東方大魔王伝 -夢現幻想-   作:黒太陽

7 / 72
第六話 来訪

紅魔館・中庭

 

「ピィ~ピィ~!」

 

ダイが飛び回っていた

 

 

 

ドウッ!

 

 

 

ぶつかり合う音が聞こえる

 

「せああっ!!」

 

拳が向かう

 

「よっ……と!」

 

拳は受けられる

 

「ラアァァァ!!」

 

連撃を繰り出す

 

「む……むむぅ……」

 

捌けているが反撃出来ない

 

「……!今だ!!」

 

隙を見て渾身の拳を放つ

 

ヒュン

 

「後ろだよ」

 

拳は避けられた

 

ゴウッ!

 

背から勢い良く出た炎翼が背後を薙ぐ

 

「わっと!?」

 

なんとか避けて距離を取る

 

「……ズルいよそれー」

 

口を膨らませる幼女

 

「いやいや……なんでだよ!」

 

何言ってんだと少女

 

「それしたら近づけないでしょー」

 

「お前も弾幕撃てば良いだろ」

 

少女の返しに幼女の口は更に膨れる

 

「それはそうだけどさ……」

 

「……わかってるよ、弾幕や能力に頼らずに勝ちたいんだろ?」

 

少女は幼女の意図を理解していた

 

「でもそれだと私がキツいんだよ……炎無しじゃフランの力と速さに敵わないからなぁ……」

 

「それはわかるけど……あ~……あたしもまだまだだなぁ……」

 

少女は妹紅、幼女はフラン

 

二人は組手をしていた

 

 

「負けた……あたい大ちゃんに負けちゃった……」

 

フラフラと飛んできたのはチルノ、負けて茫然自失している

 

「しょうがないよチルノちゃん!紅魔館を凍らせない様に手加減してたんだから!」

 

後ろから励ますのは大妖精、必死にフォローしている

 

「能力に頼り過ぎるのも問題だなぁ……」

 

妹紅が呟いた

 

もし能力が制限されたり封じられた条件の下での戦いがあったとすれば能力に頼った戦い方をする者は本来の力を出せずに敗北も有り得る

 

それを妹紅は懸念した

 

「……バーンにも言われた」

 

フランもそれはわかっているが自分や妹紅はともかく身体に優れない妖精の二人には難しい事だった

 

「お困りの様ですね!」

 

そこに元気な声が掛けられた

 

「なんだよ美鈴……居眠りしなくて良いのか?」

 

「失敬な!アレは仮眠です!」

 

掛けたのは美鈴、腕捲りをしていた

 

「えっ?また寝てたんですか?……ダイちゃん」

 

「ピィ?」

 

「もう1回体当たりしよっか!」

 

「ピィ!!」

 

「……良いですよ」

 

美鈴は狼狽えずに受けた

 

「……ダイ」

 

その目が冗談では無いと感じた妹紅はダイに告げる

 

「やってやれ!」

 

「ピィィ!!」

 

呼応したダイが体を硬化させる、初めて美鈴に体当たりを食らわせた時から任意で出来るようになっていた

 

「いつでもどうぞ」

 

流れる様に動いた体は構えを取る、右腕を前に突き出して

 

「ピィ!!」

 

そしてダイは突撃した、美鈴に目掛け一直線に

 

「……」

 

だが美鈴は動かない

 

「当たる……!」

 

妹紅はそう思った、目の前まで迫ったダイに美鈴は体をピクリとも動かしていなかったから

 

 

スゥー

 

 

「ピィ!?」

 

ダイは驚いた、目の前に誰も居なかったから

 

慌てて止まったダイは振り返る

 

「こっちですよ~」

 

遠くで美鈴が小さく手を振っていた

 

「凄い美鈴!何今の!通り抜けたみたいだったよ!」

 

「何が起きたの?」

 

「わからないよチルノちゃん……」

 

フランがはしゃいでいる、チルノと大妖精は首を傾げていた

 

「軌道を逸らしたのか……」

 

妹紅は何をしたかわかっていた

 

「そうです」

 

振り向きながら美鈴は言った

 

「ほんの少しだけ力の向きを変えました……こんな風に!」

 

スゥー

 

ドスッ

 

地面にダイがめり込んでいた、終わりを言われていないダイはまた突撃して来たのだ

 

