待ち合わせのレストランについてみると既にアルゴは来ていた。
メール送ったのついさっきだよね?どこにいたの?早すぎ…。
―――NPCレストラン内―――
「スマン、どうやら待たせたようだな。」
既に来ていたアルゴに気付いたキリトがそう声をかけながら近づいていく。私とコペルもそれに倣う。
「イヤ、大丈夫だよキー坊。たまたま近くにいたダケさ。トコロでそちらさんは?」
『クエスト中に会ったんだ。』
「コペルって言います。よろしく。」
私がクエスト中にあったことを伝えるのにつづいて、コペルが自己紹介をする。
「あの…情報屋の鼠に会う…と聞いてここまでご一緒させていただきました。僕もつなぎを作っておきたくて…フレンド登録もできれば…」
付いてきた理由をコペルが話していると、アルゴが遮って言った。
「セレっちとキー坊はフレ登録しておくメリットの方が知り合いを増やすデメリットより大きいからしてるけど、君とするメリットはあるのカナ?」
「そ…それは…わかりません。」
ひとまず本題を片付けたいからこの件は保留にしてもらおう。
『あのさ、一先ずクエストの件を報告させて欲しいんだけど…。』
「あっ、ごめんね。」
「にゃははは、で、どうだった?」
アルゴの問いにはキリトが答える。
「秘薬クエの内容や敵にベータとの大きな差は見受けられない。」
「大きなってことは小さいのはあっタのカい?」
「パラメータ全体がすこしだけ上方修正されている。」
『確かにね。ベータと同じつもりでいると仕留め損なう可能性が高いな。とは言っても微々たる修正だから、慌てさえしなければ問題はないな。』
「それはいい事を聞いたヨ。攻略本で一応注意を促しておかないと…。情報料はどうしようカナ…まだ集まり方が微妙でネ。」
見返り…か。モンスターデータ等にベータ時との差があることに気づいた時から考えていることがある。
『アルゴにいくつか確認したいことがあるんだが…。』
「ン、何カナ?」
『ベータ時代のクエスト発生ポイント、どの程度網羅してる?』
「かなり、とだけ答えておくヨ。」
『では、ベータ時代になかったクエストを発見する自信は?』
「モチろん、あるヨ。」
これはやはり提案しておくべきだね。
「セレス、今の質問になんの意図がある?」
『ああ、さっきもちょっと出たベータとの差に関することさ。きっちり調べるべきかな、と思うんだが…どう思う?』
「…必要だろうな。HP0=死となった今の
「キー坊の言うこともモットもだね。でもさすがのオイラも一人じゃ調べきれないヨ。」
私の意見にキリトとアルゴが賛成意見をくれた。やっぱりこの2人は流石だね。
『アルゴ、コペルをフレにいれるメリットができたな。』
「どういうこと?」
む、コペル理解力乏しいな…。
「そうか、ペル坊に調べるのを手伝ってもらえばいいんダナ。」
『そういう事。あと、言いだしっぺだからな、私も手伝うさ。』
「俺も…」
キリトまでこっちに来ちゃったら、本筋の攻略の状態がわからないじゃん。
『あ、キリトは基本本筋の攻略をメインに動いてくれ。クエストの起点がキリトがいる場所の近場なら手伝ってもらうつもりだが、こっちは回り道だらけだからな。』
「いいのか?」
『正直、私はキリト以上のプレイヤーを知らない。そのキリトまでこっちに来ちゃうと、本筋の攻略そのものが遅れかねない。一人ぐらい…とか言わないでくれよ。私はキリトならソロでも1パーティ位の仕事はできると思ってるからな。』
「オイラもセレっちに賛成だナ。キー坊には本筋の情報をオイラに変わってある程度見てて欲しい。」
「わかった。」
『じゃあ、キリトはメインルート、私達3人は回り道ルート、でクエスト含めたこの第1層におけるベータとの違いを洗い出すって事で決まりだな。』
「ああ。」「ン。」「がんばるよ。」
三者三様に返事が帰ってきた。
こうして現状調査が決まった。
エピソード8 End Next エピソード9
はい、コペルはオリキャラの提案でベータとの差を調べるために動くことになりました。
結果、アルゴとセレスにこき使われます。
ネタ出しの都合上、細かい調査に関しては概要説明で済ませることにします。
なので1ヶ月の話はさらっと説明だけで終わります。
とはいえ、フロアボス戦の前に1個だけクエストをきっちり書くつもりでいます。
次話から第1層中編になります。
中編のサブタイ何にしよう…考えときます。