初めての人は初めまして、見た事がある人はこんな所で奇遇だな、
ここは東方大魔王伝‐夢現幻想‐のページなのになんで知らないキャラが居るんだ?「帰れ変態!」とか「消えろ、ぶっ飛ばされん内にな」なんて罵詈雑言が聞こえて来そうだけどもちょっと待って欲しい、これには海よりも深い事情が有るという事を念頭に置いといて欲しい
僕としても誠に遺憾ではあるのだけど何やらコラボと言うやつで僕はこちらの幻想郷に来たらしい……ふざけんな!僕と萃香さんのデートの時間を返せ!いや!返してください!お願いします!
まぁとにもかくにもそんな理由らしい、まったく迷惑な話だ
……とりあえず現実逃避で適当に口走ってみたけど……さぁそろそろ書いとかないとな……遺書ってやつを……
えー……拝啓
妹である火憐ちゃん、月火ちゃん、彼女である戦場ヶ原、友達の神原、羽川、千石、その他諸々……
僕は今とんでもない人?と会ってます、どれぐらいとんでもないかと言うと一人で世界征服出来るくらいにとんでもないです、世界征服なんて言うくらいだから某国の大統領とか大変次元の低い事を皆さんは思っている事でしょう
……だったらどんなに幸せな事だろうか、出来る事なら見て欲しいくらいだ!と言うか助けてくれ!危険が危ないんだ!
……訳がわからないと思ってると思いますので核心を話そうと思う
僕はこれから死にます
と言うか殺されます、多分おそらく十中八九……いや確実に
何故なら僕の目の前には……
「余がロリコン?ロリコンとはどういう意味だ?」
大魔王が居るのだから……
閑話休題
ここで僕、いや僕達が幻想入りした経緯について話そうと思う
僕は鬼の伊吹萃香さんととある事情で幻想郷巡りを行っていた、そして僕と萃香さんが地底に向かう為に大きな底無しに見える穴に飛び込んだ時だった……
「っうわああああああああぁぁぁぁぁあああ!!!高い高い高い!早い早い早い!!!死ぬうううぅぅぅぅうううっ!!!!」
「っさいねえ!これくらいでおたおたしなさんな!!」
地底と呼ばれる所へと向かう為に絶賛落下中の僕と萃香さん
どこに目を向けようと、そこには暗闇が広がるばかりで、吸血鬼性が極限まで上がった僕の視力を持ってしても自分がどこまで落ちたのか、はたまたどこまで落ちたら地面とこんにちわなのか、全くわからない状況の中
「死ぬぅうううぅぅううぅ!!?」
叫んでいた
そう、そんな時だった……
ブゥン……
真っ暗の暗闇の中で一瞬、何かが開く様な音が聞こえて僕は……
同刻・暦の方の紅魔館
「……?」
阿良々木暦とペアリングされている吸血鬼の成れの果てである
(なんじゃ……?何か……ある?)
ドアの向こうに感じる何か、周りに居るレミリアやフラン、咲夜は気付いていない、感じているのは自分だけ
「……」
忍はおもむろに立ち上がるとドアへ歩いていく、まるで何かに惹かれる様に
「忍お姉様?」
レミリアがドアの前に立った忍を不思議に見ている
「……あぁ気にするでないレミリア、ちょっと散歩じゃよ」
それでも不思議に見ているレミリアの前で忍はドアを開けた
「……」
映るのは見慣れた廊下、何の変わりも無いいつもの廊下が目を凝らしてもそこにはあった
(……気のせいじゃったか?)
