投稿しますー!
申し訳ありませんが内容が薄くなってしまいました!
ですが楽しんで読んで頂けたら幸いです!
ではどうぞ!
ジェットエンジンの真っ赤な咆哮を暗闇に染まった大空に響かせながらポーランド首都防衛隊第三戦闘機中隊第二小隊がワルシャワに向けて飛行していた。
首都防衛隊が装備する機体はロシア連邦軍から輸入された新品同然のSu-27シリーズ・UBM1タイプ。
UBM1タイプはロシア・ベラルーシ空軍がSu-27を独自改良を施した機体で、主な改良点は機体の電子兵装の一新である。
操縦システムから火器管制システムまでに渡る全てに改良を加えて防空戦闘機としての性能を向上させた。
エンジンはオリジナルとは変わらないサトゥールン製AL-31Fターボファンエンジンを二基搭載が、エンジン制御系統にも改良が入っており安定性は上がっている。
アフターバーナー使用時の最大出力の122.58 kg/s ×2により重量24,140 kgの機体を空に押し上げていた。
第二小隊は、胴体左右の主翼に対空兵装として、短距離ミサイル・R-73を4発、中距離ミサイル・R-77を4発、長距離ミサイル・R-27ER1を2発。計10発。これはSu-27の最大武装搭載量だ。これに近接兵器として30 mm機関砲GSh-301を一門を装備している。
第二小隊長は自分が乗り込む機体に絶対の自身を持っていた。Su-27シリーズの派生型の1つであるこの機体は手足の様に動く。特にSu-27シリーズを製造したスホーイ社が開発した戦闘機に共通するある特殊機動が可能である事がこの機体を気に入った理由の1つだ。
そう考えながら操縦していると無線が入って来た。
『ザァーーッ…………こちらワルシャワ首都防空隊。急行中の戦闘機小隊へ応答せよ』
「こちら第33戦闘機中隊第二小隊である。コールサインはレッド」
『……了解。以降レッド1と呼称する。現在ワルシャワ全体にレベル3が発令され首都防空隊も厳戒態勢に入っている』
「レッドより防空隊へ。状況を詳しく知りたい。こちらは緊急発進した為に把握出来ていない。総司令部からの通信が途絶えたままだ」
少しばかりノイズによる雑音が混じっているが返答は直ぐに来た。
『ワルシャワ総司令部は現在、何者かの破壊工作により通信設備が使用不能。更にワルシャワ市内の有線無線問わず使用不能である。その為、防空隊が臨時に指揮を執っている。他に質問は?』
「撃墜された機体のパイロットはどうなった?」
『1人が脱出に成功。……もう1人はペイルアウト寸前に殺られた』
つまり同僚の1人が大空に散って行った、と言う事だ。
操縦幹を強く握り締める。
あの時と同じだ。
国営テレビが流していたあの画面の向こう側で次々と墜ちて行くあの瞬間と……
あれから空の支配者が変わってしまった。
爆音を響かせ豪炎を曳きながら縦横無尽に飛び回った戦闘機から、奇妙な人型のパワードスーツ……ISに取って変えられた。
飛行場を離陸する時、上官からこちらのIS部隊が来るまで戦闘は避けろ、と言われたがそれは無理な話だ。
確かに十年前の白騎士事件の際は、百を越える戦闘機が撃墜されたが、あの時はISに対する対処法が何も無い状態だったからだ。
だが今は違う。
我等は無為に時間を過ごした訳では無い。
戦闘機がどうすればISを打ち倒す事が出来るか、様々な公開非公開の会議の末に幾多の戦術が考え出された。
「了解。情報に感謝する」
『充分に警戒してくれ二機が撃墜された方法が未だ分かっていない状況だ。もし危なくなったら……逃げろ。以上通信終了』
