ダンガンロンパ -希望と絶望のバトルロワイアル-   作:roft

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ホームルーム 2限目

ダンガンロンパ -希望と絶望のバトルロワイアル- ホームルーム 2限目

 

モノクマ「えー、それでは皆さんに、ちょっと殺し合いをしてもらいます」

 

一瞬の静寂の後、生徒達の怒声と悲鳴が教室を覆う。

大和田「殺し合いをしろだぁ⁈てめぇの悪ふざけは度が過ぎんぞ!」

石丸「兄弟の言う通りだ!認知出来ん!」

罪木「わ...私達そんな事絶対しませんよ...!」

小泉「ふざけないでよ!こんなのただの犯罪行為じゃない⁈」

葉隠「こ、これって...修学旅行のオリエンテーションじゃなかったんか?マジなんか⁉︎た、助けてくれええええええい‼︎」

左右田「ぎにゃああああああああああ‼︎」

その時、阿鼻叫喚の場の空気をまるで霞の如く消し去るかのように能天気な声が教室に響いた。

 

コマエダ「それって反則とかないの?殺し方の規制とかさぁ」

その優しくも人間らしさのない冷たい声に周囲は凍りついた。

日向「こ、コマエダ!お前、自分が何言ってるのか分かってるのか!」

苗木「コマエダくん!君は一体何を考えているの⁉︎」

そこへまた嫌らしいダミ声が口を挟んできた。

 

モノクマ「もーせっかちなんだからァ!ルールはあとでみんなにDVDを見てもらうから、それまでもう少し待っててくれるかな?個人的には君のやる気、すごく嬉しいんだけどね!」

???「待て!」

モノクマが言い終わらないうちに口を挟む声が聞こえる。

十神「ルール説明は有難いが、ここには何人か希望ヶ峰学園で見た事のない奴が紛れ込んでいるぞ。そいつらについての説明は何もないのか?」

金髪の白縁眼鏡をかけた異邦人の様な少年が問いかけた。

豚神「まさか無関係な人間がたまたま紛れ込んだとは言わないよな、どういう事だ!説明しろモノクマ!」

そして先程の少年に身なりは凄く似ているもののそれを遥かに上回る巨体を震わせながら、もう一人の少年が激昂した。

モノクマ「あ!そうだったね!ごめんなサイバーテロ!みんなに言い忘れてたけど、今回のバトルロワイアルには転校生がいるから紹介しとくね!男子5番 コマエダナギトくんと女子6番 キリギリキョウコさんです!みんな、仲良くしてね」

モノクマの指差す先を皆が一斉に見る。

紫がかった髪の色白の少女がそこにいた。

キリギリ「貴方達が一体何がしたくてこんな事をしてるのかわからないけど、私は私なりの行動をするわ。」

そう冷たく、強い意志を持った一言に誰も言葉を返せる者はいなかった。

コマエダ「みんな、よろしくね」

つい先程まで危なっかしい発言をしていた白髪頭の少年の生暖かい笑顔に言葉を返す者もいなかった。

 

モノクマ「えーでは、今からみんなにはルール説明のDVDを見てもらいます!それじゃあみんな静かに見てくださいね」

生徒達は各々座る場所を探し、黒板の側にある液晶画面に注目した。

???「ハロー!グーテンダーク!希望ヶ峰学園の皆さん!今回はバトルロワイアルの参加決定おめでとうございまーす\(^o^)/!」

画面にはオレンジの髪を二つ結びにした少女が元気いっぱいに眩しい笑顔を振りまいていた。何故か赤いダイバースーツの様な物を着ている。

???「今回のルール説明はこのアタシ!アスカお姉さんが担当しまーす!よろしくね、生徒諸君?」

苗木「なんかどっかで見た事ある様な...」

返古山「妙に懐かしい、飲んだ事もない酒を飲みたくなるな」

十神「そんな事はどうでもいい。続きを見るぞ」

ヒソヒソ話をしていると、画面の少女が大きな地図を広げてこう言い放った。

 