廊下に進み、ドアを閉じながら忍は勘違いだったのかと思いながら
バタン
ドアを閉めた
ブゥン……
「!?」
一瞬で現れた空間の裂け目は警戒していた忍を嘲笑うかの様に瞬時に包み込み
彼女をこの幻想郷から連れ去ったのだった……
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴男女異動中∴∴∴∴∴∴∴
幻想郷・迷いの竹林
「起きよ……」
誰かが暦を呼んでいる
「起きよお前様……」
体を揺すって呼んでいた
「う……ん……」
目を覚ました暦は広がる緑の景色を見て呟いた
「竹……?地底にも竹があるんですね萃香さん……」
体は打ってはいないがボーッとする意識の中一緒に地底に行った者に問う
「地底に竹があるかは儂の知るところではないが少なくともここは地底ではないぞお前様」
「……忍!?」
返ってきた声が違い、聞き覚えのある声だった事に暦は目を向けた瞬間、叫び、飛び上がった
「……おかしいな、萃香さんが見慣れた幼女に変わってる……あぁ、ここは死後の世界か、映姫さんが気を利かせて天国に送ってくれたんだろう……なぁ忍、眼球舐めても良いか?」
「まだ寝惚けとるのか……起きぃお前様!吸血鬼パンチ!」
「げふぅ!?」
「吸血鬼16文キック!」
「どう考えてもお前に16文は無いだ……げはぁ!?」
「シノブティカファントム!」
「馬鹿!それはマズ……うぎゃああああ!!?」
「破壊力ゥゥゥゥ!と言うやつじゃな!惚けは取れたかお前様?」
「……ああ……お陰様でな……」
ボロボロの暦は答えた
「えー……話を纏めるとお前は紅魔館で妙な裂け目に襲われて気付いたらここに居て、僕はおそらく地底に落ちる途中で裂け目に襲われたと推測されてここに居ると」
「そういう事らしいの、まっ儂等を拐った下手人は見つけ出して干物にするとして……ここはどこじゃろ?さっきから体は妙に軽いが……」
「それについては多分わかる、見覚えがあるんだここ、おそらく迷いの竹林だと思う、幻想郷内だよ……なんか焼けた跡とかあってさっきとは違うけど……って軽いと言えばお前強くなってないか!?明らかにいつもと同じだったけどいつもより強かったぞ!?」
「そこよなお前様、どうやら儂もお前様も吸血鬼性が更に上がっておるようじゃ……何故かのぅ?お前様わかる?」
「お前にわからない事が僕が知るか!」
「だの……とりあえずは紅魔館に戻ってみるしか今はあるまい」
「いや、僕は萃香さんと大事な用事の真っ最中なんだ、早く戻って角を掴まなければならない気がするんだ!それであんな事やこんな事をどさくさに紛れて……だから僕は行く!」
「阿呆、下手人の意図がわからんのに勝手な事をする奴があるか……まったく欲望に忠実な男じゃお前様は……」
「そんな……嘘だろ……」
野望潰え、暦の触覚の様なアホ毛が萎れていく
「行くぞお前様、来る彼奴との決戦が近い……早く戻らねばならん」
「わかったよ……」
二人が進みだそうとした瞬間だった
「私の角がなんだって?」
気付くと周囲には霧が立ち込めていた
「!!」
忍が目を鋭くする
「この声は……萃香さん!?」
暦が気付き呼び掛けると霧は集まり一人の鬼の形に成した
「探しに来てくれたんですね、すいません萃香さん、いきなり居なくなっちゃって……」
謝りながら近付く暦
「待ちな」
それは手をかざした萃香に止められた、意味がわからず首を傾げる暦に萃香は警戒心を露に言い放った
「それ以上近付くと殺すよ坊主」
空気が変わった
殺意に満たされた空間がその場の空気を冷たく落としていく
「……」
声が出せず、方唾を飲む程に圧倒される暦
「そこの影に居るあんたもだ、妙な真似したら彼氏ごと黄泉路へ送ってやるよ?」
暦が横目で自分の影を見る
声が聞こえた瞬間、警戒した忍は暦の影の中に隠れていたのだ、隙あらば萃香を殺すつもりで
だがそれも萃香にはバレていた
「出来んと思うならいいよ、いつでもかかってきな、でも出来ると思うなら大人しく出てきな、質問に答えるなら殺しゃしない」
笑いながら言う萃香だが目は笑っていない、若干ふらついている様にも見えるがその実、いつでも対応出来る様に体には力が入っていた
そして変わらない殺気
「……」
数秒の沈黙が訪れた後
「……1つ言っておくが」
影から声が聞こえ
「こやつは今……は彼氏ではない」
忍が影から姿を現した
「そうかい、まっなんでもいいさね」
殺気を消した萃香が座り込む
「で?質問に答えてくれるんだろう?」
取り出した杯に酒を注ぎながら問う、あくまで消したのは殺気だけであって警戒心は消していない、二人の出方次第でいつでも動けるよう気は張っている
