復讐の太陽旗   作:海空陸一体

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いやー、遅くなりました。
今回の話の設定は基本、小説家になろう。を準拠しているので史実では絶対にない国々が出てきますので、ご注意を。
あと旧共産主義国家群はその思想ゆえ女尊男卑に否定した設定になっているのでそこもご注意を。
後、ロシアがチートになっちゃた!


暫く他作品も出す予定なので、更新遅くなります。
ですから、読んだら必ず感想プーリーズ!


第ニ話……集う戦争屋

ロシア本土上空

 

ロシア連邦空軍所属のSu-35は一個飛行大隊、16機で護衛任務に就いていた。

機体には空対空ミサイルがフル搭載されており厳重な警戒体勢を取っていた、更に編隊の前方と後方に展開している2機の早期警戒管制機A-50Uが、装備している複合型レーダーにより全方位360度を監視していた。

 

その中で3機のSu-35のパイロット達は無線で喋り合っていた。

 

『だからさ!この前の勝負どうみてもインチキしただろ!?』

 

『ドミチフ、自分はインチキなんて一切してないよ。お前は顔に感情が出てくるだけだ、アホ』

 

『なんだとこの野郎!捻り潰して殺ろうか!?』

 

『そんな事を言うからアホなんだよ、バカ』

 

『~~!くそたれめ!』

 

『あの~、ドミチフ大尉、ラバロク大尉、飛行隊長からドヤされますよ。そろそろ止めた方が』

 

『『お前が言うな』』

 

三人は昨日、今月の給料を賭けたポーカーゲームをしたのだ。因みに勝者は二人を止めようとするルベスキー中尉だ。

 

そんなかんだでドミチフ・T・ナブルク大尉がラバロク・W・ウアンフ大尉に突っ掛かり、ルベスキー・R・フラルフ中尉がそれを止めようとする状況がしばらく続くと、彼らが恐れる人物の声が聞こえてきた。

 

『貴様ら!黙って飛べんのか!』

 

声の持ち主の名前は、アレクサンドル・A・アンドルフ大佐。

彼は16歳でロシア空軍に入隊。

入隊後、戦闘機パイロットに晴れて成った。

その後、天才的操縦センスと優れた空間認識能力を発揮。

トントン拍子で昇進していった。

しかし彼最大の戦績はロシアが特定東アジア国と国境紛争に陥った時であった。

アラスカ条約によりISの軍事使用が事実上、国家対国家の全面戦争でない限り、使用を制限する事になった為に、その紛争は白騎士事件以降初めての通常兵器による殴り合いの戦争であった。

アレクサンドル大佐はこの紛争で、敵戦闘機、攻撃機含め30機以上を単独で撃墜。

戦車、装甲車、軍用トラック合わせ、50両以上を撃破。

これらの戦績により、ロシア空軍の英雄として称えられた。

そして故郷の幼なじみと結婚。

三人の娘を持つ父親でもある。

なお幼なじみの名前は、アレクサンドル・A・ミネリーと言い、ロシア連邦軍IS運用戦闘師団の師団長を務めている。

簡単に言うと三人の娘を持ち英雄の妻をしており、いざとなったら自身がISに乗り込み夫と一緒に闘うトンデモナイ女傑なのだ。

因みに二人共、まだ30歳前半でそれぞれ大佐の階級を持っている。

 

30歳前半で大佐に成るには若すぎるが、キチンと理由がある。

 

白騎士事件以降、ロシアでは軍官民で大規模改革が巻き起こったのだ。

当時のロシア連邦軍総司令官はかねてから強いロシアを唱える新進気鋭の改革派を自ら派閥にし、当時、汚職等々後ろ暗い事をしていた保守派を完全に排除、そのうえ政界に進出。