アスカ「これから皆さんが戦ってもらうのは7つに分かれた無人島『クライス島』でーす!島のみんなには出て行ってもらったから、ダーレもいませーん!みんなにはバラバラの場所からスタートしてもらって、最後の1人になるまで戦ってもらいまーす!」

日向(わかっている事だけど、聞く度に寒気と震えが止まらなくなるな...って生き残れるのは、たったの1人⁉︎)

田中「選ばれし者は只一人、戦わなければ生き残れない!という事か」

アスカ「今回のプログラムは全部で7日間。長いようで過ぎちゃうとあっという間だから、みんな全力で戦ってちょーだい!」

皆は恐怖に震えながらその調子外れなルール説明をする画面の少女を睨んでいた。

アスカ「ここからは生き残るコツを教えるから居眠りしないで聞いてちょーだいね!今回のプログラムには禁止エリアというモノがありまーす!1日につき島一つが禁止エリアとなって、もし禁止エリアになってもそこにいるとみんなの首に付いて首輪が『ボーンッ‼︎‼︎』と爆発するからみんな気をつけてね!」

日向「く...首輪?」

皆は恐る恐る首元を見ると、そこには金属の首輪が付けられている。

アスカ「因みにみんなの電子生徒手帳に禁止エリアになる1時間前にお知らせするからみんなしっかり見なさいよー!島の番号は①〜⑦まであって島同士を繋ぐ橋は❶〜❽まで番号を振ってまーす!あと、島同士を繋ぐ橋を爆破する事もあるからそれも爆破する1時間前にみんなにお知らせするわね!」

石丸「そ、それではもし僕らが最初に出発する島が広い⑦の島だったら移動が間に合わないではないかッ!」

白い学ランを着た古風な優等生が怒鳴ると、それが聞こえていたかのように画面の少女が答えた。

アスカ「みんながスタートする島は①〜⑥のどこか!どの島にいるかも電子生徒手帳が教えてくれるから、しっかり見ときなさいよ!1日目の禁止エリアは⑦、最初に爆破する橋は❶だから!禁止エリア発動時刻今回はプログラムスタート時、橋の爆破はAM8:00だから.よろしく頼むわ!」

皆が電子生徒手帳を確認すると、『BR希望ヶ峰』と書いてあるアプリがいつの間にかダウンロードされていた。

日向(いつの間にかこんな物が...けど、これは俺たちの命綱だ。しっかり見とかないと)

 

アスカ「あ、あと首輪の事だけど禁止エリアの他にも無理に外そうとしたり、不穏な行動を取ってても爆発するから気をつけなさいよっ!それじゃ次は持ち物についてでーす!」

画面の少女はおもむろに大型のスクールバッグを引っ張り出した。

アスカ「教室から出発する時にみんなにはスクールバッグが配られまーす!中には、水と食料・簡易毛布・武器が入っていまーす!武器はそれぞれの超高校級の能力によって勝敗の差が出ないように、当たりもあればハズレもありまーす!」

そう言って少女がスクールバッグから取り出したのは、幹の太い樹木でも一瞬で真っ二つに出来そうな程のチェーンソーだった。

アスカ「キャーッ!これは大当たりですね‼︎あ、あと女の子とか困るかもしれないから、私物の持ち込みは何でもオッケー!勿論私物での殺害もオールオッケーでーす!」

アスカ「あともう一つだけ!この武器の中には特殊武器と言って、島にある施設を自由に使える鍵と道具が入ってる場合がありまーす!もし、自分の才能とピッタリならそれは最高の大当たり!鍵についてるコードを電子生徒手帳で読み取ると該当する施設までの地図が表示されるから、有意義に使ってちょーだいね!」

アスカ「それじゃアスカお姉さんからの説明はこれで終わりでーす!優勝者には特別、お姉さんの甘〜いキスが待ってる!かもね!それじゃ皆んな、頑張っていきなさいよーっ!」

そこでDVDは終わった。

皆は呆気にとられて、呆然としていた。

モノクマ「えーここまでで、何か質問がある人はいますか?ちゃんと見てたらないよね?」

苗木「それは違うよッッ‼︎‼︎‼︎‼︎」

一人の少年の怒声により皆我に返った。

 

