「カイザーフェニックス!!」
ドオッ!
「オオオッ!!」
衝突する二体の不死鳥
「ウ……オオオオオッ!!」
破ったのは妹紅の不死鳥
「ククッ……カイザーフェニックス!」
続けざまに撃たれる第二撃
ドウッ!
「ウ……アア……!!」
受けた妹紅
目の前に見える不死鳥に対する怒りを力に変え漲らせる
「アアアアッ!!」
バシュッ!
第二撃も破った
「ハァッ……ハァッ……」
荒ぐ息、それはカイザーフェニックスを破る為に力を使い消耗したからか
「やりましたね妹紅!これで完全に証明された訳です!貴方はバーンの不死鳥を越え!真の皇帝不死鳥となったのです!」
邪な笑みを浮かべる帝王の癇に障る声に答えはすぐに出た
「黙れぇッ!!」
怒り
それも過去最大の怒り
「フゥー……フゥー……!!」
抑えきれない怒りが息を荒げ体を震わせる
それ程の怒り
「エスタァァァァァク!!」
カイザーフェニックスとは妹紅が越えると定めた目標だった
あの魔帝異変の時に見た想像を絶する威力と優雅なる姿
それを越えると決めたから今まで頑張って来た
憧れすら抱いたあのバーンの不死鳥を越える為に、自ら皇帝不死鳥と名乗る程の想いを持った友との絆
それを貶されたのだ
「オマエェェェ!!」
それはもはや生の一部と言える程強い想い
人間や妖怪を守る想いと同じと言える程のものだった
「それを……ツカウナァ!!」
そしてそれは妹紅だけの事ではない
友であるバーンも絡む事
友が誇った技をエスタークが我が物顔で使い、良いように語る、それが妹紅には我慢できない
自分だけではなくバーンも貶されているから
「ハハハ……折れるどころか怒らせてしまった……クク……」
「アアアアッ!!」
怒りの不死鳥と共に殴り掛かる
「カイザーフェニックス!」
迎撃にまたそれを使う
「ぬぐぅぅ……!!」
ぶつかる不死鳥が炎を撒き散らしエスタークを遠ざける
「……うらああッ!!」
破る妹紅の動きが止まった一瞬
ブゥン
側方にスキマが広がった
「……!!」
対処しようと目を向けた妹紅の前にいたのはフェニックス
スキマから放たれた第二射だった
ドオォ……
炸裂したフェニックスが炎爆を起こし爆風から妹紅が吹き飛ばされ床を擦る
「く……あっ……クソォ……!?」
ダメージを受けていた
カイザーフェニックスを破れるには破れるがそれは攻撃を合わせた時だけ、無防備に受ければダメージは受ける、もっとも全てを出した妹紅に炎はあまり効果は無く軽い火傷程度、主なダメージは爆発の衝撃にあった
……ブゥン
間髪を入れずスキマが倒れる妹紅の上方に出現する
「くっ……」
飛び出たそれを床で身を回転させ避ける
「……惜しい」
床に刺さった剣を抜きながらエスタークが妹紅に妖しく微笑む
「この……!」
攻撃を仕掛けようと身を乗り出すより早くエスタークは手を水平に振った
「クハハッ……」
撃たれた炎鳥が妹紅に直撃しまた炎爆を起こした
ドウッ!
爆炎から妹紅が吹き飛ぶ
「クッ……ソオオォッ!!」
防御して着地したがその怒りは益々溜まる
(こんな……!バーンの不死鳥は……こんな……ッ!!)
