「パーティーをしましょう」
紅魔館の主が突然そう言ったのが始まりだった
「何のパーティーですか?」
大妖精が問う
「あら、おかしな事を聞くわね大妖精、何か名目がなければパーティーはしてはいけないのかしら?」
「そういうつもりで言ったんじゃないです……むぅ~!レミリアさん意地悪です!」
「ふふっ、ごめんね大妖精……」
反応が面白くてレミリアは微笑する
「特に理由は無いのだけどね、強いて言えばしたくなった……ってところかしら」
「はぁ~……」
感心した声を出す大妖精
「レミリアさんって定期的にパーティー開いてますよね?それも無料で……どこからそんなお金が出てるんですか?」
「聞きたい?今後の付き合い方が変わるかもしれないけどそれでも良いの?」
「そんなに変な事やってるんですか……?」
「あら心外ね、全然変な事じゃないのに……ただ夜に美鈴と咲夜とパチュリーが男をマッサージしてるだけよ」
「マッサージ……ですか?え……まさかそれって……」
「やってみる?大妖精可愛いからすぐ大人のお友達が出来るわよ?」
「嫌です!!」
見た目はお年頃な大妖精は意味を理解し顔を真っ赤に拒否した
「あらそう残念……まぁ嘘なんだけどね、真っ赤にしちゃって可愛いわね大妖精~!」
「むぅ~!本当の事教えてくださいよ~!」
膨らませた頬をツンツンされる大妖精
「やってるんじゃなくてあるのよ、私個人の貯蓄と初代スカーレットが遺した財産がね」
「どれくらいあるんですか?」
「私個人のは幻想郷の通貨に換算して30万程、遺産の方は500万くらいだったかしらね」
500万とは現在の価値に換算して5億である
「想像もつかないですそんなお金……でも、だから大きなパーティー開いても大丈夫なんですね」
「そういう事、有る者が無い者に分け与える……カリスマの辛い所ね」
「はぁ~……格好いいですレミリアさん……!」
「……そう言ってくれるのは貴方だけよ大妖精……御世辞でも嬉しいわ、ありがと」
「御世辞じゃないですよ!とーっても格好良くて素敵ですよレミリアさんは!」
「もぅ……可愛い子ね貴方は!」
ぎゅ~っとレミリアに抱き締められ嬉しそうな大妖精
「あ、そうだ、大妖精に頼みましょうか」
「何をですか?」
「パーティーに招待する人達に知らせに行って欲しいのよ、招待って言っても幻想郷全てから招くつもりだから全箇所なんだけどね、どう?頼まれてくれる?」
「もちろんです!わかりました!」
「一人で大丈夫?咲夜も付ける?」
「むぅ~!子ども扱いしないでください!一人で出来るもん!」
からかわれて頬を膨らませる大妖精に笑うレミリア
「では行ってきます!」
「頼んだわね」
ピューっと大妖精は飛んでいった
人間の里・寺子屋
「なるほど……よしわかった!私が里の皆を引き連れて向かおう」
まず来たのは人間の里、一人一人に言うのは大変なので里を纏める慧音に相談に来たのだ
「さっき青娥とルーミアも里に来ていた、私が伝えておこう」
「ありがとうございます!よーし!この調子で行くぞー!」
礼儀良くお辞儀をして次へ向かった
命蓮寺
「あら?大妖精ではありませんか、どうしました?」
次は白蓮の元に来ていた
「……わかりました、命蓮寺の皆で向かいますね」
「お願いします!」
命蓮寺参加!
