「ヒール!!」
凛とした声音が辺りに響いた。
<ラフコフ>のインペラートルとザザがこの場から姿を消して、すぐにチヒロはガタリのもとへと駆け寄り回復結晶を使ってガタリの赤くなった体力ゲージを全快にした。
「・・・ありがとう、チヒロ」
少しの間、ガタリは惚けていたが回復したHPを確認すると自然とチヒロにお礼の言葉を口にした。
欠損していた両足も戻り、斬られた不快感がありながらも何とか立ち上がろうとするが上手く力が入らない。
「ほらよ、坊主」
ガタリの前にローエルの手が差し出された。
それを掴むとローエルが難なくと引っ張りガタリを立たせる。
「しっかし坊主、随分とやられたねぇ」
手を離して刀を鞘に収めながらガタリに語りかける。
ガタリは若干ふらつきながら口を開く。
「ありがとうございます、ローエルさん。あなたが来てくれなかったら俺・・・」
「礼はいらないよ、この間はおっさんが助けられたんだ、おあいこだ」
灰色の髪を揺らしてガタリに背を向ける。それと同時にキリトが横から顔を見せる。
「大丈夫か?ガタリ?」
「ああ、悪いな心配かけて」
キリトもさっきの戦闘で幾らかHPが減ったからかポーションを片手に持っている。
それを勢いよく飲み干し、口を拭った。
「ザザ・・・ラフコフが何であんなとこに居たのかわかるか?」
「いや、流石に予想外だったよ」
彼らはオレンジギルド<タイタンズハンド>のバックにラフコフがいたことは知っていたが、よもやこんな開けた場所、更に昼間に襲ってくるとは予測していなかった。
「あっ!そうでした!」
思考の海に浸る二人だがチヒロが何かを思い出したかのように声をあげ、考えるのをやめる。
「どうしたんだ・・・ってそれは?」
ガタリが指を刺したのはチヒロが手に、持っていたロープだった。
それはどこにでも売っているロープで一般的には物を固定したりする時に使われている。
ガタリとキリトはロープの先を見ると、ロープで巻かれている、<タイタンズハンド>がそこにいた。
どうして巻かれているのかと思ったが、それを読み取ってかチヒロが話し始める。
「二人が戦闘している時に逃げようとしていたので捕縛しました。人数が多かったので途中からシリカちゃんにも手伝ってもらいましたけど」
にこやかに告げロープの端をいじるチヒロを見てガタリとキリトは苦笑した。
それもそのはず、捉えられている<タイタンズハンド>がのメンバー全員がやつれた表情をしているのだ。
「なぁキリト、どうしたらああなるんだ?」
「俺に聞くなよ、考えるだけで恐ろしい」
チヒロを背にして小声で話し合う二人。
このことには触れる事を止め、本題に移ることになった。
キリトが懐から回廊結晶を取り出す。
「と、とりあえず依頼された通りにこいつらを回廊結晶で黒鉄宮に送るぞ。コリドーオープン!」
キリトの目の前にワープゾーンが現れ、ガタリが<タイタンズハンド>を立ち上がらせると賊達は文句も垂れずに大人しく黒鉄宮へと向かっていく。
この光景を見てガタリとキリトは女の子の恐さを身に染みて感じるのだった。
「さて、これで依頼は完了だな。俺はこのままシリカと街に戻るけど、ガタリとチヒロはどうするんだ?」
「俺はもう少しここにいる、ローエルさんに聞きたいことがあるしな」
ちらりとローエルの顔を伺い、キリトに返事をする。
「そうか・・・また何かあったら連絡してくれ」
そのままシリカを連れ、去ろうとするがガタリが再びキリトに駆け寄りボソボソとキリトにだけ聞こえる声で囁く。
「シリカにさっきのこと謝っといてくれ。キツイ言い方をしてごめんって」
「ああ、伝えておくよ」
キリトはシリカの頭を撫でて、そのまま街に向かって歩き出した。
シリカも何を話していたのかと気にかけるが直ぐにキリトの後を追った。
二人を見送るとガタリはローエルに向き直り、頭を下げる。