IS登場により大混乱になっていた政治家達を、自身が持つ軍に対する圧倒的影響力を背景に押し退けロシア大統領の地位に就いた。

ロシア大統領と成った彼は母なるロシアが再び世界に対して覇を唱えられる力を取り戻すと宣言。

ロシア国民の圧倒的支持の元、国内大規模改革を実施。

これにより汚職や賄賂、麻薬、マフィアなどが、殆ど撲滅される結果に成った。

民間では積極的に資源外交を展開することにより経済が潤い、更に潤った国内経済を活発化させる為にインフラ整備に着手、国民生活の質の向上に成功した。

彼は悲願であった軍改革にも取り組んだ。

まだどこかソ連の尻尾を引き摺っていた、ロシア連邦軍は生まれ変わった。

陸海空総兵力が60万人にまで減少する代わりに、徹底的に質の向上を務めた。

軍内部に未だ存在していたソビエト連邦軍時代の兵器群は次々に廃棄又は売却され姿を消した。

その代わりに姿を見せたのが、新世代の兵器群である。

海軍ではキーロフ級改良型で、原子炉ではなく新型ガスタービン機関を搭載した新型巡洋艦、ロシア級巡洋艦の就役。

陸軍ではT-72が姿を消し、T-90が主力戦車の座を独占。

空軍ではSu-27、30がインドやポーランド、バルカン半島諸国等に売却され代わりにSu-35が大量配備。

戦略ロケット軍、航空宇宙防衛軍を統合化したロシア宇宙軍。

そこに所属するIS運用戦闘師団の設立。

しかしながら、これら軍内部の改革は、上級士官不足を招いた。

これ等の改革を断行したロシア大統領は下から才能有る者を昇進させ穴埋めを計った。

ロシア連邦軍は当初こそ混乱があった物の、白騎士事件より約10年が経った今ではアメリカ軍に匹敵する戦力を持った。

大統領は女尊男卑の考え方を非常に嫌い、その考え方を持つ人間は強制逮捕する等の過激な面を持っている。

もちろんその逆もしかり、男尊女卑の考え方を持つ人間も問答無用で刑務所に叩き込んでいる。

 

そして彼らは、ロシア人民が尊敬してやまない、ロシア大統領直々の命令で護衛任務に就いていた。

 

 

ルベスキー中尉が操縦席の中で首を限界にまで後ろに回しつぶやいた。

 

『けど、まだ飛ぶんですねあの爆撃機』

 

『ルベスキー中尉、あれは爆撃機ではなく要人輸送機だ、間違えるな』

 

『ですが大佐、あれは元々は爆撃機でしょ?』

 

彼らの話の話題になった飛行機は四人のすぐ後ろを飛んでいる。

六発の心臓で羽を回し巨大な体の中に自分の主人を乗せ目的の場所まで運んでいる。

 

それは、日本が皇国ではなく帝国と呼ばれていた大東亜戦争末期に、日本航空産業界が誕生させた狂気の産物。

ある者はこう語る。

世界最大のプロペラ推進爆撃機と。

またある者は語る。

空を飛ぶ戦艦と。

 

全長50.5メートル

全幅65メートル

全高10メートル

発動機は最大出力五千馬力を超えるターボプロップエンジンを採用、改良型では一万馬力のエンジンを搭載する。

爆弾搭載量、20トン。

六基のエンジンと六枚飛翔プロペラにより最大速度860キロを持ち、現在世界最速のプロペラ機爆撃機で最大速度925キロのツポレフ Tu-95が登場するまでその座を誇る。

 

中島、三菱、川崎、川西、立川、九州、帝国軍統合航空技術開発廠など。

大日本帝國の主だった航空企業と、統合空技廠が共同で生み出した怪物。

 

怪物を作りだした技術者達が名付けた名前は、

太平洋横断超重爆撃機

空中戦艦

『富嶽』

 

