東方大魔王伝 -夢現幻想-   作:黒太陽

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番外編 その後の幻想郷~花のアンサンブル~

 

 

 

幻想郷にはいくつかの禁忌が存在する

 

 

 

広いところで鬼と紅魔館には手を出すなから狭いところでチルノをバカ呼ばわりするなまで……

 

 

そんなピンからキリまでありそうな中でも有名なのが博麗大結界だろう

 

幻想郷の要である大結界に許可無く侵入したり弄ればもれなく死刑か幻想郷から追放だ

 

だがこれは禁忌ではあるが気にならない事柄、特に支障が出る訳でもない、居ないからだ、そんな馬鹿は……

 

 

そんな禁忌の中で唯一、博麗大結界と同じランクに位置付けられ、幻想郷中から恐れられる物が有った

 

 

それ自体は恐ろしくなく、寧ろ愛でられる立場の物だし場合によっては平気で踏まれて絶命する程度の小さい物

 

 

だがそれを幻想郷内の者は決して踏まないし傷付けない

 

 

歩く時は細心の注意を払いそれを避ける

 

 

何故ならもし踏んだり傷付けたりしたところを見られでもしたら最悪、再起不能になってしまうまで虐められる事になるからだ

 

 

その小さい物とはいったい……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

太陽の畑

 

「言い残す事は……?」

 

畑の中の通路で3人の妖怪がガタガタ震えていた

 

(どうしてこうなった……)

 

(俺達は少し低空で飛んでてこの太陽の畑を通った……そしたら花びらが散った……気がする)

 

(そんでふと後ろを見たら鬼の形相で追いかけてきた風見幽香に瞬く間にとっ捕まっていつの間にかこんな事に……)

 

3人の妖怪はやらかしていた

 

幽香の前で花びらを散らせてしまったのだ、それもよりによって幽香の愛でる畑の花を……

 

「まさかと思うけど……黙ってたら許される、なんて思ってるなら馬鹿な考えよ、遺言無く死ぬ……ただそれだけ……」

 

目だけで殺せるんじゃないかと思わせる冷酷で無慈悲なる瞳、とても冗談とは思えないし冗談と思うほど妖怪達も幽香を知らない訳ではない

 

「すいませんでしたぁ!!」

 

「もう二度と!二度と花を粗末に扱わないと誓います!寧ろ愛します!いや!幽香様を愛します!一生どこへでも着いていきます!」

 

「だから許してください!お願いします!お願いしますっ!!」

 

涙すら浮かべて頭を地に擦り付ける3人

 

「お前達がその昔……」

 

冷徹な瞳に一切の揺らぎを感じさせる事は無く

 

「幼き頃…… 捨てられて凍えてる仔犬を助けた事があるとしましょう……」

 

許しを乞う3人に幽香は告げた

 

「でも死ね」

 

 

「「「うぎゃあああああああ!!?」」」

 

太陽の畑に断末魔が響き渡る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ……バカばっかりね……」

 

溜め息を吐きながら畑の中心へ向かう

 

幽香が辿り着いた場所、そこには花も生えてなくそれなりに広い空間が広がっていた

 

「手入れに来たわよ」

 

幽香が向かった更に中心、そこには2つの物が生えていた

 

「さっきの悲鳴は何って?ちょっと仕置きをしただけよ、気にしなくていいわ」

 

生えていたのは世界樹の新芽とバーンに贈られた花、ヒルガオ

 

いずれ巨大な世界樹になる為に空間を空けられているので回りには何もなく寂しい風景

 

「綺麗にしてあげる」

 

さすがにそれは可哀想だとバーンのくれたヒルガオを隣に埋めてあげている、幽香にしかわからない事だが二人は仲良くしているらしい

 

「アレが仕置きって……正気かい?ズタボロで泣いて這って帰ってたよあいつら……半殺しの間違いだろう?」

 