「時に大妖精?」
「はい!なんですか?」
「最近妙な輩を見ませんでしたか?」
「妙な輩ですか?見てないです……どうかしたんですか?」
「最近食料が盗まれているのです、大した量ではないのですけどね、ですが罪は罪……見つけ次第……」
「……どうするんですか?」
「南無三ですね」
「大変な事をするのはわかりました……」
もし見つけたら連絡すると言って次の場所へ向かった
守矢神社
「わかった、妖怪の山へは私が伝えておこう」
「お願いします!」
神奈子は承諾してくれた
「大妖精?」
「なんですか?」
「……今の幻想郷は楽しいか?」
「はい!とっても楽しいですよ!皆もそう言ってます!」
「そうか……私の5年は無駄ではなかったのだな……」
大妖精の笑顔を見てよかったと神奈子は微笑む
「紫へも私が伝えておこう、では当日にな大妖精」
「お願いします!」
神奈子に見送られながら元気良く飛び出していった
「あ!」
途中、妖怪の山で大妖精はにとりと文ともう一人を見つけ降り立った
「クソー……勝てねぇ……」
項垂れるのはもう一人のカメハ、倒れている魔物の手当てをしていた
「まだまだだね!出直してきな!」
「次は勝つからな!」
魔物達とトボトボ帰るカメハを見ながら笑うにとり
「諦めませんね彼」
「そうだね、弱っちぃのに」
「ロビンに勝てるわけないのに……さっさと諦めたらいいんですよ、無駄ですから」
「そこまで言う必要ないだろ!」
「あやや!?」
「あいつはどんどん強くなってる、私もうかうかしてらんない……行くよロビン!」
「ギッ!」
「嫌ってるのか気に入ってるのかどっちなんですかにとり~」
そんな光景を木陰から見て
「えへへ……」
何故か嬉しくなった大妖精は笑いながら次へ向かった
アリスの家
(霖之助さん留守だったなぁ……後でもう一回行ってみよ!)
大妖精はドアをノックする
「おや、大妖精じゃないか」
「霖之助さん!」
出迎えたのは何故か霖之助だった
「どうしてアリスさんの家にいるんですか?」
「うん?いや、まぁ……ね……」
どこか態度がよそよそしい
「あら大妖精じゃない、どうしたの?そこじゃ何だから中に入ったら?お茶くらいだすから」
奥から出てきたアリスに促され大妖精は中へ入った
「へぇ、またパーティーするのね……わかったわ、霖之助と一緒に行くとするわ、良いでしょ?」
「ああ、構わないよ」
二人は来てくれると言ってくれた
「……」
大妖精は不思議な感じで二人を見ている
(とっても楽しそう……)
二人の醸し出す雰囲気が特別で見入ってしまう
「……もしかしてお二人は付き合ってるんですか?」
そう思ってしまった大妖精が聞いた
「そういうわけではないけどね」
霖之助が答えた
「こうなったのは最近だよ、お互い魔理沙に相手されなくなった者同士だからかな……よく話をするんだ」
「本当、そんな感じなのよね……いっそ本当に付き合ってみる?」
アリスが冗談気に言う
「ハハ……それも良いかもね、もう魔理沙は立派に自立してるから僕が見守る必要も無い、そろそろ自分の事を考える時期が来たのかもしれないねアリス?」
「フフッ……そうかもね霖之助」
幸せそうに話す二人を大妖精は羨ましそうに眺める
「あ!まだ行かないといけない場所がたくさんあったんでした!ごめんなさいアリスさん!霖之助さん!私、もう行かないと!」
用事を頼まれていた事を思いだし立ち上がる
「そうか、気をつけていくんだよ……魔理沙によろしく言っておいてくれ」
「またね大妖精」
「はい!お邪魔しました!」
深々お辞儀をして大妖精は次の場所へ向かった
永遠亭
「出来た……私の流派東方不敗の最終奥義!「石破天驚拳」!!」
修行をしていた鈴仙が拳を握る