富嶽は大東亜戦争末期、完成したのは僅か12機。

実戦投入されたのはその内8機。

8機はそれぞれハワイ・真珠湾、アラスカ・アンカレッジの燃料タンクを爆撃した。

残る4機は空に飛び立つ事なく終戦を迎えた。

終戦後、12機中10機はアメリカ軍に接収され、日本の手元に残ったのは11号機と12号機のみ。

だがその2機内1機も第一次極東紛争の時、接収された。

第一次極東紛争はフルシチェフがスターリン批判をしたため反発した親スターリン派が暴走。

ソ連極東軍を引き連れ満州王国に侵攻する。

しかし満州王国軍は大日本帝国軍に鍛えられた百戦錬磨の軍隊。

満州王国軍は要塞を中心とする防衛戦を展開、激しい抵抗により侵攻は遅々として進まず、西から迫るフルシチェフ指揮下の本国軍に絶望した親スターリン派は所有していた二発の原爆を満州王国軍の要塞、日本の北海道旭川市に投下。

満州王国に向けて発進した爆弾機は撃墜に成功したものの要塞から僅か5キロの地点で爆発し要塞は半壊した。

さらに当時、旭川市郊外には極東最大の在日アメリカ空軍戦略爆撃機基地が置かれていた。

しかし原爆投下により旭川市ごと基地は消滅。

これにアメリカは報復を決意するが、手頃な機体が見つからなかった。

そこでアメリカは残っていた富嶽11号機をパイロットごと指揮下に置いた。

富嶽11号機は爆弾槽に原子爆弾を抱え立川飛行場を離陸。

その後、親スターリン派が司令部を置いたハバロフスクに投下、ハバロフスクは親スターリン派と共に消滅した。

富嶽11号機のこの戦果は、当時の珠洲ノ宮家三代目当主の意向により公式記録から抹消されあくまで米軍機が投下したと言う結果だけが歴史に刻まれた。

11号機は厄介払いされアメリカに渡り、最終的に残ったのは12号機だけだった。

残された12号機はたった1機で日本皇国空軍戦略爆撃航空団を10年以上に渡って編成し続けた。

しかしアメリカ軍がB-52爆撃機を日本空軍に供与する事になり、富嶽12号機は引退が決定されスクラップにされる運命だった。

しかし珠洲ノ宮家は12号機を買い取り、魔改造する事により珠洲ノ宮家専用輸送機に生まれ変わらせた。

以来12号機は珠洲ノ宮家歴代当主の足となり世界中を飛び回っている。

 

そう言う理由で富嶽は彼らの後ろを飛んでいるのだ。

 

 

彼らがお互いに話していると航空無線から管制機に乗るオペレーターの声が聞こえてきた。

 

『こちら早期警戒管制機、本機のレーダーに複数の機影を探知』

 

突如飛び込んできた警報に護衛隊の意識が一気に高まる。

 

『敵か?』

 

アレクサンドル大佐が問いかける。

返事は直ぐに返ってきた。

 

『敵味方識別信号を検出、信号はポーランド空軍のパターンと一致。敵ではありません。』

 

『おどかすなよ…』

 

ドミチフ大尉が愚痴るのも仕方ない。

なにせ重要人物の護衛をしているのだから。

 

『こちら護衛隊隊長機、管制機に聞きたい。後どれくらいで視界に入る?』

 

『ポーランド国境とほぼ同時、約10分で視界に見えるはずです』

 

『了解。聞いたか野郎共!精鋭ロシア空軍の名に恥じぬようしっかり飛行しろ、いいな!』

 

『『『了解』』』

 

編隊は進路を維持して飛び続けた。

 

 

 

しばらくすると墳進炎を引きながらこちらに向かってくるSu-30の編隊が見えてきた。

 

『こちらポーランド空軍東部防空隊所属第11戦闘飛行隊、ロシア軍機へ応答願う』

 

『こちらロシア空軍第2戦闘飛行隊、現在我が隊は護衛任務中、以上』

 