「ローエルさん、俺に戦い方を教えてくれ!」
「嫌だね」
「・・・え!?」
あまりにも直ぐに拒否されたため思考が止まる。
何故?と言う言葉が出る前にローエルの口が先に動いた。
「坊主の戦いはあくまでモンスターだ。わざわざ対人戦の仕方を覚える必要はないよ。もしも、あったとしてもおじさんは坊主に教える気はないね」
「なんでだよ!?」
ガタリはそれでもと食い下がる。
けれどローエルは冷たい視線をガタリに返す。
「坊主、お前は人を殺せるのか?」
「そ、それは・・・」
「殺人の覚悟もない野郎に教えることなんかないよ」
ローエルの直接的な言葉に声が出なくなる。
悔しさからか握っていた拳に更に力が込もる。
ここで断られたら、また自分はあいつに負けてしまう。自分が負けるだけならまだいい。
今日、あのままローエルが来なければチヒロやキリトも・・・。
どうしたら教えてくれるのかと必死に考えるが不意にローエルから声がかかり、頭をあげる。
「だがまぁ、この間あった時に約束したからな。少しくらい教えてあげるよ」
ガタリの瞳がキラキラと輝き出す。
嬉しさのあまりローエルに飛びつき両手を握る。
「ありがとう!ローエル!」
「ちょっと!離しな、坊主!男に触られたくない!」
ローエルが振り解こうとするがガタリは気付かずチヒロが割って入るまで手を握っていた。
それから数日間ガタリはローエルのもとで戦闘の指導を受けることになった。
☆
ピピピッピピピッ
セットしていたアラームの電子音が頭に響き、目が覚める。
何やら腹の辺りが重い気がする。
足や手を動かすにも上手く身動きが出来ない。仕方なく目を開け自分の状況を確認しようとすると目の前に居ないはずの人物がいた。
「カーマークー♪朝なので起こしに来ましたよ」
まだ寝惚けているみたいだ、落ち着いて周りを見てみよう、ここは俺の部屋だ。
ワールンとコルを二人で払い、一階しかない小さな家だ。
知ってる天井だし、昨日の夜にここで布団に入ったことも覚えている。
何もおかしなことはない、昨日俺は帰ってきて直ぐに家の鍵を閉めたはずだ。
ワールンが先に寝ていたことも把握している、さらにあいつは俺より朝に弱い、出かけたってことは無いだろう。
家の扉には多額のコルを払って買ったチェーンロックまでかけている。
なのに何故こいつは俺の部屋に入り、俺の上にいる。
くそ、寝起きで頭が回らない、仕方ないここは侵入したこいつに聞くか。
「ああ、おはようメユ。起こしに来てくれたのはいいがどうやってこの部屋に入ったんだ?鍵がかかっていただろ?」
「え?そりゃあルームシェアしているワールンから合鍵を貰っ・・・ウソです。今のは無しです」
クソったれ!あの大剣バカの仕業か!部屋にまで鍵をかける必要がありそうだ。今度リズベットに頼んで鍵を作ってもらうか。
その前にやることがあるな。
「そうか、メユとりあえず降りてくれないか。やらなくちゃいけないことが出来た」
「そうなんですか?わかりました、キッチンで朝ごはんの用意をしてますね」
思ったよりも素直に退いてくれたことに驚くが今はそんなことなど些細なことだ。
メユがキッチンに行くのを見送り、俺もそのまま部屋から出る。
このままダイニングに行くわけではない、この家はキッチンとダイニング、それに二つ個室がある。
一つは俺の部屋になっている、俺はもう一つの部屋に寄り道せずに向かう。
扉を開けると目の前にはまだ気持ちよさそうに寝ている馬鹿がいた。
俺が部屋に入っても起きる気配は無い、右手を振ってウインドウを出し、デカイ槍<砂塵の鉄槍>を取り出す。
今の俺の愛用のランスだ、盾は今は装備する必要もないのでランスだけを出してウインドウを消す。
右手に持った<砂塵の鉄槍>を後ろで持ち、左腕も少し曲げて前に出す。
その状態をソードスキルの発動と捉えたシステムはランスを紫色に輝かせていく。