「その前に……良いですか萃香さん?」
「なんだい?」
「僕の事わからないんですか?」
暦はまずそれが知りたかった、ついさっきまで一緒に居たのにこんな態度を取ってくる萃香に
「さっきから気味悪いねあんた……知らんよあんたみたいな外来人、むしろ私はあんたが私を知ってる理由を聞きたいねぇ」
「え?外来……人……?」
予想は出来ていたが答えはやはり知らなかった、嘘でも演技でもなく初対面、外来人と呼ばれた事でそれを実感し、更に混乱した
(……えー、つまり……どういう事だ?意味がわからない……この萃香さんは萃香さんだけど僕の知ってる萃香さんじゃなくて、だけど間違いなく萃香さんであって……あ、ダメだ、頭痛が痛い)
混乱で頭がヤバくなりそうなその時、忍が声をかけた
「のうお前様、お前様はこの萃香なる者を知っておるのだな?」
「あ、ああ……でもこの萃香さんは僕を知らない、それどころか僕達は幻想郷に初めて訪れた外来人扱いだ」
「なるほどの……なら答えは1つじゃお前様、儂もにわかには信じられんがの」
「わかるのか忍!?」
「ここは平行世界の幻想郷と言う事じゃ」
「な、なんだってー!?」
驚く暦
「……ところで平行世界って?」
「知らんのかお前様よ……我が主ながら学の無さに呆れが禁じえぬわい」
「僕が羽川くらい頭が良いのも気持ち悪くないか?」
「それもそうじゃの……まぁいいわい、平行世界とはざっくバランにギガブレイクして説明すると似て非なるがお前様にもわかりやすいかの?パラレルワールドとか聞いたことない?」
「ブレイクし過ぎだろ……つまりこの幻想郷は似てるけど違う幻想郷って事で良いのか?」
「そんな感じじゃな、どうやら儂等は裂け目から平行世界の幻想郷に来たみたいじゃ、普通行けぬ……と言うか存在すら机上でしか語られぬ解釈の世界じゃ、信じられんと言ったのはそれよ」
「極めて近く、限りなく遠い世界……って事か」
自分達がとんでもない場所に居ると理解し気を静める
「ふぅ……」
落ち着いた暦は忍に言った
「どうやって戻るんだ?」
「吸血鬼パンチ!」
暦はノックアウトされた
「だから下手人じゃろうが!」
「そうだった……」
腹を押さえながら暦が立ち上がると突然笑い声が響いた
「アッハッハ!面白いねぇあんた達……なんとなくだが話は理解したよ、災難に会った様だねぇ」
酒を飲みながら萃香がケラケラ笑っていた
「……信じてくれるんですか?」
「まぁね、その平行世界とやらから来たんならあんたが私を知ってるのも理解出来る、ちょっと散歩がてらに通りがかったら面白い漫才が見れたもんだ」
「漫才って……僕の知ってる萃香さんより適当だ……」
「細かいこたぁいいんだよ、その意味はそこの爺さん口調の嬢ちゃんがよくわかってるだろうしねぇ」
杯に口をつけながら片目で忍を見る萃香
「……」
暦も見ると忍は眼光鋭く萃香を睨んでいる
「……お主、何者じゃ?」
「伊吹萃香、鬼だよ、あんたは吸血鬼だろ?」
「字が2つ程足らんみたいじゃが……」
「足らんのじゃない、あんた達が足しただけさね、吸血ってな無駄と不便をね……違うかい?吸血鬼?」
「……遊ぶか?小鬼……」
「構わんよ、でも……遊びになれば良いけどねぇ……あんたと私では格が違い過ぎる、あんた程度の吸血鬼風情が鬼に敵うと思っているのかい?」
「敵うも何も……儂とお前では格が違い過ぎるじゃろう?儂の様に誇り高き貴族と、泥臭い土着の民じゃあのぅ」
二人の鬼が見つめ合う
忍は剣幕に見下し、萃香は笑顔で座ったまま見上げる
「ちょ!?やめろ忍!」
危険と感じた暦が仲裁しに間に入ろうとする
「気に入った!」
萃香が立ち上がって言った
「いいねぇいいねぇ!その気概!あんた名前は?」
嬉しそうに笑いながら問う萃香
「……忍野忍じゃ」
「忍ね、あんたは?」
「阿良々木暦……って忍は本当の初対面だからあれだけど僕は二度目だからなんか変な気分だな」
「よっしゃ!なら戻るまでの間の宿に送ってやるよ!」
「宿?ってどこにですか?」
「紅魔館ってそっちにはあるのかい?」
「え!?紅魔館ですか!?」
「あるんだね、そうさ紅魔館さ!私が話をつけてやるから安心しな!あんた達を紹介したい奴等も居るしね、知恵を借りるといいさ!さっ!行くよ!」
意気揚々と進み始める萃香
(平行世界でも本質的なものは変わらないんだな……)
自分の居た幻想郷の萃香と大きな違いは無いと安心して着いていく暦と忍
「そういやあんた角がどうとか言ってたね?触ってみるかい?」
「良いんですか?」
聞かれた瞬間、既に暦は触っていた
「アッハッハ!その言葉は触る前だろ!」
鷲掴んでいた、まさに神速のインパルス!体の電気信号が言葉より早く行動に移していた!
