復讐の太陽旗   作:海空陸一体

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いやー
疲れた。
そろそろ本家の更新も再開するんで遅れるかも?
感想くださいー


第四話...動き出す者

長野県のある地方、ここには世界中の軍隊から狂っていると言われる部隊が根拠地にしていた。

日本皇国国防陸軍

独立機動連隊「ロシャーナ」

ロシャーナ連隊は遡れば100年以上前に、日露戦争で捕虜になり、日本を新たな母国にする亡命ロシア軍人から結成された。最初は1600人と小さかったがその後部隊規模の拡大を続け太平洋戦争時は4000人を超えるまでになった。

しかし沖縄攻防戦にて部隊は壊滅。生存者は1500人程度、つまり2000人以上の命が南の島で散っていた。

 

しかし長い年月を掛けロシャーナ連隊は事実上、復活を遂げ日本外征戦力の一員として数えられている。

特にイラク戦争で彼らの狂人ぶりが発揮された。

ロシャーナ連隊は第一大隊が輸送ヘリコプター、対戦車ヘリコプターを集中配備した機動力特化の空中機動部隊であるならば第二大隊は戦車や装甲車、自走砲が中心の打撃部隊である。

イラク戦争ではこの第二大隊が盛大にやらかした。

イラク軍三個師団相当の戦車軍団を一個大隊だけで撃破してしまったのだ。その後、敗走するイラク軍を第一大隊が機動力を生かした追撃戦を展開、イラク軍は降伏を余儀なくされた。

その戦いの後、各国の派遣指揮官達がロシャーナ連隊の各大隊長に口を揃えてこう質問した。

「味方と合流して安全に(比較的に)戦おうと考えなかったのか?」

それに対して普段はお互いを嫌悪している第一、第二大隊、両指揮官はこう答えた。

「「ツァーリが見ている側で撤退の文字は我等にはなし!ツァーリの前に立ちはだかる敵兵は全て、我等が信じる神、ヤマタノオロチの生け贄に捧げるべし!」」

そう語る両指揮官を見て、たちまちロシャーナ連隊将兵達が口々に叫ぶ。

『ツァーリに逆らう者共は皆殺しだ!』

『ツァーリと我等が故郷に仇なす奴らに死の鉄槌を!』

『母なる祖国を汚す者は八つ裂きにしろ!』

興奮して口々から先走る言葉の羅列に各国指揮官が唖然としていると彼らは最後にこう言った。

『『『我等がツァーリの元に撤退の言葉なし!ツァーリが信じるヤマタノオロチに敵の骸を捧げそれを我等の忠誠の証とする!我等は命は永久の繁栄と平和の為!』』』

これを聞いた各国指揮官達は狂っていると評した。

 

 

そして......

ロシャーナ連隊第一大隊駐屯地

未だ朝日が昇らない夜に駐屯地内から空気を叩く音と甲高い轟音が響く。

長大なヘリ発着所では多数のヘリコプターが暖気運転を繰り返し出発の時を待っていた。

その発着所の片隅に複数の人影が見えた。

 

「真希、通信機持った?非常食持った?拳銃の予備弾丸は忘れてない?それから...」

 

「お嬢様、何も忘れ物はありませんから大丈夫ですよ...」

 

「嘘!真希はいつも何かしら忘れるんだから最後まで確認しないと!ほらケース見して!中身見るから!」

 

「本当に忘れていませんから見ないで下さい!?」

 

ケースをその胸に窮屈そうに抱えて、渡すまいとするのは早乙女真希陸軍少佐。

早乙女少佐が様付けで呼ぶ人物は珠洲ノ宮家現当主の娘であり、次期当主である。

 

二人がケースを取り合っていると和服を着て物静かな生い立ちをした女性が声を掛けた。

 

「二人共、そろそろ時間ですよ。真希ちゃん。はい、お弁当」

 

女性が差し出したのは普通のお弁当であった。最高級の漆塗りのお弁当箱であるが。

 

「...ありがとうございます。奥様」

 

「あらあら、いいのよいつも道理にお義母さんと呼んで」

 

「しかし...」

 

「真希ちゃん。何回も言っている事だけどね貴女は養子だけど私とあの人の子どもなの。だから別れる時ぐらいはいつも道理に呼んでね。ね?」

 

ニコニコにしながら語り掛ける女性。

真希は躊躇しがちに頷いた。

そして口を開こうとした瞬間、野戦服を着ている軍人が歩み寄ってきた。

 

「早乙女少佐、出発の時間だ。ヘリに乗り込め」

 

「今すぐ行きます。ゲルビル将軍」

 

