途中で飽きたのは内緒、今日は仕事が早く終わったので良かったです。
ささやかなお祝いも出来ました。
諸事情により今回はキーボードを変えたので、誤字が多いと思います。一応簡単に見なおしてはいますが。
それでは続きどうぞ。
Side_____H
「それじゃここが私の部屋だから、覚えておいて」
大人しくルイズの後へ付いて行くと、案内されたのはこの学院でルイズに割り当てられた部屋らしい。
ルイズが扉を開け中へ入り続けてはやても入室した。
「お邪魔しま〜す」
中に入ると一人で過ごすには十分過ぎる程の部屋の中央に、天蓋付きの大きなベット、そして入り口とベットとの間に椅子と机が配置されていた。
「はぁ〜。大きなベットやね…」
(これならヴィータやリィンと一緒に寝ても余裕がありそうやな。…今頃私の騎士達はどないしてるやろか。急に居なくなったから心配してるやんなぁ…)
家族に何も伝えられぬまま見知らぬ地へと飛ばされ、目の前の少女、ルイズと使い魔の契約を結んだのは良いものの…。
(帰ったら怒られるやろうなぁ…それに仕事も投げっ放しみたいな感じになってしもうた。せめて通信が繋がれば良かったんやけど、生憎全然繋がらへんし…)
家族や自分の立場を考えたら、本来ならルイズと使い魔の契約を結ぶのは良くない事であることは分かっていた。何時帰れるともしれぬ状況で見知らぬ土地…不安が無いとは言い切れない。だが…例え偶然でも自身の前に現れた召喚のゲート、そしてゲートに入った先で出会ったルイズ。
広場でコルベールが言っていた事を思い出す。
(互いに必要とする者同士が選ばれる、か…)
選ばれた理由はまだ分からないが、自身に使い魔の契約を頼んで来たルイズの表情を見たら…断る事なんて出来なかった。不安と期待と少しの恐怖。
例えどんな理由でも少しでも悲しみを減らすのが自身の夢。あの場で断っていたらルイズは悲しんだであろう。出会って間もないが悪い子には感じられなかった事もあり、ルイズの悲しむ顔は見たくなかった。
(闇の書の時も偶然選ばれただけやった、それでもそのお陰で私は大切な家族が出来た。悲しい別れもあったけど、あの子は最後は笑って逝ってくれた。)
今回の使い魔の件もきっと、闇の書事件の時と同じ位もしくはそれ以上の大きな出来事が起こる気がする。
長年培ってきた調査官としての感がはやてに告げる。
(なにはともあれ、選ばれてしもうたからには精一杯の事をやるだけや!)
帰る方法が見つかるその時までは、この少女の支えになろう。そう決意したはやて。
「ちょっと、なに入口付近で突っ立て居るのよ。今後のこと話すから早く座りなさい」
ルイズに促され慌ててベットに座るルイズの目の前にある椅子に腰かける。
「さて…それじゃ先ずは使い魔について説明するわね」
そう言われ真っ先に思い浮かぶのは自身の親友の一人である金髪の女性の使い魔。
(ここでの使い魔の定義が変わらなければ主を守るのが主やと思うんやけど。ここの人達がどんな魔法を使うのかとか、どんな魔物が居るのか分からないと、護りぬく自身はないなぁ…)
後方残滅型支援の自分が接近戦等に持ち込まれたら、勝てる見込みは格段に低い。
「使い魔には大きく3つの役目があるの。一つ目は、使い魔には主人の目となり耳となる能力が付くわ」
「目となり耳となる?て事は私が見たものや聞いたことはルイズちゃんにも見聞きできるっちゅうことなんかな?」
(聞いたものはまだ良いにしても、見たものがルイズちゃんにも見えるんは、流石に勘弁してほしいなぁ。あ…でも、私も騎士達の考えを読もうと思えば読めるし、人の事は言えんなぁ)
自身の騎士達との繋がりを考え、若干の恥ずかしさはあるものの納得するはやて。
「うーん…でも駄目ね。私にはハヤテが見ているものは見えてこないし聞こえないわ。やっぱ人間だと効果が付かないのかしらね」
試した結果見えないと言うルイズに、つい安堵の溜息をつく。
「それじゃ、2つ目ね。使い魔は主人の求める秘薬や素材を採ってくるんだけど…」
「私は素材の種類もある場所も分からんよ?土地勘皆無や!」
少し胸を張って言ってみた。
「それは胸を張って言うことじゃないでしょ!まあいいわ、私も別にポーションとか作らないから必要ないわ」
軽く怒られてしまったようだが、素材を集めなくても良いと言われまたも安堵する。
「それで3つ目!これが一番重要なんだけど…主人を守る。まあ、ハヤテには無理よね」