「……なんだろう、なんか凄く残念な気がする」
念願の角に触れれたのに表情冴えない暦
「どしたい大将?」
「いや……角を触られた萃香さんは「角はっ!ふぁっ!あっ…角はダメぇぇえええーーーーー」って言う気が何故かして……」
「なんだいそりゃ、お嫁に行けなくなるってかい?角が性感帯の鬼なんていやしないよ……そんな事より……私の角に触ってどう思うね?」
「すごく……大きいです……って言わせんな!僕は神原が聖典と崇めるくそでみそなテクニックの受けじゃない!と言うかなんで萃香さんがそれを!?」
「早苗が持ってたのを読んだのさ」
「とんでもなく腐女子レベルの高い人が居るみたいですね……友達になりたくないタイプの人と見える、その早苗さんとやらは」
「この前守矢神社が吹っ飛んで秘蔵のBL本やら何やら全部木っ端微塵になったって泣いてたねぇ」
「守矢神社が吹っ飛んだって何があったんですか……」
竹林を出る途中、色々と雑談しながら暦は知る幻想郷とは改めて違うのだと感じる
そして竹林の出口が近くなった時にそれは起こった
「それでねぇ、幽香はツンデレなんだよーベジータなんだよー」
萃香は親友の幽香がいかにツンデレであるかを熱弁している
「……」
だが暦は聞いていなかった
(抱きつくのはマズイか?いや、角が大丈夫だったんだから多分いける筈だ……だがストレートに行けば反撃の理由を与えてしまう……ここは転けた振りで事故を装ってついでに……よし!)
暦は行動に移す
「うわー石に躓いたー!萃香さん危なー……」
凄まじい棒読みの大根芝居で萃香に突撃する暦
「お前様!」
突撃は忍に引っ張られて中断された
「なんだよしの……」
不機嫌に顔を忍に向けた時だった
「グオオオオオオオッ!!」
咆哮が耳をつんざいた
「な……なんだこいつ……妖怪……なのか?」
振り向いた暦達の前には巨大な異形が立ち塞がっていた
(これって妖怪と言うよりは……竜……じゃないのか……?)
異形は暦の予想の通り竜、今にも襲いかからんと口を開けている
「気を引き締めよお前様……」
忍が前に立ち身構え、暦も構える
「ありゃ~魔物じゃないか、全部片付けたと思ってたのにこんな所に一匹隠れてたのかい」
そんな二人の緊張を笑う様に萃香はフラフラと竜へ歩いていく
「グオオオオオオオッ!!」
食いつこうと口を広げて首を一気に伸ばす
「危ない!」
暦が助けようと飛び出した
その前で
ドンッ!
炸裂音が鳴ると巨大な竜の姿は無くなっていた
「……?……え?」
訳がわからず立ち尽くす暦
「……バラバラにされたんじゃよお前様、あの小鬼の腕の一振りでの」
「嘘だろ……」
確かによく見ると細かい肉片らしき物も見える、忍の言っている事が真実なんだと暦にわからせるには充分過ぎた
「さっ行こうか、あっ今のは妖怪じゃなくて魔物だから殺したんだ、魔物は妖怪も人間も見境ないからねぇ……それと暦?さっき何か言ってなかったかい?」
「空耳だと思いますよ萃香さん」
暦は心底恐れていた
(鬼ってこんなに強かったか!?ふざけんな!あのまま抱きついてたら拍子で出た振り払う手なんかで僕なんか死ぬぞ!?軽く死ぬぞ!?文字通り軽くな!豆腐の如く!)