「奥義って他に何があんの?」
「確か……自分自身が弾になる事だー!とか言って回転しながら体当たりする変態技と舌噛み切るんじゃないの?ってくらい長い技名叫びながら暴行を加える技があった筈よ」
「中二病かな?」
正邪、輝夜、てゐの3人が眺めながら会話している
「もー!何回言ったら覚えてくれるんですか姫様ー!超級覇王電影弾と震天裂空斬光旋風滅砕神罰割殺撃ですよー!」
「あっそう」
「痛過ぎだろ……なぁてゐ?あの今更中二病こじらせた兎、師匠に言って治して貰ったら?」
「無理だよ、中二病は不治の病だからね、月の頭脳でもさすがに不治は無理だよ」
興味無い顔をする輝夜と痛い子を見る様な目をする正邪と僅かな関心すら見られないてゐ達3人はお茶を啜る
「こんにちはー!あ!正邪さんが居る!」
そこへ大妖精が現れた
「久し振り大妖精」
「お久し振りです正邪さん!ちょうどよかったです!」
パーティーの事を伝えると永琳も含め全員参加すると言ってくれた
「そういえば大妖精?」
「なんですか?」
「いえね?最近この迷いの竹林で赤ん坊の泣き声が聞こえる事があるのよ、妹紅なんか言ってた?」
「いえ……特には何も……」
「そう、ならいいのよ、またね大妖精」
「はい!またです輝夜さん!」
大妖精は次の場所に向かう
白玉楼
「是非参加させて貰うわぁ!ね?妖夢?ロン?」
「勿論です!食費も浮いて大助かりですから!」
「ここの出費の8割は幽々子の食費だからな……おい幽々子、一月分くらい食い溜めしておけよ」
3人も参加してくれるみたいだ
「戸締まりはしっかりしておきませんとね!」
妖夢がそう言ったら大妖精が不思議そうに頭を傾ける、そんな当たり前の事を念押ししているのが不思議だったのだ
「この前、妙な輩が侵入を試みたので成敗したところなんですよ」
そう説明する妖夢に続けてロンが言う
「あれは盗賊の類だった、金目当てでやってきたんだろう」
「怖いですね……」
大妖精はぶるぶる震えた
「頂点の一角のお前が何を震えてやがる……まぁ気を付けるんだな」
「はい!ありがとうございますロン・ベルクさん!」
また次の場所へ向かった
博麗神社
「賽銭入れてくれたら良いわよ」
霊夢はさらっと言った
「いやいや霊夢様……それはいくらなんでも……」
無償でと言ってくれてるのに賽銭を寄越せと言う霊夢に呆れながらも宥める靈夢
「良いですよ!」
大妖精が小さな財布からお金を出そうとしている
「ちょちょ!?大丈夫ですよ大妖精さん!霊夢様の冗談ですから!」
「そうなんですか?」
「冗談じゃないわよ」
なーんだと気にせずお金を取り出す大妖精
「純粋過ぎる!?あぁもう!だから大丈夫ですって!」
靈夢は止めるが大妖精はニッコリ笑う
「私はレミリアさんに皆が来る様に頼まれたんです!お賽銭を入れたら来てくれるなら喜んで入れますよ!」
「……霊夢様、罪悪感とか感じません?」
「少しね……あー、大妖精?別に入れなくて良いわ、行ったげるから」
「ありがとうございます!」
やったー!と喜ぶ大妖精、そこに人間化した龍神が現れる
「ハッ……賽銭賽銭って、浅ましい巫女だよまったく、恥晒しなことこの上ないね、あーヤダヤダ!貧乏は心まで廃らせるのか」
霊夢に対し鼻で笑った
「……そういえばあんたベガスとやらでたくさん勝ったんでしょ?」
「うん?そうだよ、1億くらい勝ったかなー、あ、ここでは100万くらいか」
「よし、賽銭に入れなさい」
「……は?」
「聞こえなかったの?賽銭に入れろって言ったのよ」
「おいおいふざけんなよ?僕のお金だぞ?断固拒否するに決まってるだろ?それにここは僕を祀る神社だ、なんで主神の僕が入れなきゃなんないんだよ」
「いいから入れろ」
「ふざけんな!バーカ!」
ドウッ!
