夢現の日が終わり
若干の高揚感を残しながらも幻想郷は普段の有り様に戻っていた
紅魔館・門前
(今日は無性にサボりたい……)
門番をする美鈴は酷い倦怠感を感じていた
(どうにもやる気が全く起きません……まぁ起きないのはいつもですけど今日は特にですねぇ……)
日常が退屈に感じていた
(昨日まで死線を潜っていましたからね……)
落差がそう感じさせる
魂を燃やし、生死を賭けた戦いの次の日から暇な門番ではそう感じるのも無理はない
(お昼寝しましょうか)
平和な日常に感覚はすぐに取り戻されるだろう
望んで止まなかった明日が幻想郷に訪れたのだから……
守矢神社?
「……あるじゃん守矢神社!」
帰ってきた3人が変わらず聳える守矢神社を眺める
本来ここに守矢神社は無い、エスタークによって吹き飛ばされていたから、なのにあるのはこの守矢神社は一晩で作り上げられていたから
「所々違う気もするけど……」
勝負に負けた咲夜、輝夜、にとりの3人によって……
完膚なきまでに叩きのめされた3人は多額の借金を負った、しかし返すアテが無かった(にとり除く)3人は代わりに守矢神社の再建を条件に借金の帳消しを提案され承諾
アテが外れたにとりも合流し、時間停止と須臾、そして優れた建築技術により一晩で守矢神社は再建していたのだ
ただし、家具類は無い
「やっぱり冗談だったんですよ!ねぇ神奈子様?」
早苗が問い掛けると神奈子は守矢神社を見ていた、が、見ている様で見ていない
虚空を見ていた
「神奈子様?」
「ん……?ああ、そうだな……まったく度しがたいな勇儀の奴は……」
再度の問いに合わせて返すが心が籠っていない
「……」
また虚空を見つめる
「入りましょうよ神奈子様~」
手招く早苗と見つめる諏訪子に神奈子は言った
「行かなければならない所があるのよ……」
「どこにですか?」
「神々に少しね……」
そう言うと異空間へ繋がる穴を作り出す
「神奈子様!?」
慌てる早苗を諏訪子が止める
「大丈夫だよ早苗……そうだろ神奈子?」
「ああ、驚かせてしまったね早苗、大丈夫だ、心配要らない……すぐに戻るわ」
神奈子は穴へ入り、幻想郷から消えた
「……諏訪子様、神々にって何の用なんですか?」
「まぁ……人間的に言うと裁判だね」
「裁判!?なんで神奈子様が!?」
「……元大魔王を甦らせちゃったからねぇ、当然かな」
「でもそれは幻想郷を救う為に……」
「……良い機会だ、いずれ神になる早苗は知っといた方が良いね……神々の世界に結果良ければ全て良し!なんて事は無いんだよ、いくら住まう幻想郷を救う為であってもね」
「でもバーンさんが居なければ……」
「結果が良ければ何をしても良いとはならないんだよ、救う為に世界一般の巨悪と呼ばれる者を甦らせた……救った先に世界を揺るがす危険を残した事になるからね」
「……バーンさんはそんな事しません」
「それは私達だけの認識、神々にとって悪に変わらない……」
「酷い……」
「仕方ない事なんだよ……行為には責任が伴う、神奈子はそれを承知で甦らせたんだよ……でも大丈夫だよ!」
「何でですか?」
「しんりゅうが便宜を図ってくれるみたいだし、マスタードラゴンも主神を通じて取り計らってくれるだろう、悪くても1000年くらいの力の行使の禁止とかじゃない?」
「重いですね……」
「そんな事ないよ、本来なら神の座ごと存在を消されかねない罪なんだ、それに比べれば軽いもんだよ」
「……神奈子様……」
「神奈子に感謝しなよ、私達に甦らせる事を最後まで話さなかったから私達は行かなくて良いんだ、騙された被害者扱いにして罪が及ばないようにしたんだよ」
諏訪子が早苗の背を叩き中に入るように促す
「すぐ帰ってくるよ!待ってようか!」
二人は新しい守矢神社の中に入っていった
博麗神社
「何やってんのよ!」
霊夢が怒鳴る
「燃えるゴミの中に燃えないゴミを入れるな!」
今は掃除中、かなり酷く汚れた神社を二人で掃除中
「あーもう!掃除もろくに出来ないなんて……」
霊夢はゴミの中に気になる物を見つける
「……ねぇ、靈夢?」
「はい?」
「これは燃えるゴミよね?」
「あ……それ……」
見せられたのは如何わしい本だった
「師匠が早苗さんから貰ったって言ってた本だ」
「早苗の奴……後で殺す」
呆れた様に本をペラペラ揺らす
内容は男同士の情事に関する本だった
「燃えるゴミでしょ?腐ってるし」