やらなくて良かったと安堵し萃香に着いていった
「……」
肉片を少し立ち止まりながら見つめた後、忍も後を追った
人間の里
「ここ人里ですよ?」
3人は人間の里の門の前に来ていた
「手ぶらじゃ行けんだろうよ、手土産の1つくらい持って行かないとね」
「なるほど」
納得して里に入ろうとした時、里から一人の妖怪が出てきた
「お!河童じゃないか!」
「ひゅい!?鬼!?……じゃなくて萃香さん!?」
出てきたのはにとり、手提げ袋を持っていた
「なに買ったんだい?」
「椛と食べようと思って買った羊羮ときゅうりです」
「でかした河童!羊羮だけ頂戴、きゅうりは要らない」
「はい……」
カツアゲである、暦は怖くて何も言えない
「……その人達は誰ですか?」
涙目のにとりが二人を見た
「訳ありの外来人でね、今から紅魔館に行く所なのさ、おーい、こいつは河童の河城にとり、暦は知ってるだろうけど挨拶しといたらいい」
「あ、わかりました……えー、僕は阿良々木暦、よろしく河城にとり……ちゃん」
「ちゃん付けは恥ずかしいからにとりでいいよ阿良々々木暦」
「……々が一個多いぞ!?」
「噛んだ……ごめんムララ木暦」
「そんな欲求不満みたいな名前じゃない!僕の名前は阿良々木だ!」
「あ……ありゃりゃ木暦?」
「わざとだろ!?」
「お前の名前言いにくいんだよ!」
「お前の滑舌の問題だろ!」
「うるせぇ!きゅうりぶつけんぞ!」
「やってみろ!」
何故かきゅうりを構えたにとりと対峙する暦
「くたばれー!」
「食うか!」
華麗にきゅうりを回避した暦はにとりの背後に回り羽交い締めにする
「ぎゃー!離せー!ぎゃー!」
「僕の方が上手だったみたいだな!観念しろ!吸血鬼性が上がった僕のホールドからは逃げられないぞ!」
「乱暴する気か!?エロ同人みたいに!?」
「しねぇ……するよ!」
「ぎゃーぎゃーぎゃー!」
傍目に見ればかなり危うい状況
「アッハッハ!ホントに面白い奴だね暦は!」
萃香は笑っていた
「……よいのか?このままではお仲間が我が主様の毒牙にかかってしまうぞ?」
「平気平気!あの河童自体は弱いけど私でも簡単にゃあいかない用心棒が付いてるからね、平気だよ」
「ふん……」
萃香の態度が面白くないのか忍は不機嫌に暦とにとりを眺める
「ロビン!ロビーン!!」
「残念だがここにロビン・フッドなんて都合の良いヒーローは居ない!」
暦の指がワキワキと活動を開始しようとしたその時、二人に影が差し機械音声が響いた
「ニトリ、ダイジョウブカ?」
大きな機械がそこには居た
「……僕の知ってるロビン・フッドじゃない」
「助けろロビーン!」
「リョウカイマスター」
暦目掛けてサーベルが突き入れられる
「おわぁっ!?」
にとりを放して避けた暦は距離を取る
「人間風情がよくも私に貞操の危機を感じさせたな!」
ロビンに乗ったにとりが叫ぶ
「覚悟しな!ぎったんぎたんにしてやる!」
「に、にとりさん?とりあえず落ち着こう!きゅうりでも食べながら話せば冗談だったって事はどんな馬鹿でもわかるから!」
「くたばれー!」
「聞いてない!?」
ロビンがレーザーをぶっぱなそうとして暦は逃げ出そうとした
「それくらいにしときな河童、私の連れが死ぬのは流石に黙認出来ないからねぇ」
ギリギリで萃香が止めてくれた
「~~~ッ!?」
にとりは反論したいのを必死に堪えていた
こいつを野放しにしたら幻想郷の女の子全てが危険に晒される!
こいつは生きていてはいけない人間なんだ!
引っ込んでろツルペタ!