早乙女真希が答えるとロシャーナ連隊第一大隊長兼連隊長アレクサンドル・コンスタン・ゲルビル将軍が振り返り指揮官機に向かった。

 

「ではお嬢様、奥様。いままでありがとうございました」

 

「怪我はしないようにね真希ちゃん」

 

「あっちでお腹壊すなよ!真希!」

 

暖かい言葉を受け歩き出そうとしたが途中で振り返った。

周りの次々と離陸をするヘリの爆音に負けない声で早乙女真希は叫んだ。

 

「お義母さん!必ず戻ってきます!!」

 

そう叫ぶと恥ずかしさが混み上がり指揮官機のCH-47チヌークに逃げる様に飛び込んだ。

チヌークの後部ハッチから真希が目に見たのは笑顔満天で手を振る女性と隣で少し不満そうにしている次期当主の顔である。

 

指揮官機が浮かび上がりある程度の高度まで上昇するとその周りを待機していた大隊各機が陣取る。

その数は三十機を超える大集団である。

大隊は一路、東京湾を目指した。

そこに早乙女真希少佐が入学する事になったIS学園があるから。

 

 

 

 

 

 

 

「将軍」

 

「どうした参謀長」

 

機体飛行中の為、小刻みに揺れる中ゲルビルは信頼する部下が自分を呼んだ為、顔を向けると参謀長が早乙女真希少佐を指していた。

早乙女真希少佐をを見てみると参謀長が呼び掛けた理由が直ぐに分かった。

早乙女真希は静かに寝ていたのだ。

穏やかな表情を浮かべ完全に寝ている真希の寝顔を見てゲルビル将軍は思った。

ーーー本当、肝が据わっているな。と

ゲルビルは早乙女真希と初めて会った時の事を思い出した。そして彼女を認めたある出来事も。

 

 

 

 

9年前

ロシャーナ連隊司令部

「ハイ?この少女を冬季訓練に参加させるのですか」

 

「うむ、よろしく頼むぞ。ゲルビル」

 

ゲルビルは頭を抱えた。

ツァーリが連れてきたのはまだ小さい子どもであった。

それをいきなり毎年死人が発生しかける地獄の冬季訓練に参加させるのには自殺と同じだ。

 

「流石にツァーリの頼みでもそれは無理です。下手をすれば死んでしまいす」

 

「では命令ならばいいのか?」

 

思わず舌打ちしてしまう。

ツァーリは自分が決して逆らわない事を熟知している。だから命令ではなく、お願いで穏便に済ませようとしたのだろう。

 

「改めて通達する。早乙女真希をロシャーナ連隊冬季訓練に参加させよ。これは命令である」

 

逃げ道を塞がれた。

ゲルビルは思わずため息を出しながら命令を受諾した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから大隊各員に新しい新参者である早乙女真希を紹介した。

彼らはゲルビルに詰め寄り口々にこう言った。

死んでしまう。と

毎年行われる冬季訓練は、東北方面軍の奥羽山脈雪中行軍訓練に匹敵する過酷な訓練である。

しかしゲルビルがツァーリから命令である事を告げると、同情の目を向けて下がるしかなかった。

訓練は過酷であった。

例え少女で在ろうと、兵士達と同じ様に三日分の食料を背負い厚い防寒服を身に纏い、氷点下の吹雪が等しく降り注ぐ。

彼らは幾度なく助力をしようした。

しかし早乙女真希はそれを拒み1人で歩き続けた。足が積雪で取られようとも、1人で。

しかしやはり限界が来た。

山中の中に敷設された集積所の一歩手前で倒れてしまった。

 

「おい!真希ちゃんが倒れたぞ!」

 

「衛生兵!」

 

「しっかりしろ!あともうすぐだ!頑張れ!」

 

倒れた真希に駆け寄る将兵達。

しかしそんな彼らにゲルビルがホルスターから拳銃を引き抜く。

 

「将軍、なにを?」

 

「邪魔だ」

 

そい言って将兵達を退かせるとゲルビルは。

カチャリ

拳銃を真希の頭に突き付けた。

 

「早乙女、貴様はここで死ぬのか?」

 

「......」

 

何も答えない真希にゲルビルは静かにその拳銃の引き金を引いた。

 

パン!