発動するのはランス空中突進技<マッディストリーム>。濁流を思わせるランスの波状攻撃は狙った敵へと四連続の突きを放つ。
さらにただ突くのではなくジャンプをしてからまたは空中で放つため敵の頭上から攻撃出来る。
俺はそれをこの馬鹿の腹に目掛けて躊躇いなく放つ。
「死にさらせぇぇぇ!」
「グハァ!!!」
ここは圏内なので体力が減る事はない、けれどソードスキルの衝撃だけはあるので十分に腹いせになる。
ふぅ、大分スッキリしたぜ、少し動いたからか腹も空いてきたしダイニングに向かうか。
「ちょっと待てや!」
「あ?なんだ、起きたのか?」
「あ?起きたのか?じゃないよね!」
朝からうるさい奴だ、人が折角起こしてやったというのに。
「かなりスマートにかつ最高の目覚めを提供したとおもうんだがな?」
「どこがスマートかつ最高だよ!ソードスキルとか使う時点でスマートじゃないし、こっちはその衝撃で最悪の目覚めだよ!」
「ああ、すまなかった」
「そんな素直に謝られると調子狂うんだけど・・・」
「俺が最高に気持ち良かっただけだわ」
「表出ろや!この野郎!」
「んだと!?元はお前がメユに合鍵とか渡すからだろうが!」
「何でだよ、彼女に起こしてもらって礼を言われど文句言われるのはおかしいよね!」
ん?確かに彼女に起こしてもらって文句を言うのは違うか・・・。
だかまぁこいつにされたってのだけで腹が立つからいいか。
「・・・そうだな。悪かった、じゃあ俺は朝飯食いに行く」
「お前も僕と同じ痛みを味わえこの野郎!」
いつ出したのか大剣を携え俺目掛けてワールンが振り下ろす。
「おっと!危ねぇじゃねえか!」
「うるさい!お前も一発くらいやがれ!」
「ちっ!誰が食らうかよ!」
俺も手に持ったままのランスでワールンと対峙しよう向かう。
一触即発の空気が漂う中、閉めた扉が開け放たれた。
「二人とも朝ごはん出来ましたから喧嘩は後にしてください!」
メユの登場に俺とワールンは戦意を削がれそのままメユの作った朝飯食べに向かった。
朝飯を食べ終わり、俺は皿洗いをしているメユに声をかけた。
「そういやメユ、自分の店の準備はしなくていいのか?」
「今日は予約もないのでお昼過ぎから開けるつもりですよ」
そっかと俺はポストに投函されていた新聞を読む。
メユは48層の主街区で[メユ防具店]を経営している。
店を経営するまでに苦難(特に俺)があったが何とか先月オープンすることが出来た。
その名の通り鎧や盾など防具に関するものを売っている。
因みに俺やワールンが着ている服や盾はメユの作製したものだ。
「なのでカマクは午前中は私とデートしましょう」
「そんなことだろうと思ったよ」
今朝、起こしに来た時点でそうなる事は予想できた。けれど俺は今日、1日かけて迷宮区を攻略しに行くつもりだったのだ。
彼氏として行ってやりたいとこではあるが最近、犯罪ギルドの事を嗅ぎまわったりしていたおかげで攻略にあまり貢献出来ていないのでどうしたものか。
しばらく悩んでいるとアイテムをチェックしていたワールンが会話に混ざってきた。
「いいんじゃないか?今日は調べたところ最高の気候設定になってるみたいだし。こんな日に迷宮区に籠るのは勿体無いと思うけど?」
「ダメですか?カマク」
ワールンの後押しに追加でメユの上目遣いが畳み掛けてくる。
これは行くしかないか、メユも昼過ぎからは店を出すと言っていたのだから俺も昼から迷宮区に行けば良いだろう。
「そうだな。久しぶりに出掛けるとするか」
「やった!じゃあ十時に五十九層の転移門広場に来てくださいね」
「ああ、わかったよ」
タイミング良く洗い物も終わり、メユは笑顔で家から出た。
十時集合となれば後一時間も無い、俺も急いで支度するか。
集合場所は五十九層だったか。
・・・え?・・・五十九層?五十九層って最前線だったよな?
あいつどこでデートする気なんだ?