「せやね〜。出来なくも無いけど…私にはちょお無理かもしれんな〜。簡単な魔物くらいなら行けるかもやけど…」
自身の魔法を考え、未知の地での魔物の事を考えまだ確信するには早いと感じ、簡単な護衛くらいなら出来るとルイズに告げる。
「簡単な魔物って、ハヤテは平民でしょ?魔法も使わずどうやって魔物を倒すのよ」
(ん?もしかしてこの世界では魔法が使えない者を平民。使える者が貴族なんかな?別に隠す事でもないけど…)
言うか言うまいか悩んでいた時ふと、何故ルイズはこうも自分を平民というのか気になった。
「質問で返す様で悪いんやけど。なんで私の事を平民って言うん?もしかしたら貴族かも知れんやん?」
「はぁ?だってあんたマント付けていないじゃない。貴族ならマントと杖を身に着けているものなの!そんな事も知らないなんてやっぱりあんた平民でしょ。どんだけ田舎の方から来たのよ…」
そう言うとはぁ…と溜息をつくルイズ。
(なる程、マントか〜。杖ならあるけどマントは無いもんな)
そう言えば広場にいた生徒達もコルベールと言う先生もマントを身に着けていた。
「別に田舎から来た訳ではないけど、取り敢えず私は平民でも貴族でもないで」
「それはさっきも聞いたわ。でもそんな国、私が知っている限り存在しないわよ。あの野蛮なゲルマニアでさえ貴族制度はあるんだから!」
また新たな国の名前が出てきて思わずはやては、ゲルマニアについてルイズへ尋ねる。
「そのゲルマニアって言うんはどんな国なん?」
そう言った途端ルイズは信じられないと言ったような顔ではやてを見つめる。
「あ…あんたねぇ!貴族について知らないだけでなくともゲルマニアも知らないなんて!!」
「ついでに言うとトリステインについても知らんのやけど」
火に油を注ぐとはこのことを言うのだろう。はやての言葉を聞いたルイズは爆発した。
Side_____R
ハヤテを連れて自室に戻り、使い魔についての説明をしたまでは良かった。
正直言って契約を結んで貰えると思っていなかったので、すんなり了承してくれたハヤテに、これなら今後もこの使い魔と上手くやっていけるだろうと考えていた数刻前の自分を諭したい。
「出来たばかりのゲルマニアを知らないのはともかく、歴史あるトリステインを知らないなんて!!あんた家から出た事あったの!!?」
「そんな人を引き篭もりみたいに言わんといてや〜。ちゃんと家から出た事はあるで、寧ろ家にいる方が少なかったかな」
緩やかな笑顔でそう言うハヤテ。でも家から出たとか出てないとかこの際どうでもいい。
「そんな事どうでもいいわ!大体あんた一体どこから来たのよ!!」
「それはな…」
どこから来たのかという私の質問に対し、何故かハヤテは深刻でそれでいて真剣な顔になって私を見つめる。
真っ直ぐと見つめる深い夜空のような瞳に吸い込まれ、先程まで募っていた怒りが振散してゆく。
「それは?」
出会ってから見たことも無いような深刻な表情に、もしかして何か世間知らずになってしまうような環境にいたのかもしれない。
(幼い頃に誘拐されて今まで閉じ込められていたとか…少なくない事例だし)
そんな事を考えてしまい悲しい気持ちになりながらも、ハヤテの言葉の続きを待つ。
「実は私は……。異世界から来たんよ!」
きりっとした表情。硬く結んでいた唇から紡ぎ出された答えは、全然まったく予想していなかった答え。
「ごめんなさい、ちょっと耳の調子が悪かったみたいなの…。もう一度言ってもらえるかしら?」
自身の唇が引きつく感覚を感じながらも、ルイズはもう一度ハヤテへ問う。
「せやから私は異世界から来たんよ!」
(どうしよう、予想外にこの使い魔は深刻だわ。早急にヴァリエール家お抱えの医者に見せた方が良いかしら)
自信満々に告げられた答えにルイズは己の使い魔の頭を心配した。
Side_____H
「ふぅ…取り敢えず明日やる事は決まったわ。医者に見せに行くことから始めた方が良いみたいね。それじゃもう遅いし、それ以上頭に異常をきたしても困るから早く寝ましょう」
異世界から来たと告げたルイズの反応は予想以上に辛辣なものだった。
「いや、まあ気持ちは分かるけど私は正気やで?気が触れてるとか厨二病だとかは発症してへんで?!」
「そうは言うけどハヤテ…いくら何でも異世界から来たなんて信じられる訳無いでしょ?そこまで言うなら何か証拠を見せなさいよ」