逃げろか……。
防空隊との通信を切ってから苦笑する。
隊長の目が紅く燃え上がる。
逃げる訳には行かないのだ。
俺達、戦闘機パイロットは、この空を愛しているからこそ飛んでいる。夢に見た空を飛ぶ為に厳しい訓練を積んで来た。
それを、たかだか十年しか飛んでいないISに、奪われてたまるか。
「三番機は俺に付いて来い。二番機、四番機は10時方向に転進。タイミングをずらせ」
『了解!隊長はどうするので?』
「俺か?どうするも何も……」
返答次いでに、スロットルを防火壁限界まで一気に押し込む。アフターバーナーも点火したエンジンは機体を一気に音速の世界に連れ込む。急加速する機体が身体を押し潰さんとGを掛けてくる。
「ドックファイトするに決まってるだろう!」
普段なら理性に押さえ付けられている、戦闘機パイロットの本能がそう叫ばせた。
「大佐!レッド1が急加速!!ISに突っ込む気です!?」
PPIスコープの画面に映し出されている戦闘機隊の行動に驚愕しながら報告するレーダー士官。
思わず悪態をついてしまう。
「くそ!だから飛行機バカは嫌いなんだ!!」
大佐はそう吐き捨てると近くの通信手を呼び出す。
「各対空中隊は所定の位置に到着したか!?」
「現在、第1から第4中隊までが展開を終えています!他の中隊も集結中との連絡!」
「早く急がせろ!作戦通りに事を進めなければ、勝てる物も勝てないぞ!!」
なんとこの大佐。通常兵器でISに勝つ気でいる。周りの部下達も同じ考えらしい。
「歩兵は各小隊ごとに割り当てられた地点で迎撃用意!人形に本当の戦争を教えてやる!!」
大佐が乗り込む指揮車を中心に計画的防空網の構築を進めていた。大佐が指揮下に置いている対空部隊は全て移動可能であり効率化された対空砲火をISにぶつける計画だ。
「大佐!レッド1が間もなく会敵します!」
「第1中隊は援護せよ!射撃始め!!」
指揮車から伝達された命令は、直ぐに第1中隊に届けられた。第1中隊が保有する4両のBRDM-2に搭載された近距離防空ミサイル、正式名称9K31 ストレラ-1が一発ずつ吐き出される。9M31の固体ロケット・モーターが点火。白煙を曳きながら空に飛び上がる。4発のミサイルはレーダー車両から照射される電波に従い、真っ直ぐ目標に向かって行く。
「第一波、順調に飛行中。到達まで約3分」
「レッド1が敵と会敵します!」
「続いて第二波発射せよ!隙を与えるな!」
次々とミサイルを打ち続ける第1中隊に対して、他の中隊は粛々と準備を進めていた。
特に郊外に展開する部隊とは違い、ワルシャワ付近に陣取る第8中隊は臨時に接収した複数の建物の屋上に歩兵部隊を配置していた。
「た、大佐!」
「今度は何だ!」
「あ、あ、ISが!?」
「撤退したか!?」
こちらの兵力に怖じ気ずいて逃げるのであれば、それで良かった。しかし事態は最悪の方に傾く。
「ISが二機います!!」
「…………………………何だと!?!?」
「……オータム、何時までこの状態なんだ?」
「文句言うなエム。スコールからの指示だ。少しは我慢しろ」
謎多き亡国企業。その実働戦力の中で、最強の戦闘力を保持するスコール・ミューゼルが率いるIS部隊。
その右腕と左腕たるエムとオータム。
亡国企業は第二次世界大戦にドイツで発足したある秘密結社が原形とされているが、その実態は分かっていない。
「……ん。前方からフランカーが一機突っ込んで来る」
「ふーん、なかなか度胸があるね。嫌いじゃないよ、そう言う奴は」
機体に水蒸気を纏わせながら、音速を越えるスピードで一直線に向かって来る。
