....嫌になりそうな静けさだった
俺は正直こういうのは好きではない
テイトク
また、あの頃の記憶が蘇りそうで
テイトク....テイトク!
皆がどこかに消えてなくなりそうで....
『提督!!!』
提督「....え?」
「やっと起きたか....」
目の前でやれやれという仕草をした後、すぐに俺の部屋を掃除する彼女はこの鎮守府の秘書艦である「武蔵」だ
提督「あ、あれ?俺もしかして寝てた?」
武蔵「熟睡だったぞ....昨日も遅くまで仕事か?」
提督「いや、昨日はちょっと飲んでたんだ」
武蔵「またか...この時期になるといつも提督は酒を飲むんだな」
提督「ま、今日は特別なんだよ」
武蔵「....そうか」
提督「さて、今日は第六駆逐隊が遠征から帰ってくるんだよな」
武蔵「予定ではそうなっている」
提督「んじゃ、暁達を迎に行ってくるわ」
武蔵「待て、私も行こう」
提督「武蔵が?何で?」
武蔵「なに、大和が皆を甘やかしていないか見に行くだけさ」
提督「なるほど、まあ大和なら甘やかしてそうだな」
武蔵「そういうことだ」
武蔵がせっせと用意をしてこの部屋を出た
....俺も支度するか
〜鎮守府付近の海岸〜
提督「ん〜、もう少し掛かりそうかな〜」
「提督、こんな所にいましたか」
提督「うぇい!?....あ、加賀か」
後ろから急に声をかけたこいつは俺たちの鎮守府では数少ない空母の加賀である
加賀「第六駆逐隊なら既に帰ってきてますよ?」
提督「え?....あ、そういえば此処じゃなかったな」
加賀「....やはりこの時期になると思い出すのですか?」
提督「........」
加賀「....私は赤城さんと間宮さんの所に行きます」
提督「....おう、しっかり飯は食いな」
加賀は軽くお辞儀をしてこの場を去った
提督「......よし!あいつらに会いに行くか!!」
〜遠征エリア〜
「あ、提督!!」
「今日は大成功なのです!」
「もっと褒めてもいいわよ?」
「雷はあまり活躍してない」
提督「ご苦労様だな」
こんな小さいけど遠征となると心強い四人
右から暁、電、雷、響である
提督「ほんと、少し前までは天龍と龍田に頼ってばっかだったのにいつ間にか一人前になりやがって」
暁「ふん!一人前のレディは物覚えが早いのよ!!」
響「暁が一番覚えるのが遅かった」
暁「んにゃ!?そ、そんな事無いわよ!!」
雷「暁はまだまだ子供ね」
暁「むむむむ....」
電「あ、司令官」
提督「おう、何かあったのか?」
電「実は戻る途中でこんなものを拾ったのです」
提督「またか....電は本当に珍しい物には.....!!!?」
電が持っていた物
それは汚く錆びた『指輪』と小さなキーホルダーであった
電「ど、どうしましたか?」
提督「これを一体どこで!?」
電「え?えっと....すぐ近くのあの場所で浮いてたのです」
提督「....そうか、帰ってきたのか....『三笠』」
ガタン、という音が聞こえたのでその方向を見るとそこには武蔵がいた
提督「......武蔵か」
武蔵「その指輪、その三笠というのはまさか....」
提督「....今日見つけるなんて奇跡としか言いようがないな....折角だし話をしようか」
武蔵「....提督がいつもこの時期に酒を飲む理由か」
提督「......あれはまだこの鎮守府に艦娘が殆どいなかった時の話だ」
〜鎮守府正門〜
当時の俺は職を無くして行くところに困っていた
そこに提督業という仕事が舞い降りてきたんだ
提督「ここが鎮守府か....前に働いてた会社よりもデカすぎるだろ....」
更に、この鎮守府で暮らしても良いし食堂もあるし至れり尽くせりですっかりと俺は浮かれていたんだ
〜司令室〜
提督「すっげぇなここ」
「あ!やっと見つけました!!」
提督「ん?だれ....ふぁ!?」
そこで俺が見た最初の艦娘こそ
この鎮守府の元秘書艦だった
「私は戦艦三笠です、よろしくお願いしますね!提督!」
ーーーー戦艦三笠という女の子である