遭難!宇宙戦艦ヤマト!    作:エウロパ

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皆さん!
明けましておめでとうございます!
今年もエウロパをよろしくお願いします。

約1ヶ月半~二ヶ月ぶりですね。
大変お待たせしました。ついに十一話の投稿です。

※ここでお知らせです
まだ序盤なのに時間がかかりすぎているので、ストーリーのスピードを実験的にアップする事にしました。
急なスピードアップで不自然な部分があるかもしれません。できればそのような部分があれば教えてください。もちろん普通の感想もドシドシ受け付けていますので、こちらもよろしくお願いします。


第十一話 カウントダウンⅡ

夜。

 

テーブルに直接備え付けられたバーベキューの器具。

その上でジュゥジュゥと香ばしく焼ける肉や野菜達。

 

グアム決戦が4日後に迫るこの日、グアムで今だ営業している数少ないホテルの一つ、アウトリガーホテルの海を望む屋外バーベキュー会場に提督の主催でバーベキューパーティーが開かれそこに四人の少女達が来ていた。

 

「バーベキューでち!」

 

ゴーヤは目を輝かせ片手に皿、もう片手にトングを持って目の前で肉が焼けるのを待っていた。

 

「ちょっとゴーヤ、慌てなくてもお肉はまだ沢山あるわよ」

 

ゴーヤの姿を見たイムヤが呆れたように言う。

 

「仕方ないですよ、イムヤちゃん。お肉なんて滅多に食べれないんですから」

 

そんな二人のやり取りを見ていたハッちゃんこと、伊八が、イムヤに笑いかけた。

 

「まぁ……それもそうね。でも、よくあの提督がこんな高いパーティー開こうと思ったわよね、うちの鎮守府そんなにお金に余力あったかしら?」

 

イムヤは首を傾げた。

 

「さぁ?」

 

伊八も首を傾げた分からないようだ。

 

「まぁ、良いわ。それじゃあ私も今日くらいは沢山食べる事にするわ」

 

イムヤも沢山の肉を前に自然と笑顔になった。

 

「お肉♪お肉♪っと、そろそろ焼きあがる頃……」

 

イムヤはトングを持って意気揚々に焼き上がった肉を取ろうとコンロの網を見た。

そして、イムヤは目を点にした。

 

「……てっ、ゴーヤ!あんた焼き上がったお肉全部取ったでしょ!?」

 

「ふぅへ?」

 

イムヤの叫びにゴーヤは口をモグモグさせながら返事を返す。

 

「ゴーーーーヤ!?!?」

 

イムヤはゴーヤの元に駆け寄った。

 

「あ、あんた、まさか焼き上がったお肉、全部食べた!?」

 

血相をかくイムヤを後目にゴーヤは口をモグモグと動かす。

 

「ゴックン。ゴーヤは何も知らないでち」

 

「あーーーー¥%♂@〓▼★※△!?!?」

 

ゴーヤの飲み込む姿にイムヤは意味の分からない叫び声をあげた。

そんなイムヤとゴーヤの様子を伊八は微笑ましそうに見つめていた。

 

「ウフフフ♪イムヤちゃん。そんなに驚かなくてもまだ、お肉はありますよ」

 

伊八はイムヤの肩を後ろから人差し指で突っついて振り向かせると食材の置かれたコーナーを指差した。

 

「あっ本当だ!ありがとう、はっちゃん♪」

 

イムヤは食材コーナーを見て顔をキラキラさせるとコーナーに向かって走っていった。

ゴーヤとイムヤがはしゃぐのは当然だ。

海上輸送路が崩壊した現在、バーベキューの食材等、特に肉などは貴重品中の貴重品だ。

滅多に手にいれることはできないし価格は非常に高騰しいる。

 

そんな中、騒がしい潜水艦の三人を席に座ってにこやかに見守る駆逐艦の少女がいた。

 

雪風だ。

 

「潜水艦の三人、楽しそうで何よりです。でも……提督と長門さんと陸奥さんはどこに行ったんでしょうか?提督が急に言い出した事なのに……」

 

雪風のいう通りこのバーベキューパーティーは提督が今日の昼に突然言い出した事だった。

なのに、言い出しっぺの提督の姿は何処にもない。

雪風は少し心配そうに首を傾げると隣の席に座っている五月雨の方を向いた。

 

「五月雨ちゃん。提督たちが何処に行っているか知ってます?」

 

雪風は五月雨に話しかけた。

 