「違います!」
捨てようとする霊夢に靈夢は言った
「私も子どもの頃に捨てようとしたんですが師匠いわく「それは萌えるがゴミじゃない!腐ってはいても必要なものだ!」らしいです!なので残しておきます!」
熱弁する靈夢に霊夢は冷ややかに告げた
「捨てなさい」
「で……でも……師匠の大事な……」
「捨てろ」
「はい……」
鬼巫女になりかけた霊夢に諦めた靈夢は火にくべた
「腐った汚物は消毒しなきゃね」
(このままじゃ私が当代なのに牛耳られる……早く霊夢様を越えなきゃ……)
笑顔の霊夢と密かに危機感を持った靈夢
「手伝いに来ましたよ~」
「来たのだー!」
「レティさん!ルーミアさん!」
また博麗神社は近い内に昔に戻るだろう
賽銭はあまりないが人が集まる場所に……
永遠亭
「次の方どうぞ!」
ここには沢山の妖怪や人が列を作っていた
「薬を出しておきますね」
永琳や鈴仙、てゐが忙しく動き回っている
熱気冷めた幻想郷の住民達は痛みを思いだし永遠亭へ訪れていた
重傷者から軽傷者まで人妖溢れたさながら野戦病院
「これで良し!」
治療が出来ない輝夜も簡単な包帯を巻いたりなどして手伝っている
「痛くないか?」
「うん!先生ありがとう!」
慧音も加え
「お大事にね」
「あやや!?新聞書く暇がありません!」
「腕動かせ文!あ!てゐ!こっちに消毒液くれ!」
更にさとり、文、正邪も治療にあたり傷を癒す
無縁塚
「では皆さん、黙祷を……」
ここでは死者の鎮魂を請け負った白蓮率いる命蓮寺のメンバーが黙祷を捧げていた
「……後は任せてください」
「……閻魔様」
黙祷が済んだ白蓮に映姫と小町が現れ会釈を交わす
「昨日亡くなった者達は本来死ぬ筈の無かった者……魔帝異変の時もそうでしたが無念の内に亡くなった者達にはせめて苦痛無きあの世へ……」
「お願い致します」
白蓮はまた祈りを捧げた後に聞いた
「……生き返らせる事は出来ないのでしょうか?」
「……私では無理です」
映姫は申し訳なく目線を下げる
「私達にそんな力はありません、八意永琳の持つ世界樹の葉があれば蘇生は出来ますが残る8枚では……」
「……わかっています、選別する訳にはいきませんね」
「せめて葉ではなく花なら……精霊の命の核から咲いた世界樹の花だったならあるいは……」
「いえ……もう結構です、失礼な事を聞いた事をお許しください」
白蓮は再び黙祷をする
どうか安らかにと……
白玉楼
「もう少しゆっくりしていけばどうですか?」
庭で妖夢がロンに聞く
「そうしても良かったんだが……昨日に飲む約束があったんでな、俺が来ないと心配で探し回っているかもしれん」
ロンは帰るところだった
「そうですか……」
妖夢は残念そうに顔を伏せた
「あらあらぁ?フラれたのにどうしたのかしら妖夢ぅ?」
面白そうに幽々子が覗き込む
「……幽々子様」
呼んだ瞬間には剣が幽々子の首元に刃を立てていた
「あまりおふざけが過ぎますと私の剣もふざけるかもしれませんよ?」
「あはは……ご……ごめんね妖夢……」
今や妖夢の方が遥かに強い為にさしもの主の幽々子も謝るしかなかった
「そら」
ロンが袋に包んだ物を投げ渡す
「預かっていた白楼剣だ、直しておいた」
「ありがとうございます!」
「そして……これをバーンに渡してやってくれ」
小さな、手より少し大きい袋を投げ渡す
「バーンさんにですか?武器ですか?」
「武器じゃない……いや、武器にも成り得るが正しいか、まぁ何にせよあいつに武器は必要無い、それにそれはあいつ用じゃないからな」
「ではその人に渡さないと……」
「大丈夫だ、あいつがそれを見ればすぐにわかる」
「わかりました!」
納得した妖夢を見るとロンは幽々子から預かったスキマを秘めた球を取りだし自分の世界に繋がるスキマを広げる
「元気でな妖夢……待っている」
「ハイ!必ず会いに行きます!ロン・ベルクさんもお元気で!」
「!?……え?……えぇ?」
にこやかに言葉を交わす二人と何も知らない幽々子が目を見開く中
ロンは帰っていった
「……どういう事なのよ妖夢、貴方達いつからそんな関係になったの?」
問い詰める幽々子に妖夢は悪戯っぽく笑いながら言った
「乙女の秘密です!」
それだけ言って颯爽と白玉楼の中へ入っていった
「こら妖夢!待ちなさーい!詳しく話しなさい!こらぁ~!」
幽々子は後を追いかける
(待っててくださいね!)