とか言いたかったが言えない、相手は恐怖の鬼だから
トラウマの元を前ににとりは歯軋りしながら
「……わかりました」
言う事を聞いた
「さぁ行こうか!いよいよ紅魔館へ向かうよ!」
羊羮片手に意気揚々と萃香が告げる
「私も行って良いですか?」
「おん?あんたも来んのかい河童?良いよ!来な来な!」
にとりを加えて一同は紅魔館へ進み始めた
「おい阿良々木暦!」
暦の横に並んだにとり
「僕の名前は阿良々木だ……あれ?」
「合ってるだろ!妙な事したらすぐぎったんぎたんにしてやるから覚悟しとけよ!」
「わかったよ……それよりありがとうにとり、懐かしくてなんか嬉しかった」
「話しかけんな、童貞がうつる」
「女に童貞がうつるか!」
仲良く?向かっていった
紅魔館・門前
「Zzz……」
毎度の如く美鈴は寝ていた、今日は弟子の子どもも来ないので羽を伸ばしてゆっくりすやすやと寝ていた
「Zzz……ぐえっ!?」
腹を踏まれて美鈴は目覚めた
「あら……犬の死体かと思ったら美鈴じゃない」
「さ、咲夜さん……」
「布団まで敷いて……門番って寝ながら出来るのかしら?」
「苦しい……!?苦しいです咲夜さん……!?」
「それとも門番は寝ながらじゃなければ出来ないのかしら?」
「ぐええぇ……!?」
「どうなの美鈴?」
「ご、ごめんなさいぃぃ起きて門番しますぅぅ!?」
「よろしい」
足を離された美鈴は急いで布団を畳む
「よぉよぉ!やってるねぇ!」
そこへ萃香達が現れた
「あ、萃香さんとにとりさんだ」
「他の二人は知らないわね……外来人みたいだけど」
歩いてくる4人が門前に着いた
「あいつら居るかい?」
羊羮を投げ渡しながら萃香
「図書館に居るわ、呼んできましょうか?」
「いいよいいよ、こっちから行くから気にしなさんな」
「そう……その外来人の事?」
「そうだよ、ちょいと知恵を借りにね」
「わかったわ、お嬢様は体調を崩されているから無理させない様に頼むわね」
「あいよー」
門が開けられ入っていく4人と1体
「あ!ちょっと待ってくれ!」
暦が思い出して美鈴に近付く
「あの……美鈴さん?」
「……私の名前言いましたっけ?まぁいいか、なんでしょう?」
「……」
問われて暦は一瞬黙った
(僕は今、美鈴さんに対してなんと言うか……確信に近い事を感じている、全く知らない筈なのに、でも近い未来に知る事になりそうな……そんな曖昧な確信……聞かなきゃならない気さえするのは何故だろう……)
「……?どうかしましたか?」
美鈴に再度問われて暦は意を決して聞いた
「メイリンフィンガーって……知ってますか?」
「!?」
その瞬間、美鈴が驚愕を浮かべた
「何故外来人の貴方が我が流派の奥義を!?」
(あった……って言うか奥義かよ……メイリンフィンガーはきっと美鈴さんの象徴か何かなんだろう……)
返事に満足した暦は踵を返す
「後で話せたら話します!」
「あ!ちょっと待って!」
萃香達と合流しに走る暦を追おうとする美鈴
「ゴミ……いえ美鈴!門番は!!」
「今私の事ゴミって言いかけませんでした!?」
だが咲夜に止められてしまうのだった……
「……」
紅魔館内へ入る間際に忍は館を見上げて立ち止まる
(何かおる……形容が出来ぬ……人外……)
館の上階に居る存在を感じ取っていた
(妖怪とも怪異ともまた違う……むしろさっき出くわした魔物に近い感じじゃのう)
視線を戻した後、知る館とは違う館へと入って行った
紅魔館・図書館
「どうだった?」
戻ってきたパチュリーに向かって妹紅が聞いた
「どうも何も……私も永琳だって放っとくしかないのにどうしようもないわよ……病気じゃないもの」
スィーと浮かんで椅子に座りながらパチュリーは答えた
「なんだっけ……体組織を再構築する為の一時的な体力低下だったっけ?」
「そっ、それを繰り返して体を少しずつ成長させる訳……スカーレット家の吸血鬼だけが定期的に起こす特異体質ね」
「吸血鬼って大変だな」
「スカーレット家だけの特異体質だって言ってるでしょ……他の吸血鬼に600歳で子ども体型の吸血鬼なんて居ないもの」
「ふーん……」
机に突っ伏し指で適当に机をなぞりながら気の無い返事を妹紅は返す