 

軽い音が山中の森の中に響く。

 

ゲルビルや息を潜めていた将兵達は、目を張った。

白煙を引く拳銃を握る小さな手。

早乙女真希はゲルビルを睨みながら言った。

 

「...私は死ねない。死んでたまるものか!皆の仇を獲るまで!」

 

そい言って真希は再び気を失ってしまう。

ゲルビルは拳銃を咄嗟に握り銃先を逸らした、真希の行動に驚愕した。

普通ではない。

そしてゲルビルは真希を抱えあげた。

 

「第一大隊総員に告げる。この少女は意思を示した。私は早乙女真希が我等ロシャーナ連隊に入る資格があると考える。異議ある者はいるか!」

 

「「「「「異議なし!」」」」」

 

「為らば称えよ!」

 

ゲルビルは自分の腕の中で寝ている真希を高く上げた。

 

「ここに新たな戦士、新たな戦友を迎えた事を。この少女に神々の祝福を!」

 

「「「「「新たな戦友に祖国を守りし八百万の神々の祝福を!」」」」」

 

軍服の男達は認めた。

自分達に新しい小さいながら強い意思を持つ新たな仲間を迎える事を。

 

 

 

 

 

 

 

 

昔の事を思い出し感傷に浸ったいると、ヘリの窓から東京湾が見えてきた。

朝日が顔を覗かせ光が差してきた。

編隊が横須賀軍港上空を通過すると、岸壁に横たわる一隻の戦艦が見えた。

ゲルビルは唸りながらその名前を口にする。

 

「信濃...」

 

十年前の白騎士事件で大破してから修理が一切行われずその傷付いた船体で岸壁に横たわる皇国海軍、元総旗艦信濃。

司令艦橋は焼け焦げ、後部艦橋は消えて無くなり、各兵装も吹き飛んだ後が痛々しい。

かつて大和三姉妹で太平洋を蹂躙し世界最強と唱われた主砲46センチ砲も虚しく垂れ下がっている。

 

それを見ていると前方で警戒行動をしていたAH-64アパッチから通信が飛び込んだきた。

 

『こちらコサックⅠ。IS学園を目視で視認した!』

 

その報告に機内が殺気立つ。

なにせ白騎士モドキを操る為に設立されたのがIS学園だ。

しかし彼らはそれを抑え込んだ。

 

時が来るまで待機せよ。

 

彼らは忠実にツァーリが言った言葉に従った。

そして早乙女真希の隣に座る兵士が起こしにかかる。

 

「少佐殿、間もなくIS学園です。お目覚めを」

 

兵士が真希の肩を掴んで揺らすが起きようとしなかった。

ゲルビルはため息をつくと、めい一杯、空気を吸い込んだ。

それを見た将兵達が慌てて耳を塞ぐ。

 

「総員起床ーーー!!」

 

凄まじい声がビリビリと機内に響き渡る。

真希はもぞもぞと起き上がった。

「ふぁ?」

 

この時、将兵達が思った事は唯一つ!

ーーーか、可愛い!。

何せ暑苦しい男集団の中で数少ない女性兵士なのだ。

小さい子ども時から一緒に過ごしてきた性か、真希はロシャーナ連隊将兵のアイドルと化していた。

これまで幾人もの勇気ある若人達がアプローチするもこと如く撃沈していった。

 

「早乙女少佐!もうすぐでIS学園だ!その顔直しておけ」

 

ゲルビルがそう言うと早乙女真希は手鏡を取りだし身だしなみを整え始めた。

 

「将軍、ここは迂回して南側のヘリポートに着陸するのが良いと考えますが」

 

参謀長が意見具申するがゲルビルはそれを鼻で笑う。

 

「参謀長、我等はロシャーナ連隊だぞ、ここは堂々と行こうじゃないか」

 

獣が獲物を見つけたような笑みを浮かべるとそれに釣られるように将兵達も獣じみた笑顔をうかべる。

 

「第一大隊総員に告げる!突進せよ!」

 

「「「「「ウラララーーー!!」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

寮からそれぞれ教室がある校舎に向かうIS学園生徒達。

その中でツインテールの髪型をした少女がいる。

凰鈴音。中華人民共和国軍軍属、中国代表候補生。

なにやら不機嫌なご様子。

 

「...全く一夏は昨日の夜、隣に居た女はなんなのよ?あとで絶対聞き出してやるんだから」

 

ブツブツと物騒な言葉を呟きながら歩く鈴音の周りには何故か人がいない。

少し距離を置いて話し合っていた。

 

「あの子が転入生?」

 

「やっぱり織斑君狙いかな?」

 

「でも胸が残念ね...」

 

気になる所を指摘され、そちらの方に顔を向け睨むと、そそくさと逃げ出していく。

 

「ハァ...胸が大きくて何がいいの?」

 