誓いを立て、新たに妖夢は強くなると意気を高める……
人間の里
「せーが何買いに来たんだー?」
里の店先で芳香は主に問う
「妹紅にプレゼントを買いに来たのよ!」
青娥はニコニコしながら品を選んでいる
「何であげるんだー?」
「それは私が妹紅が好きだから……あら?」
青娥は良い物を見つけた
「これにしましょっと!」
「何だそれー?」
「これは恋薬……媚薬とも言うわね、これで妹紅を私の物に……」
欲にまみれた笑みを浮かべる
「君……死ぬ気かい?」
「とりあえず止めておくわ、じゃなきゃ死人が出るし」
通りがかった霖之助とアリスが後ろから話しかけた
「へぇ……誰が死ぬのかしら?」
「君だ
「貴方 よ」
「せーがだ
「ハモらないでよ……」
青娥は媚薬を諦め他の物を探し始めるのだった
太陽の畑・風見幽香の家
「邪魔するよ~」
ノックもせずにドアが開いた
「昨日からずっと飲んでたみたいね……帰れツルペタ腐れ酒乱」
フラフラしながら入ってきた萃香に幽香は即座に言った
「つれない事言うなよ~私達親友だろ~」
勝手に椅子に座り机にグデ~っと顔をつける
「誰が親友よ、殺されたいの?」
花を手入れしながら幽香は返す、だが追い出そうとはしない
「おんなじ「香」仲間じゃないか~」
「そろそろお別れを言っておきなさい……その角に……」
「やらないだろ~あんたはさ~」
「言ったわね……」
背を向けて花をいじる幽香にそんな素振りは無かった
「一緒に飲もうよ幽香~」
それを知っているから萃香も自然な笑顔で話す
「……しょうがないわね」
萃香に見えない様に微笑むと
「付き合ってあげるわ」
親友に応えた
「一件落着だねぇ」
「そうね……」
一口ずつ飲む
「異変……わね」
幽香は意味深に呟く
「そうだねぇ……異変は、だねぇ」
萃香もそれはわかっていた
「何か……まだある感じがするねぇ」
「このまま終わらない……何かはわからないけどそんな感じがずっと纏わりついてる……」
「あの破壊の神様を倒した後から……か……」
二人は暫し沈黙する
「願わくば……ってところかねぇ」
「祈るのは好きじゃないわ……生憎とね」
「ハッ……そうかい」
その後、二人はその事を考えずに酒を飲み交わした……
博麗神社・博麗大結界
「……」
結界の要所を注意深く見ているのは紫
(問題はなさそうね……)
そう思いながら念の為にもう一度確認を始める
「どう?大丈夫そうでしょ?」
霊夢が話し掛けた
「その様ね、特に異常は見当たらないわ」
確認しながら紫は返す
「妙よね……強くなったバーンの力には耐えられなかった灰を含んだ結界が、終わった後には強化無しで耐えれてるもの……それもとんでもない強度で」
今は結界に特に何もしていなかった
一時的にでも強化しなければ自然に干渉する力が結界を破壊してしまう程の力を持つバーン
そのバーンからの力を強化無しで耐えれているのが疑問で二人は大結界に何か綻びがないかを調べていた
「この強度は破壊神クラスでも持ちこたえれる事が出来る……一体何が起きたの……?」
管理者であるが故に二人は考える、幻想郷の要である大結界に益ではあるが原因不明なのが気掛かりなのだ
「もしかして絆の光じゃないですか?」
そこに靈夢が現れ可能性を掲示した
「……根拠は?」
「無いですけどそれしか考えられなくて……破壊神クラスの力を耐えれるなんて昨日の事を考えたらそれしかないから……」
しゅんとしながら靈夢は答える、根拠をと言われれば確実にそうとは言えないからだ、いい加減な事を言うなと怒られるかもと身構える
「……」
しかし二人は怒らなかった、二人もそれしか考えられないと思っていたから
難しい顔で考える二人に怒っていると勘違いした靈夢は慌てて言い訳をする様に言葉を紡ぐ
「で、でも!破壊神を倒した後に想いが幻想郷に広がっていったのを感じたんです!幻想郷から集まった絆の光が役目を終えて幻想郷に散ったならありえるんじゃないかなぁ……って……」
それを聞いた霊夢が口を開く
「……あんたの能力がそう感じたのね?」
「はい……想いは大結界を突き抜けずに幻想郷に散っていきました」
「そう……」
頷いた霊夢は紫を見る
「解決ね」
「ええ、そうね」
二人は納得していた
「信じてくれるんですか……?」
不安な靈夢が問うと二人は歩き出した
「当たり前でしょ?あんたが能力でそう感じたんならそうなんでしょ」
「ありがとう靈夢、修行頑張りなさい」
靈夢の横を擦れ違った二人は部屋を出ていく
「これからあんたはどうするつもりなの?」
