東方大魔王伝 -夢現幻想-   作:黒太陽

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第54話 怪異譚 中

 

「……」

 

汗が滝の様に流れる、比喩でもなんでもない、まさに滝、干からびる勢いだ

 

「どうした?何をそんなに怯えておる?」

 

怯えるなと言う方が無理がある、僕は勇者じゃない、吸血鬼が混ざった僕はどちらかと言えばむしろ倒される敵役だろう

 

(ゲームオーバーってやつかな……逃げようにも御多分に漏れず、大魔王からは逃げられないだろうし……)

 

自慢じゃないが僕なりに修羅場は潜ってきた

 

 

怪異

 

 

そう一括りされる中には悪魔とか神様みたいな存在が居て妖怪も居る

 

僕の世界の認識で言えば幻想郷は怪異の住む地域と言った感じであり、言わばそんなのからある時は命懸けで戦ったりして来たと言う事だ

 

その僕が感じる、否応無く感じてしまう

 

僕の前に立つこのバーンと言う大魔王は次元が違うと……

 

先に見た魔物と呼ばれる竜や今目の前に居る大魔王は怪異じゃあない、何故なら僕や僕の世界の認識ではゲームの中の概念だからだ

 

いや、怪しく異なると言う意味では怪異に含まれるのだろうか?専門家の意見が聞きたいところだけどきっとあいつにもわからないだろう

 

まぁ何にせよそんな者が実在するなんて僕は小学生と一緒に卒業してた

 

 

でも会った、出会った、出くわしてしまった

 

本物に……

 

それと大魔王の威圧感も手伝って僕は初めて怪異に遭遇した時の様な理解出来ない者への恐怖を感じていた

 

だから怖い、その上その大魔王をよりによってロリコン呼ばわりしてしまっているのだから……

 

 

 

 

 

(なんて笑顔で見てくるんだあの鬼畜な魔法使い……)

 

魔理沙を睨む暦、笑顔の魔理沙が悪魔に見える

 

(昔読んだ本に書いてたっけ……悪魔というのを本で調べたが一番それに近い生物はやはり人間だと思う……だったかな確か……まさにそうだよ!悪魔だよあいつは!まさに外道だ!)

 

暦が悪魔に心の中で怒鳴っている時間は僅か数秒の事だった、だがそれでも時間は経っている

 

時間が経つと言うことは……

 

「答えよ人の子よ……」

 

こうなる

 

(うぅ……)

 

生物としての格の違いかバーンの威圧感か、はたまたどちらもか

 

表現出来ない感覚に押され催促された暦はまた怯んでしまう

 

(会ったばかりの僕が嘘をついても信用される訳がない……正直に言うしか……)

 

覚悟を決め、言った

 

「ロリコンって言うのは小さい……幼い子供が好きだと言う特殊な性癖の事です……ね」

 

震える体と言葉で

 

「……つまりは少女愛……と言う訳だな?」

 

「そうなります……」

 

「ふむ……」

 

理解したバーンは椅子に向かう

 

「……」

 

椅子に座ったバーンが暦を観察する様に真っ直ぐ見つめている

 

(くっ……なんでだ……なんで僕が叱られる小学生みたいになってるんだ……僕は悪い事してない筈なのに……)

 

周囲の雰囲気すらもそうなっている、あの萃香すら笑っていない、笑っているのは仕掛人の魔理沙だけ

 

(ずっと見てる……殺す方法を考えてるのか?火葬にするか爆葬にするかみたいな……なんだよ爆葬って……馬鹿か僕は……)

 

生を諦めかけた時、ようやくバーンから死刑内容が下された

 

「言っておらんな?」

 

「すいません!忍だけは助け……え?」

 

死刑宣告ではなかった

 

「お前は余をロリコン呼ばわりしておらんのだろう?と聞いたのだ」

 

「え……あ……」

 

予想と違い面食らっている暦にバーンは確信した様に言った

 

「体から滲み出ておったわ、「言っていない」とな……視線から察するに魔理沙の仕業だろう」

 

暦が見ると魔理沙はギクリとしたあと明後日を向いて口笛を吹いていた

 

「大方お前がそう取られる様な発言に託つけての悪戯であろう、悪気しかなかろうが許せ人の子よ」

 

「あ、その……大丈夫です、はい……」

 

悪戯を見抜き、謝罪まで言われて暦はまだ混乱していた

 

「して……お前はいくつの者を?」

 