その後ろを僚機と思われるもう一機のフランカーが少し離れた所から追う。
二人は獲物を定めた。
「エム。合わせろ」
「了解」
獲物は遅れて来るフランカー。
オータムがカウントダウンを始め、エムが合い手を入れる。
「10」
「9」
「8」
「7」
「6」
「5」
「4」
「3」
「2」
「1」
『0!』
二人は抱き合った状態からブースターを全開に噴いて一気に離れた。
それまで二人が居た空間にフランカーが機関砲の弾丸を巻き散らしながら通り過ぎって行った。
そして、二人の目の前には状況が理解出来ず、機体をふらつかせながら飛んでいる哀れな一機のフランカー。
エムは電子領域から実体化させたアサルトライフルの引き金を無感動に引いた。
曳光弾が入り混じった弾丸の雨は、別方向から同じ様に飛来した光の束と交差する。
その到達点では機体の左右主翼の装甲板を貫通され燃料に引火。大爆発を起こしながら大地へと真っ逆さまに墜ちて行くフランカー。
二人は抱き合った状態で敵を待っていた。
敵の片方が通り過ぎた瞬間に、援護しようと向かって来るもう片方を撃破する。そして残った片方を最後に撃墜する。
レーダーから最初にロストした二機は、この戦い方の前に為す術もなく殺られた。
「エム!次、来るぞ!」
前からミサイルをばら蒔きながら向かって来る新たな二機のフランカー。
エムは落ち着いた表情で瞬間加速する。
加速して状態からアサルトライフルから、ダネルMGLを対IS用炸裂弾を使える様に再設計した回転式弾倉型グレネードランチャーに持ち替える。
ポンポンと放たれた擲弾頭が炸裂すると、キラキラと輝く物体が辺り一面を覆い尽くす。
前方の空間にばら蒔かれたのはアルミ箔で、ミサイルのレーダー探知を狂わせる。
ミサイルはふらつきながら明後日の方向に飛んで行く。
エムはアルミの雨の中を突っ切ると、二機のフランカーは慌てた様子で左右それぞれに別れる。
「逃がすか!」
再びアサルトライフルを構える。
戦闘機が最もスピードを殺す1つの行為である緊急回避は時として最も撃墜されやすい瞬間でもある。
特にISは小回りがヘリ以上に利いている為、戦闘機の回避行動など易々と付いて行く事が出来る。
銃眼をゆっくりとフランカーのコックピットに合わせる。
……警告。ミサイルアラート。右方向、数4。接近中。……
「ちぃ」
ハイパーセンサーからの警告で一瞬、集中力を乱してしまった。フランカーはその一瞬を見逃さずアフターバーナーを点火して急加速して逃れる。
仕方ないので迫って来るミサイルの先端部分を撃ち抜く。
ミサイルが次々と爆発していく中、それよりも大きな爆発が目に映り込む。
「ようぃし!一機撃墜!!」
オータムはフランカーを一機を落としたみたいだ。火だるま状態で地面に向けて墜ちていく。
オータムはこっちに向かって来た。
「エム。まだ行けるか?」
「問題無い。そっちは?」
「全然。余裕余裕」
二人が話合っている間にも、ポーランド戦闘機は態勢を立て直す。突撃した隊長機と残った一機で編隊を組む。最初とは売って変わってこちらを遠巻きに監視している。
「あの戦闘機隊の隊長は優秀だな。私達でなければ落とされていただろうな。」
「しかしスコールはなんで、わざわざちょっかいを出す気に為ったんだろう?戦争バカが集まった所に手を出したら報復を受けるかも知れないのに……とっ!」
地上から赤外線照射を受けた。スラスターを吹かしてその場から離れると太い光弾が雨のごとく飛来する。
ドドドッ!ドドドドドドッ!
ブオ!!ブオオオォォォォォ!!