あいつを今すぐにでも焼き尽くしたい
「……!!」
怒りのあまり冷静さを失った妹紅はエスタークしか見えていない
「フフフ……」
だから気付かなかった
エスタークの2本の剣の内の1本が無くなっていたのを
(もう周りが見えていない、怒りに冷静な判断が出来なくなっている……怒りとは憎悪とは違うのですよ妹紅……冷静さを失えば状況は悪くなるだけ……)
表情に出さず念じると妹紅の背後にスキマが僅かに広がり中から無くなっていた剣の刀身が生え、妖しく光る
(心臓を突いて終わり……心を折れなかったのは残念ですが他の頂点が集まっているのに悠長な事は出来ません)
気付いていない妹紅に致命の一撃が撃たれる……
「妹紅!!」
撃たれる前に声が遮った
「……慧音?」
妹紅は声の主、慧音に視線を向ける
(……チッ、そういえば居ましたね……戦力外の雑魚が……)
妹紅の一瞬冷めた様子に刀身を戻しスキマを閉じる
「熱くなるな妹紅!危なかったんだぞ!」
遠目から見ていた慧音は妹紅の背後に出現したスキマが見えた、そしてそれに気付いていない妹紅を危機から救う為に声を張り上げたのだ
「でも慧音……あいつはバーンの……」
「わかっている!不死鳥がお前とバーンにとってどれだけ強く、尊く、大事な絆なんて事は!」
慧音は叫ぶ
それが今しか自分に出来ない事だから
「自分とバーンの事をどれだけわかっているんだとお前は思うかもしれない!だが言わせてくれ!」
そこに自分が入る余地など無い事は重々承知している
でも言うのだ
友として
「前に私に話してくれただろう!?私くらいにしか話せないって!こんな弱気な事はあいつらには話せないって!」
「……!」
妹紅は思い出した、いつだったか慧音に話した日の事を
強く生きる友には言えない、ずっと昔から友達だった慧音にしか話さなかった事を……
「いくら強くなってもバーンの不死鳥を越えられる気がしないって……」
「……うん」
「バーンをよく知らない私は聞いた筈だ!今なら充分勝てると思う、と!」
「……そうだったな」
「お前は答えただろう!?悔しくもありながら!でも誇らしそうに!」
「うん……言ったな」
「バーンの不死鳥はこんなものじゃないって!!」
友にも色々とある
強過ぎたバーンを目指す妹紅に挫折が無かった訳ではない、諦めようとした事など何度もある
しかしそれは同じ友とは言えど強くなろうとする6人には言えない事、皆で約束したのに逃げる事になるから……
話せばわかってくれる筈だが言いたくなかった、言った瞬間に友達でなくなるかもしれないと思ってしまったから
「だよな……うん、そうだよな……」
だけど慧音には言える
長い付き合いの慧音になら言える
強さや約束なんて関係無しに言える間柄
6人とはまた違う、でも優劣つけれない友達だったから
「……!?」
突然頭に声が入って来る
『ピィ!』
友達の声
(怒らないで落ち着いて……か……)
二人の声を受けた妹紅は大きく深呼吸をして息を整える
(ありがとう……慧音、ダイ……)
気を落ち着けた妹紅は下を向いたまま感謝し
微笑んだ
「消えていなさい上白沢……」
エスタークが放った炎鳥が慧音に撃たれた
「……!!」
高速で迫る炎鳥に回避は無理だと慧音は背を向けた
「ピィ!?」
守ると約束した友の大事なモノを守る為に
「……ッ!!?」
慧音では耐えられない炎が当たる……
ドウッ!
炎鳥は打ち消された
「そうだ……そうだよな……!」
打ち消したのは不死の鳥を纏う者
「……妹紅!」
「思い出したよ……慧音とダイのお陰だ……!」
慧音に微笑むとエスタークに顔を向けた
「こんなものじゃない……私が憧れて……いつか必ず越えようと見据え続けた炎は……!」
怒りを静めた妹紅は自信満々に告げる
「バーンの不死鳥は……こんなものじゃない!!」
その炎を更に熱く、強く燃え上がらせる
「こんなものではない……?本人の力を目の当たりにして何を……またバーンの……などと言う気ですか?」
落ち着きを取り戻した妹紅に無表情に問う
「私の言葉が信じられないか?……なら撃ってこいよ、お前のメラゾーマを……」
不敵に微笑む妹紅にエスタークの表情が一瞬引き吊る
「……そこまで言うなら……!!」
両の手に魔力を集中させ炎が包む
「ついでに思い出させてやるよ……」
妹紅の体が宙に浮く
「バーンの力に酔ったお前に……」
不死鳥を象る炎が濃く燃え上がり姿を隠していく
「トラウマをなぁ!!」
濃い炎が妹紅を全て包みこみ姿を隠しきると残るその鳥が羽ばたいた
「カイザー……」
右腕を縦に、左手を横に交差させる
「フェニックス!!」
十字に切られた腕から二つのメラゾーマが放たれた
「……ウオオオオオオッ!!」
咆哮が木霊すると不死鳥は二つのメラゾーマに突撃した
「不死「火の鳥―鳳翼天翔―」!!」
キュドッ!
不死鳥がメラゾーマを貫きエスタークに向かう
ゴオオオオオオォ……
不死鳥が過ぎ去った跡には燃え盛る炎の海
「……」
その中心に周囲の岩を溶解させたマグマの上に浮く妹紅
「やった!」
慧音が声を上げ近付こうとした動きは
「まだだ」
手をかざした妹紅に止められる
……ブゥン
空間の裂ける音に妹紅が睨んだ
「逃げるのは達者だなエスターク」
「……」
妹紅の言葉に反応してスキマから姿を現すエスターク
「スキマがあって良かったな、無かったらお前死んでたぞ?」
「……」
「レミリアを倒した?馬鹿言うなよエスターク……バーンの技で虚を突いただけだろうが!あいつがその気なら絶対に破ってた……そんな火の粉みたいな弱っちぃ炎なんてな!」
「……」
「どうした?笑って見せろよエスターク……さっきみたいに……」
「……調子に乗るな」
ついに笑みは崩れた
「バーンを越えたくらいで!」
何度も乗り越える妹紅に苛立ちが押さえきれない
「だからバーンはこんなもんじゃないって言ってるだろ、大魔王を舐めるなよ……?地獄の帝王……?」
「調子に乗るなと言っている!」
エスタークは手をかざす
「またメラゾーマか……」
冷めた目で見る妹紅
「そう!カイザーフェニックス……大魔王の魔力……そこに!」
炎上した手に更に力が足される
「私の力を加える……!」
力を加えられた炎が黒く変化していく
「これが……私の真のメラゾーマ……優雅に舞え、暗き獄鳥……」
「!!」
構える妹紅に黒い炎は放たれた
「ダークフェニックス!!」
黒いフェニックス
バーンの魔力だけのカイザーフェニックスに自らの力を加えた地獄の炎鳥
「……!!」
衝突する獄鳥と不死鳥
ボオッ!