「あ、ごめんなダイ……もういいよ」

 

「ピィ……」

 

早く言ってと言いたそうにダイは体当たりをやめた

 

「手を使って力の向きを変えた訳か、最小限の動きで……」

 

ダイに付いた土を落としながら妹紅は答えを言う

 

「そういう事です、ただ力や速さがあれば良いものじゃないって事ですね」

 

「なんで前の時は出来なかったの?」

 

得意気に語る美鈴へフランが聞いた

 

「あの時は……恥ずかしいですが油断です、まさかそんな力と速さがこの子にあるとは想像もしてなかったんです……まだまだ修業不足です……」

 

そう、これが本来の美鈴の実力、その気になった美鈴の体術は並のそれとは一線を画する、ダイ程度の体当たりなど今の様にいなすのは容易に可能だった

 

「確かに凄いよ美鈴、でもなぁ……」

 

凄さは認めるが問題があった

 

「私やフランはともかく二人は出来るのか?」

 

問題は妖精の二人が出来るかどうかだった、その神業とも言えるそれを

 

「速さを見極めてそれに合わせれる動きが出来て更に流す力の配分も間違えない、弱いと逸らしきれずに受けるし強いと自分の手も痛める……そもそもそんな事出来るのは美鈴と妖夢くらいじゃないのか?」

 

「そうですよ」

 

「へ?」

 

予想と違う答えに妹紅は驚いた、だから修業ですと言われると思ってたからだ

 

「当然じゃないですか、これは私や妖夢さんだから出来る事です、それを少し修業した程度で出来る筈がありません」

 

「……つまり?」

 

「向き不向きは誰にでもあります、ですからそれを無理に埋め様とするのは総合的に弱くなる事になりかねません」

 

「補おうとすると長所を殺しかねないって事か」

 

「そういう事です、二人が格闘が出来る様になったとしてもそうなれば格闘と能力の使用に迷ってどちらも中途半端になりかえって弱くなります」

 

「でもやっぱり能力が封じられたらヤバイだろ?」

 

「そんな時の為に私達がいるんです!それを得意とする人が補えば良いんです!」

 

「助け合いか」

 

「そうです、つまり私が言いたい事は……」

 

「……今のまま得意とするモノを磨くのが一番って事か、ダメなら助け合うか」

 

そう結論が出た、各々の得意とする箇所を鍛えるのが最良だと

 

「バーンさんは例外ですけどね……」

 

「あぁ……力はフラン以上魔法はパチュリー以上だもんなぁ」

 

「武術こそ素人ですがそれを補う力と速さに魔法……そしてそれらを状況に応じて有効な選択を取れる知識と経験……ハッキリ言って化物です」

 

「だな……やっぱりバーンは凄いよなぁ」

 

皆は改めてバーンが如何に強かったかを再確認するのだった

 

 

 

「ピィ~!ピィ~!」

 

「どうしたダイ?そういやさっきもなんか言ってたけど」

 

「ピィ~~!」

 

「もしかして暇なのダイちゃん?」

 

「ピィ!」

 

大妖精の問いにそうだと言った

 

「最近修業ばっかりだったからな……」

 

ここ1週間ばかり皆は修業ばかりしていたのだ、強くなろうとする4人はそれが楽しみでもあるから良いが強くなろうとも、それどころか戦闘をしないダイからすれば退屈以外の何物でもない、精神的に子どもの様なダイにすれば尚更だった

 

「よし!」

 

妹紅はダイを頭に乗せる

 

「遊びに行くか!どこに行きたい?」

 

修業を止めて出掛ける事に決めた

 

「ピィ~……」

 

ダイは唸る、悩んでる様だ

 

「人里に行くか?慧音の顔も見ときたいしさ」

 

「ピィ!」

 

ダイは鳴いた、良いよと言ってる様だ

 

「じゃ決まりだな!」

 

「あたいパス~」

 

「落ち込まないでチルノちゃん!」

 

「あたしも眠いからやめとく~」

 

「あいよ~、大妖精はどうする?」

 

妹紅が聞くと大妖精はチルノに見えない様に手で×を作った、励ます為に残るみたいだ

 

「よし行くか」

 

4人の見送りを受けて二人は人里へ向かっていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妖怪の山

 

森の中から歌声が聞こえてくる

 

「怒りの鉄拳!正義の鉄拳!悪を打ち砕くために♪ 」

 

