……
家族に……
「……わかったウォルター」
目を消して手を下げる
俯いて表情は見えないが手は我慢する様に強く、強く握られていた
「行くね……」
踵を返し進む事を決める
破壊は出来た
それを我慢させ、進ませる意思を持たせたのはウォルターの想い
自分の事を考えての強い想いを無下には出来なかったから
唇を噛み、握る両手からも血を流しながらもフランは苦渋の選択をした
仲間の為に……
家族の為に……
「待ってるから……ウォルター……!!」
飛び去る瞬間に数滴の雫が床に落ち、蒸発した
「……」
燃え盛る業火の中ウォルターは懐から煙草を取り出し火を着ける
「ああ畜生……」
終わりに出た言葉は覚えある言葉
「勝ちたかったなぁ、あいつに……」
どっちの吸血鬼なのか?アーカードか?スカーレット姉妹か?それともフランになのか?
それはウォルターにしかわからない
「フッ……」
生前の最期をなぞる奇妙な感覚に目を閉じたその顔
想い果たせぬ残骸のままの彼の顔は笑っていた
「御然らばです、フランドールお嬢様……」
ゴオオォ……
ウォルターは炎の中に消えて逝った
エスタークパレス・王室
「……」
苦い表情でエスタークは映像を見ていた
(全員敗北……)
予想だにしていない事態だったからだ
(まさか誰一人として倒せないとは……)
妹紅からは見えないパレス尾翼の映像を消す
(……大魔王の犬は大した事なく、死神に至っては裏切り……)
左翼と分岐の間の映像も消す
(まぁいい……期待はしてませんでしたしね)
エスタークに悲しみも焦りも無かった
駒としてしか見ていなかったから期待はしてないし信頼も信用もしていない
だからウォルターごとフランを罠に嵌めようとした
(次は自我を消しておくべきですか)
だから考えるのは先の事だった
(……アレに全て片付けて貰いましょう、しかし洗脳が完全でないのが気掛かり……暴走して私に牙を向けるかもしれませんが……まぁいい)
そして切り札の事
「その様子じゃ全員倒されたみたいだな!」
誇らしい顔の妹紅、皆が勝って嬉しいからか口元が緩んでいる、後ろの慧音もガッツポーズをしていた
「……」
沈黙し答えないエスターク
「聞いてるのか!なんとか言え!」
妹紅が怒鳴るとようやく顔を向けた
「失礼……少し考え事をしてましてね」
「逃げる事をか?」
「……フッ」
挑発にエスタークは表情を変える事なく話し出した
「……貴方は妖怪の王について知ってますか?」
「妖怪の王?」
「そう、妖怪の王です……ご存知無い様ですね」
問いに妹紅は慧音を見るが慧音も知らないのか首を振った
「かつて、遥かな昔……幻想郷が誕生するより前、八雲紫が生まれるよりも更に昔……今で言う外の世界に妖怪が跋扈していた古の時代……」
映像を全て消したエスタークは王座から立ち上がる
「その時代の妖怪や人間を支配していた者が居ました……」
階段をゆっくり降りながら続けられる語り
「それが妖怪の王……」
全て降り切り妹紅へ歩む
「余りにも人間を食い過ぎ、同胞の妖怪さえも食い殺していた王は人間と結託した妖怪達に肉体と精神を封印されたそうです、その後歴史からも消されたそうです……」
一定の距離で止まり妹紅に不敵な笑みを見せた
「……それがどうした?今関係無いだろ……」
「ありますよ、貴方を殺す前に知っていて貰いたくて話してるんです」
「……」
意図が読めず黙って睨む妹紅にエスタークは核心を話した
「その王は余りの強さからこう呼ばれていました、百鬼夜行を潰す者……暗黒の太陽とも常闇ノ皇とも……闇の支配者たる力を持ち空を亡くす者……」
「空亡……と」
ヴンッ
妹紅の前に映像が表示される
「……チルノ、大妖精?」
映されたのはエスターク神殿の分岐の間だった
エスターク神殿・分岐の間
「チルノちゃんもっと苦戦とかしようよ……」
「なんで?」
「可愛くないよ~」
「……なんで?あたい可愛いでしょ?」
「もういい……行こチルノちゃん」
「オッケー!」
2頭の竜を倒した二人が地下に繋がる階段へ進む
その時だった
……キィ
側方からドアが開き二人が視線を向ける
「ルーミアちゃん!!」
そこに居たのはルーミア
酷く虚ろな目をしている
「どうしたのルーミアちゃん!こんな所で……危ないよぉ」
大妖精が寄っていく
「…………だ……」
掠れる様な小さな声でルーミアは何か言っているが二人には聞こえない
「あんた来ちゃったの?危ないから帰りなさい!あたいと大ちゃんで充分よ!」
「に…………だ……」
チルノの言葉にも同じ反応をするだけで変わらない
「……具合悪いのルーミアちゃん?」
大妖精が様子に気付いて顔を覗きこんだ
「逃げる……のだー……」
ルーミアが言っていたのは逃げてくれとの願いだった
「どうしたのルー……」
尋ねようとした大妖精の前で
スルッ……
リボンの片方が抜け落ちた
ビリッ……
「!!?……大ちゃん離れて!」
感じた力にチルノが叫んだ
ゴオッ!!