「ぐあっ!?」
打ち負けた妹紅が吹き飛ぶ
「フ……フフ……フ……どうですか妹紅?優位から落とされる気分は?」
倒れる妹紅にぎこちない笑みを向ける
「くっ……」
ゆっくりと起き上がった妹紅、破れなかった悔しさなど無くエスタークを見つめる
「……随分必死だな」
「……なに?」
妹紅の焦りも何も無い表情と言葉が苛立ちを呼び戻す
「そんな技があるなら最初からすれば良い……お前は私の心を折りたくて時間を掛けてまでわざわざ手加減してたんだろ?」
「……」
「図星みたいだな……まぁいいさ」
構えを取る妹紅
「負けないからさ」
強い意思を感じさせる瞳
「妹紅……!!」
苛立ちに顔を歪ませるエスターク
「貴方に……虚勢を張る余裕がありますか……?」
どうしてもその意思を折りたくて悪意を放つ
「もはや幻想郷の滅びは目前……妖怪も……人間も!」
映像を出し見せつける
映っていたのは博麗神社と人間の里……
「!?」
と思わしきもの
夥しい数の魔物が結界が張っていたであろう形に群れをなし、覆っていた
「クク……フハハ……」
どうだと言わんばかりに妹紅に笑みを向ける
「……」
だが妹紅は反応を返さず2ヶ所の様子を見続ける
「終わりですよ妹紅……例え貴方が私を倒したとしても幻想郷は滅ぶ……」
まだ決まっていないのにそう思わせようと囀ずる
「幻想郷の負けだ!!」
決めつけた言葉を妹紅へ浴びせる
「……」
しかし妹紅は反応を返さない
「聞いているのか妹紅!!」
苛立ちが口調すら荒げさせる
「……聞いてたさ」
映像からエスタークに視線を移す妹紅の表情
「お前の妄想はな」
誇らしく微笑んでいた
「妄想……?今まさに敗れんとするこの光景の先……滅びは確実、これは妄想ではなく事実!」
返すエスタークに妹紅は告げる
「なら一緒に見ようじゃないか……」
信じ、信じられる素晴らしさ
「お前は知る事になる……」
1つになった幻想郷が作る奇跡
「妖怪や……お前が憎む人間の……」
繋がる魂の力
「私達!絆の力を!」
エスタークには無い力を……
博麗神社
「ハァ……コノッ!……ハァ……」
「うぐっ!?ぐ……え……」
「大丈夫か!?ッウ……!?持ちこたえろ!!」
境内では敵味方入り乱れて激しい戦闘が続いていた
「まだ終わらないのかい!?」
数体の魔物に組付かれている勇儀、鬼と言えど戦いの傷と疲れが響き破邪の結界で弱っている魔物にすら苦戦している
「まだまだ終わりそうに無いわね……悪夢よ……夢は覚めるものなんて言うけどこのままじゃ覚めないまま永眠かもね……」
感情の籠らない声で答えたのはアリス、13体居た人形も残りわずか2体
「弱気はいけません!そんな事はありません!終わりは来ます!必ず……ウッ!?」
攻撃を受けながら白蓮の鼓舞が飛ぶ、命蓮寺のメンバーも戦かってはいるが既に疲労困憊、押さえるのが精一杯
「……まだ……まだよ!」
とっくにナイフは使いきり、弾幕すら撃つのも辛い、だがバーンのナイフ1本で人の身でありながら奮闘する咲夜
「皆さん!」
「僕の後ろに隠れているんだ靈夢!君が行っても無理だ!皆を信じてくれ……!」
破邪の結界の維持を続ける靈夢と霖之助の二人、傷こそ少ないが神社の生命線である結界の維持に気が抜けない
「……多過ぎる、もう能力の限界……くぅ……」
「諦めてはいけません姫様……まだ生きています!能力が使えないなら弾幕!弾幕も使えないならこの拳があります!」
「そうだね……生きる限り戦うさ!逃げはない!戦って生を掴むんだ!」
屈指の強能力で戦況を押し返した輝夜だが無限に使える訳ではない能力が限界を迎え鈴仙とてゐと共に結界を維持する二人を守る
戦いの最中、輝夜は幻想郷の空に浮かぶパレスを一瞬だけ見た
(怒ってたわねあいつ……何があったか知らないけど……)
挑み続けた輝夜には遥か上空に居る妹紅の怒りがわかっていた
(負けるのは許さないわよ!あんたを倒すのはこの私なんだから!)