「爆裂弾幕!炸裂弾幕!思い切り喰らわせるさ♪」

 

「希望の鉄拳!願いの鉄拳!笑顔取り戻すために♪」

 

陽気な声が機械音と共に聞こえる

 

「強いマシーンだ……非想天則~♪」

 

幼女が機械に乗って歌っていた

 

「……!」

 

幼女は機械を止める

 

「……なに?気持ち良く歌ってたのに」

 

止まるとそう言った

 

『いい加減決めてくれんか?どれだけ待っていると思っている……』

 

「嫌だね、まだ何にするか決めてないから待ってなよ」

 

『しかしだな……』

 

「なら前に言った願いを叶えてよ」

 

『……それは出来んと言っただろう』

 

「なら黙ってなよ、その内適当に決めるから」

 

『ぬぅ……良いだろう』

 

声は消える

 

「ふん……」

 

幼女は面白くなさそうに機械を進ませる

 

(使えない……)

 

不機嫌になっていく

 

(偉そうにして出来ないなんて……ほんとにアイツ、か……)

 

「こんにちはにとり」

 

挨拶が遮った

 

「文……」

 

挨拶をしたのは文、首に目立つ緑のマフラーを着けている

 

「なんか……えらく変わりましたね、また改造したんですか?えーと……」

 

「キラーマシンtype非想天則だよ、長いからロビンって呼んでるからそう呼んでよ」

 

「ロビンですか……」

 

文はロビンを見上げる

 

ロビン、バーンがにとりへ贈った機械の魔物

 

元は普通のキラーマシンなのだがにとりの度重なる魔改造によりそれはもう素晴らしい姿になっていた

 

全長は元のキラーマシンの数倍、サーベルとボウガンのみだった外付け武器も重火器を装備するまでになった

 

さらに妖魔学士にとり特製の秘密装置も備えている

 

それは既にマシンを越え、マジンガを超越し、スーパーすら霞む最強の機械になっていた

 

 

「凄いでしょ!でも改良の余地はまだまだあるからもっと強くなるよ!」

 

「ハハ……それはそうとにとり」

 

軽い狂気を感じた文は苦笑いしながら聞く

 

「さっき誰と話してたんですか?」

 

先の会話の相手を聞いた、文には聞こえていたのだ

 

「……ロビンだけど」

 

無表情でにとりは答えた

 

「……そうですか」

 

文は納得した様に見せる

 

「じゃ私は行くよ」

 

「わかりましたにとり……」

 

ロビンと共に森へ消えるにとりを見送った文は動かない

 

(……ロビンが喋れる訳ありません、にとりが機械に命令以外で話し掛ける事なんて今まで見た事がありません……)

 

(それに妙に不機嫌な時があります……何故かはわかりませんけど……)

 

(確かあの時からでしたね……何かの大会……しもふりの大会でしたっけ?)

 

頭を捻るが思い出せない

 

「聞きたいですけど……怒らせてロビンに追い回されるのは勘弁ですしねぇ……」

 

文は浮かび上がる

 

「任務でもしますか……」

 

メモ帳を開きながら更に浮かぶ

 

(って言っても手がかりすら無いのが現状なんですよね……心配いらない思うんですけど……天魔様も心配性ですね)

 

山の遥か上空で止まる

 

(どこに行ったんでしょうか守矢の人達は……)

 

文は幻想郷の空へ消えていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人間の里・寺子屋

 

「生きてるか慧音」

 

「当たり前だろう妹紅」

 

妹紅は慧音と会っていた

 

「ピィ!」

 

「久しぶりだなダイ!元気そうで嬉しいぞ 」

 

ダイを持つと慧音はじっとダイを見つめる

 

「なぁ妹紅……」

 

見つめながら呟く

 

「やっぱりダイを私にくれないか!?」

 

顔を上げた慧音が願う

 

「可愛い……頼む妹紅!」

 

慧音はダイをかなり気に入っていた、その愛くるしい姿にハートを射ぬかれていたのだ

 

「いや……頼まれてもな……」

 

困った妹紅、慧音にあげたくないので困っている訳ではない

 

「だってさダイ、どうする?慧音の所にするか?」

 

「ピィィ!!」

 

ダイは激しく頭を振った

 

「て訳だ、悪いね慧音」

 