霊夢は問う、これからとは今日の事ではなくこの先ずっと続く事の方
「……まず外出は控えるつもり、私が調子に乗ったのが今回の異変の原因だもの」
外出が意味するのはもちろん家ではなく幻想郷、軽率に異世界へ行くのを自制するということ
「あくまで控える、なのね……やっぱり好奇心には勝てないのね」
「それを言われると辛いわね……」
扇子で口元を隠しながら苦笑する
「楽しみでもあるから……」
紫にとって異世界へ行くことは修行が目的だった、だが知らない異世界へ行き見識を深めるのにも楽しさを感じていた
しかしそれが異変を招いたのは事実、だから紫は今後は外出を控え、外出しても調子に乗らない事を誓っていた
「ホントに気を付けなさいよ?次に小さな事でもやらかしたらバーンも許さないし私も許さないわよ?封印しちゃうから」
「……肝に命じておくわ」
スキマが開かれる
「ねぇ、あいつ……」
閉まろうとした瞬間に霊夢は聞くが
「……なんでもないわ、じゃあね」
訂正するとスキマの横を歩いて行った
(……誰もが感じているのね、大きな事が起きる予兆を……)
口元に当てていた扇子を見つめると
(バーンに……)
スキマを閉じた
紅魔館・図書館
「……おはよー……」
眠気眼を擦りながらフランが現れた
「もう昼だけどね……おはようフラン、大丈夫?」
まだ眠いのかボーっとしているフランに言うがそのパチュリーも小さく欠伸をしていた
「来たわよー……」
「こんにちふぁぁ……」
チルノと大妖精も同じく眠そうに現れた
「おっと……」
「大丈夫か?」
ふらついて倒れそうなのを魔理沙と妹紅が受け止める
「あ、泣き虫妹紅じゃん」
「まだ目が赤いですよ~」
「泣き虫って言わないでくれよ……」
恥ずかしくて頬を掻く
「まぁ泣き虫には違いないわな」
「魔理沙……お前も泣いてただろ!」
「さぁ?何の事やら?お前ら知ってるか?」
「知りませーん!」
「知らなーい!」
「まったく困った子分ね妹紅は!」
「お前らなぁ……」
他愛ない事を話ながら椅子に座る
「ダメだ……眠過ぎて何もやる気が起きないぜ……」
机に突っ伏した魔理沙に続き皆も続く
「昨日の今日だ、そう簡単に疲れは取れんだろう……絆のスペルを行ったお前達は特にな」
バーンがレミリアと共に現れた
「情けない……私の友人なんだからもう少ししゃんとして欲しいわね」
そう言うレミリアは優雅にふらついていた
「バーンは平気なんだな」
「そうでもない、疲労は感じているが顔に出さんだけだ」
「流石だよなぁ……やっぱり凄いよお前は……なぁ?」
「凄いなぁバーンさん……格好良いなぁ」
「何言ってんのよ大ちゃん、あたいの方が凄いわよ……」
「zzz……」
「寝ちゃってるわねフラン……」
座ったレミリアも加えて皆ウトウトしていた
「……」
バーンは呪文を掛けた
掛けられた6人はゆっくりと瞼を落とし眠り、既に寝ていたフランを更に深い眠りへと導く
「今日はゆっくりと休むがいい……」
バーンは小悪魔に毛布をかけるのを頼むと一人バルコニーに向かっていった
異世界の天界
そこにある異空間の中で話はなされていた
「八坂、お前の処断が今決まった」
異空間の中心に立つ神奈子に声が掛かる、神奈子以外は意識だけで来ている為に姿は無い
「随分と待たせたな……聞かせて貰おうか創造神グランゼニス、私の処分をな」
動揺を見せない神奈子にグランゼニスは神々の総意を告げた
「不問とする」
「……何?」
神奈子は罪を問われなかった
「何故?」
予想外の処分に理由を問う
いくらしんりゅうが便宜を図ってくれるとはいえ重刑は覚悟していた神奈子にとってこの処分は妙だったから
「破壊神の撃退が一番の理由だ」
グランゼニスは詳細を語る
「アレを撃退していなければ全ての世界は悪夢に堕ちていただろう、アレの前では創造神と呼ばれる私も歯が立たん……お前のした事は許される行為ではなかったが結果として全ての世界を救った、その為に特例で罪は不問となったのだ」
「……そうか」
不問を言い渡された神奈子だが特に安心する訳でも無く次の言葉を待っていた
「お前の罪は不問となった……だが!」
それに合わせる様にグランゼニスは言った
「危機が去った今……大魔王を野放しには出来ん」
それはバーンに関してだった
「しんりゅうから事の詳細は聞いた、毒を持って毒を制すやり方は否定せんが残った毒もアレには及ばんが強力な毒だ……消さねばならん」
それを聞いた神奈子は拳を握り締めていた
(バーンが……毒だと……!!)