依然として浸入してくる魔物を睨みながらの激励
(だからこっちは心配しないで……負けないから……今も結界の外で独りで頑張ってる……)
一番危険な場所で居る仲間を想い
(妖夢の為にも……!!)
敵に立ち向かう
「ハアアアッ!」
全方位を魔物に囲まれたまま剣を振るう妖夢
「ハアッ……ハアッ……ツア!!」
適当に振るだけでも当たる密度、だが神経を研ぎ澄まし狙った箇所を切る
「ハッ……ハアッ……ッ!!」
ただ適当に振るだけではとっくに殺されている
一振りで確実に数体を倒す剣筋、攻撃を出させない出させても避けれる剣筋を見極め、次の動作を敵の動きを見切りながら考え、最速で最善手を出す刹那が幾重にも重なった死の包囲網
(負けられない……!幻想郷の為にも……!私の為にも!!)
その死の中を剣士は切り進む、怪我も疲労も忘れて
「ハアアアアアアッ!!」
死域
妖夢はそこに居た
死を目前に限界を更に越えた僅かな時間だけの限界突破
信じる剣が自然に最善手を繰り出す精神の境地
「フッ!」
死体の山が築かれていく中
(……!この気配は……)
より鋭敏になった感覚が魔物しか見えない場所を神社に向けて進む魔物とは異なる気配に気付かせた
(エスタークを倒した?いや……なら一人で来るのはおかしい……ですが何にせよ!)
斬撃を飛ばす
「うぅっ!?」
同時に体当たりを食らう
「……セヤッ!」
体当たりをした魔物を切り捨てまた攻防に戻る
(これぐらいで一人でも神社に着けるなら安いものです……!)
休む間も無い戦いに身を投じる妖夢
(頼みました……レティ……!)
「バーンストラッシュ!!」
「鬼を舐めるんじゃないよ雑魚共!!」
「南無三!!」
持ちこたえる境内
最後の砦である博麗神社を守りきる為に死力を尽くす
「わ……私も……」
靈夢は維持だけでなく一緒に戦おうと身を乗りだそうとするが止まってしまう
(私が行っても役には……でもこのままじゃ皆死んじゃう……それは嫌……)
覚悟が決まらず踏み出せない
(でも……でも怖い……師匠……)
恐怖が踏み出させなかった
「隠れているんだ!」
「は、はいっ!」
怒声に体を霖之助の後ろに隠そうと一瞬動きが止まった
「キヒヒ……今だ!死ねい!」
靈夢を狙っていた魔物が矢を放った
「!?靈夢!!」
「避けなさい!!」
「誰か!!」
気付いた者が叫ぶ
「えっ……?」
靈夢が振り向いた時には矢はもう回避出来ない距離まで迫っていた
ドスッ……
矢は突き刺さった
「あ……えっ……?」
しかしそれは靈夢ではなく
「レティ……さん?」
レティに……
「大丈夫ですか!?」
矢を撃った魔物を結界の外に殴り飛ばした白蓮が叫ぶ
「うう……うぅぅ……!?」
「あ……ぁ……なんで……私を庇……」
脇腹に刺さった矢を押さえながら呻くレティに靈夢は何も出来ず呆然とするだけ
「……これは……!?」
レティを診る白蓮の顔が歪む
(傷自体は大した事はありません……ですが矢に強力な呪いが掛けられている……)
ただの矢ではなかった、強い呪いを込められた矢がレティを蝕んでいた
(魔力も底をつきかけている私ではシャナクすら……アリスも……このままではレティが……)
現状で救う手立てが無い、だから顔が歪んだのだ
「……ッ……靈……夢……」
苦しむレティが靈夢を見た
「なんで私を庇ったんですか……結界は最悪霖之助さんだけでも維持出来るのに……役に立たない私を庇う必要なんて……」
「……勝手に体が動いてた、守らなきゃ……って……」
「なんで……なんでそこまで私なんかを……」
「だって……靈夢も幻想郷の一人でしょ……?見捨てるなんて……出来なかった……」
微笑むレティの体の力が弱くなっていく
「レティさん!!ダメです!死なないで!!」
「生きて靈夢……私の代わりに皆を守ってね……」
レティの瞳が閉じていく
「勇気を出し……て……」
瞳は閉じられた
「ダメですレティさん!私……戦いますから!皆を守りますから!だから……目を……目を開けてください!」
「死んじゃダメです……!死んじゃあ……!」
レティを抱き抱えた靈夢は叫ぶ
「私なんかの為に……!」
奥底に無くしたものを呼び起こしながら
「死なないでぇぇぇ!!」
その時
ドォォォン!