「 なぁワールン、五十九層って何があるんだ?」
「僕に聞かれても困るんだが・・・」
ワールンも俺と同じで犯罪ギルドを追っていたのだ、まだ行ってもいないのだろう。
俺とワールン、他にナオキとユウマは増加傾向にあった犯罪ギルドの調査をここ3、4ヶ月行っていた。
けれどそれも特にこれといった成果も無く今に至っている。
一番の脅威であるラフコフについては足取りさえつかめていない。
二ヶ月くらい前にガタリがラフコフと接触したという情報を得て、捕まえたオレンジギルドの<タイタンズハンド>から得た証言から犯罪ギルドを裏で手引きしているのは確実にラフコフということだけがわかったくらいだ。
「取り敢えず、行ってみたらわかるんじゃないか?」
「それもそうだな、お前はどうするんだ?」
俺は持っていた新聞を畳み、ワールンに向き直る。
ワールンはウインドウを閉じ、一層険しい表情を浮かべる。
「僕はもう少し探ってみるさ、攻略に支障が出ない程度にするつもりではあるけど」
ワールンはまだ調査を続けるつもりだ。
それは長い付き合いからある程度分かってはいた。
「そうか、気を付けろよ。ガタリも・・・簡単にやられたんだからな」
「僕の心配なんてカマクらしくもない、やめてくれ」
「うるせぇ」
ワールンは立ち上がるとメッセージが入ったのかそれを確認するためにまた席に着いた。
「どうした?」
「いや、何でもないよ。じゃあ先に行ってくる」
「ああ」
再び立ち上がり出掛けて行った。
俺も支度するか、遅刻すると何されるかわからん。
☆
視界の端に記された時刻を確認すると、そろそろ待ち合わせの十時になるところだ。
そろそろメユも来るかと思い、つい転移門を見る。
けれど来る気配は無い、大方支度に時間を取られたのかと考えていると急に目の前を何かで覆われ見えなくなる。
「だーれだ?」
背後から声がかかり、それだけで誰が犯人なのか見当がついた。
いつものことすぎてつい溜息をつく。
「・・・・・・はぁ」
「なっ!酷いですよ、カマク。溜息つくなんて」
「いや、悪い」
メユは俺の顔から手を離すとぴょこっと前に来る。
「まあ、私だって気付いたからだとはわかってるんで怒りませんけど、もう少し面白い反応とかカッコイイ対応とかしてほしかったなーって」
「ああ、わかったよ。次は善処する」
「お願いしますね?」
このやりとりで満足したのかもう一歩俺の前に出るとくるっと回り、向き直る。
そのまま人差し指を俺に突き刺し宣言する。
「今日は私とこの層でピクニックをしてもらいます!」
ドォーンとでも付きそうなキメ顔で決め、決まったことに小さくガッツポーズしているのが見えた。
なるほど、これがやりたいが為に特に内容を教えずに呼んだんだな。
更にメユはポーズを仁王立ちに変え、一度咳払いを入れてからピクニックの内容を説明しだした。
「今日はアインクラッドで最高の気候と気温設定なのを先ほどワールンからも聞いてわかりましたので、こんなに日にただウインドウショッピングなどで終わらせるのも勿体無いと・思い・・・まして・・・ピクニックに・・・・・・しまし・・・た」
途中から足が広がり始め、仁王立ちが苦しくなってきたのか足がプルプル震えだしてきた。
この世界で疲れる筈も無いのに何故震える?