興味有り気に暦に問うバーン

 

「……ん?んん?」

 

謎の質問に魔理沙が?を浮かべる、他も同様

 

「10歳です」

 

暦はすんなり答える

 

「ほぅ……10とは驚きだな、余は14だ」

 

「中学生ですか……良いですね、素晴らしい」

 

二人は謎の会話を説明無しで繰り広げていた、いつの間にか暦も恐れは無くなり先輩と話す様な感じになっている

 

「待て待て待て!お前等なんの話をしてんだ!」

 

怖くなってきた魔理沙が問う

 

「何って……わかんないのか?」

 

「わかるかボケナス!」

 

人として当然だろ?と言いたげな暦にキレる魔理沙

 

「口説いた女の歳の話だ魔理沙」

 

「はぁ!?口説いたぁ!?」

 

些かの躊躇もなく告げられた事実

 

「て事は14って……」

 

「14の少女を口説いたと言う事だ、結果は断られたうえに腕を切られたがな」

 

「はぁぁぁぁ!?」

 

素っ頓狂な声をあげる魔理沙、そして意外と言う様な目で見る暦と忍以外の7人

 

「お前……真性のロリコンだったのか!?」

 

「違うが?」

 

バーンは否定する

 

「違わねぇよ!14の子ども口説いてそれより見た目だけは小さいレミリア嫁にしてる奴のどこがロリコンじゃねぇんだよ!」

 

「それはロリコンとは違うものだ」

 

「何が違うんだよ!」

 

認めようとしないバーンに呆れて魔理沙は肩を落とす

 

「世間じゃそれをロリコンって言うんだよ……」

 

そんな二人の会話を聞きながら暦は一人だけ感じていた

 

(そうか、この人は僕と同じなんだ……)

 

名前を聞かされた時から何故か感じた親近感

 

類はなんとやら……

 

直感でそれを感じていたから二人の会話を聞きながら改めてそれを思い出す

 

「まさかフラれたからって手ぇ出してないだろうな?」

 

「あの時は決戦の最中だった、手を出すのはその者の死を意味する……まぁ服は破ったがな」

 

「想像以上にロリコンレベルの高い奴だった……」

 

「余をロリコンと断ずるなら更に高い者がそこに居る」

 

(そんな奴この場に居ないし居たとしても少なくとも僕ではないと信じたい……まぁ僕だけど)

 

「つーか間違いなくロリコンだからなそれ」

 

「違うと言っておる」

 

「……お前、子ども体型だからレミリアにしたとか言わないよな?」

 

「無意味な問いだな……子どもと呼ばれる歳ではあるまい?」

 

「わかってるよそんなもん、だから体型だって言ってんだろ」

 

「それが無意味と言っているのだ、体型は関係無い……アレが余を選び、余もまたレミリアを選んだ、それだけの事よ」

 

「強情なロリコンだぜ……」

 

(やっぱりこの人……)

 

それを聞いていた暦は昔聞いたある言葉を思い出す

 

 

『真のロリコンは決して自身をロリコンとは認めないそうです、何故なら彼らはあどけなき少女を既に立派な大人の女性として認めているそうですから』

 

 

今は居ない、大好きだった子の言葉

 

もしかしたらそれが二人を引き合わせたのかもしれない

 

「私はバーンなら気にはしないけど……レミィには絶対に言ってはダメよ?」

 

パチュリーがバーンに注意を促す

 

「何故だ?昔の話だ、もう本人は生きてもおらんのだぞ?」

 

「それでもよ、レミィが泣くからやめて」

 

「アレはそんなにやわではない」

 

バーンが断言するとフランが入ってきた

 

「バーンはわかってないよお姉様の事!ああ見えて結構繊細なんだよ?」

 

「……まことか?」

 

「その様子でしたら灰もそう昔の事までは記憶してなかったみたいですね、本当ですよバーンさん!ねっ?チルノちゃん?」

 

その問いには大妖精が答え

 

「バーンが居なくなってからの50年なんか酷かったわね、皆の前ではいつも通りだったけどよく隠れて泣いてたもん」

 

チルノが教える

 

「……そうか」

 

バーンは呟き少し考えると

 

「わかった、黙っておくとしよう」

 

了承しアップルパイに手を伸ばした

 

「ハッハー!天地魔幻に恐れる者無しのバーンも嫁の涙は見たくないか!」

 

「アッハッハ!違いないねぇ!」

 

「珍しいもんが見れた!椛との良い土産話になるね!」

 