靈夢の体は緑色の光を放ち
前髪が光輝き、無くなっていた髪留めが姿を現した
『勇者とは勇気あるもの……』
輝きが強くなると声が聞こえた
「師匠!?」
声は師、母親の儷奈の声
『取り戻したのね……無くしてしまった勇気を……信じてた……靈夢……』
「はい……ようやくです……ごめんなさい……」
『良いの……もう貴方に心配は要らない……皆を、幻想郷をお願いね……私の子、靈夢として……博麗の巫女として……!』
「はい!……わかりました!!」
靈夢の言葉に
『頑張って……』
満足に消えていくと髪留めが外れた
ヴオッ!
靈夢の霊力が溢れ出す
「こっ……この凄まじい霊力はっ……!!解呪の……!?」
白蓮の目の前で突き刺さった矢が崩れ、呪いの力が浄化されていく
「……うっ……」
目を開けたレティが靈夢を見た
「戻れたのね……博麗の巫女に……」
「はい……レティさんのお陰です!」
レティもまた満足に微笑むと目を閉じた
「眠っているだけです霖之助さん……レティさんをお願いします」
霖之助へレティを預けると靈夢は境内の中心に立った
「夢符「破邪封魔陣」!!」
解放した霊力が破邪の結界の範囲を神社のみから神社の立つ山全体に広がる
「ギギ……ギィィィ……」
その力は破邪の力を更に高め、結界内の魔物を身動きすら辛い程に弱める
「凄いじゃないか!霊夢より強いんじゃないかい?」
「そうでもないです、まだ動けてますから……霊夢様ならもっと広く、強く張れます」
「助かったわ……これでかなり楽になった」
勇儀とアリスに返すと境内に居る弱った魔物を瞬時に切り捨て妖夢が現れた
「何が……!!」
急に広がった結界と効力に状況を知るべく現れた妖夢だったが靈夢を見て納得した
「その髪留め……」
手に持つ髪留めを見る妖夢
「師匠が着けてくれてたんです……この髪留めは師匠が亡くなった時から消えていた大魔王の遺産、亡くなった時に最期の力で着けてくれたんです……私の為に」
髪留めの出現、そして母の声
靈夢は悟っていた
儷奈は死んでしまい靈夢と共に居られない無念から最期の力を振り絞り髪留めを靈夢に封印した、呪いの効力はそのままに
もう教えられない無念からの行為だったが呪いの効果が成長を阻害し結果的に落ちぶれてしまったのは皮肉ではあった
だが靈夢は取り戻した、勇気を!
博麗の巫女として再び勇気を取り戻したから髪留めと共に師、儷奈の本当に教えたかった事が聞けた
「今まで迷惑を掛けました……後は任せてください!」
もっと早く取り戻していればここまで犠牲も危険もなかった、だからその責任を取る意味でも靈夢は任せろと言った
「生意気言わないの靈夢……まだ私達はやれるわ」
ナイフを構えて微笑む咲夜
「そうさ!なぁ白蓮!アリス!輝夜!」
「もちろんです!」
「当然でしょう!」
「なんなら私だけでも充分!」
勇儀の問いに3人が答える
「そんな皆さんに朗報です」
意気高まる皆に妖夢は告げる
「敵の気配が減ってきました」
「……って事は!」
てゐが跳ねる
「はい、終わりが見えてきたという事です……もう少しです!」
ボロボロながらも微笑む妖夢に
「よっしゃあ!行くよバカヤロー共!!」
勇儀が叫び皆は意気を更に高める
皆が飛び出す前に妖夢は靈夢へ聞いた
「……靈夢」
「何ですか?」
「強くなりましたね……それが人間の強さです」
「……よしてくださいよ……私は褒められる人間ではありません……臆病で弱い……ただの人間ですよ……」
「もう貴方は違いますよ……さぁ行きますよ!靈夢!」
「ハイ!」
新たな絆を繋げ
博麗神社は敵を押し返していった
人間の里
「ッ……ァ……ウ……」
「……中に入ってな射命丸……」
意識が朦朧としている文を掴まえると結界内に放りこむ萃香
「こ……の……コ……ノォ……」
「……」
もう傷すら与えられない弾幕とも言えない弾幕しか撃てない青娥を無言で結界内に放りこむ幽香
「あんたも入ってりゃ良いのに……こんな事に付き合う奴じゃないだろうに……」
「そうね……他人に情を感じるなんて……弱くなったかもしれないわね」
視界を埋め尽くす魔物を前に背中を合わせる萃香と幽香
「弱くなんかないよ……今のあんたはとても強く……気高いよ」
「貴方もね……」
絶望的な状況に二人は笑う
「生き残ってた他の者も全員中に入れたわ……今外に残ってるのはさとりと私達3人だけ……」
永琳が萃香と幽香の背に合わさり、さとりを守る様に立つ
「ッゥ……!?ううぅぅぅ……!!?」
限界の結界を意思だけで保つさとりを3人は見ると敵へ向いた
「私も居るわぁ」
「俺も付き合ってやるか……」
群れを突き抜けた幽々子とロンが並ぶ
「一人……そうね、ざっと一騎当千って所かしらね……」
「一人千体で良いのぅ?」
「余裕かしら……」
「クロコダインと飲む約束があるんだ……こんな所で死ねるか」
「大好きだよお前ら……最後くらいやるだけやって……華々しく死ぬかね」
逃げ場すら無い死を前に5人は覚悟を決める
「「……」」
無言で歩を進める
いざ死地へ……
「待ってください!」
呼び止める声が歩を止める
「「……?」」
5人は不思議で考えていた
聞き覚えの無い声、しかも聞こえてきたのは結界から
「「!!」」
振り向いた5人は驚く
何故なら
「私達も戦います!!」
人間が戦っていたから
「何してんだいお前等!大人しくしてな!」
萃香が叫ぶが誰一人として止めない
「自分達の居場所くらい自分達で守ります!」
「皆さんだけに良い格好させませんよ!」
「今こそ自警団の勇猛さを見せる時だぁーッ!!」
誰もが奮い立った
守られるだけの人間が
か弱い人間の身でありながら立ち上がった
守られるのが当然だと思っていた事を恥じた人間はそれでも守ってもらえるのが心苦しかった
結界の中から倒される妖怪達を見るのが辛かった
そして最後まで立ち向かう勇者達の危機についに覚悟を決めた
一緒に戦うと!