「ぬぅぅ……仕方ない、諦めよう……」

 

妹紅は笑った、ダイが行かないと知っていたから困ったのだ、勝ち目の無い慧音に困ったのだ

 

「それでどうしたんだ?」

 

「顔を見に来ただけだよ、どうだ里の方は?」

 

「心配せずともいつも変わらず平和だ、寺子屋は……少し困ってる」

 

「どうしたんだ?」

 

「生徒がバーンの写真を見せろとうるさくてな……」

 

「見に行けば良いだろ?」

 

「そうは言うが……紅魔館だぞ?」

 

「あぁ……確かに子どもには怖い場所だよな、と言うか吸われる」

 

「だろう?私が引き連れて行ってもあのレミリアが許すとは思えないしな」

 

「私が頼んでも無理だろうな……これはまた別の話だしさ」

 

「……そこでだ妹紅」

 

急に慧音の顔が更に困る

 

「バーンの写真を持ってきてくれないか?」

 

「写真を?」

 

「頼む!そうでもしないと暴動が起きてしまう……それは防がないといけない!」

 

「いやいや大袈裟だろ……」

 

「大袈裟なものか!見ろこれを!」

 

洋服棚から一着の服を持ってきて妹紅に見せる

 

「こんなものを着せると言ってくるんだぞ!」

 

「これはまた……」

 

それは水着だった

 

水着なのだが面積が非常に少ない

 

例えるならあぶない水着とでも言うのだろうか

 

「こんなもの着れるか!私は教師だぞ!まったく……」

 

「……」

 

ブツブツ文句を言っている慧音を他所に妹紅は水着を凝視していた

 

(……慧音ぐらいスタイルが良ければ似合うんじゃないか?いや似合う!間違いない!)

 

「聞いているのか妹紅!」

 

慧音の声に妹紅は顔を上げる

 

「慧音……写真は見せたくない……」

 

「!?何を言っている妹紅!」

 

妹紅の返事に慧音は驚愕する、見せられないではなく見せたくない、だったから

 

「本当にすまない……これも運命だと思って諦めてくれ……別に見たいとかそんなんじゃない」

 

そうは言うが妹紅は嫌らしく笑っていた

 

「妹紅……き、貴様……!?」

 

「いやぁ残念だ、本当に残念だ……あっ!文にも連絡しとくか!」

 

「なんだと!?私を幻想郷から追い出すつもりか!?」

 

慧音は本気で焦る、もし文に知られてしまうと四六時中張り付かれてその時を待つだろう、そうなれば逃げ場は無い、そして撮られてしまうと間違いなく新聞に載る、載れば皆が見る、それはつまり幻想郷に生き恥を晒すことになってしまうからだ

 

「そ、それは勘弁してくれ!何でもするから頼む!」

 

「ん?」

 

「頼む!」

 

「今……何でもするって言ったか慧音?」

 

「あ、あぁ……」

 

「じゃあやめようかな、ついでに写真も持ってこようかな」

 

「本当か!」

 

「だが断る」

 

「!?!?」

 

慧音は竦み上がった、そのまさに外道な行為に

 

「アハハ!冗談だよ慧音!なぁダイ!」

 

「ピィ!」

 

妹紅とダイは笑った

 

「洒落になってなかったぞ……」

 

慧音は一応安心した

 

 

 

妹紅等がそんな他愛の無い事を話していた時だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幻想郷・僻地

 

 

ブゥン

 

 

空間の裂ける音が聞こえた

 

「ここですか……」

 

スキマより出てくる者が居た

 

「これが幻想郷……」

 

景色を見渡しながら呟くのは男

 

地獄の帝王

 

来てしまったのだ、幻想郷に

 

(特別何かが有るとは思えない場所です……いや……)

 

何かを感じる男は更に周囲を見回す

 

(……あの八雲紫と神が居た場所です……思わぬものを見つけられるかもしれません、腕輪の代わりの様な物をね……期待しましょうか)

 

男は合図を出す

 

「どうされますか帝王様?」

 

「何なりと申し付け下さい」

 

衣を纏う者と黒衣の執事がスキマから現れる

 

「まずは情報……この地の情報を集めてください」

 

「帝王様はどうされますか?」

 

「私は私で探索します」

 

「でしたら私がお供します」

 

「構いません、スキマもあります……何かあっても問題ありません、では頼みましたよ」

 