「……」

 

「……五月雨ちゃん?」

 

五月雨は下にうつむいたまま何も答えなかった。

テーブルの上のお皿にも何も盛られていない。

いつもの五月雨ならはしゃいで肉を取るはずだが……。

雪風には五月雨の姿が何か考え事をしているように見えた。

 

「五月雨ちゃーん!聞こえますかー!」

 

「……はっ!?あっえっと……すみません……なんの話でしたか?」

 

雪風の呼び掛けに五月雨はようやく反応した。

 

「どうかしましたか五月雨ちゃん?」

 

雪風が心配そうに五月雨の顔を覗きこむ。

すると五月雨は苦笑いをした。

 

「いえ、なんでもありません」

 

「何でもないなら良いですけど……何か悩みごとがあれば言ってください!雪風、微力ながらお手伝いします!」

 

雪風はガッツポーズをしながら五月雨に言った。

 

「フフッ」

 

そんな雪風の姿を見た五月雨はつい笑ってしまった。

 

「な、なんで笑うんですかー」

 

雪風は恥ずかしそうに顔を紅くする。

 

「雪風さん面白いです。でも五月雨は大丈夫です」

 

「そうですか……」

 

五月雨はまた苦笑いをして誤魔化した。

雪風はそんな五月雨に対してそう言うしかなかった――。

 

 

 

――どれくらいの時間がたっただろうか。

時計を見るとバーベキューパーティーを初めてから2時間ほど経過していた。

結局その間、提督達は現れず、さっきまで騒いでいたゴーヤやイムヤもさすがに2時間も提督達が来ないと静になり黙って食事をしていた。

 

もう、帰ろうか。

 

そんな話が少し出始めたその時だった。

 

突然会場入り口の扉がバンッ!と勢いよく開いた。

 

 

「みんな!お待たせ!」

 

 

その声を聞いた五月雨達は全員一斉に立ち上がり声の主の方を見つめる。

そこに居たのはネクタイをちゃんと締め日本海軍の制服に身を包んだ提督だった。

後ろには長門と陸奥もいる。

 

「「…………」」

 

五月雨達はジーッと提督を疑いの目線で見つめる。

 

「な、なんだよ?何か変か……?」

 

提督は体を少し身じろいだ。

すると最初に口を開いたのはゴーヤだった。

 

「てーとくが……てーとくが、ちゃんと制服着てる……でち」

 

「信じ……られない」

 

ゴーヤに続いて皆が同じようなことを言い始める。

今まで下は半ズボン、上はアロハシャツに制帽というアンバランスな服装だった提督が普通の制服を着始めたから驚いているのだ。

 

「悪いか!たまには着ることもあるわ!」

 

散々の言われように提督は突っ込みを入れるように言った。

すると突然、ゴーヤが提督に向かって走り出した。

 

「えっ、なに?ちょ、ちょっと待て!遅れたのは謝るからっ!?」

 

提督は勢いよくゴーヤに押し倒され床に倒れた。

 

「イテテテ……いくら遅れたからって限度が……」

 

提督は自分の頭をさすりながらゆっくりと自分の上にいるゴーヤの方に目を向けた。

 

「へ?」

 

ゴーヤの姿を見た提督は間の抜けた声を出した。

 

「えへへへ♪てーとく制服すがたー♪」

 

ゴーヤは提督が遅れてきた怒りで押し倒したのではなくただ単に抱きついて提督の上でただ、ほうずりをしていた。

 

「てーとくの、レアな制服姿を見れただけでも儲けものでち♪」

 

ゴーヤは怒るどころか気分ルンルンだ。

 

「おい、落ち着けゴーヤ」

 

すると、長門は呆れたようにゴーヤの首根っこを掴むと持ち上げ提督から離した。

 

「え~、もうちょっと~」

 

「あとでやれ、あとで……」

 

駄々をこねるゴーヤに長門はため息をついた。

そして提督が立ち上がると五月雨達が提督達のいる方へ歩み寄ってきた。

 

「提督!」

 

五月雨は一歩前に出て提督の名前を呼んだ。

 

「その……何かあったんですか?」

 

心配そうな暗い声で五月雨は提督に聞く。

 

「…………」

 

しかし提督は黙ったまま何も答えなかった。

すると、横にいた長門が肘で軽く提督をトンと押すと提督の耳元に顔を近づけた。

 

「提督……」

 