その瞬間、霊力が爆発した
「いい度胸だ小僧……」
その身に圧倒的な霊力を纏い、霊夢は立ち上がる
賽銭
その二文字を渇望する箱に与える為に今、巫女は……
鬼と成る
鬼 巫 女 降 臨
全てはただ賽銭箱の為に……
例え、二度と賽銭が入らぬとしても……
「ぬわーーーー!!?」
龍神の断末魔が響き渡る
「……次行こーっと」
何も見ていない大妖精は次へ向かった
太陽の畑
「こんにちはー!」
大妖精の挨拶に花を手入れしていた幽香が立ち上がった
「どうした……」
「どうしたんだい大妖精!」
幽香を遮り一緒に居た萃香が聞いた、その瞬間、幽香の顔が黒く染まった、被せられたのがご立腹らしい
「紅魔館でパーティーするので是非来てください!」
「行く行く!勿論行くさ!ねぇ幽香!」
「……おい」
「ふぎゅっ!?コラ!角を掴むんじゃないよ幽香!」
「……何を勝手に話を進めてるの?」
「アタタ……やんのかクラァ!」
「もうゴングは鳴ってるのよ腐れ酒乱……?」
「上等だツンデレェ……!」
火花散らしながら睨み合う二人
「待ってますね!」
仲良さそうな二人に笑顔で言って次へ向かった
地霊殿
「わざわざご足労ありがとうございました、旧都の一同、是非参加させてもらいますね」
さとりは頭を下げた
「大妖精、これを持っていきなさい」
「わっ!お菓子だ!いいんですか?」
「勿論です、わざわざ来てくれたのですからね、紅魔館の皆で食べてください」
「やったー!ありがとうございますさとりさん!」
「パチュリーに食べられないようにしてくださいね」
「あっ!心を読みましたねさとりさん!」
「ふふっ……さぁどうでしょう?」
「もう……またバーンさんに怒られちゃいますよ~」
「気をつけます、ではまた……」
「はい!またですさとりさん!」
お菓子を持ってルンルン気分で大妖精は最後の場所へ向かった
地獄
「おっ!これは面白い客が来たもんだ!まさか頂点の一人、大妖精が死んだなんてねぇ!どうする?船で行く?それとも自分から川に落ちる?こっちマジオススメ!」
「死んでませんから!」
小町の軽口にプリプリ否定した
「ほいほい!映姫様に伝えとくよ!多分行くと思うよ」
そう言って手に持った鎌をくるりと回した
「格好いい鎌ですね!」
「あんまり好きじゃないんだけどね」
「何でですか?」
大妖精が問うと小町は鎌を前に構えて言った
「命を刈り奪る形をしてるだろ?」
オサレなドヤ顔で……
「?……そうですね!」
大妖精は笑顔で返した
「ありゃ?ビビんないのかい……っかしーねぇ、これが一番ビビらせるって本で読んだんだけどね……」
「だって死神が鎌を持つのは当たり前じゃないですか!」
「あ……そりゃそうか!固定概念だけど一般的にそう認識されてるもんね、普通の事か!」
カラカラ笑って小町は船に乗って戻っていった
「よし!これで全部終わり!レミリアさんに報告に帰ろっと!」
無事に終えた大妖精はふよふよと紅魔館へ戻ることにした
帰り道、迷いの竹林の上空を通った大妖精
「あれ?」
ふと足を止め耳を澄ませる
「泣き声がする……赤ちゃん?」
声が聞こえて足を止めたのだ、どうやら竹林の中かららしい
「なんだろう……」
気になった大妖精は泣き声のする方向へ向かって行った
迷いの竹林
「お願い……!泣き止んで……あいつらに見つかっちゃう……」
竹が生い茂る中でも一際に生い茂った場所で女性は必死に泣く赤ん坊をあやしていた
「お願いだから……」
女性の願いは虚しく、赤ん坊は更に泣き声を高く張り上げる
「……あの~……?」
そこに来たのは大妖精、恐る恐る竹の間から顔を覗かせていた
「!!?」
女性が反射的に赤ん坊を庇い、傍にあった短刀を持ち身構えた