「「ハッ!」」

 

命令を受けた二人は直ぐ様行動を開始し幻想郷に散る

 

「……さて」

 

男は宙へ浮かぶ

 

(気になるのはやはり7人……いえ、今は6人でしたか)

 

用意した黒いフードを身に纏う

 

(あの娘の話では奴隷より強いと言っていましたが……何分未熟ですので信憑性に欠けます、ですが……本当に強いなら……)

 

宛もなくゆっくりと飛びながら

 

(支配したいですねぇ……)

 

狂喜の笑みはフードでも隠しきれない

 

 

「何者だ!」

 

 

背後から声が聞こえた

 

「……私ですか?」

 

ゆるりと振り向く男

 

「お前以外に誰が居る!怪しい奴め!」

 

男を呼び止めたのは白狼天狗

 

犬走椛

 

文と同じく守矢の探索をしていた所で男を見つけたのだ

 

(……なるほど、見た目はあの娘と変わらない様に見えますが確かに異形……外見に似合わない力を持っていますね、妖怪……八雲紫の様な者ばかりと思いましたがこんな半妖の様な姿の者も居るのですね)

 

興味深く観察する男、武器を構え威嚇する椛にも動じない

 

「聞いているのか!」

 

何も答えない男に怒鳴る椛

 

「……」

 

「お前を妖怪の山に連れていく!逃げても無駄だ!」

 

「……」

 

威勢良く告げる椛だが男は喋らない

 

「聞こえているだろう!返事をしろ!」

 

武器を男に突きだし返事をする様に促す

 

ブゥン

 

「聞こえてますよ」

 

「!?」

 

椛は驚愕した、目の前から男が消えて背後から声が来たから

 

ドスッ

 

「ぐ……あっ……」

 

振り向くと腹に激痛が走った、男の剣の柄で腹を打たれたのだ

 

ガシッ

 

「失礼、少し考え事をしていたのです」

 

 

ブチ……ブチッ……

 

 

髪を掴み面を上げさせる、無理矢理引っ張ったせいで髪が何本も引き千切られる

 

「あうっ!?うぅ!?うぅぅぅぅ……!?」

 

呻く椛、男の不意打ちに加えられた攻撃に身動きが取れない

 

「少しお聞きしたいのですが……この地で強いと呼ばれる者は何処に居ますか?」

 

「誰が……話すものか……!」

 

「わかりました」

 

スッ……

 

男の手が椛の胸に当てられる

 

「メラミ」

 

放たれた火球は椛を吹き飛ばし離れた場所で燃え上がらせた

 

「この……程度でぇ!!」

 

炎を吹き飛ばそうと妖力を高めようとする

 

「イオ」

 

ズドドドドド!!

 

追い撃ちされた大量のイオが椛を襲った

 

「がっ……ぐ……あ……ぁ……」

 

爆煙から椛が落ちていく

 

「……別に情報は集まりますし、小さい世界……探せばすぐに見つかるでしょう」

 

ボウッ

 

トドメのメラミが椛に撃たれ、直撃する

 

椛は炎に身を包まれて落下していく

 

(……死にましたか?)

 

遥か下へ落ち、目視出来ない男は死に疑問を持つ

 

(まぁ良いでしょう、あれでは生きていても重傷、それにここは人気の無い場所……捨て置いても問題ありませんか……)

 

だが確認はしなかった、それは椛の力量を知った知識と人気の無い状況がそうさせた

 

(フフ……愉快です……)

 

狂気は狂喜となり男を笑わせる

 

(しかし……)

 

だがすぐに笑みは消えた

 

男は狂喜と同時に幻想郷に別のモノを感じていたからだ

 

(何か……因果を感じます……私に近い何かの……)

 

幻想郷全体から朧気に感じる何か、それを男は感じていた

 

(この因果に出会った時……それが私の夢の始まり……そんな気がします)

 

男は幻想の空へ消えていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夢の侵略は今……目に見える段階になっていた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




帝王来訪!

また少し物語は進みました、幻想郷最初の犠牲者は椛、妖怪の山の者、あのキャラが関わるかもしれません。

最近バーン様の出る小説を見ました、やはりと言うかやっぱり上手いですね、バーン様を表せていると感じます、私のバーン様と比べるとあぁ凄いなぁって思います。

次回も頑張ります!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。