「やめな……こんな事に付き合う必要はないよ」
魔界深部の魔物は強い
人間では敵わない、太刀打ち出来るのはほんの一握りのみで殆どが打たれ、吹き飛ばされ結界内に押し返されて行く
「……何言ってんですか!」
吹き飛ばされた一人が立ち上がり魔物に組み付く
「負けたらどの道……皆死んでしまうでしょう!」
次は攻撃を受け止める者が叫ぶ
「だったら同じ事です!死ぬのが早まるかだけですよ!」
そして聞こえてきた
「なら戦います!じゃなきゃ……皆さんに……」
「妹紅さんに失礼だから!!」
何度打ちのめされても人間達は立ち上がった
痛くても、苦しくても立ち上がった
それが里を守ってくれる皆に
妹紅に応える唯一の道だと信じて
「諦めなさい萃香……もう守る必要は無いわ、そうでしょ?」
幽香が横に並ぶ
「ハッ……そうさね……良いねぇ!久し振りに見たよ人間の戦う気概ってヤツを!」
嬉しい萃香はおもむろに瓢を取り出し飲んだ
「私が人攫いしてた時は人間にもそんな気概を持ってる奴が多かった……私はそんな奴だけ攫ってたのさ……下らん小細工する様になってからはとんと見なくなったけどね……」
飲む口は止まらない
「これが人間の強さ……」
浴びる程飲んだ後、瓢を下ろす
「人間は素晴らしいねぇ……」
呟いた萃香の瓢を幽香が奪う
「ファンタジーなんかは人間が主役が多い……特別な血を持ってたりだったりするけどね……」
酒を飲みながら幽香は続ける
「それは願望にも似た想いかもね……異形を倒す弱く強い人間、こうありたいと架空に表れた想い……それを今……現実にしようとしている」
満足するだけ飲むと萃香へ瓢を投げ渡す
「化物を倒すのはいつだって人間……昔誰かが言ってたらしいわ」
「なら私達が人間以外に負るのは許されないねぇ……」
二人の口元が緩むと妖力が高まる
「……やるよ幽香」
「そうね萃香……」
人間の強さと良さを知った二人は魔物へ飛び込み瞬く間に蹴散らしていく
「行くぞ!」
ロンの号令に残りの3人も飛び出していった
(勝てますよ……人間と妖怪……力を合わせた今なら……!皆なら……!……必ず!!)
守られる人間は守りから離れた
それは共に戦い幻想郷と運命を共にする事
「「ウオオオオオオオッ!!」」
人間の持つ強さを加えた里
その力は枯れかけた魂に火を灯す
勝利へ向かって
エスタークパレス・王室
「ッッ~!!?」
映像を歯軋りしながら睨む
「どうだ!これが人間の……!」
妹紅は高く、強く告げる
「幻想郷の強さだ!!」
憎む人間の良さを知らしめ、幻想郷は負けないと
「……妹紅ォォォ!!」
血走る目が向けられると振り向き様に獄鳥が放たれる
「うぐうっ!?」
黒い炎に焼かれながら吹き飛ぶ妹紅を更に追撃する
「それがどうした!だからどうした!」
獄鳥を撃ち痛めつける
「まだ幻想郷が勝てると思っているのか!」
「あぐっ!?」
地獄の炎が妹紅を焼く
「うっ……ぐっ……」
倒れた妹紅は起き上がれず呻く
「何が人間の強さだ!私は認めない!」
「がああっ!?」
炎爆が吹き飛ばす
「そんなものは幻想だ!!」
「ぐあああッ!?」
一際大きな炎爆が打ち上げ、妹紅は慧音の近くに落ちた
「妹紅!!」
慌てて駆け寄った慧音が上体を抱き上げる
「ハァ……ハァ……」
エスタークは息を荒げて妹紅を睨んでいた
「そんな事は有り得ない……人間が……共存し協力するなど……!!」
その目は酷く妹紅を恨んでいた
人間に裏切られたエスタークはそれが人間の本質だと知り、憎んでいた
しかし見せつけられた
人間には良い所もあると信じる妹紅に
人間の可能性を……
「何故……貴方だけ……!!」
自分とは違い妹紅はこうなった
信じ、信じられた
それは裏切られたエスタークにとって自分を否定されたに等しい
「あ……ぐぅ……ぅ……」
慧音に支えられた妹紅は身を焦がす苦痛に苦悶の表情を浮かべる
(……!!)