「あっ!違うんです!別に危害を加えようとかそんなつもりじゃないんです!」
両手を振って敵意が無い事をアピールするが女性は構えを解かない
「その……赤ちゃんの泣き声が聞こえたから何かな~って思って……」
暫し見つめ合う二人、そして止まない泣き声
「……ここの住民か」
女性は短刀を下ろした
「ごめんなさいね刃向けたりして、貴方みたいな子に……」
「いえ、いいんです……それよりどうしたんですか?」
そう問いながら大妖精は身なりを観察する、汚れが酷く、傷だらけで体にもキズがいくつか見えるが赤ん坊の方はキズは一切無く汚れも少ない
「この子が泣き止んでくれなくて困ってたのよ……」
赤ん坊を見る女性の顔は酷く疲れていた
「あの……私があやしてみても良いですか?」
そう言って赤ん坊に寄っていく
「……好きにしなさい」
女性も止めなかった、大妖精に邪な考えが無い事を瞳から感じたから好きにさせた
「よしよし!どうしたんですかー?なんで泣いてるのかなー?」
抱き抱えてあやすと赤ん坊の泣き声が少し小さくなった
「怖くないよ、怖くないですよー!」
大妖精が笑顔で笑いかけると赤ん坊の泣き声がピタッと止まった
「おー!偉いですねー!」
「アウッ!」
そして笑った
「あんなにあやしても泣き止まなかったのに……」
女性は驚いた表情で大妖精と赤ん坊を見た
「坊や~よい子だねんねしな~」
「……」
次いで寝かしつける大妖精を見て女性は思っていた
(この子は……きっと純粋なのね、純粋だから赤ん坊も変な気を感じないから安心する……泣き止まなかったのは疲れて荒んだ私の心を感じたからか……)
この小さな子がどれだけ稀有な心の持ち主なのかと
「すぐ眠っちゃいました、泣きつかれてたんですね」
小声で大妖精が女性に言った
「ありがと……助かったわ」
「いえ、気にしないでください、私が好きでやった事ですから」
「そう……ありがと」
疲れた笑顔を見せた女性を見て大妖精も笑顔を見せた
「どうしてこんな所に居るんですか?」
大妖精が問うと女性は遠い目をして小さく頷く
「ちょっとね……色々あって……」
「そうですか……」
「……お金もろくに無くてね、何回か盗みをした事もある、悪いとは思ったけどこの子を守る為には仕方なかって……」
(命蓮寺の食べ物が盗まれたのってこの人が……)
辛い事が起きたのは確かだった、見ればわかる、それから逃げる為に仕方なく彼女は盗みをしてまで赤ん坊を守っていたのだという事はわかった
「例えばですけど……」
そんな心情を察した大妖精
「私はキラキラした飾りなんかはこのネックレスだけで充分で、他に欲しいとは思いませんし盗もうなんて思う人の気持ちはわかりません」
彼女はその気持ちからくる行為を否定しなかった
「でも、大事な人を守ろうとする為にしてはいけない事をする気持ちはよくわかります」
大妖精の身近にも居たから
禁忌の魔獣になってまで友を守ろうとした大事な友達が居た
だから程度は違えどその心がよく理解出来たのだ
「守りたい気持ちは罪じゃありません、もっと胸を張っても良いと思いますよ」
「……盗むのはいけませんけどね」
困った顔で大妖精は笑う
「もし……無事に落ち着く事が出来たら……その時は謝りに行くわ」
「なら今回は黙っておきます、次に来た時は私も一緒に謝ります!だから絶対に来てくださいね!」
「わかったわ……約束する」
「約束ですよ!」
大妖精の笑顔に女性も笑った
「綺麗なネックレスね」
「でしょ!宝物なんです!」
「宝物なら私も持ってるのよ」
女性は懐から指輪を取り出す
「わぁ!綺麗……」
「母から貰った指輪なのよ、良いでしょ?」
「とっても素敵です!」
また二人は笑い合う
「あ、そうだ!」
大妖精は持っていた包みを差し出した