楽しく手入れする幽香にふらふらと歩み寄る小さな影

 

「フン……ぶっ殺されなかっただけありがたいと思う事ね、殺されても文句は言えないのよあんな奴等……まぁもしこの花に危害を加えてたら本当に命は無かったけどね」

 

誰が来たか見なくてもわかる幽香は幻想郷禁忌の1つであるヒルガオを見ながら答える

 

「ハッハー!慈悲深いねぇ幽香、昔のあんたなら殺してたろうに……いやぁ丸くなったもんだ」

 

「驚いたわ……まさか自殺願望がある鬼が居るなんてね、殺してやるから手入れが終わるまで震えて待ってるのね萃香」

 

親友の来訪に嬉しそうに頬を緩ませた

 

 

 

 

 

 

風見幽香の家

 

「うぇぇ……気分悪い……ちょっと飲み過ぎた……水ちょうだい水……」

 

「どれだけ飲んだのよ……」

 

「えーと……一週間前から色んなとこで寝ずに酒盛りしてたから……1000リットルぐらい?」

 

「頭おかしいんじゃないの……」

 

「角生えてるもんね~」

 

「そっちじゃないわよ……」

 

「いいから水~!早く水を持ってこーい!」

 

「偉そうに……」

 

「偉いもん!」

 

「……はい、水」

 

「御苦労幽香ーって、猛烈に指入ってるー!?」

 

「あら悪かったわね、嫌なら自分で入れてきなさい」

 

「……さすが私が親友に選んだ女、露骨に地味な嫌がらせしやがるね……いや、まさかこれは試されてるのかい?友情が有るなら飲めるだろ?って……参ったねこりゃ……まさかの幽香汁とは恐れ入ったよ、でも私は飲むよ!なんたって親友だからね!」

 

「何言ってんの萃香、酔い過ぎよ……」

 

その後、とうとう倒れてそのまま寝てしまった萃香をベッドに寝かせた幽香は出掛けて行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人間の里

 

「来た……!皆来たぞ!気を付けろ!」

 

里がざわめく

 

「風見幽香が来たのか……」

 

「あの古くから伝えられる伝説の大妖怪……誰が言ったか「立てば暴力、座れば破壊、歩く姿はテロリズム」……綺麗な面してなんておっかねぇ……」

 

「昔はかなり危ない妖怪で今はかなり丸くなったらしいけど……嘘くせぇ」

 

戦々恐々としている里の住民達

 

(今日の夕食何にしようかしら)

 

気にせず進む幽香

 

「相変わらず避けられてんなぁお前」

 

話し掛けたのは魔理沙

 

「何故避けられるのかわからないけど別に気にしてないわ、馴れ馴れしくされるより余程良いから」

 

「わからないって……マジかお前……」

 

「それより何してるの貴方?」

 

「ん?ああ……勝負に負けたからパシられてんだぜ、スイーツ買いに来たんだ、良かったら一緒に行くか?」

 

「……良いわ、時間もあるし付き合ってあげる」

 

二人が甘味屋へ向かおうとしたその時、歩いて来た少女が二人の肩にぶつかった

 

「痛っ……って魔理沙!久し振り!」

 

「おー!正邪!元気してた……」

 

魔理沙が返そうとした次の瞬間、正邪は頭を掴まれた

 

「人にぶつかった時は謝るのが先でしょ?」

 

ビキビキ……!

