ダンガンロンパ -希望と絶望のバトルロワイアル-   作:roft

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3日目②

AM12:00 ③の島

食品庫内

 

小泉「ここは...食品庫みたいね」

西園寺「うぅ...暑い!こんな所にいたら蒸し焼きになっちゃうよ...!」

超高校級の写真家、小泉真昼と超高校級と日本舞踊家、西園寺日寄子は食品庫から動けずにいた。

小泉「特に写真に収めておく程でもない...か。こんな時に何呑気な事言ってるんだろ、アタシ」

小泉の撮る写真は写実的かつ何処か幻想的な雰囲気のある独特な物であり、個展が開催されその業界で知らぬ物はいない程の腕を持つボーイッシュな少女であった。

西園寺「...今写真の事考えるの!?流石の小泉お姉でも、びっくりだよ!もう早くここから出たいよーッ!!」

西園寺は日本舞踊界で最も高名とされている西園寺家の跡取り娘であり、その幼くも美しい容姿がヒラヒラと舞台を舞う姿はさながら「ひとひらの蝶」との異名を持つ程に可憐であった。

そんな美しい少女2人は今、凡そ似つかわしくない孤島で共に過ごす学友と殺し合う事を強いられているのだ。

小泉はおかっぱ頭の赤髪をかき上げる。

小泉「ここなら食料の心配はしなくていいし、それに物もたくさんあるから見つからずに済むから....もう少しだけ辛抱して?」

西園寺「もう2日もこうしてるけど、もし最後の日になったらどうするの?」

西園寺は二つに結った金髪を揺らして小泉に問う。

小泉「...私、これから皆に協力するように呼びかけてみようと思うの、これを使って」

彼女はスクールバッグから徐に『メガホン』を取り出した。

西園寺「!?そんな事して大丈夫なの!?」

西園寺は驚愕する。

小泉「ここで黙って時間が過ぎるより、何かした方がいいって言ってくれたのは日寄子ちゃんだよ?やってみようよ」

小泉は努めて明るく、西園寺を誘った。

西園寺「...わかった、そこまで小泉お姉が言うなら」

西園寺は渋々ながらも小泉の作戦に乗る事にしたのだった。

2人は食料庫から出ると島で一番高い丘に登った。

 

 

 

PM1:00

①の島 岩礁

 

日向「どうだ?見つかったか?」

豚神「いいや、俺の所にもなかった」

日向達は、①の島から脱出出来るの船を探す為もう2時間も一直線に広がる岩礁を探している。

豚神「七海の話だとこの近くに古くなったボート乗り場があるようだが、どうにも見当たらんな」

日向「これ見つからないと、マズいよな」

2人が焦っている所にも明るい声が響いた!

七海「おーい!見つかったよ!ボート乗り場も!船も!」

七海が嬉しそうな顔で日向達の元に駆け寄ってきた。

豚神「でかしたぞ、七海!これで俺達は無事脱出だ!」

七海「うん!これを漕いでいけば⑦の島に着く...と思うよ」

喜ぶ七海に不安そうな表情で日向は聞いた。

日向「なぁ、七海。今この島には何人の人がいるんだ?」

七海「うーん、今のところ私達を含めて5人...かな?」

日向「あと2人、か....何とか助けられないか?」

日向は祈るような表情で2人に問うた。

豚神「...後の2人は、運がなかったと他ないな」

日向「!?豚神...そんな言い方は無いだろ!?」

豚神「この船はどんなに乗れても3人までだ、そしてここにいるのは俺達3人この時点でかなりギリギリなんだ。それ以上乗せると船が転覆するかも知れん。そこまでのリスクを犯すのは、愚かだぞ」

豚神は諭すように日向に答えた。

豚神「生き残るとは、そういう事だ」

 

???『ねぇ!みんな聞こえる!?』

3人が話してると、遠くから砂嵐混じりな声が聞こえた。

日向「この声は...小泉!?」

小泉『アタシ達、殺し合うつもりなんて全くないの!みんなで集まってこれからの事一緒に考えよう!』

西園寺『みんなでこの殺し合い考えたクソ野郎ぶっ潰そー!誰か来てー!』

どうやらその声は隣の島から聞こえるようだった。

日向「おーい!2人とも!俺達もしかしたらそっちに行けるかもしれない!会えたら会おう!」

日向は島に向かって叫んだ。

 

 

 

 

PM2:30

③の島 丘

 

西園寺「今の声、日向お兄の声だよね!?」

西園寺は嬉しそうな声を上げた。

小泉『日向ー!絶対生きてここに来るのよー!!!絶対!絶対だからねー!』

小泉は胸が張り裂けそうな程に大きな声でメガホンに叫び続けた。

 

2人は気が付かなかった。

日向達よりも先に来た訪問者に。

その2人のすぐ側まで近付いている事に。

???「その作戦、悪くないね」

西園寺が振り向いた時には、小泉の額を銃弾が貫通していた。

 

西園寺「イ、イヤァァァァァァー!!!!!!」

西園寺は声にならない悲鳴を出して、ヘタり込んだ。

白髪頭の少年が小泉の亡骸と彼女のスクールバッグを物色している。片手にマシンガンを持って。

コマエダ「メガホンに、アイスピックかぁ...ちょっとイマイチだなぁ」

コマエダは表情を曇らせた後、西園寺に聞いた。

コマエダ「君、武器を置いてくなら見逃してあげるよ」

西園寺はスクールバッグから折りたたみの出来る『薙刀』を彼に投げつけた。

西園寺「小泉お姉の...小泉お姉の仇は絶対取ってやる!!!」

西園寺はギリッとコマエダを睨みつけるとその場を去ろうと立ち上がった。

コマエダ「ごめん、気が変わっちゃった、君はここで死ぬ」

コマエダは薙刀を素早く組むと、西園寺目掛けて切りつけた。

そこに2人の美少女の姿の面影はなく、ズタズタに引き裂かれた肉塊と着物の袖を、割れたカメラのレンズが映していた。

コマエダ「あれ?意外とこの武器、使えるんだ」

コマエダは不気味な薄ら笑いを浮かべると『薙刀』にスクールバッグを下げ、その場を去った。

その一部始終がスイッチが入ったままの『メガホン』で島中に流された事は、彼も知らなかった。

 

 

 

 

PM2:30

①の島 ボート乗り場

日向「どうして...どうしてだよ...」

豚神「落ち着け!日向!」

豚神が日向を揺さぶる。

日向「どうして小泉と西園寺が殺されなくちゃいけなかったんだよ!」

日向は叫ぶ。

日向「一緒に考えようとしてくれた2人が、どうして殺されるんだよ!どうしてだよ!」

七海「...日向くん」

七海も豚神もそれ以上かける言葉は見つからなかった。

日向は大粒の涙を流しながら、慟哭した。

 

 

女子7番 小泉真昼 死亡

女子8番 西園寺日寄子 死亡

残り24人

 

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