目を向ければこちらに向かって機関砲弾を撃ち上げている二種類の対空車両。ハイパーセンサーがそれが何なのかを教えてくれる。
……敵対目標識別。PLA Loara及びZSU-23-4MP Biała……
PLA Loaraはエリコン製35㎜機関砲2門。
ZSU-23-4MP BiałaがAZP-85 23mm4連装機関砲。
この二種類の対空車両は二両ずつ交互に撃ちながら弾幕を形成している。それに加え中距離からの対空ミサイルが次々と飛んでくる。
更に展開を完了した他の防空中隊が二人を蜂の巣にしてやると言わんばかりに射撃を開始した。
次から次とやってくる機関砲弾とミサイルの嵐を紙一重で避けながら会話を続ける。
「うへぇ。ポーランドの連中、ウチラを殺す気満々だねぇ」
「そうだな!味方が目の前で落とされて頭に血が上っているのだろうな!」
避けた先には別の対空砲が展開しており彼女らに向けた砲口から空を曳光弾で染め上げんと弾をばらまいている。
暗闇に染まっている筈だった星空は曳光弾が入り混じる流星の空へと変貌していた。
「スコール!状況が悪くなってきた!そろそろ退くぞ!」
『……オータム?もう少しだけ踏み止まれない?あとちょっとでプレゼントが届くのよ』
「あと30分ぐらいなら持つ!だけどそれ以上は無理だ!」
「それに敵戦闘機の増援が来た。今はまだ数が少ないが時間が過ぎるにつれて、どんどん来るぞ」
『……分かったわ。あと10分……いえ15分持ちこたえて。その時には何もかも終わっているから』
「了解!通信終わり!」
通信を終えた二人はお互いに背を向け合う。
「と言う事だエム。あの様子だと最低20分は掛かりそうだ」
「20分か……少し小細工が必要になるな?」
ミサイルを撃墜しながら戦闘機を牽制しつつ地上の対空砲火を避けながら二人は進路をワルシャワに向けた。
世界に対して反逆を企てる指導者達が、実際に事を起こした場合の自分達がそれぞれ担当する場所を決め合う議論をほぼ終えた頃。
一本の電話が掛かって来た。
『ご機嫌よう。ミスター珠洲ノ宮』
「……私としては二度と会話をしたいと思った事は絶対に無いが。ミス・スコール・ミューゼル」
最後の名前の部分を区切る事でこちらが嫌悪感を持っているのを隠さずに吐き捨てても、おそらく電話の向こうで笑みを浮かべているであろう女が答える。
『あら。そんな事を言う男は嫌われますわよ』
「ふん!!生憎、私には勿体無いぐらいの愛すべき妻が居る。今更、他の女に色目など持たぬわ。……それに貴様良くもやってくれたな!」
『うふふ。さて何をしましたかしら?』
「惚けるな!?」
怒りの余りに拳を机に叩きつける。
次に放った言葉は、時と場合によっては世界をひっくり返す言葉だった。
「貴様ら亡国企業が進めている計画と、我々の計画は不干渉である!そう決めた筈だ!」
本来ならあり得ない筈の協定。
片棒は第二次世界大戦中、ナチス・ドイツに於いての秘密結社の一部が敗戦後、連合国に雲隠れした事が起源とされる亡国企業。
もう片棒はIS至上主義からの脱却を目指す、大国小国が集まった大陽計画。その数は判明しているだけでも既に六ヵ国を超える。
これだけを見るなら地力の差は歴然だった。
亡国企業はあくまでも1秘密結社に過ぎない。
しかし大陽計画に参加するのは日本を除けば国家そのものだ。
では何故、不干渉協定を結んでいるか?
それは亡国企業の不気味を警戒したからだ。
当初、亡国企業の存在を知った珠洲ノ宮は傘下の諜報機関にその実態を調査する様に命じた。
そして送られて来た調査結果が、正体不明の言葉だった。
幾度と無く調査を繰り返したが次第に諜報員までもが何人も行方不明や遺体で発見されるに至り、不干渉を決め込んだ。
そんな折、亡国企業の方から接触があった。
交渉に交渉を重ねた結果、両者は不干渉協定を結ぶ事でお互いの不用意な接触を避ける事となった筈であった。
「貴様はその協定に反して、我々の会談を邪魔しようとしている。それが意味する事は貴様も分かっているであろう」
『確かに私達と貴殿方は不干渉不可分をお互いに約束しています。しかし……』
亡国企業の全てがそれに賛同している、とは一言も言っていませんわ。
スコール・ミューゼルがそう言った途端にホテルが大きく揺れる。揺れと一緒に爆発音も聞こえる。
