エピソード 9 一ヶ月
SAOに閉じ込められて早1月。
いまだ、第1層フロアボスの部屋が見つかったという知らせはない。
この1ヶ月における死者の数はおよそ500人。茅場が最初に告げた213人は含まれない。
人によっては“500人も”と思うかもしれないが、私はむしろ“よくぞ500人ですんでいるな”と思っている。
右も左も分からない世界でいきなり戦え、と言われて戦える人は皆無に等しいだろう。そもそもゲームのはずなのに、HPが0になってはいけない状態なのだからなおさらだ。
むしろその状態だと錯乱や自棄を起こして自殺してしまう人だっているだろう。
死者が500人で抑えられているのは“
私達から初心者のことを託されたクラインは、私達と別れた後即座に仲間と連絡を取り、私達の事を話して聞かせヤケを起こしたり起こしそうなプレイヤーを止める協力を取り付けたそうだ。
そして、“現状でも前に進む連中が居るのだからヤケを起こして命を粗末に扱わない様にして欲しい”と、なだめたのだそうだ。
そのかいもあり、0にはできなかったものの自殺者の数を抑えることに成功した…とのことだ。
つまり、死亡者の大多数はモンスターとの戦闘で亡くなっているのである。
その中で最も死んだのはビギナーではなくテスターだった。
ベータと製品版の差に対応しきれず命を落とすことになったのである。
私達の懸念は現実のものとなってしまったのである。
悲しいことではあるが、そのテスター達のおかげで、私達調査部隊の負担は軽減されることとなった。近くでその死に様を目撃したプレイヤーから情報がもたらされることで…。
当初予定していた量よりは減ったものの、私、コペル、アルゴの3人は時折キリトの助力を得つつ、ベータと現在の差に関するデータを収集・補完していった。
そして、補完したデータを元に追加の攻略本を発行・配布した。
まず、アルゴがベータ時代の情報を元に第1版を作成。それを主にテスターが500コルで購入。その資金で増刷し各種ショップなどで無料配布。
第1版を購入したプレイヤーおよび調査部隊である私達からの追加情報を記載した改訂・補完版をクエスト報酬等を用いて追加配布。
補完内容は、主にモンスターデータ(ステータス・行動)の違いやクエストの内容の変化等である。
一番厄介だったのは、ベータ時代第1層にはデバフ付加技を使ってくるMobはほぼ皆無(迷宮区内に1種のみ)だったにも関わらず、今回は第1層中間を越えたあたりから各エリアに1種ないし2種存在していることだ。敵の攻撃の受け方しだいでは発生を回避できるはずのスタンを確実に引き起こす技、毒(昔からよくある徐々にHPを低下させるアレ)付与、そして麻痺付与。各種デバフのレベルが低いからそれぞれの効果時間は短めで強さも弱めではあるものの、厄介な代物であることに変わりはない。
とはいえ、割合早期に形が整ったからか、モンスターとの戦闘で命を落とすことになるプレイヤーの数はだんだん減ってきている。
私たちのやっていることを理解し、協力を申し出てくれたプレイヤーも増えた。
こうして攻略に関する大雑把な流れが固まって来た頃、アルゴから大規模な連続クエスト…主にお使い系…の起点を見つけたと連絡があった。
いつも通りに任せる(お使い系はアルゴの担当)つもりでいたのだが、ただの報告ではなく、応援要請だった。
エピソード9 End Next エピソード9裏
投稿予定だったのは昨日…1日遅れです。
正直に言います。忘れてました。
第2章以降、時々別視点…主にキリト視点…の話が間に挿入されます。
タイトルの付け方は・・・エピソード9裏・・・のように裏と付きます。
一応そのうちアスナ視点も書いてみようかと思っていますが、回想のような番外編になると思います。
次話は早速裏ストーリーです。
2016/3/27 23:40頃
各話の一部を修正・追記しました。
内容の補完とオリキャラのセリフのブレを修正しました。
修正しきれていないかもしれないので、今後もちまちま直すかもしれません。