「定期的に起きる体調不良ってまるであの日みたいだな……」
同じく突っ伏した魔理沙が呟く
「女の子の日か……確かに」
「不老の妹紅にゃ関係無いわな、だって止まってるし」
「ぶっ飛ばすぞ生涯独身」
「やってみろ泣き虫」
「やってやるよ脳筋魔法使い」
「やめなさい二人共」
パチュリーに止められた二人は溜め息を吐く
「レミリア今は~?」
「バーンは~?」
グデーと顔だけ机に乗せたチルノとその上に顔を乗せたフランが問う
「今はバーンが付いてるわ、回復魔法で少しでも楽にしてあげてるみたい」
「早く良くなると良いですね」
本を読む大妖精が答えた
「暇だな……」
誰もやる気が無かった
いつもなら修行しているのに誰もしない、しようとしない
再会してから2週間が来ようとしていたがあの日から誰も一度たりとも修行をしていなかった
「……バーンか……」
「……そうだな……」
「「……」」
それには理由が有った、6人が共有する理由が……
そんな時に来訪者は来た
「邪魔するよー!」
怪しく異なる者達を連れて
「……なるほど、平行世界の幻想郷から来た外来人ね……また凄いのが来たわね」
萃香から事情を聞いたパチュリーは魔導書を読み始めた
「どうにかなりそうかい?」
「私じゃ無理ね、そしてそれは博麗の巫女も同じよ」
「やっぱりあんたでも無理か」
「私は……ね」
含みを持たせた言い方をするパチュリーはそれ以上は言わずに魔導書を読む
「裂け目ってそれスキマじゃん……」
「だよね~」
チルノとフランが答える
「紫が犯人だろどうせ……」
「そんな事出来るの紫だけだもんな、なんか事故でもあったんだろ……そんで今頃、原因かお前らの行方を探してるって所か、じゃなきゃお前らみたいな珍しいケースの外来人を放って置く訳ないからな」
「私もそう思います」
魔理沙と妹紅の意見に大妖精も同意する
「そういう事よ、私も紫に会うのが最適解と思うわ」
「やっぱそうかい」
どうやら犯人はその紫?と呼ばれる人?らしく、会えば戻れるとの事らしい、ならば会うと言いたいが問題がある
「どうすればその紫と言う方に会えるんですか?」
そう、問題はその紫と呼ばれる人に会う方法、戻る方法を持つ者に会えなければ意味が無い
暦が当然の質問をする中
(なんじゃこやつら……)
忍は6人を鋭く見ていた
(覇気の無い面からは想像も出来ん力を宿しておる……全盛の儂に近いのが6人……)
とても面白くない
(この小鬼や機械にも言える事じゃが……ふざけが過ぎる……化かされておる気分じゃ……)
忍はずっと感じていた事があった
それはこの幻想郷の強さ
明らかに自分の居た幻想郷より全体的に力が上、今の自分が遥か格下と感じるくらい
それをわかっているから萃香もあの余裕なのだ
(気に入らぬ……じゃがまぁ……)
面白くはない、だが納得はしている
(この幻想郷はこうなんじゃろうな……)
世界が違うのだから
所同じでも世界が変われば大きく違う、忍達が居た幻想郷はどうだろうとこの幻想郷はこうなのだ、文句を言ってもどうしようもない
(戦に特化した幻想郷と言うところかの、どいつも修羅場を潜った歴戦の勇たる雰囲気を持っとる……)
(あぁそれで儂も主様も吸血鬼性が更に上がっとるのか……)
(この幻想郷ですぐに殺されないように……舐めおってからに)
忍が口にしない考えを纏めていると暦の質問の答えを魔理沙が言った
「バーンに呼んで貰えよ、あいつなら紫を呼べるからさ」
「じゃあそのバーンって人はどこに?」
「ん?ここに居るよ」
「ここって……紅魔館にですか?」
「そうだよ、バーンはレミリアの旦那だからな」
「なっ!!?」
今日一番の驚きを見せる暦
(嘘だろ……あのレミリアが……いくら500歳でも幼女と言っても差し支えないあのレミリアを嫁にした奴が居るのか!?あの体型のままずっと一緒に……クソッ!羨ましい限りだちくしょう!)
バーンと呼ばれる者に悪態つく
「なん……じゃと……」
驚いた者はもう一人居た
(レミリアが旦那をじゃとぉ!?ふざけおって!どこの馬の骨じゃ!儂の可愛い妹分にぃ~!羨ま……許せん!退治してくれようぞ!)