暫くすると青い顔をしたロシア国防大臣が複数のポーランド警備兵を連れて飛び込んで来た。
「大変です!地下駐車場から正体不明の特殊部隊が侵入しました!」
「数は?」
トハチェスキーが質問するとポーランド兵が答える。
「確認出来るだけでも一個中隊。20人近くが侵入しています。既に地下駐車場を始め地下施設は掌握されてしまいました。現在、敵は一階のロビーにて防衛隊と交戦中です」
「戦況は?勝っているのか?」
「……極めて不利かと」
「報告!ロビーにて交戦中の部隊と通信途絶!二階の防衛隊との通信も取れません!?」
ポーランド軍の大尉がそう答えると更に悪い知らせが入る。
「一体連中は何処から侵入したんだ。この建物の周辺は戦車、装甲車が警備していた筈だが?」
「多分、地下水路から潜入したんじゃない?」
レーダーの呟きにムッソリーニが答える。
全員が注目すると、
「いや……第二次世界大戦中に家が特殊潜行挺を使ってアレクサンドリアに停泊していたイギリス地中海艦隊を行動不能にした時があったから、水の音に紛れて潜入する事が出来るんじゃないかな~て思ったりして」
ハハハッ、と渇いた笑いでムッソリーニが説明する。
珠洲ノ宮は唸り声を出しながら電話の受話器をもう一度、耳に当てる。
「……聞こえているだろう。ミス・スコール」
『感度良好ですわ。プリンス・成彦。プレゼントは気に入って頂きましたか?』
「まだ此処には届いていないがな。出来れば返却したいのだが」
『あら、是非受け取って頂きたいですわ。彼らは貴方を殺す為だけに集められたコマンダー部隊ですので』
「チィ……第二次世界大戦の勝利者、アメリカ合衆国を中心とする連合各国が恐れた珠洲ノ宮一族。それを抹殺する為に組織したと言われていたが都市伝説の1つだと思っていたが……存在していたのか」
『はい。しかしISが世界に圧倒的力を見せつけた白騎士事件により貴方は生死の狭間をさまよい、貴方が昏睡状態にいる間、アメリカ合衆国は日本政府を傀儡に仕立て上げて、貴方の地位を奪い去った。ですが同時に存在意義を失い解散させられた部隊がいた』
「それを不満に思い貴様ら亡国企業へと流れ着いた訳か……」
白騎士事件で通常兵器の大量放棄を実施したのは日本だけではない。アメリカ合衆国は無論、世界の各国はIS開発の予算を確保する為に一種の軍縮を行っている。
核弾頭を初めとした大量破壊兵器も積極的に放棄されている。
だが放棄された分の兵器を操作する人員、兵士達も解雇されている。
その中には特殊技能を持ち合わせた者も少なくない。
『えぇ。彼等は我々の組織に入ってからも牙を研ぎ続けていました。そして最後のチャンスだと意気込んで今日、貴方を殺す為に馳せ参じたのです』
「全く持って迷惑な話だ。それで君は止めなかったのかね?」
『もちろん止めようとしましたわ。しかし……口を開こうとした瞬間にナイフを首元に当てられたらyesとしか言い様がありませんわ』
どうやら目下、下で殺戮の嵐を現出している連中は私を殺したくて堪らないらしい。と珠洲ノ宮は思った。
しかもその才能と鍛え上げられた肉体を持って。
溜め息をつきながら最後の確認を取る。
「ではミス・スコール・ミューゼル。亡国企業は我々大陽計画との対立は飽くまで望まず。今なお協定は有効で有るか否か。そして今攻撃している部隊に付いては独断専行として処理する。それで良いか?」
『もう一つ、彼等の要請によりワルシャワ郊外にてポーランド軍と戦闘中の2機のISを無事に脱出させる為の免罪符を頂きたいのですが』
その言葉に眉を潜めながらポーランド将校に目を配る。
大尉は怒りの表情を見せながら、
「必ず撃墜して見せます。このまま逃がしたと為れば我がポーランドの名誉が傷付きます!!」
「だそうだか?どうするかね」
問い掛けると溌剌とした返事が返って来る。
『仕方ありませんわ。二人には尻尾を巻いて逃げる様に言っておきます。それと殿下?出来れば今度、直にお会いしたのですが』
「奇遇だな。私を貴女と一回良く話合っておくべきだと感じたよ」
『フフフッ。では良き夜を……』
ツー、ツーと電話が切れた受話器を暫く持ったまま立っていた珠洲ノ宮は怒り狂い電話を床に叩き付けた。
「あぁぁのぉぉぉぉぉ女狐がぁぁぁ!?」
感想お待ちしております。