知らぬとは言え仲間を毒呼ばわりされるのは許せない
だが堪えていた
「神の力を大きく越えた魔族……それにお前の居る幻想郷には我等に近い強き者が多く居ると聞く、そんな奴等を従え世界征服などを狙われてはいずれは全ての世界が危険だ……」
(バーンにそんな気は無い……!!)
お前はバーンの何を知っている!推測でものを言うな!
そう言いたいが神奈子は言えない
バーンの存在を知られた今、神々の起こす行動が読めていたから煽る様な下手な事は言えなかったから
「……どうするつもりだ?」
「神々の力を合わせ大魔王を抹殺する」
(やはり……)
予想は当たっていた
バーンを危険視するなら当然の行動だろう、神奈子が何も反論しなかったのは事態の悪化を避けたかったから
ここで下手にバーンの味方をしてしまうと自分、引いては幻想郷全てが抹殺の対象になりかねなかったから、既にバーンの支配下にあると思われると皆が危ない為に今後を考えて堪えていたのだ
「お前にも協力してもらうぞ……では弱っている今を機に抹殺を行う」
神々が動き始めた
「その必要は無い」
神々を止める神奈子
「……何故だ?」
「じきに……」
神奈子は告げる
堪えていたもう1つの理由
「大魔王は消えるからだ」
消えない罪を……
紅魔館・バルコニー
「……」
立ち尽くし幻想郷を眺めるバーン
(後……二……いや、一月と言った所か、本来は3年程だったが……生命を使い過ぎたか)
悟る瞳に今は悲しみは無い
(今回ばかりは話したところでどうしようもない……)
復活には成功と失敗が混ざっていた
バーンは完全には甦っていなかった、元々足りなかった奇蹟の力を灰が押し上げ3年間の期限付きの復活を果たしていただけだった
そしてそれすらも一度破壊神に倒された時に使い、大きく減らし今は余命一月となっていた
(延命も不可能……三度は無いだろう……次は灰も無い)
これについては何の文句も無い、元々死んでいた身だし神奈子の選んだ方法を恨む訳でもない、別れの悲しみはあるにはあるが今はただ困っていた
「さて……」
椅子に座ると苦笑した
(あやつらが泣かねばよいが……)
考えるのは友の事
話すにしても話さないにしても7人の顔は曇るに違いない
どうにか穏便に別れられる方法を模索していた
「困ったものだ……」
幻想ノ王は沈み始めた黄昏時の太陽を一人眺める……
運命はまた繰り返す
夢の後に残ったのは消えない罪と……
追い立て奏でる一月の幻葬曲……
またかよ……とか言われそうですがまたです。
幻葬編開始です。
性とでも言うのでしょうか、どうしてもこうなります、先に謝ります、すいません。
今後の話はとりあえず置いといて余談を少々……
頂点や仲間達が戦った所謂中ボスに登場させる案ではガッシュベルの雷帝ゼオン&デュフォーかクリア・ノートがパチュリーの対戦相手でありました、でもアンサートーカーが強過ぎるのとエスタークの下に着くのがなんか想像出来なかったので却下、ちなみにクリアはラスボス案にも居ました。
真バーン様の声を当てるとしたら声優は森川 智之氏かなぁ……って思いながら書いてます。
東方キャラは誰が合うだろ……皆さんはどうですか?
では次回からコラボに入ります!
頑張ります!