証拠を見せろと言うルイズにしばし考え、確かここへ来る前に関わっていた事件の資料があったはず。
その資料の中には一般の街の様子が映っていたはずなのでその部分だけ見せれば良いだろうと、端末を開く。
「!?ハ…ハヤテ!?何それ、なんかのマジックアイテムか何か!??」
はやての目の前に展開されたウィンドウを指さしながら狼狽するルイズ。
「いや…これは私のいた世界では一般にも普及されている簡単な端末やで。これで遠くに居る人とかと連絡を取り合ったり、簡単な映像や記録を残して置けるんよ」
簡単に説明している間に目当ての映像を探し当てたはやては早速ルイズへ見せる。
映像には高層ビルが立ち並び一般の人達の生活の様子が映しだされていた。
「なにこれ!?鉄の箱みたいなのが動いているし、この建造物一体どんな名のある土メイジが作ったのよ!!」
「動いている箱は車って言うてな、これを使えば遠くへ行くんも楽になるんよ。それとビルを建てたのは一般の大工さん達でメイジでは無いよ」
心底驚愕しているルイズに微笑みながら疑問に答えていく。
「これで少しは信じて貰えたかな?」
「正直まだ信じられないけど…でもこれを見たら少しは信じるしかないわね。こんな光景私は見た事無いもの」
未だ画面を食い入る様に見ているルイズ。
(少ししか信じて貰えへんのはあれやけど。まあ、急に言われても異世界なんてそうそう信じられへんわなぁ〜)
初めて騎士達とであって意識を失った幼き頃の事を思い出す。
(懐かしいな〜。それにルイズちゃんの反応は素直で可愛らしいわ〜)
暫くして画面から目を離したルイズがはやてへ向き直る。
「あ、あんたが異世界から来た事はまぁ…信じてあげるわ!でも他の人には異世界から来た事は秘密にしておきなさいよ!いろいろ面倒な事になりそうだし下手したら異端扱いされちゃうわ…」
「まあ私も無闇に話すつもりは無いけど…異端扱いってどう言う事や?」
「それについてはまたいつか話すわ。取り敢えず今日は疲れたし少し頭の整理をさせて」
今までのやり取りや異世界の話で許容量を越えたらしく、額を押さえつつルイズは服を脱ぎ始める。
「まあ、時間はまだあるやろうし色々あって疲れたんは私もやから、休む事には賛成や。んで…私は何処で休めばええんかな?そこに敷かれている藁か?」
そういってベッドの横に敷かれた藁を指さす。
「それは…魔物が召喚されるものだとおもっていたから用意していただけよ。あんたは、しょうが無いから暫くは私と同じベッドで寝ていいわ」
「さよか?ほんならお言葉に甘えて…」
先にベットに入ったルイズに続き、軽く服を脱ぎラフな格好になったはやてもベッドへ入る。
「最後に…異世界出身じゃまずいから、明日からはロバ・アルカリイエから来たと言いなさい。あと明日は私が起きる前にそこに置いた服を洗っておきなさい。」
横になろうとした所へルイズが話しかける。
「ロバ・アルカリイエ?あと服洗うって…」
「それと私が起きる時間になったらおこす事。それじゃ、お休み。」
言われた事について詳しく聞こうとしたのもつかの間、早々にルイズは寝息をたてて眠りについてしまった。
(しょうがない、分からないことは明日聞くとしよか。それにしてもルイズちゃんが起きる時間は何時頃なんやろか…)
せめて普段起きる時間位は言って欲しかったと思いながら、ふと窓の外を見る。
隙間の開いたカーテンの向こうには、淡く輝く双月が輝いていた。
(月が二つある世界…。次元世界でも珍しい二つの月がみれるせかい。)
月が二つ同時に見えるのはとても珍しい事だ。幾つもの偶然が合わさって奇跡として起こる。この双月もそう、星の位置だとか時期だとか…この出会いもそんな幾つもの偶然が合わさった結果なのだろう。
そう感慨に更けるはやてだが、明日に備えてもう寝ようと眼を閉じる。
部屋には二人分の寝息が微かに聞こえるだけとなった。
故郷や家族に思いを馳せながらはやての使い魔としての生活が始まる。
それぞれの思いを胸に二人の仲の行く末は_____
いやー、回を重ねるに連れ構成が適当になっていますね。
あと書きながら考えているせいか伏線とか腫れないし回収できない。
この先の展開も予想出来ない。
1話ごと一気に書いているので後半は集中力のなさで適当に…
でも間を開けると書けなくなっちゃうので勘弁してくださいorz