痛みが和らいでいく
『ピィ!』
同時に友達の声が聞こえた
(ありがとう……ダイ!)
友達に感謝すると
「何でだろうな……」
「!?」
起き上がった妹紅にエスタークは驚いた
「私は化物だけど人間の形をしていたから?お前が魔族だったから?世界が違うからか?……何でだろうな」
「何故……立てる……」
理由を考える妹紅とは違いエスタークはかなり痛めつけた筈の相手が何故普通に立てるのかがわからず探る
「……わからないな、私はそんなに賢い訳じゃないし……」
「……」
続けて呟く妹紅を見つめる
「それに今更だ……もうお前は変わらないし罪を重ね過ぎた」
「……誰にも許されようとは思ってませんよ」
「だろうな……変える気が無いのは私も同じだ、お互いが譲れないのなら……」
「強い方……勝った方が正義……」
「そういう事だ……」
対峙する二人
「……フッ」
不意にエスタークは笑った
「貴方を折るのは諦めましょう」
突然の諦めの言葉に警戒する妹紅に続けて話す
「私の負けですよ……まさか貴方がこんなに強いとは思いませんでした」
(なんだ?何かを狙ってる?もしくはまだ何かある?)
諦めたと言っているのに感じる余裕
それが自分を上回る攻撃技を持っているだけとは思わせない妙な余裕
「なら切り札を切りましょう……」
「切り札?」
妹紅は考える
切り札はルーミアだった筈だ
この上無い鬼札だった筈のルーミア以外にまだ有ると言うエスタークに何があるかを考える
「その前に……」
視線が一瞬、慧音に向いた
「しまっ……慧音!!」
叫んだ時には遅かった
エスタークをスキマが覆い慧音の前に現れていた
「白沢に蓬莱人を癒せる力があるとは……些か侮っていたようです……」
「そ……そんな……!私にあるわけがない……そんな力……!」
「……そうでしょうね、私も最初は貴方と思っていました……」
握り込む拳を見せつけられ焦りを見せる慧音
「忘れていましたよ……連れてきていないとばかり思っていました……」
手が伸ばされると慧音の胸元を掴んだ
ベリッ
「ああっ!?」
胸元の服を引き千切られ慧音は勢いで倒される
「生きた道具を……」
手を開き捕まえた物を見つめる
「ダイッ!!」
捕まえられたのはダイ
「ピィ!?ピィ~!?」
必死に逃げようと暴れている
「ダイを放せ!!」
妹紅が怒鳴るがエスタークは気にしない
「まさか回復呪文の効かない蓬莱人を癒せる力を持つとは……流石に神々が造っただけあります」
「神が……造っただと……?」
何も知らない妹紅はエスタークの言葉に反応し問い質す
「……私も大魔王の記憶がなければわからないままだった……知らないのなら教えてあげましょう……これは……神の涙!」
「神の……涙……」
「神の力を秘めた生きた道具です、奇蹟を起こす神々の遺産……どうやら本当に知らなかった様ですね……いや……教えられなかったのか……」
暴れるダイを決して逃がさずに捕まているエスタークの笑みは深くなる
「まぁそれはどうでもいい事です……それより……」
見せつける様にダイを見せ、慧音を捕まえ手繰り寄せた
「わかるでしょう?」
エスタークは聞いた
人質ごと攻撃出来るのかと
「お前ぇ……!!」
唇を噛んで睨む
「永遠亭の時とは違う……生き返れませんよ?」
「くっ……」
悔しく睨む事しか出来ない妹紅にエスタークは自身の真横にスキマを広げた
「そしてこれが切り札……」
スキマから大きな十字架が落ちてくる
「レミリア!!」
その十字架に磔られた者の名を呼んだ
「妹紅!!」
磔られていたのはレミリア
「神の涙と上白沢で充分でしたがついでです」
エスタークの切り札
それはレミリア
レミリアを人質に妹紅の動きを封じるある意味ルーミア以上の効力を持つ悪意の罠
「使うつもりはありませんでしたがね……」
本当はレミリアを人質に使う気は無かった
だが予想外の幻想郷の強さ、妹紅の強さに保険の意味で妹紅がバラモスを突破した後に急遽レミリアをそうした
もし心が折れなくとも危険無く妹紅を殺す為に
「さぁ……戦いを再開しましょう」
邪悪な笑みで促すエスターク
「ッ!!?」
妹紅は動けない
友を3人人質に取られた苦悩に動けない
魔理沙はルーミアは殺すと言ったがそれは違った、目の前に居る者を見捨てるなんて出来ない、更に今は助けられるかもしれない大事な友達を前に出来る筈がなかった
自分が犠牲になれば助かるかもしれない
そんな事ある筈が無いのに考えてしまった妹紅はもうダメだった
(クソォ……クソォ……!!)