 

「ぎゃあああああああ!?」

 

アイアンクローで正邪が倒された

 

「フン……行くわよ」

 

「……そういうとこだと思うぞ?お前が避けられるのって」

 

正邪を見ながら呟く魔理沙と気にせず歩いていく幽香

 

「御愁傷様だぜ正邪……」

 

拝んだ後、魔理沙もあとに続いた

 

 

 

 

 

 

「よっしゃ!ケーキゲットだぜ!」

 

甘味屋を出た二人

 

「じゃあ私は行くわね」

 

何も買わなかった幽香が歩きだそうとすると魔理沙が止めた

 

「待てって幽香!これやるよ!」

 

ケーキの箱を1つ手渡す

 

「付き合ってくれたお礼だぜ!」

 

ニッコリ笑う魔理沙

 

「2つ入ってるけど?」

 

「彼氏と食えよ!」

 

「命が惜しくないようね……」

 

「フヘヘ!またな幽香!」

 

悪戯っぽく笑いながら魔理沙は紅魔館へ戻っていった

 

 

「いつか殺す……」

 

呟きながらケーキを見て立ち止まる幽香

 

(……チッ)

 

何やら思い付いて舌打ちしながら買い物へ戻っていった

 

 

 

 

 

欲しい物を買い終え、帰ろうかと思いながら里をブラブラしていた幽香

 

「おい!さっき里の近くでさ……」

 

不意に会話が耳に入ってきた

 

「バーンを見たんだ!」

 

その瞬間ピタリと足は止まる

 

(バーンが……?)

 

気になった幽香はそっと聞き耳を立てて話の内容を盗み聞く

 

「慧音先生となんか話してたよ、妹紅さんがどうたら言ってた」

 

「へぇ……見に行ってみようかな?いつも紅魔館に居るバーンが出てくるの珍しいもんな」

 

「やめとけ、なんか真剣そうな話してたから邪魔したら頭突きされるかもよ?」

 

「……アレさえ無ければ清楚で聡明な人なのにな~」

 

苦笑し合っている人間達

 

(……)

 

幽香は静かに外へ向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

里の近くのたまり場

 

「真面目に聞いてるのかバーン!」

 

そこでは慧音が声を荒げていた

 

「聞いておる……聞いておるとも」

 

景色を遠い目で見ているバーンは返事を返す

 

「……して、何の話だったか?」

 

「全然聞いてないじゃないか!」

 

慧音は怒った

 

「まったく……妹紅にどうしたら男が出来るかを考えてるんだ!」

 

「そういえばそんな話だったな」

 

ああ……っと興味無さげにバーンはまた景色に目を向ける

 

「あいつが女らしく幸せに生きる為にはどうしてやるべきか……あいつに一番近い異性はお前しか居ないから相談しているというのにお前ときたら……」

 

ブツブツ文句を言っている慧音

 

(心底どうでもよい……)

 

バーンには果てしなくどうでもよかった

 

「お前はレミリアが居るからどうでもいいんだろうが……とにかく何か案を出せ!」

 

せっつく慧音にバーンはならばと案を出した

 

「放っておけ」

 

その答えに慧音は驚く

 

「妹紅の人生だ、何故お前や余が世話をしてやらねばならん?」

 

「むっ……それは……そうだが……」

 

「あやつが人間に戻ったのが嬉しいのはわかる……だがあくまで妹紅の人生、妹紅が選び、進む道だ……余分な世話は文字通り余計な世話、という事だ」

 

「それはわかってはいるが……」

 

「わかっておる、わかっているが何かをしてやりたいのだろう?祝い……のような事を」

 

「……そうだ」

 

「ならば尚更放っておいてやれ、変わらぬ接し方が一番の祝いになる、妹紅もお前にはそれを望むだろう……友愛故に暴走するな、見守る愛というのもある」

 

「ぬぅ……わかった」

 

とりあえず納得する慧音だがじゃあ他の事をと思案する

 

「……そんなに好きならばお前が妹紅とつがいになれば良いではないか」

 

「馬鹿を言うな!女同士で子どもが出来るか!」

 

「知らんのか?なにやらiPS細胞というもので同性の間でも子供ができるらしい」

 

「なん……だと……」

 

「よかったな上白沢、満願成就の日を心待ちにしている」

 

「ふざけるな!そんな事するわけがないだろう!それよりそのiPS細胞とやらは絶対にあの邪仙には言うなよ!」

 