世界を忘れて忍は憤慨していた
「そのうち来るから待ってろよ、アップルパイ食うか?」
「あ、頂きます……美味しいですねこのアップルパイ……ところでそのバーンって人はどんな人なんですか?」
「んあ?どんな人……」
いつも一緒に居た魔理沙は当たり前過ぎて咄嗟に表現が出来なかった
「なんか親近感が湧くんですよね」
その隙に暦が先に呟いた
「親近感?」
「ええ、そのバーンって人に」
「お前が?なんで?」
魔理沙の問いにはにとりが答えた
「そいつ童貞の変態なんだよ、さっき襲われかけたんだよ私」
「お前が?なんで?」
「知るか!私がこんなだからじゃないのか!?純潔が危うかったんだよ!」
「こんな……?」
魔理沙はにとりを凝視すると思い付いて手を突き暦を見た
「お前ロリコンだったのか!」
「どうしてそうなる!?」
「にとりが幼児体型だから襲ったんだろ?そうだろ?」
「違う!」
「それでバーンに親近感が湧いた訳か……幼児体型のレミリアを嫁にしたから」
「だから違う!」
「つまりお前はバーンをロリコンって言いたい訳だ!」
「違う!曲解するな!」
「ガキの彼女連れてちゃ説得力ないぜ~?」
「どうしてそうなる!?僕にはちゃんと高校生の彼女が居る!」
「隠すな隠すな、私は気にしないからさ」
「ふざけんな!皆ドン引きだよ!笑ってんの萃香さんだけじゃねぇか!」
気付けば皆身構えていた、大妖精を庇うチルノは氷柱を作り、フランに至っては目を作っていた
「なんでも良いけどもうそこまで来てるみたいよ?」
パチュリーが防御壁越しに告げた
「……絶対に言わないでくれよ?」
「あー?ウンワカッタ」
「露骨な棒読みやめてくれ!頼むぞ!」
足音が聞こえ、近付いてきた
「……バーンはどんな人って聞いてたわね」
同じ一点を見つめるパチュリーが言った
「こう呼ぶと怒るんだけど……バーンを表現するのに一番わかりやすい言葉が有るわ」
「……なんですか?」
いつの間にか緊張していた暦に向かい、パチュリーは言った
「大魔王よ……」
同時に彼は現れた
「……」
優雅に、されど力強く
「客か……」
暦を視認し一瞬目が合った
「ッ!?」
目が合う、たったそれだけ
(な、なんだ……この人……角とか生えてるけど……いや!そんな所じゃない!この人から感じる表現出来ない感覚、威圧感……か?とにかくそれが僕に嫌な汗を止めどなくかかせて……この場から逃げろと本能が告げさせる!?)
たったそれだけで暦は出会ってはいけない者だと体の芯まで刻まれた
(ハハ……大魔王ってゲームだけの単語だと思ってた……勇者って凄いな尊敬するよ、こんなのと戦えって言われて銅の剣も買えないお金渡されて旅に出さされるんだもんな……)
なんとか軽口を捻り気を落ち着かせる
もしバーンが敵意と殺意を持って暦を見ていれば暦は今頃廃人になっていたかもしれない、ごっことは言え戦いを経験していて威圧感にも慣れていた妹紅達にはなんとも無いだけで戦いの経験も少なく想像もしていない者は別、それ程までにバーンの威圧感は凄まじく、暦には耐性が無かったのだ
(変わった人間……それと繋がった……吸血鬼か?えらく弱々しい……成れの果てか)
バーンは忍を見ていた
(これが上階に居た人外の化物か!?他の者も大概じゃったが比にならん……全盛の儂でも危ういかもしれん……)
忍もバーンを見ていた、ただバーンとは違い驚愕している
「ようバーン!いきなりだけどこの二人は特殊な外来人でね、あんたの力を借りに来た次第なのさ」
「余の力を……?そこの吸血鬼の成れの果てを戻すのか?」
それに反応したのが一人居た
「違う違う、こいつらが……」
萃香が事情を話そうとした時
「まぁ待て萃香」
悪戯顔の魔理沙が萃香を遮った
「!?……おい!」
察した暦が叫ぶが魔理沙の笑顔は増すばかり
「聞いてくれよバーン……あの外来人がよぉ……」
「それ以上はダメだ!やめてくれ霧雨さん!いや!霧雨魔理沙様!」
必死に懇願する暦の目の前で、これ以上無いくらいの満面の笑みを見せた魔理沙はバーンに言った
「お前の事ロリコンだってよ」
時間が止まり
(終わった……)
暦は絶望した
「……ロリコン?」
否、まだ終わっていない
「余がロリコン?ロリコンとはどういう意味だ?」
これから終わるのだ……
(死んだ……)
そして冒頭に戻る
コラボ第2弾が始まりました……が、これヤバイかもしれない……もしかしたら致命的かもしれない……
何故かと言うとコラボ作品の元である化物語自体の勉強不足でキャラの背景とか細かい所が全然なのです……主にネタばかり書いたのでこんな事言わない、しない、が有ると思います、すいません。
化物語ちゃんと勉強すると1ヶ月くらい更新出来なくなるからなぁ……
一人称視点の書き方が難しくて更には言葉のポキャブラリーが無いので冒頭で書いたアレが私の限界です。
つくづく思う、下手だなぁ……って。
無謀な事してますがどうにかこうにかやってみます!
次回も頑張ります!