説明を続けたいのだろうが震えて声が出しづらいのだろう、体勢を変え呼吸を整えてから説明を続けた。
「ふぅ・・・この層にしたのは圏内でもピクニックに良さそうなポイントがあるってことを例の鼠さんから聞いていたのでここにしました」
説明が終わったのかいつもの振る舞いに戻った。
と思ったのも束の間メユはまたもくるっと回り俺に背中を向けると歩き出した。
どうしたらいいのかと悩んでいると振り向き手招くような仕草をしながら俺に向かって言った。
「何してるんですか!?行きますよ」
そのまま俺の手を握ってきた。その強引さに思わずドキッとするとそれを悟ったのかニヤリと微笑んだのが見えた。
「では、レッツゴーです!」
そのまましばらく街を歩くことになった。
チラチラと周りの視線が入ってくる。最前線だけあって視線の中には見知った顔もあり、この感情表現がオーバー気味の世界のせいで俺の顔は真っ赤かもしれない。
何とかそれに耐えつつメユに引かれること数分メユから声がかかった。
「着きましたよ、カマク」
下げていた頭を上げると俺の前に朝にも見た馬鹿の姿が見えた。
「やぁ、カマク1時間ぶりだな」
「おう・・・って、お前何でここにいるんだよ!!」
「それは、メユに誘われたからだけど?」
メヌがにっこりと悪い笑顔を浮かべた。これはどうやら図られたみたいだ。
「せっかくの最高の気候ですからみんなで楽しまないとって思いまして、みんな誘っちゃいました」
そんな言い方されても困るんだが。
みんなってことはワールン以外もいるのかと
思い周りを見ると奥の方でバーベキューの準備をしている連中がいた。
ここまでしているんだ今日はこのまま流れに身を任せしかない。
「カマク、今日は1日楽しんでくださいね」
その言葉にはさっきのような悪い笑顔では無く純粋な笑顔だった。
なるほど、あいつなりの気遣いって訳か。
「ああ、今日は攻略のことを忘れて楽しむか」
メユに連れられバーベキューをしているところに向かう。
「カマクくん、早く来ないと食べちゃうよ!」
「ユウマくん、ちゃんとお肉を見てないと焦げますよ」
「ピカチュウ美味しい?」
「ピカッ!」
バーベキューの周りにはユウマ、ナオキ、ワカナがいた。
しばらくバーベキューを楽しんでいると何かに気付いたユウマが声を上げた。
「ねぇねぇみんな、あれってキリトくんじゃないかな?」
全員がユウマの声に釣られ指差した方を見る。
確かにあそこで気持ちよさそうに寝そべっているのは黒の剣士ことキリトだ。
「あいつも呑気だな」
「こんな良い天気の日に迷宮区に潜るなんて面倒になったんじゃないか?」
俺がキリトの様子を見ているとワールンが推測を述べる。
確かにキリトならそんな事で寝かねない。
まぁあいつの事だから完全に寝入る何て事はないだろう。
「良かったらキリトも誘ってみる?」
ピカチュウの頭を撫でながらワカナが口を開く。
「そうですね、折角ですし誘ってみますか?」
「なら、呼んでくるぞ」
ナオキも同意し、ワールンが呼びに行こうとした時、奥からアスナが現れた。
会話は聞こえないがアスナが怒っているように見える。
まさか攻略の鬼に目をつけられるとはキリトも災難だな。
「誘うのは無理そうですね」
「まぁ仕方ないだろ」
「何故かアスナも横になりだしたぞ?」
何やら言い合いをしていたようだがアスナがキリトの近くで横になりだした。
あそこはあのまま放って置いたほうが良さそうだ。
キリトとアスナを他所に俺たちはバーベキューを再開させた。
陽も沈みかけてきた頃に俺たちはバーベキューセットを片付け、解散する事になった。
結局一日オフにしちまったな。
そういえばメユは店は良かったのだろうか?俺が気にしても仕方ないだろうし、多分元々休みにするつもりだったのだろう。
「カマク、今からどうします?」
「そうだな、今からなら雑貨とか見るのがいいくらいか」
帰って寝るには早い気もするし、かと言って外に出て狩りってのも違う気がする。
どうしようかと悩んでいると少し遠くからくしゃみが聞こえてきた。
聞こえてきた方を見るとさっきまで熟睡していたであろうアスナが目を覚ましていた。
それを見たメユが横からちょんちょんと肩を突いてくる。
見ると悪戯をする子供の様な顔をしている。
「私いい事思いつきました」
そう言って口元を綻ばせる。
こういう時のこいつは基本ろくな事を言い出さない。
さらに、大半が面倒ごとに発展する。
しかし、今回は察しがついた。
仕方ない、今回は乗ってやるか。中々面白い事になりそうだ。
読んで頂きありがとうございます。
自分本当に文才というより話作りの才が無いなと痛感します。
今回は圏内事件です。一応アニメではなく原作でやるつもりです。
なので団長も出るんじゃ無いかなーって。
ではまた次回。