『了解、護衛任務は以降ポーランド空軍が請け負います。ご苦労さまです』

 

『おう、頼むぜ』

 

やがて富嶽が国境間近に近づくとロシア戦闘機隊は一斉に方向転換する。

 

『ほう』

 

アレクサンドル大佐はポーランド空軍機の見事な機動に感心した。

 

ポーランド戦闘機隊はそれまでロシア軍機が飛行していた場所にピタリと着いたのだ。

 

『お見事、うちのガキ共に是非見習わせたい腕前です』

 

『いえいえ、そちらも編隊を解き直ぐ様集合する様子、参考になりました』

 

『そう言って貰えて、こちらとしても鼻が高いです』

 

お互いの錬度を称えつつ次第に離れていく。

アレクサンドル大佐は別れの挨拶をした後、脳裏に富嶽に描かれた紋章を浮かべた。

日本国籍を示す赤い日の丸の代わりに刻まれた、一本の刀を抱くように眠る二頭の日本狼。

 

『極東の神の災厄か…』

 

珠洲ノ宮家二代目当主が大東亜戦争時、大日本帝国海軍連合艦隊を率いて太平洋に死と言う災厄を撒き散らしたことから連合軍がつけた渾名。

 

珠洲ノ宮家二代目当主は自らが乗り込んだ艦には常にもう一つの家紋が描かれた旗を掲げていた。

 

それは日本神話で水と災厄を司る邪神龍、その名をヤマタノオロチと呼ぶ。

 

二代目はヤマタノオロチの旗の元、太平洋に死の災厄を撒き散らした。

 

最期は連合艦隊残存艦艇群を率いて、自らの命と連合艦隊の消滅を引き換えに沖縄に現れたアメリカ艦隊を撃滅した。

 

その為、珠洲ノ宮家は極東の神の災厄と呼ばれている。

 

そして富嶽は今代の珠洲ノ宮家当主を乗せ西に飛行していた。

 

 

 

 

ポーランド

ワルシャワ中央駅

そこに滑り込んで来たのは、鋼鉄を身に纏い武装を施され強力なディーゼルエンジンを持つ装甲列車。

先頭には東洋の龍の紋章が書き込まれている。

ゆっくりと停車した列車から1人の青年が降りてきた。

青年は未だ二十歳になったどうかの瀬戸際の成り立ちで旧日本軍によく似た軍服を着ていた。

しかしその目は確固たる信念を持ち美しく光輝いていた。

その青年に歩みよる1人の白人の紳士がいた。

青年はその紳士を見ると笑顔満点で迎えた。

 

「お久しぶりです。統領」

 

青年がそう呼びかけた人物。

イタリア王立共和国宰相、ベスト・ムッソリーニ。

ベニート・ムッソリーニの直系の子孫にあたる男でイタリア・ファシストの流れを組む『自由の人民』の党首を務めている。

 

「これはこれは、お元気そうで何よりです。溥儀王大子殿下」

 

ムッソリーニが笑みを浮かべ敬意を現す青年の名前は、

満州王国王大子溥儀

満州王国の次期国王である。

 

「私は元気ですが、統領あなた少し太りましたか?」

 

「おや、分かりましたか。妻にも太ったと言われて今ダイエットしているのですよ」

 

ハハハとお腹を叩きながら笑うムッソリーニに、溥儀も笑いながら話かけた。

 

「フフフ、そうなんですね。ではそろそろ行きましょうか」

 

「そうですな。そう言えば我が国のオート・メラーラ社が新型の列車砲を開発しまして、宜しければ資料見ますか?」

 

「是非見させて頂きます」

 

二人は屈強な護衛に囲まれながら仲良く会話しながら歩き始めた。

 

 

 

ワルシャワ・ショパン空港

駐機場に止まっているのは黒、赤、黄色の順番で描かれた国籍を旅客機。

その旅客機から降りてきたのはデブである。

金髪碧眼でメガネをかけ、ニタニタと笑いながらラッタルを降りてきた。

 