妹紅、萃香、にとりの3人が笑い皆も笑う

 

(なんか……良いな……)

 

それを見ていた暦は思う

 

(ここの幻想郷の人達は繋がりが凄く強い、あのバーンって人が中心になって……絆、って奴なんだろうか)

 

対等に話し、笑い合う

 

そこに人間、妖怪、魔族の種族の隔たりは一切無く、年齢の上下も気にしない

 

そんな皆が羨ましく見えた

 

(人間強度が下がるから友達は作らない、なんて昔僕は言ったっけ……僕の持論だったけどこれを見たら反論出来そうも無い、何故なら下がってなんてないから……強過ぎて眩しいくらいだ)

 

(なんか僕も会いたくなってきたな……友達に……)

 

微笑ましい雰囲気が図書館を包んでいた

 

「のうバーンとやら」

 

だがそれはすぐに終わりを告げる

 

「団欒の時にすまぬが……聞き捨てならん事がある故聞かせて貰う」

 

一人の吸血鬼によって……

 

「儂を戻すと……そう言ったか?」

 

忍がバーンを睨む

 

さっき何気なく言われた言葉、暦も含め誰もが聞き流していた、だがそれが重要な意味を持つと知る忍だけは聞き逃さなかったのだ

 

「忍……?」

 

暦が呼び掛けるが忍は無視してバーンだけを見据える

 

「確かに言ったが……それがどうかしたか?」

 

威圧的な忍にバーンも笑みを消して返す

 

「ふん……聞き間違いではなかったか、中々ふざけた事を抜かすのう大魔王とは」

 

「……」

 

バーンは黙って忍を見つめる

 

「愚かで無知なるお主に言っておく、儂を戻すのは不可能じゃ、お主がどれだけ凄いのかは知らんがこればかりはどうにも出来ぬ」

 

それを聞いたバーンは低く笑う

 

「ふっふっふ……中々威勢のよい吸血鬼よ……だが無知は聞き捨てならんな、お前達は運命共同体……であろう?」

 

「知っておったのか……」

 

「見ればわかる」

 

「ならば意味はわかろう?儂を戻す、即ちそれは我が主様の死を意味する……主様を殺して戻すと言っておるのなら愚かと言う他無い、誰でも考えれるからの」

 

バーンを貶す忍、だがバーンは何も堪えていない、それどころか楽しそうに頬杖を着いて忍を見ていた

 

「面白い吸血鬼だなそなたは……余を前に些かの怯えも感じておらん、名を聞こう……名はなんと言う?」

 

「……忍野忍じゃよ」

 

「そちらではない、縛る名ではなく余はそなたの真名を聞いているのだ」

 

「……!?」

 

それに忍は驚く、暦以外この場で知っている筈がないからだ

 

(こやつ……どこまで……)

 

戦慄すら覚える能力の高さ、異常な程の感じる取る力とそれを理解する知識

 

そしてそれらを遺憾無く活かせる力

 

(もしや……本当に儂を……?)

 

統括して可能性が見えていた

 

「言いたくないのならば構いはせぬ、そなたを戻すのに名は重要ではないしな」

 

「……さっきからえらく尊大よの大魔王?本当に戻せるのか?今ならまだ冗談で間に合うぞ?」

 

「冗談ときたか、仮にも魔界の神と謳われた事もある余を虚言者呼ばわりするとは……」

 

「神じゃろうが出来もせん事を抜かす者は揃って嘘吐きじゃろう?」

 

「……出来ぬならな、さっきから言っておるように余はそなたを戻せる、ならばそなたは煽るより願い出るのが筋ではないのか?」

 

「そういう事は出来ると証明してから抜かすんじゃの神とやら」

 

二人は見つめ合う

 

 

その時だった

 

 

「誰が来てるの?」

 

 

休んでいた筈の館の主がその場に現れた

 

「レミリア……」

 

まるで運命に導かれた様に

 

 

「どうしたのレミィ?寝てなくて大丈夫なの?」

 

「漂ってきたえらくか細い同族の匂いがどうも気になってね、体調の方は回復魔法のお陰でそれなりに大丈夫よ」

 

元気そうに見せるレミリアだが怠そうなのは見て明らかだった

 

「そんな訳で来てみたんだけど……同族なんて珍しいと思えばハーフの人間とただの搾りカスなんてね……来て損したわ」

 

レミリア専用の椅子に座り暦と忍を見る

 

