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申し訳ありません。
ポーランド
某有名ホテル
最上階
大広間
高級品で固められ、シャンデリアの光に照らされた優美な部屋は鉛の様に重たい空気が漂っている。
その理由は先程から一言も会話を交わさない彼ら彼女らが原因である。
彼ら彼女らを1人ずつ説明していこう。
まず1人目
重苦しい空気の中、1人気にせず高級ワインとローストビーフを頬張っているのがイタリア王立共和国宰相、ベスト・ムッソリーニ。
イタリア王立共和国は、第二次世界大戦に1944年に連合軍に降伏するものの国体維持に成功したイタリア王国から誕生した立憲君主制国家である。
有名なシチリアマフィアを筆頭にするマフィア達は連合軍に協力したと言う大義名分の元にイタリアに帰還したが、ファシスト勢力に再び追い出されると言う歴史を持つ。
地中海最強の軍事力を背景に、ソ連崩壊まで西側有力の戦力として存在感をアピールしており、また西側諸国への武器輸出で多額の資金を獲得していた。
冷戦終了後もその地位を維持していたが、白騎士事件以降による男女格差撤廃運動により政治混乱で経済が悪影響を受け、国民は早期の解決を求めたが、政府内での意見が纏まらず更に混乱を深めた。
国民はこれに不満を募らせあわや革命寸前までに発展する。
それに対して業を煮やしたイタリア王が、ベスト・ムッソリーニに組閣の敕令をだした。
ムッソリーニ本人は乗り気では無かったが、奥さんから尻を文字通り引っ張ったかれ渋々、宰相の地位に就いた。
そこでムッソリーニは経済の建て直しに成功。本人は直ぐに引退する気でいたが、奥さんを含む周囲からの無言の圧力...に屈して嫌々続けている。しかしそれでも国民支持率99%を持っている事から彼が如何に優秀な政治家かよく分かる。
二人目は熱心に書類を見ている満州王国次期王太子、溥儀
満州王国は第二次世界大戦に置いて日本の同盟国として参戦した国家である。
日本の産業衛星国ではあるが、鉄道産業がとても盛んであり、それを生かした独自の軍戦力を保持する。
それが列車軍団である。装甲列車や大口径列車砲で編成され、自軍より強大な火力を持つソビエト連邦陸軍砲兵隊に長年、対抗していた。
冷戦時代の第一次極東紛争のソ連極東軍の暴走、ソ連崩壊による第二次極東紛争でのアメリカの失策で中国再統一を掲げる中華人民共和国と漁夫の利を得ようとした朝鮮共和国の侵攻を跳ね返した。
また極東最大の戦車工場を保持しており、友好国に対し武器輸出が活発である。
三人目は、ニコニコと笑顔で静かに佇んでいるロシア帝国女帝アナスタシア・ニコライ・ロマノフ
ロシア帝国は第一次世界大戦中に発生したロシア革命で一時は崩壊したものの、大日本帝國がソビエト連邦に対する防波堤を求めた結果、誕生した国である。
新生ロシア帝国の領土はかつての世界最大の大陸国家の面影は一切無く、大日本帝國から売却された樺太全土がその保有する領土である。
しかし大日本帝國が1920年代から1940年代初頭までの経済大成長をその莫大な資産で下支え、大日本帝國に対する潜在的影響力を獲得する。
更に、大日本帝国が崩壊し、日本皇国が誕生するとその国土、経済復興に資金を提供した。
また日本皇国用に開発する各種兵器により国庫に多大な利益を提供している。
四人目は、無表情で腕組みをしている。
ロシア連邦大統領、、ミカエル・M・トゥハチェフスキー。
ロシア連邦は、現在旧式装備の更新が終了しつつあり、新世代の兵器と呼ばれるISを含め陸海空総ての軍用兵器で、アメリカと互角に戦える戦力を保持している。
また、近年はロシアの豊富の資源を利用した友好外交を展開し、影響力を少しずつではあるが高めている。
更に、開発が遅々として進まなかった広大なシベリアの極寒の大地を、複数の日本企業もとインフラ整備が進行中である。
五人目は、この重い空気をどうにかしようと口を開くが、結局は何も言えず仕舞いで終わっている苦労人。
ドイツ連邦共和国バルト海艦隊司令長官、エールリヒ・レーダー。
ドイツ連邦共和国軍はソ連軍に対抗するためにヨーロッパ随一の陸軍戦力を保有していたが軒並み弱体化が進んでいる。
彼自身の悩みはIS開発の為に、指揮下のバルト海艦隊の戦力が減少を続けていることだ。
最後の六人目、この場にいる中で唯一軍服を着ている男。
日本皇国、珠洲ノ宮家七代目当主、珠洲ノ宮成彦。
珠洲ノ宮家は明治に誕生した分家であり、初代当主の性格も相まって余り軍事には関わりがない家柄であった。
しかし二代目は初代と違い、軍人の道を歩んだ。軍部を筆頭に官民の影響力は絶大であり、「太陽の天皇家、月の珠洲ノ宮家」と比較に出される程だ。
しかし珠洲ノ宮家は三代目が、「末代に至るまでの珠洲ノ宮家が保持する皇位継承権、此を永久に放棄する」と宣言し、珠洲ノ宮家から天皇を輩出することはない。
たが、積み上げて来た実積は凄まじく、その傘下に入らんとする者は後を立たない。
この場にいる全員に共通する事は一つある。