妹紅を狙うあの泥棒猫に知られる訳にはいかないと念を押す慧音

 

「それ詳しく聞かせてちょうだい」

 

「うおー!せーが赤ちゃん作るのかー!」

 

だが遅かった

 

「何処から涌いて出た!?」

 

「涌いたなんて失礼ねぇ!偶々よ!それより今の話を詳しく……」

 

「記憶を無くせ!!」

 

思いっきり放った頭突きが青娥と芳香を気絶させた

 

「すまないバーン!私は少し用事が出来た!呼び出しておいて悪いが私は先に帰る!」

 

そう言うと青娥と芳香を担いで里へ戻っていった

 

「フフフ……」

 

十中八九、妹紅を守る為に記憶を無くすのだろうなと思いながら妖しく笑うバーン

 

青娥が聞き耳を立てているのを知っていたから慧音をあしらう為に食い付くそれらしい事をでまかせで言ったのだ

 

……本当はあるのだがそれはバーンも知らない

 

 

「お前って意外に性格悪いわよね……」

 

呆れながら出てきた幽香が横に並ぶ

 

「まぁ……曲がりなりにも魔族の王だったのだ、良いとは言えんだろうな……お前と同じく」

 

幽香を見るバーンの目が語っていた

 

盗み聞きをしていたお前も良いとは言えんな……と

 

「チッ……」

 

そう言われては何も返せず舌を打つ

 

「帰るわ……」

 

面白くなさそうに踵を返し歩き始める

 

「幽香……」

 

バーンが話しかけるが止まらない

 

機嫌の悪い今の幽香は誰にも止められはしないと思わせる程

 

「元気だったか?」

 

……ピタッ

 

止まった

 

「……」

 

振り向きはしないが幽香は確かにバーンの言葉で止まった

 

「最近、顔を見なかったのでな、気になっていたのだ」

 

恥ずかしげもなく言っているのだろう、見なくてもわかる

 

「顔を見れて安心した、体には気を付けるがいい」

 

どうしてお前は簡単に言える……

 

わかってて言ってるのなら本当に性格が悪い

 

「……ッ!?」

 

だから胸を締め付ける

 

ずっと秘めている想いが抉られるから

 

(……ケリを着けないといけないと、ずっと考えてた、今が……その時なのね……)

 

そう心に決めた時、幽香は既に行動に移っていた

 

「……お前に伝えておく事があるわ」

 

遥かな昔から抱いていた想い

 

幽香が初めて抱いた、バーンにだけ感じたその想い

 

叶わないまでも伝えておきたい

 

「……」

 

ゆっくりと振り向き様にそれは言われた

 

 

「好きだったわ……バーン」

 

 

風が二人の髪を靡かせる

 

幽香はずっとバーンが好きだった

 

あの日、初めて出会い、敗北した日……残ったのは殺意だけだった憎しみ

 

いつか殺すと片時も忘れた事は無かった

 

それが……想い続ける内にいつの間にか殺意は薄まり、中身の無い言葉に変わり、代わりに心が芽生えた

 

恋心

 

それを自覚するのに時は掛からなかったが言えなかった

 

バーンの心は既にレミリアに向いていたから……

 

だから言えずに冷たい態度を取り続けた、言っても結果がわかっているから……

 

「それだけよ……」

 

でもついに言った

 

それは幽香の覚悟の表れ、伝えて完全に諦める為の勇気だったのだ

 

「……嬉しく思う」

 

バーンに戸惑いが感じられる、言われるとは思ってなかったのだ、あの幽香が確実な負けに来るとは信じられなかった

 

「だが余には……」

 

だが言われたのなら返事を返すのが筋、残酷だろうと言わねばならない、バーンにも裏切れない者が居るのだから

 

「言わなくていい……わかってるから」

 

幽香が止める

 

無理には言わせたくなかった

 

好きな人から断りの言葉を言わせたくなかった、聞きたくなかった

 