「それで?何用かしら?」

 

知らぬが故に見せる態度を見せ二人、特に忍を見る

 

「カカッ!世界変われど主の態度は変わらんのぅレミリアよ、初めて会った時を思い出すわい」

 

「……何こいつ?お前みたいな吸血鬼になんて会った事無いのだけど?」

 

知っている素振りが気になる、当然の反応だ

 

「そいつはだね……」

 

萃香と暦の説明が入り一同は二人の状況を知る

 

「ならバーンが紫を呼んで帰れば済むだけの話じゃない、何をナメクジの様にもたもたしているのよ?」

 

「そこよレミリア、何やら主の旦那が儂を戻せると抜かしよるから問答をしておったところよ」

 

「戻す……?」

 

それを聞いてレミリアは忍を改めて注視する

 

「くだらない……絞りカスが戻ったところでどうなると言うの?どうでもいいわ、興味もわかない……早く帰るのねガキ」

 

「儂をガキ呼ばわりとはのぅ……目上の者は敬えと父上と母上から習わなんだか?」

 

「お前のどこを見ればそうじゃないんだ?口調か?必死に背伸びする哀れなガキの努力にしか見えないよ」

 

「こう見えて598歳じゃ、見た目で判断するのは感心せんのう」

 

「フン……やはりガキじゃないか、私は600歳だ……目上の者は敬えと父上と母上から習わなかったのか?」

 

「ほぅ、こちらのレミリアは600か!これはあいすまんのう……しかしじゃ、そんなに誇らしいか?鬼の首を取ったかのように……たかだか2つ程度の歳の差がそんなに嬉しいか?……儂等ぐらいの歳になれば歳など大した意味を持たん筈じゃろう?違うか?」

 

「口の回るガキだ……」

 

二人の雰囲気は会った時より更に悪くなっていた

 

「なんだあいつ?このロリコンと違ってやたら偉そうな奴だな」

 

態度が気になる魔理沙、他の者も良い気では見ていない

 

「すいません!すぐ止めて来ます!」

 

「構わん暦、暫し見ていろ」

 

止めに行こうとした暦を止めて舌戦激しい二人を見守るバーン達

 

「あいつ実力差わかって言ってんのかな?弱いくせにあんま生意気言ってるとぶっ飛ばされるぞ?」

 

「だろうな」

 

魔理沙の疑問は肯定される

 

「争えばレミリアが勝つのは明白……だがあやつはそれを承知であの態度なのだ」

 

「わかってるのに?なんで?」

 

「プライドだ……揺るぎなき誇りがあやつにはある、如何に相手が強かろうと媚びへつらう事を許さぬ強き気概が」

 

「……それって馬鹿な意地だろ」

 

「違う、ただ誇り高いのだ……誇りとは相手によって出したり引っ込めたりする物ではない、そう在ると決めた以上誰にもあやつはへつらう事は無い、お前達にも、余であろうとも……例え己より強き者に完膚なきに叩きのめされようとも変わりはせんだろう」

 

「……なるほどな」

 

魔理沙は納得する

 

「私も持ってるからわかるぜその気持ち、じゃなきゃ魔帝異変の時に私は死んでたし」

 

そこに嬉しそうな萃香が寄ってくる

 

「だろう!私にも喧嘩売ってきたんだよあいつ!やりゃあ負けるのわかってて!そんな気概が気に入って連れてきた訳なのさぁ!」

 

魔理沙に抱き着き酒を飲みまくる萃香

 

「そういう事だ、まぁ見ている分には面白い、もう少し様子を見ようではないか」

 

静観決め込むバーン達だが二人のいがみ合いは熾烈を増すばかり

 

互いにプライドが高いのが災いしどちらも退かず罵り合いだけが図書館に響く

 

(この人達は慣れてるんだなこういうの……誰も慌ててない……僕なら今頃止めに入ってぶっ飛ばされて気絶中くらいか……)

 

頼もしい面子が見ているからか安心感を感じて暦も見ている

 

(にしても……さっき忍を戻すとかバーンさんは言ってた……出来るのか本当に?僕を殺さずそんな事……)

 

疑問を感じていたのは暦も同じ

 

搾りカスと言える忍を戻すのはある者の再来を意味する

 

全ての原因であり始まりとも言えるあの者の……

 

(仮に出来たとして……それは僕達の世界にとっては幸せな事じゃない、幸せになるのは忍だけ……何故なら僕達は怯えなければならない、気紛れで世界を滅ぼせる存在……そう、あの……)