耳元で囁いた長門に提督は分かってると頷くと目の前にいる自分の艦隊の艦娘の顔を一通り見た。

皆、提督の顔を不安げに見つめている。さっきまで騒いでいたゴーヤも同じだ。

 

提督は目をつぶった。

そして、軽く深呼吸をする。

 

「……よし」

 

提督は決心したように目を開くと真剣な表情で皆をもう一度グルッと見た。

 

「皆、どうしても聞いてほしい事がある。これからの我々の艦隊の未来に関する重要なことだ」

 

提督はいつもの緩い感じの口調から真面目に語った。

この提督の雰囲気を感じ取ったのか五月雨達はゴーヤも含めて背筋を伸ばし一列に並んだ。

 

「……実は、このパーティーに遅れたのはアメリカ軍のハワード司令官の所に行っていたからなんだ」

 

「ハワード司令官の所に……?」

 

提督のハワード司令官の所に行ったという言葉に一同はどよめいた。

普段はアメリカ軍との交流なんてほとんど無いのに司令官と会ったなど言えば当然だ。

 

「皆には隠していたが……実は、我々の艦隊に今だかつてない危機が迫っている」

 

提督は押し殺した様な声で言った。

 

「私はその件についてハワード司令官と話してきた。詳しい話は私より長門の方が良いだろう。長門、頼む」

 

「了解した」

 

長門は頷くと提督より一歩前に出て皆の前に立った。

 

「ここからは秘書艦である、この長門が説明する」

 

秘書艦という長門に五月雨は若干不満げな表情をしたが長門はそれには気がつかず話を進めた。

 

「ここにいる者は知っているかも知れないが現在、グアムの近海に深海凄艦の大艦隊が集結している。この深海凄艦の対処について上層部は三つの結論を出した」

 

五月雨達はこのグアム近海に深海凄艦の大艦隊がいることをすでに知っていた。

提督や長門からは口外を禁止されていたが偵察任務でその全貌を見てきた当事者の為当然だ。

 

「まず1つ目は深海凄艦が攻めてくる場所だがそれは率直に言ってこのグアムだ。侵攻予想時期は四日後だ」

 

その言葉に対して五月雨達は少し動揺したようだがすぐに落ち着きを取り戻した。

 

「そして二つ目だが……」

 

長門に全員の意識が集中する。

五月雨の頬には汗が一滴、滴った。

そして、しばらくの間静寂が続く……。

 

「本土からの援軍は来ない」

 

五月雨達は一瞬、時間が止まったかの様な感覚に陥った。

 

すると、イムヤがガクッと崩れるように前に出てきた。

そして長門に鬼のような形相を見せる。

 

「じょ……冗談じゃないわよ!!あの大艦隊に援軍無しなんてあり得ないわ!!アメリカ軍だって頼りにならないじゃない!!」

 

「そ、そうです!何かの間違いですよね!?」

 

イムヤは長門に叫んだ。

雪風も長門に詰め寄る。

それ以外の五月雨、ゴーヤ、伊八もその表情に動揺を隠せないでいた。

当たり前だ、自分達は深海凄艦の大艦隊を目撃してきたのだから、援軍が来ないなんてことを聞けば誰でも叫びたくなる。

 

「残念だが本当の事だ」

 

そんな五月雨達に長門は過酷な現実を突きつけた。

 

「そ……そんな……」

 

イムヤは崩れるように膝を地面につけた。立ちすくんでいた雪風はすがるように提督へ目を向けた。

しかし、提督は一瞬目をそらし、もう一度皆の方を見直すと申し訳なさそうに前に出た。

 

「皆、気持ちは分かる……ただ長門を攻めないでやってほしい。この件の責任は私達人間にある……」

 

そう言うと提督は事の顛末を語り始めた。

 

「詳しい事はあまり言えないが……最近、日本とロシアが急に仲良くなったことは知ってるな?」

 

「知ってるけど……」

 

イムヤは怪訝な顔をした。

提督が何を言いたいのか分からないからだ。

しかし、五月雨は……。

 

「……っ!まさか!?」

 

五月雨は一瞬、顎に手をあて考える素振りをすると、すぐに何かに気がついた声を上げた。

 

「五月雨、今ので何か分かったの!?」

 

イムヤはそう言うと五月雨の方を振り返った。それとほぼ同時に皆も五月雨に視線を集中させる。

 

「……たぶん、五月雨の考えていることで間違いないと思う……」

 

提督は静かに俯いて言った。腕の拳は握られ震えていた。

その提督の姿は明らかに怒りに満ちていた。

 