乙女の悩みを呟くと、何か雑音が聞こえてきた。

それは次第に大きく聞こえて来て、複数に重なる。

バタバタと空気を叩く音だ。

 

「なに?」

 

キョロキョロと辺りを見渡すが高い校舎に阻まれて見ることが出来ない。

自身の専用機『甲龍(シェンロン)』を展開しようとするが学園規則を思い出し、踏みとどまった。

やがて轟音が学園内に響き渡り、登校途中の生徒達が空を見た瞬間に姿を見せた。

対戦車ヘリ、輸送ヘリの群れが完全武装で低空飛行によりIS学園上空に侵入。

胴体に蛇の紋章を刻んだその姿を見せつけながら侵入した。

 

「わぁ!」

 

プロペラにより引き起こされる強風により体が持っていかれそうになるが大丈夫だった。伊達に軍属ではないのだ。

 

「どこの馬鹿よ!?学園上空を校舎すれすれで飛行する馬鹿は!?」

 

鈴音が見つめる先で編隊は、南に進路をかえた。

 

 

 

 

 

 

大隊無線から男達の声が聞こえてくる。

 

『あそこに別嬪の女の子があるぞ!』

 

『おい、俺にもみせろ!』

 

『本当に女しか居ないぞ!』

 

『パンツ見えるぞ!?』

 

『おお!男のパラダイスだ!ぐぼぁ!』

 

『『『小隊長が鼻から血を吹いて倒れたぞ!』』』

 

『『『『『バアチィ!!』』』』』

 

そんなくだらない会話をしているとヘリポートが見えた。

指揮官機は着陸準備に入った。

 

 

 

 

 

サハリナ・M・カリーナが見守るまえでチヌークが着陸する。やがて機体後部ハッチが開き彼女が待っていた人物が降りてきた。

 

「カリーナ先生でいらっしゃいますか!」

 

「貴女は!」

 

「早乙女真希です!ただいま到着しました!」

 

「朝のSHR(ショートホームルーム)がもうすぐ始まるから急いで!」

 

そう言って二人は歩きだすが真希は途中で振り返った。

 

「ゲルビル将軍!ありがとうございます!」

 

指揮官機の中で鎮座しているゲルビルは手を振り。

 

「怪我には気をつけろよ、少佐」

 

チヌークは二枚のプロペラの回転させ浮かび上がり、もと来た道を戻りだした。

大隊各機はそれを追うが機体のサイドドアを開け、機体側面に詰め寄った将兵達が口々に叫ぶ。

 

「少佐!ご武運を祈ります!」

 

「怪我とか病気にかかるなよー!」

 

「真希ー!寂しくなったら何時でも帰ってこーい!」

 

「真希ちゃんーー!結婚してくれ!!」

 

「「「「なに抜け駆けしてやがる!!オメエぶっ殺してやる!?」」」」

 

先走った1人の兵士が周りから制裁を食らっている。

早乙女真希は笑いながらそれを見送った。

 

 

 

 

 

 

早乙女真希が居なくなった機内はドンヨリしていた。

何せ彼らのアイドルが彼らの敵地に1人で行ってしまったのだ、心配でテンションも下がってしまうのは仕方ない事だろう。

そんな中でゲルビルは大隊無線とは違う衛星無線で話し合っていた。

 

「ツァーリ、無事送り届けました」

 

遥か彼方にいる主人に報告すると、彼の耳を震わせる言葉が帰ってきた。

 

「なんと!...了解しました。お任せ下さい。奥方様とお嬢様には指一本触れさせません」

 

「将軍、ツァーリは何と?」

 

不審に思った参謀長が近寄るとゲルビルは言い放った。

 

「参謀長、大隊総員に通達せよ」

 

ゲルビルのただならぬ様子に直立不動の体勢を取る。

 

「これよりロシャーナ連隊総員は24時間体制で第一級警戒体制に入る」

 

「直ちに通達致します!」

 

通信兵を呼び、各隊に連絡をする参謀長を尻目にゲルビルはツァーリが言った言葉を反芻した。

ーーー日本政府内で、不穏な動きあり。注意されたし。

ゲルビルは何か特大に危険な何かが起きていると考えた。

 

 

 

 

 

 

 

報告

南大西洋で剣龍が撃沈されたと認む。

更に日本政府内で不審な動きあり。

関係各所は細心の注意を持たれるべし。

 

なお「第四次六六艦隊」主力艦艇群は間もなく実戦可能。

各員は第三段階に入るべし。

 

追記

早乙女真希少佐は無事、IS学園に転入せり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いよいよ学園生活だけど、上手く書ける気がしない!
まあ、頑張ります!
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