どんなに考えてもそれ以上の事が浮かばず
「……好きにしろよ」
炎を消して力を抜いた
「ククッ……」
鎖を放ち妹紅の四肢を縛り吊るし上げた
「フフフ……これが貴方の正義の弱さですよ妹紅……」
剣を抜き心臓へ突き立てる
「妹紅ッ!!」
「ピィィィ!!」
もう成す術が無いと思われた
その頃だった
「では送るわね……幻想郷を……お願い……」
「任せとけ!」
「あたい達に任せときなさい!」
「絶対勝ちます!」
「ちょっと待った!これ渡しとくよ!」
「これ……私達の……」
「エスタークの部屋にあったから取り返してやったよ!」
「ありがとうございます!」
「パチュリーにも渡してやってよ、残りは私が返しとくから」
「わかった!ありがとうにとり!」
「礼はいいから早く行った方が良いんじゃない?」
「そうだな……よし!」
「行くぜチルノ!大妖精!」
「最期に聞いておきましょう……人間を守るなんて馬鹿な生き方は止めて私と来ませんか?」
「……断る」
確実な死を前にしても妹紅は折れなかった
「例え何度生まれ変わっても……必ず同じ道を選ぶ……」
貫くと決めた意思は例え友の命を前にしても変わらない
「……さようなら妹紅」
剣が心臓へ向かう……
ブゥン……
「おっとそこまでだぜ!」
キィン!
大魔導士の弾幕が剣を弾き飛ばした
「ダイを放せ!」
「慧音さんもです!」
氷精が腕を凍らせダイを逃がし風精が慧音を風で包み救う
「良かったレミィ……大丈夫?怪我は無い?」
「助けに来たよお姉様!」
「パチェ……フラン……!」
賢者と妹が解放する
「危なかったな妹紅!」
最後に皆で妹紅を解放すると笑った
「皆……」
救ったのは最強の頂点
最高の5人の友
「来てくれたのか……皆……ありがとう!」
堪らなく嬉しい
思わず泣きそうになるほど
(八雲紫が解放されてしまったのか……まぁいい、また捕らえれば良いし逃げられたなら河城にとりを代わりに……)
スキマから現れた3人に事実を知るが特に気にはしない
「揃ってしまいましたか……幻想の頂に立つ者達が……」
並び立つ7人を見る
「ここは人間と妖怪が共存する楽園……幻の大地……」
「囚われた天空の花嫁を救う1羽の炎鳥……」
「その灯火に集う……導かれし者達……」
ズッ……
エスタークを黒い衣が纏う
「仲良く地獄へ送って差し上げましょう」
魔力が高まり、力が増す
「この私……地獄の帝王が直々に!」
腕の氷を弾けさせ、弾かれた剣を引き寄せもう片方の剣抜き
構える
「……パチュリー!そら!」
魔理沙が1冊の魔導書を投げ渡した
「にとりが取り返してくれてたぜ!そんで……レミリア!」
懐から真紅の宝石を投げ渡す
「なんとなく持ってきたんだけど……持ってきて良かったぜ!」
「やっぱりこれを持ってなきゃ落ち着かないわね」
「ありがと魔理沙」
遺産を身に付けた7人は帝王を見据える
遺志を受け継ぐ者達
言わばバーンの使途
「まぁなんだ……つくづく私達って縁があるよな……王やら帝王やらにさ」
「そうね……そういえばこういうのって大冒険って言うみたいよ?悪の王に立ち向かう話って」
「あたいの大冒険!」
「大の大冒険……あ、何でもないです!」
「私達がここに立つのってさ……私達だけで出来たかな?」
「出来てないわね……ここに立てたのはバーンの意思を私達が持ち続けていたから……ならこの大冒険は……」
「バーンの大冒険……って所か?」
納得のいく答えが出て嬉しさも程々に気を引き締める
「始めましょう……幻想郷の命運を決める戦いを……」
「行くぞ皆ァ!!」
邪悪なる帝王と幻想郷の最終決戦が始まる
大増にてお贈りしました35話、どうでしたか?
結果的に妹紅は勝てませんでした、でも仲間が、友が居ます、一人で勝てないのなら皆で勝てば良い……それが出来る強さと絆が7人にはあるのだから……
長くなりましたが次話ついに最終決戦!
そして幻想郷の運命は終着へ……
次回も頑張ります!