ルーミアの体から突如異常な妖気が溢れだした
「ルーミアちゃん……?」
突然の事態に呆気に取られる大妖精を前に妖力は高まり続ける
「ニ……ゲル……のだ……あ……アァ……」
ルーミアの声が消え入る様に薄くなっていく
「アァ!?アアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」
絶叫が響いた直後
バーンが贈ったリボンが光を放ったのをリボンごと弾き飛ばし
ドン!!
真っ黒な妖力が爆発し大妖精を吹き飛ばした
「大ちゃん!!」
吹き飛んだ大妖精に顔を向けたチルノに声が聞こえた
「数百……千年を越える……?フン……ようやく出れた……忌々しい博麗零夢……生きてるなら食い殺してやるのに……」
黒い妖力の中から一人の女性が姿を現す
背の高い女性
長く伸びた金髪に黒を基調とした服装
その姿はまさにルーミアがそのまま成長した姿
違いは気を入れずともその身から怖い程に感じられる力と
「さて……まずは腹ごしらえかしらね、人間全部食べてやるとしますか、エスタークの助けにもなるし丁度良いわ」
それが当然の権利と言わんばかりの殺意
「~♪」
気分良く出口を探し始める
(大ちゃん……気絶してる)
大妖精の様子を確認し安心するとチルノは顔を引き締め飛び立った
(迎えが来ないという事はエスタークは今手が離せない状態って事ね……幻想郷だかに繋がる何かが神殿のどこかにあるって言ってたからまずはそれを見つけるとしましょう)
幻想郷に繋がる装置を探しに部屋を出ようとした足は止まった
「……なにお前?」
そこには一人の妖精が立ち塞がっていたからだ
「あんたを幻想郷に行かせない!」
チルノは指を差し告げる
絶対に幻想郷には行かせない、通さないと
「……妖精ごときが誰に口を聞いているのかわかってる?」
たかが妖精が道を塞ぐのが気に入らない王
「私は常闇ノ皇……ルーミアと知っての口?知らなかったのなら退け、今は人間が食べたい気分なのよ……」
嵐の様な妖力を放出し威圧する
「知らないわよ!誰よあんた!ルーミアはお前みたいな奴じゃない!あたいを前に人間を食べれるもんならやってみろ!!」
チルノも力を高め威圧し返す
「……もう言葉は飲みこめないわよ下等種族……」
黒い闇の力が神殿に広がっていく
「私の力を思い知った後……泣き……叫び……」
「そして……」
「死ぬがいいわ」
封印を解かれた妖怪の皇
対するは幻想郷最強
最も高き力がぶつかり合う
エスタークパレス・王室
「ルーミア!!」
驚く妹紅はすぐさま剣幕にエスタークを睨み付ける
「ルーミアに何をした!!」
「封印を解いただけですよ、大魔王バーンは彼女の中に居た存在に気付かなかった様ですが私は気付いたのです」
「戻せ!!」
「戻したじゃありませんか……封印を解いた彼女のあの姿、あの人格が本当のルーミアです、愚者の人格が出てくる事はもうありません」
「……戻せッ!!」
「お断りします、彼女は私のパートナーとなる者ですので……レミリアとは違う……ね」
エスタークの笑みが妹紅に向けられた瞬間だった
フッ……
周囲が暗くなった
「なんだ!?どうしたんだ突然!?」
慧音が慌てて外を見る
「夜に……なってる?」
幻想郷は夜になっていた
(バカな!?さっきまで晴天だったんだぞ!?何が起きたんだ……)
謎の現象に混乱する中
「早速ですか……流石常闇ノ皇です、素晴らしい力だ」
エスタークだけは何が起きたか知っていた
「……何をした?」
「したのはルーミアです、彼女の力が神殿のどこかにある神殿と幻想郷を繋ぐ空間から溢れたのですよ」
「……だから夜が来たのか」
「そう、もう幻想郷は常闇の中……もう陽が幻想郷を照らす事は永劫無い……」
「……!!」
「素晴らしい力です本当に……ある異界に居た大魔王が持っていた力と同様の力を持つとは……」
「……今すぐ戻せ」
「幻想郷は妖怪の王に、かつての仲間に滅ぼされる……ククク……」
「戻せって……言ってんだよ!!」
「……」
「エスターク!!」
「……相変わらず癇に障る声だ」
エスタークの魔力が上がっていく
「そろそろ私達も始めましょう藤原妹紅……」
その身に宿すバーンの魔力を全開にして……
「エスタァァァァク!!」
炎を燃え上がらせた妹紅が叫ぶ
力を得た地獄の帝王
対峙する皇帝不死鳥
ついに戦いの時……!!
書けるけどドラマ部分がどうしても長く膨らんでしまう……
はい、今話で配下VS頂点と霊夢の決着が着きました。
師の正体がバーンと握手した少女だったのが唐突に判明したり色々アレですが……
ちなみに師の名前にある儷、これには同列に並んだ仲間と言う意味があります、そこに霊夢の夢を6と考えて次の7である奈で儷奈……安易過ぎだなぁ……
そして存在も忘れられていたルーミア
彼女の設定はEXルーミアのある考察を元にしています、ルーミアの方が先などわかった上での事で公式でないのも充分理解しています、なので微笑ましく見てくれたら幸いです。
ついにエスタークとの対決になったなぁ……密度が濃くて長い9話だった様に思います。
次回も頑張ります!