「今から言うことは他言無用だ。まぁ……アメリカ軍の上層部はもう知っているだろうが……」

 

提督は皆に断り事を言った。

 

「日本海軍上層部……いや、政府は今後のロシアとの関係親密化をさらに推し進めるために国内にいる不穏分子……在日アメリカ軍のシーレーンを、ここグアムを深海凄艦に陥落させることによって寸断し大人しくさせえようという考えらしい。だが、新日米安全保障条約があるため何もしないわけにはいかない……つまり、司令部の命令というのは……」

 

提督が事の経緯をほぼ、包み隠さず言うと五月雨が神妙な面持ちで提督の前に出てきた。

「私達に捨て石になれってことですね……」

 

五月雨は悲しそうな顔をした。

 

「……そうだ」

 

提督は下唇を噛んだ。

そして目をつぶると五月雨達に頭を下げた。

 

「本当にすまなかった!私がもっとちゃんと上層部との間に人脈を作っていればこんなことには……」

 

殴られる覚悟はできていた。

だが、誰も提督を殴ろうとはしなかった。

 

「「…………」」

 

そのあとしばらくの間沈黙が続いた。

皆、何も喋らずただ、ただ、絶望感が全体の空気を支配していた。

すると……。

 

「はぁ~もう仕方ないわね。こんな事 、気にしたら負けよ。それにこの基地に配属された時からいつかはこうなるんじゃないかって薄々思ってたし司令官がバーベキューパーティーなんて言い出した時には何かあるんじゃないかと思ってたわよ」

 

最初に口を開いたのはイムヤだった。

その声には不思議なことに怒りも絶望感もなかった。

 

「……それもそうですねイムヤちゃんの言う通りです。気にしたら負けですね♪」

 

「そうでち!そうでち!」

 

「そうですよ!気にしたら負けですよ、司令!」

 

イムヤに続いて伊八、ゴーヤ、雪風が気にしない、気にしない、気にしないと提督に笑顔を向けた。

 

「提督、頭を上げてください。ここにいる皆の中に提督を責める艦娘なんていませんよ?それに提督が悪くない事も皆が分かってます」

 

五月雨は優しい声で提督に言った 。

 

「それにしても上層部連中は何考えてんのよ?私達に上の尻拭いさせるなんて最低ね!」

 

「そうでち!そうでち!」

 

「全く!はっちゃんも、許せないわ!」

 

提督にではなく上層部への不満が相次ぐ。その様子を見た提督の目から涙が落ちる。

 

「みんな……ありがとう」

 

提督は笑みを浮かべた。

皆は提督から見ても誰から見ても明らかに無理をしていた。

でもそんな心優しい彼女たちに提督の胸は熱くなった。

そして姿を見た皆も自然と笑顔になった。

 

「それでなんですが提督、作戦はもうできていますか?」

 

五月雨は気を取り直して提督に質問をした。

五月雨の顔に先程までの焦りや絶望感は無い。

 

「作戦か。実はそれが三つ目の事なんだが、作戦は――」

 

提督が作戦について説明しようとしたその時、再びバーベキュー会場の扉がバンッと開いた。

 

「――その説明、私がいたしましょう」

 

そこには一人の小柄なツインテールの少女とその後ろに部下と思われる二人の鍛え抜かれた大柄な男が立っていた。

 

「誰でち?」

 

「あなた達は……」

 

「あいつら……」

 

五月雨は少女の事を知っている雰囲気だったがゴーヤやイムヤ、伊八、雪風の四人は見たこともない少女の登場にただ、ただ驚いていた。

だが、ゴーヤ以外の艦娘達は少女とその取り巻きの制服を見た瞬間、敵意を剥き出しにした。

 

しかし、少女はそんなことには動じず堂々と提督と五月雨達の前に立った。

 

「どうも、こんにちは。〝見捨てられた〟日本海軍の皆さん。私はグアム基地司令官ハワード・ジョンソンの補佐官、リリィ・ブラウンです。どうぞよろしくお願いします――」

 

 

――グアム決戦まであと四日――

 

 

 




あっという間に2015年が終わり2016年になりました。
歳をとったからなのか生活習慣が変わったせいなのか……。
なんだか複雑な心境です。

まぁそんなことはどうでも良いです。

なんと!年の終りに、ようやく艦これプレイ二年目にして陸奥をゲットしました!

それでは皆さん良い新年をおくりください。
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