 

暦が思い浮かべた瞬間

 

「バーン!!」

 

レミリアの叫びが入り暦の追想は終わった

 

「この生意気なガキを戻して!捻り潰してやるから!」

 

どうやら口喧嘩でかなりヒートアップしたレミリアが力で黙らせようと行動に出た様だ

 

「余は構わぬが……そなたはどうだ?」

 

忍に問う

 

「儂も異論は無い、主の言葉が虚かどうかもわかるし……何よりこの思い上がった馬鹿者に灸を据えねばならん」

 

そう言ってレミリアを半笑いで見る

 

「感謝しろガキ……そのままじゃあ勝負にすらならないからお膳立てしてやる、ああ……負けた後で言い訳はやめてくれよ?やるなら叩き返された後でそこの彼氏に慰めてもらいながらだ」

 

「カカッ!心配せずとも儂が戻ればそうなるのはお主よ、旦那の前で無様に負けてはたして慰めてもらえるかは知らんがのぅ……怒られるかもの?」

 

「ふん……すぐに黙らせてやる、着いて来な」

 

バーンの返事を待たずに二人は外へ向かっていった

 

「……行くとするかお前達」

 

呆れながらも皆は後を追っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紅魔館から離れた平地

 

そこで二人の吸血鬼は対峙し、離れた場所で見物人達が見守っていた

 

「バーン……やって」

 

「……よかろう」

 

促されたバーンはその身から膨大な魔力を溢れさせ、それを忍と暦へ送り込む

 

「……!?」

 

忍の体が強く脈打つ

 

……バチッ

 

「!?」

 

何かが切れたのを暦は感じる

 

(ペアリングが……切れた?)

 

自分と忍を繋ぐ運命の糸が切れた

 

「心配は要らん暦、死なねば切れぬ繋がりを余の魔力で強引に切り、死を魔力に肩代わりさせた……余の魔力が尽きる前に戻せば問題は無い」

 

「……ちなみに魔力が尽きるまでの時間ってどれくらいですか?」

 

「お前の命で計算すれば半年は優に持とう」

 

(そんなに!?僕には及びつかない世界だけど……僕の命が安いのか?それともバーンさんが凄いのか?どちらにしろスゲェ!)

 

「始まるぞ!」

 

何度目かの驚きを見せた暦だったが妹紅の発した言葉に気は忍へと向かされた

 

 

カッ!

 

 

忍から閃光が放たれ見ていた一同の視界が一瞬眩む

 

「……ッ!?」

 

目を開けた暦

 

「ッッ!?」

 

そこには立っていた

 

見覚えのある一人の女性

 

「そういえば儂の真名を聞いていたのう……」

 

女性はゆったりとバーンを見つめる

 

 

「キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード……それが儂の真名、怪異の王とも呼ばれていた」

 

 

目を奪われる程の白い肌と長い金髪

 

黒を基調としたドレスを纏い、背も成人女性と呼べる程に伸びた絶世の美女

 

 

キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード

 

 

それが忍の本当の名であり、この姿こそ本来の姿

 

「鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼」

 

「怪異の王にして最強の怪異」

 

「怪異殺し」

 

そう呼ばれるに相応しき力を持ち

 

頂に君臨する王の名を冠した怪異の中の怪異

 

それが今、バーンの力によって再び日の光を浴びた

 

 

「よい気分よの……」

 

 

怪異の王は太陽に手を伸ばす

 

 

「今なら簡単に打倒出来そうじゃ……儂の最終目標である……」

 

 

伸ばした手に力を込め

 

 

「あの太陽すらも……」

 

 

握り潰した……

 

 

「のう……?バーン……?」

 

 

「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夢みたいな光景

 

 

大魔王と怪異の王が幻想の特異点で出会った夢の様な日

 

 

僕はこの時を一生覚えていようと思う

 

 

 

 

だけど僕はまだこの時は知らなかった、想像もしていなかった

 

 

この数奇な出会いの終わりに起きる事なんて……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




遅くなりました。

色々調べてて中々進まなかったのです……原作見るのが一番なんだろうなぁ……やはり粗が酷い……

えー後、上下2話完結にしようと思ってましたが事情が変わりまして上中下の3話になりました、よろしくお願いいたします。

余談・書いていてふと思った事、罵り合いを描いてる時が一番楽しいと思いましたww

次回も頑張ります!
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