「お菓子ですけど……これあげます!食べてください!」
さとりから貰ったお菓子を差し出す
「……いいの?」
「私がいいって言ったらいいんです!どうぞ!」
「ありがとう……」
大妖精の純粋な優しさに涙が浮かぶがぐっと堪えて笑う
「あ!そうだった!おつかい頼まれてたんでした!」
まだ報告が終わっていない事を思いだし飛び上がった
「また来ますね!今度はお菓子じゃなくてごはん持ってきますから!」
大妖精が帰ろうと浮かぶ
「お名前……教えてくれる?」
「私は大妖精です!皆からは大ちゃんって言われてます!」
「大妖精……大ちゃんね……私は……」
「あっ!次はいっぱい時間がある時に来ますから!その時に教えてください!赤ちゃんのお名前も!」
女性の返事も待たず大妖精は去っていった
「大ちゃん……か……」
残された女性は貰った包みを開け、お菓子を1つ食べた
「いい子ね……純粋で、優しい子……」
傍で寝ている自らの娘に寄り添いぎゅっと抱き締める
「絶対守ってあげるからね……」
竹林の中で親子は静かに眠りについた……
紅魔館
「ただいま帰りました!」
元気良く帰ってきた大妖精はレミリアに走っていく
「どうだった?出来た?」
「ちゃんと出来ました!みんな来るって言ってました!」
「そう、ありがと大妖精……お疲れ様」
「はいっ!」
上機嫌の大妖精はトテトテとバーンの居る場所へ向かう
「バーンさん!」
「どうした大妖精?」
顔を向けたバーンに向かって大妖精は言った
「ちゃんと出来たからご褒美ください!」
無垢な笑顔で笑った
「……簡単な使いをこなした程度ではやれんな」
だがバーンはそっぽを向いた
「むぅ~!いいです!勝手に貰いますから!」
そう言ってバーンの膝で寝転んだ
「どうした、いつになく甘えるではないか……何かあったか?」
赤ん坊の様な仕草をする大妖精に満更でもないバーンが頭を撫でる
「えへへ……内緒です!」
「そうか……」
バーンは小さく微笑んだ
「あー!大ちゃんズルイ!あたいもやるー!」
「そうだよ!ズルイよ大妖精!」
チルノとフランもやってくる
(大妖精……お前の持つその穢れ無き純粋な心、それがお前の強さ、それがあるお前は誰よりも強く生きられる可能性がある……)
バーンは遠い記憶に有る者を思い浮かべ、目を閉じる
(あの竜の騎士と同じ心を持ち……閃光の大魔導士の様な友が傍に居るならば……)
純粋とは透明な水の様なものだ
容易く如何様にも染まってしまう水を維持するのはとても難しい
だがこの水は染まる事はない
愛し愛されているから染まらない
それは終わるその時まできっと……
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
???
「あの女を見つけました」
暗がりで蠢く者達が居た
「よし……機を見て捕らえる、それまでは監視していろ……お前等も大人しくしてるんだな、のされて帰ってきたのと消された幹部達の二の舞になりたくなけりゃな」
蠢く者達は静かに息を潜める
誰もまだ予想もしていない
だが静かにだが確実にその時は近付いていた
最後に起こる悲惨な
逆に考えるんだ、間に合わなくなってもいいや、って……
急いで書いても良い物は出来ないと悟ったので16日にレミリアの話は諦めました。
こうなったのでゆるりと書いていきます。
大ちゃんの純粋さを書きたかったのと短編にならなかった人達の近況も兼ねてのお話でした、純粋とはなんぞや?って感じだったので上手く書けてるかはわかりませんが……
大ちゃん可愛いですねー、二次創作では私的に純粋無垢なイメージがあり、それに連なる可愛らしさを持つ大妖精、なんでモブなんでしょうね……不思議です。
次はフランです、次回も頑張ります!