「タケシ!」
「タケシさん!」
二人は、腕を押さえながらうずくまるタケシの元へ向かった。
「すごい出血…。セシリア、包帯とか持ってたりしない?」
「確か…あったはず」
セシリアは、バッグの中を探った。
「あった!はい、カスミさん」
セシリアは、カスミに包帯と消毒液を手渡した。
「タケシ、じっとしててよ~」
カスミは、素早い手つきで手当てをした。
「さ、これで終わりよ。セシリア、先を急ぎましょう!」
おつきみやまの洞窟を頂上目指して、駆け抜けた。
???「フンフフフ、ここまで来てしまいましたか…」
頂上に着くと、長身の女性が立っていた。
「私の名は、
「サキ…。お前、なぜここに!
タケシが叫んだ。
「フフフ、確かにあの時
サキは、モンスターボールを投げた。
「邪魔をするなら、容赦はしません。ゆけっ、ペルシアン」
「ニャーゴロ!」
「ここは、私が!」
セシリアは、ゼニガメを出した。
「ペルシアン、したでなめる」
「よけて、ひっかく!」
ペルシアンは、動かなかった。
ギリギリまで近づいたとき、
「したでなめる!」
「なっ…」
「ゼッゼニ…」
「ゼニガメ!」
「麻痺になったのですよ。都合がいい、ペルシアン、連続攻撃!」
ゼニガメは、身動きできずにただダメージを蓄積するだけだった。
「ゼニガメ!頑張って!」
「ゼニ…」
「もう虫の息!ペルシアン、とどめをさしなさい!」
ペルシアンは、かみくだこうとした。
「ゼニガメ~!」
セシリアは、力強く叫んだ。
呼応するかのように、胸元のペンダントがトクン…と瞬いた。
さっきまで傷ついていたゼニガメがその光を浴び、たちまち傷が癒えた。
「ゼニッ!」
「さあ、反撃開始よ!ゼニガメ、こうそくスピン!」
「無駄です、よけなさい」
サキの命令通り、ペルシアンはよけた。
しかし、
「甘いわよ!」
「なっ…」
ゼニガメは、みずでっぽうで進路を変えてきた。
ペルシアンにクリンヒット!
「立つのです、ペルシアン!」
「ゼニガメ!さっきの仕返しよ!」
「ゼーニーガー!」
立ちかかっていたペルシアンの上にのし掛かり、連続でひっかいた。
次第にゼニガメの体が白く輝きだした。
「セシリア!進化が始まったわ!」
カスミが叫んだ。
「進化の時が一番隙を狙われる!一回待避させろ!」
「わかったわ、こっちへ来て!」
「ゼニッ」
ゼニガメがセシリアの元に戻ろうとした。
「今です、ペルシアン!シャドークロー!」
「危ない!」
セシリアは、ゼニガメをかばった。
「キャア!」
「「セシリア!」」
セシリアは、シャドークローを食らってしまった。
それと同時にゼニガメがカメールに進化した。
「も…一回こうそくスピン…」
そのまま傷口を押さえながら地面に倒れた。
「「セシリア!?」」
カメールは、もう一回こうそくスピンでペルシアンに迫った。
二人は、駆け寄った。
セシリアは、顔を歪めていた。
その額には大粒の汗が浮かんでいた。
「まずいぞ、このままだとセシリアの命が危ない…」
「…ウァッ…アアー…タ…シ……ス…」
セシリアは、うわ言を繰り返した。
「アロマセラピーを使えるポケモンがいれば…」
???「いるわよ!オニドリル、カメールに加勢して!」
「ドー!」
オニドリルは、ペルシアンめがけてドリルくちばし!
「ニビシティのジュンサーさん!早く!」
ジュンサーは、駆け寄った。
「これはひどい…。何があったの?」
「シャドークローを浴びてしまったんです…」
「ロゼリア、アロマセラピーよ!」
「ロゼッ!」
少しずつ傷口が癒えてきた。
それと同時にセシリアの顔色も良くなった。
「チッ、ペルシアン戻れ」
サキは、ペルシアンを戻した。
「あなたたちを逮捕します!」
サキは、薄笑いをして、言った。
「仕方ない、計画を中断してカントー本部へ戻ります!」
サキが言い終わったと同時に煙が!
「ケホッ、待ちなさい!」
煙がはれると、サキの姿はなかった。
「セシリアさん、あと少し我慢して」
ジュンサーは、傷口に薬草を当てて、その上を包帯を巻いた。
「さ、これで終わりよ。しばらく、安静にした方がいいわ」
「でも、GRAMP団を止めないと…」
セシリアは、立ち上がろうとした。
「ウッ!」
セシリアは、傷口を押さえた。
「ダメよ、セシリア。足元だってふらふらじゃない。どうにかして、ニビかハナダに行きたいけれど…」
「私のオニドリルを使っていいわ」
カスミとタケシは、セシリアをかかえて、オニドリルに乗せた。
セシリアは、次第にまぶたを閉ざし、深い眠りについた。
「オニドリル、できるだけ揺らさないようにね」
「ドー!」
山を降りようとしたとき、
「ピッピピピ、ピッピッピ…」
どこからか、ピッピが石を持って現れた。
「ピー!」
セシリアに石を差し出した。
「セシリアに渡したいのね?」
「ピッピ~」
ピッピは、うなずいた。
「今は、そっとしてあげて。あとで、ちゃんと渡しておくね」
カスミは、ピッピから石をもらった。
すると、すぐにピッピはどこかへ帰っていった。
「カスミ、よく見せて」
タケシは、カスミの手の中にある石を見た。
「これ…月の石だよ!」
「きっと、セシリアさんにお礼をしたかったのね」
ジュンサーが笑いながら言った。
「じゃあ、私はニビに戻らなきゃ。オニドリル、あとは頼んだわ」
「「「さようなら!」」」