某時刻八神家
長期に渡って調査していた難事件をやっとの事で解決し自体を収集し、管理局本部に報告する為の書類を纏め終わった。
明日早くに提出し今日は早くこの疲れた体を休めようと思い帰宅した訳だけど。
「ただいま〜…なんて言うてもみんな仕事で家には居らんのやけどなぁ。」
そう、何の因果かは分からないが生憎と家族は皆急に入った事件や、抱えている調査の為に出払っていた。
「うぅ〜。なんやしゃーない事やとはわかってても…疲れた私を迎えてくれる子が一人も居らんのは寂しいなぁ」
なんてここには居ない家族の事を思い寂しさを募らせる。
「はぁ…ほんま疲れとるみたいやな。こないな事考えるなんて…今日はもう寝てまお……」
これ以上起きていたら募る寂しさと、抱えてた事件の自分への不甲斐なさとでぐるぐる巡る思考と、痛み出した頭がどうにかなってしまいそうだった。
今回の事件は、あるテロ組織により起こされた事件の調査と、それに伴い便乗した犯罪者集団の組織化を事前に防ぎテロ組織の解体。
テロ自体は良くある事件だが、規模が規模だけに被害も増大で集結させるのにも随分と時間を要した。
(私がもーちょいしっかりしとったら…もっと多くの命救えたんやないやろか…)
良くあるテロ組織の引き起こした事件。
規模は相当のものではあったが、どうしてもあの時ああすれば、ああしていればと思うのを止められる気がしなかった。
(私はいつも後悔してばっかりや…あの子の時だってそう、私がもっとしっかりしていればあの子は消えんくても済んだんとちゃうやろか…)
後悔した所でもう戻ってはこないと分かってはいても、一人でベットに入り暗闇と静寂に包まれた部屋、強まる頭の痛みと倦怠感でどうにもネガティブ思考になってしまうのを止められない。
(ああ…あかん。今日はとことんお疲れモードみたいや……こういう時は早く寝てしまうに限る)
止まらない思考を無理やり散らし寝やすい体制に変えて眠りに就く。
疲れていた体は直ぐに睡眠を欲し数秒も立たないうちに部屋にははやての寝息が聞こえるだけとなった。
某時刻魔法学園広場
「我が導きに応え姿を表しなさい!」
ピンクブロンドの美しい長髪を風に靡かせて少女が杖を振り下ろす。
それと同時に起こるは地面を揺るがすほどの爆発。
「げほっ!ごほっ!…いい加減にしろよ!!ゼロのルイズ!何度失敗すれば気が済むんだ!!」
「そうよ!まったく…いくらやったってゼロに魔法が使えるわけ無いでしょ!!」
「ああ!僕の可愛い使い魔を知らないかい!?今の爆発で何処かに飛んで行ったみたいなんだ!」
爆破を引き起こした少女から離れて見ていたであろう少年少女達が、爆風に巻き込まれて煤けた服を整えるのも忘れ、避難の言葉を浴びせる。
「うるさいわね!これは…ちょっと失敗しただけよ!!今にも使い魔を召喚してみせるんだから!!!」
「なにがちょっと失敗しただよゼロのルイズ!君がいくらやった所で成功なんかするはず無いだろ!」
「…っ!」
(そんな事…分かってるわ。いくらやっても成功しない魔法、どんなに頑張っても起きるのは爆発。でも…私は諦めない、諦めるわけにはいかないんだからっ!)
「ミスヴァリエール心苦しいがそろそろ日も落ちてきた。貴女が真面目で生勉なのは知っています。ですが幾度もの魔法行使で疲れたでしょう。学園長からは私が後日召喚の儀を再度させてもらえる様頼んでおきますので今日の所は…」
爆発でふっ飛ばさっれたのか前よりも乏しくなった頭部を擦りながら男が近づいて来て言う。
「だ…大丈夫です!ミスタコルベール!!私はまだやれます!ですから…あと少しだけっ!」
「そうは言いますがミスヴァリエール…私もこの後次の授業の準備などをしなければなりませんので」
「それなら、あと一回。一度でいいのでやらせてください!」
ピンクブロンドの少女の必死の様子に折れたのか、男性は次で最後ですよといって少し離れたところへ移動した。
その姿を見届けた少女は広場の中心に向き直ると高々に杖を掲げた。
(大丈夫だ、集中しろ。次が最後…必ず成功させる!)
瞳を閉じて精神を集中させる、周りの雑音も聞こえなくなるくらいに。
息を大きく吸い、ゆっくりと吐き出す。
それを数度繰り返す。
幾度かやって落ち着いたのか少女は言葉を紡ぐ。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ルブラン・ド・ラ・ヴァリエール。神聖で美しい我が使い魔よ私は心より求め訴えるわ!我が導きに応え姿を表しなさい!」
紡ぎ出された言葉と振り下ろされた杖の向かう先は_________