「いやー、何年ぶりになるかねワルシャワの空気を吸うのは。なあドク」

 

「半世紀ぶりかと、少佐殿」

 

ドクと呼ばれた男も一般人から見れば気が狂っているよにしか見えない服装をしていた。

多数のレンズを持つメガネと血が付着したままの白衣。

 

「そうか半世紀ぶりか、美しくなったものだな。あの時に比べれば」

 

「はい、イワン共が焼き払ったあの時よりは」

 

少佐は地面に視線を向け何度も噛み締めるように足をトントンと蹴る。

 

「白騎士事件により第二次アシカ作戦が実施する事が出来ず、南米でひっそりと待機していた我々を探しだし引っ張りだしたのは何の為ですか?レーダー提督」

 

少佐が振り返った先にいたのは40歳の若さでドイツ連邦共和国海軍バルト海艦隊司令長官を務める、エーリヒ・レーダー提督の子孫である、エールリヒ・レーダー中将がいた。

 

「少佐達を探しだしように言ったのは私の友だ!ソイツに聞いてくれ!」

 

疲れきった表情を浮かべやけくそぎみに言い放つレーダー提督。

どこか苦労人を思い浮かばせる。

 

少佐は苦笑いしながら広い駐機場を見渡しある機体を見つけた。

それは胴体に鷲の紋章を持つ機体。

機体から1人の女性が降りてきた。

 

「美しい…」

 

少佐がそう呟いてしまう程に、その女性は美しかった。

女性は用意されていた車に乗り込むと颯爽と行ってしまった。

 

「あれは、ロシア帝国現女帝アナスタシア・ニコライ・ロマノフ陛下ですな」

 

ドクはその女性の名前をピッタリと言い当てた。

 

そして突如爆音が耳に入ってきた。

 

『まもなく、日本から富嶽が本空港に着陸する。全員準備に入れ。繰り返す準備に入れ』

 

スピーカーから富嶽が到着する事を知った二人はまだぶつぶつと言っているレーダー提督を尻目に空を見上げた。

 

二人の視線の先に富嶽が護衛戦闘機隊を引き連れ、その巨大な姿を見せた。

 

 

 

 

 

ワルシャワで最も有名なホテル

そこにはロシア連邦歴代大統領で最もロシア人民から尊敬される男がいる。

その男は彼の為に用意された部屋で報告を受けていた。

 

「……以上が現在、我がロシア連邦軍の軍備状況です。同士」

 

ロシア国防大臣から報告を受けた男は口を開いた。

 

「分かった、引き続き頼む」

 

「ハァ!」

 

国防大臣はそのまま部屋を退室しようとすると彼は引き止めた。

 

「客人の方々は着いたかね?」

 

「はい既にこちらに向かっているとの事です」

 

「そうか…改めて不審人物がいないかスペツナズを投入して徹底的に調査させろ」

 

「了解いたしました!」

 

国防大臣が退室すると男は椅子から立ち上がり窓に近寄った。

 

「もうすぐ、もうすぐだ。再び母なる祖国が赤き鋼の旗を掲げられる」

 

そう呟く男の名前は、赤きナポレオンの再来と称えられる、ミカエル・M・トゥハチェフスキー。

現在のロシア大統領。

 

そしてトゥハチェフスキー大統領は机に置かれた資料を手に取り言った。

 

「今頃、あの成り上がり共は冷や汗を流しているな」

 

資料にはこう書かれていた。

報告

北極海にてアメリカ軍がISコアの回収するのを確認せり。

操縦士は死亡するもISコアは無傷の模様。

 

トゥハチェフスキー大統領は今頃大慌てで会議を開いているであろう世界で唯一のIS操縦士育成機関を思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園

会議室

 

 