(今のこいつなら言いかねないしね……)

 

そしてそれ以上に嘘をつかれるかもしれないのが嫌だった

 

例え自分を想ってだとしてもレミリアを裏切る事だけは嘘でも言って欲しくなかったのだ

 

そんなバーンを幽香は見たくなかったのだ

 

「……なら言うまい」

 

そんな幽香の心情を察しバーンは答えを秘めたまま静かに目を閉じる

 

「花は……元気か?」

 

「ええ……元気よ、絆はしっかり咲いてるわ……枯れる事無くね」

 

「そうか、それは何よりだ……それよりも幽香」

 

「……何よ」

 

「いつでもかかって来るがいい、もう地獄でなど夢幻の彼方の約束に成り果てた……お前が望むなら余はいつでも相手をしてやろう」

 

いつでも殺しに来い

 

そうバーンは言って、微笑んだ

 

「せっかく生き返ったのに死にたいなんて……変わった奴ね……わかったわ」

 

二人にしかない変わった絆

 

殺そうとする者と殺される者の言葉だけの合言葉

 

幽香は改めて誓う

 

 

「必ず殺してやるわ……いつか……必ずね……」

 

 

花の様に綺麗な笑顔で……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽香の家

 

「誰がツルペタだクラァ!!」

 

萃香がガバッと上体を起こす

 

「ツルペタは竹林ホームレスとかりちゅま吸血鬼って幻想郷大投票会で決まった……だろ……って……ほえ?」

 

辺りを見回す萃香

 

「ありゃ……夢かい……」

 

寝ていた事を悟り外を見る、外は暗くなって間もないといったところだった、どうやら結構な時間を寝ていたらしい

 

「なんて夢見てんのよ……」

 

声に振り向くとエプロン姿の幽香が皿を持って立っていた

 

「起きたなら来なさい」

 

まだ寝惚け眼のままフラフラ着いていく萃香

 

「なんだい幽香……って、うおーー!」

 

リビングに入った瞬間、机に広がる御馳走に歓声が上がる

 

「座りなさいよ」

 

エプロンを外した幽香が素っ気なく言いながら先に座る

 

「こんな御馳走……まさか私の為に作ってくれたのかい!?」

 

見た目通りの子どもの様にはしゃぐ萃香

 

「勘違いしないで、別にあんたの為に作ったんじゃないわ……作る量を間違えただけ、捨てるのも勿体無いから特別に食べさせてあげるだけよ、感謝するのね住所不定ホームレス……」

 

「間違えたねぇ……」

 

どう考えたってそんな事ある筈ない、全ての品の量が綺麗に二人分なのだから

 

「ツンデレお疲れ様だねぇ」

 

「ぶっ殺すわよ……?」

 

ニヤニヤしている萃香が面白くない幽香

 

「もういい……食べなくていいわ、余ったら捨てるから」

 

萃香の皿を下げ始める

 

「待った待った幽香!ここまでしてそりゃない!こんなの生殺しさ!謝るから食べさせておくれよ!」

 

「ケーキもあったけど仕方無いわね……」

 

「ケーキもだって!?食べたい食べたい!!」

 

「知るか腐れ酒乱……寝させてやっただけ有難いと思う事ね、宿泊料取ろうかしら?」

 

「あーん!許してよ幽香~!私が悪かったからさ~!一緒に食べようよ~!」

 

袖にしがみついて懇願する姿はまるでかかあ天下の家庭を見ている様

 

「ごめんなさいは?」

 

「ごめんってば~!だから食べさせておくれよ~!一緒に食べさせておくれ~!」

 

「……しょうがないわね、そこまで言うなら食べさせてあげる」

 

「よっしゃー!……それにしてもピンクの花柄の皿なんて可愛らしい趣味してるね」

 

「……やっぱり捨ててやろうかしら」

 

二人だけの夕食が始まった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紅魔館

 