それはそれぞれが先祖の生まれ変わりであると騒がれた事だ。しかし当人達がそれを否定したことで沈静化したが一部ではまだ騒いでいる。
最初に口火を切ったのはロシア帝国女帝アナスタシア。
「そろそろ始めませんか?さすがにこの状態はつらいわ」
「そうですな、私も先程から食べてばかりなので少し飽きてきましたな」
「同感です。黙って居ても何かを生み出す訳ではありませんから」
アナスタシアの意見にムッソリーニ、溥儀が賛同した事で場が動き始めた。
トゥハチェスキーが重々しく口を開いた。
「...では、現時点での各自の準備状況を報告をしよう。まず我がロシア連邦軍だか、海軍は最新鋭巡洋艦ロシア級一番艦ロシアが実戦可能だ。二番艦ウクライナがまもなく就役、三番艦及び四番艦は三ヶ月以内に完成する。だか訓練期間を設ける為、実質半年は必要だ。更に新型駆逐艦であるヴェールヌイ級は16隻が稼働している。陸軍、空軍は予定地点に移動を開始しているがこれも半年は必要だな」
「満州王国軍は、陸海空全軍が行動可能ですが暫し猶予を頂きたい。列車砲の最新型への交代がまだ完了していない。しかし最新型があればISに頼らずに中国軍の戦線に打撃を与える事が出来るようになる。空軍は準備万端。海軍はハッキリ言うが頼りしない方がいい。我が国はもとより陸軍国家であるから、海軍の予算は元から少ない上にIS開発に幾らか流用しましたから。」
「ロシア帝国軍はいつでも動けますわ。たけど国土防衛が主目的だから遠征に出せる戦力は少ないわ、ただ軍需工場は全力運転させるから補給は任せなさい。その代わり代金はキッチリ貰うわよ」
「イタリア王立共和国軍はもう少し時間が欲しい。生産現場の技術者達が『納期が遅れるのは、イタリアの流儀だ!』とかふざけた事を抜かしたから、そいつらのママンや恋人、家族に尻を叩いてもらって急かしているが、三ヶ月程は身動きが取れない。」
「...残念だが我々ドイツ連邦共和国軍から、この計画に賛同したのは共和国軍の内、僅か三割程度だ。残り七割だが傍観が二割、五割が連中の尻に乗っかった。ただ初動が上手く行けば、連中の動きを封殺できる。」
そして彼ら彼女達は成彦に視線を集中させた。なぜならこれから彼ら彼女らが行おうとしている計画は、成彦が持ち込んだ物だからだ。しかもその計画の重要な舞台はISが産み出された島国、日本そのものだからだ。
「皇国軍の内、九割は私の影響下にある。だが...陛下は今だ苦悩しておられる。もし太陽計画を実施した場合、どれだけの犠牲がであるのか、それを悩んでおられる」
成彦がそう言うと、アナスタシアが厳しい表情して問い詰めた。
「どういうことかしら。日本の天皇陛下はこの計画に賛成ではなかったの?」
「正確には、見てみぬ振りをして頂いていた。しかし10年も掛けた計画がもうすぐ実を結ぶ。これ以上の隠しだては不可能であるから、1ヶ月前に皇居に参内しご報告した。」
「で、結果は?」
トゥハチェスキーが先を促す。
「暫し猶予が欲しいと仰せられた。現在の天皇陛下...明仁陛下は無礼なのは承知で言うがお優しすぎる。この様な状況で無ければ間違いなく名君で在られるのだか」
「まあ仕方ないでしょうな。今上陛下は日本統一の象徴そして日本国民の主君であらんとしていますから、何より国民の平和を望んでいますしそれを自らの手に寄って壊すのに躊躇するのは不思議ではない」
「失礼だがムッソリーニ殿、手を汚すのは我々皇国軍人なのだ。断じて天皇陛下ではない」
「だが結局、統帥権を持っているのは天皇だろう?それに日本皇国政府を滅ぼして、大日本帝国の復活を企てている貴方に言うが、天皇が大日本帝国の復活を認めなければ其れでこの計画はご破算。つまり最終的に天皇陛下その人が決断しなければ成らないと言うこと、間接的にではあるがそれは犠牲を容認すると言うことだ」
成彦とムッソリーニの言い争いが過激化しそうになるが、そこにレーダーが割り込んで来た。
「二人共、争うのは止めよう。私達が集まったのは計画の最終確認をするためだろう。それに成彦、早く教えてくれないか。太陽計画で君達日本海軍が建造していると言う未知の艦艇群について」
レーダーの言葉を受けて成彦は足元に置いてあったカバンから複数の資料を取りだし配り始めた。
資料をもらった各人の顔が驚きの色合いに替わる。
そこにはこの様に書かれていた。
『第四次六六艦隊計画
本計画の主目的は、未完で終わった第三次六六艦隊計画に修正を加え、全世界の海軍戦力を撃破し日本の平和を守る事であることを明記する。
本計画で配備予定の艦艇は以下の通りである。
神話級戦艦六隻。
神話級空母六隻。
神話級航空砲撃潜水艦ニ隻。
巡洋艦、駆逐艦、その他補助艦艇多数。
総排水量は100万トンに達する予定』
狂気の一大艦隊整備計画が記されていた。
『全隊に告げる。目標は檻に入った。繰り返す、目標は檻に入った。各隊は檻に侵入しこれを抹殺せよ。...全ては真の平等の為に。作戦開始」
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