そこにいるIS学園教師達は皆、言葉が出て来なかった。

撤退したISに記録された戦闘映像には彼女達の常識をうち壊す物が映り込んでいた。

全長300メートルを超える潜水艦とおぼしき艦から撃ち上がる、想像絶する対空砲火の弾幕の嵐。

ミサイルの直撃を受けても損傷らしい損傷が見当たらず。

ISを撃墜したと思われるレールガンと見られる巨大な主砲。

 

「以上が今ある情報だ、何か質問、疑問はあるか?」

 

そこにいるIS学園教師達の目線を受けても堂々としている、

世界最強の女性。

ブリュンヒルデと呼ばれている、織斑千冬がいた。

そして1人の教師が手を上げる。

 

「本当にこれだけしかないのでしょうか?これだけだと戦力分析も出来ませんし……」

 

「残念ながら当事者のアメリカ軍も相当混乱しているようで、これだけしかない」

 

質問を一刀両断する織斑千冬。

しかし次々と質問が飛びだす。

 

「しかしこんな巨大な艦どこが造ったんですか?」

 

「そうです、これ程の巨艦を建造するにはなにかしら資金と資材、人員、建造ドックが必要です」

 

「それにこの艦の乗組員をどこから調達したのかも問題です」

 

そう質問や疑問が飛び交い、議論が進む中、緑色の髪色をした女性が緊張した顔で手を上げた。

 

「あの!織斑先生!」

 

「どうした、山田先生」

 

「えっと、飽くまで仮定の話なんですけど…」

 

山田 真耶が言い放った言葉は会議室の空気を一瞬で凍らせた。

 

「この艦に同型艦て何隻いるんですか?」

 

会議室は静まり還った。

もしISを撃墜したこの艦に複数の同型艦がいたら大変な事になってしまうのは容易に想像できる。

それは今の女尊男卑の状況から白騎士事件以前の状態に戻ってしまう。

IS学園教師達が恐慌状態に陥りそうになった時、織斑千冬が両手を打ち合わせた。

 

「なにビクビクしている。私達は生徒の安全を守る事を考えるんだ。この艦の撃沈は諸外国に任せて置けばいい。分かったか!」

 

「「「「「「はい!!」」」」」」

 

こうして会議は終了した。

 

 

 

「はあ……」

 

会議室から人が居なくなり、1人黙々と書類を捲る女性がいる。

彼女の名前はサハリナ・M・カリーナ。

ロシア国家代表生を務めた経験があるロシア人だ。

 

「なんでこんな連絡がくるのよ…」

 

カリーナが見つめる紙にはこう書かれていた。

発、ロシア連邦軍総司令部

宛、サハリナ・M・カリーナ少佐

日本皇国軍ロシャーナ連隊所属、日本IS代表候補生「早乙女真希」のIS学園に於いての生活をサポートとするべし。

 

IS学園に於いて特定の生徒を優遇することなど出来ない。

それにアラスカ条約によりIS学園に対する国家権力の干渉は完全に排除されている。

しかし抜け道は一応ある。

それはIS学園全体ではなく、教師個人にその国が命令する事だ。

流石にそれは機密情報の流失に繋がる可能性があるので、タブー視されている。

それを分かった上で送ったのだろうと、カリーナは思った。

 

「……どうなっても、しーらない」

 

カリーナはこの命令に従う事にした。

結局は彼女も軍人、IS学園の利益ではなくロシアの利益を追求するのは当然の事だ。

それにただサポートとをするだけ。

それが彼女が従う一番の理由だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

報告

南大西洋ニテ我、複数ノ国籍不明艦ヲ発見ス。

中央ニ空母ラシキ大型艦ミユ。

我、此ヲ追尾セン。

以上

 

 

早乙女真希、IS学園転入

1日前の事である。

 

 

 

 

 




原作キャラクターがやっと出てきた。
少しだけだけど。
ストーリーは面白いですか?
感想待ってますー!
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