「大分マシな料理を作れるようになったな」

 

同じ頃、同じく夕食を食べていたバーン達

 

「はぁ……美味しいって言わせるにはまだまだ精進が足りないわねぇ……またハドラーに習いに行ってこようかしら……」

 

「それもありだろうな、もし行きたいのなら気兼ね無く行ってくるがいい」

 

「行き詰まったらそうするわ」

 

夕食が終わり、移動するまでの一息ついたちょっとした時間

 

「ねぇバーン?少し気になってる事があるのだけど……」

 

「何だ?」

 

「貴方、昼間に慧音と会ってたわよね?」

 

「大事な相談が有ると呼び出されたからな、それがどうかしたか?」

 

「それは別に良いのよ、どうせ妹紅の事だろうし」

 

「では何だ?」

 

「慧音と会ってた筈の貴方から何故か花の匂いがするのだけど……」

 

「幽香に会ったからだろう」

 

「やっぱり……」

 

途端に不機嫌になるレミリア

 

「どうした?何をそんなに怒っておる?少し話しただけだ、何も無い」

 

さすがに告白されたとは言えない、言えば何が起きるか……

 

(良くて大泣き1週間口聞かず……悪くて幽香と殺し合い……)

 

そんなところかと思っていると

 

「やはり芽は摘んでおくべきかしら……」

 

レミリアが暴走しかけていた

 

「バーンは私だけの者なのに……あの泥棒猫……」

 

幽香の想いを知るレミリアからすれば幽香は目の敵なのだ、バーンを取るかもしれない恋敵

 

だから話をした程度でも許せない

 

「……ちょっと懲らしめてくるわ、二度と近付かない様にね」

 

「よさんかレミリア……」

 

宥めるバーン

 

「私が行って参ります!お嬢様……命令(オーダー)を!」

 

片付けをしていた咲夜がナイフを構える

 

見敵必殺(サーチアンドデストロイ)……見敵必殺(サーチアンドデストロイ)よ咲夜!」

 

了解(ヤー)!認識しました……我が主(マイマスター)!」

 

「よせと言うのに……」

 

頭を悩ませるバーンだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽香の家

 

「美味しいねぇ幽香!」

 

「そうね……」

 

こちらも夕食が終わりデザートのケーキを食べている

 

「……」

 

一口食べながら萃香を見る

 

とても楽しそうに笑っているのが良くわかる

 

(別に……バーンが居なくても私は気にしない)

 

宝物を見る様な目で萃香をじっと見つめる

 

(私にも出来たから……要らないと、でも羨ましく思ってた……)

 

かつて強さには不要と吐き捨て、でも憧れたものが今は有る

 

(友が……)

 

今なら良くわかる

 

この幸福感をいつまでも感じたくて、消したくなくてバーンは友の為に幾度となく戦ったのだと

 

(大好きよ……萃香)

 

たった一人でもいい

 

真に友と呼べる者が居るならそれだけで生はより楽しく、強くなるのだ

 

 

「飲もう幽香!今夜は寝かさないよ!!」

 

「しょうがないから付き合ってあげるわ」

 

 

友情とは成長の遅い植物である

 

それが友情という名の花を咲かすまでは、 幾度かの試練、困難の打撃を受けて堪えねばならない

 

 

 

友情の花は枯れない

 

 

 

いつまでも咲き続けるのだから……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




別に百合とかじゃないです。

ちょっとゆうかりんの恋の結末を書きたかったのと萃香との友情を書きたかったのです。

ちなみにゆうかりんのセリフ成分にはバランとベジータが少し入ってます、基本的にシリアスキャラなのでネタ的にはそんなにです、今回は冒頭にネタ入れましたがね!

最後の文は有名な漫画の最終話からです、わかる人にはわかります。

次は妖夢かなぁ……彼女も恋する乙女になっちゃいましたからやっぱりそれになるかなぁ……

次回も頑張ります!
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