苗木「こんなふざけたモノ見せて、何が殺し合いだよ!僕たちが何でこんな事しなきゃならないんだ!僕らは今日までみんなで仲良く平和な毎日を、希望に溢れた毎日を送ってたんだ!それをどうしてぶち壊すんだよ!こんな法律、狂ってる!みんなもどうして黙ってるの!帰ろう!僕らはこんな事しなくたっていいんだよ!」

モノクマ「あー....何と言うか、この後に及んでまだ反抗する子がいるなんて、ボクは悲しいなぁ、こんな事したくなかったけど」

モノクマは教卓に置いてあったリモコンを手にすると、苗木の首輪に向けて赤いスイッチを押した。

苗木「こ、こんな事して一体何になるんだ!僕は負けないぞ!」

モノクマ「別に君の勝手だけど...みんな、苗木くんの周りから離れた方がいいよー!」

モノクマが言い終わらない内に皆は慌てて苗木から遠ざかった。

苗木「葉隠くん!君は誰よりもここから出たがってたじゃないか!」

葉隠「た、頼むッ!近づかないでくれ!苗木っち〜ッ‼︎」

苗木「朝日奈さん!大神さん!友達同士で殺し合い何ておかしいよ!あんなに仲のいい君達が殺し合う姿なんて僕、見たくないよ!」

朝日奈「ごっごめん...こっち来ないで!」

大神「苗木よ、お主自身の危険は仕方がないがそれを朝日奈に向けようものなら我は容赦はせん」

大神が苗木を突き飛ばす。

勢いよく倒れこむ、それでも苗木は叫び続けた。

苗木「十神くん!君ほどの男が、こんな馬鹿げた法律に屈するのか!十神財閥次期当主の君でも、屈する物があるのか!」

十神「屈したのではない。適応しただけの話だ。適応出来ない奴に明日はない。目障りだ、失せろ」

腐川「び、白夜様の言う通りよ!アンタなんて、何の才能もないタダの正義感ぶった勘違い男よ!」

桑田「おい!こっち寄ってくんなよ!このアホ!アホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホアホ!」

皆、口々に苗木に罵声を浴びせる。

そこに希望はなく、ただ絶望がその場を支配していた。

苗木「舞園さんは、違うよね...?あんなに真っ直ぐで、あんなに優しい君が、こんな悲しい結末、選ばないよね?」

震える声で舞園に話しかける。

舞園「....苗木くん。私、帰らなくちゃいけないんです。こんなところで、貴方と心中なんて出来ませんッ!」

そう言い放つと、叫び続ける苗木を思いっきり突き飛ばした。

苗木「日向先輩は、違いますよね...僕たちの未来を、信じてますよね?」

日向は何も言えなかった。そうだ、俺はお前との未来を信じてると。たったそれだけの事が、苗木の首に付けられた今にも爆発しそうな爆弾によって、押さえつけられた。

苗木「日向先輩!希望は前に進むんだ‼︎」

日向「苗木!俺は」

 

次の瞬間、苗木の首から上は消し炭と化していた。残された苗木の身体がビクビクと痙攣し、ドサッと音を立てて床に倒れ込んだ。

ピンク色の肉と赤黒い血が辺りを真っ赤に染め上げる。

 

舞園「イ、イヤァァァァァァァァァアアアア‼︎‼︎‼︎」

大和田「ホントに、爆発しやがった...」

モノクマ「ごめんね、先生が殺しちゃったらルール違反だよね...けど、やっぱり見せしめは必要だったみたい。馬鹿な皆んなの為に尊い犠牲となったのだよ」

不二咲「も、もう嫌だよ...帰りたいよ...」

西園寺「うわぁぁぁぁん!どうしてこんな事になっちゃったのー!」

小泉「や、止めてよッ!みんながそんなだと...アタシまでッ!」

九頭竜「ふざけてやがる...ッ!こんなの、マトモな奴がする事じゃねぇ」

 

コマエダ「みんな、凄いね」

阿鼻叫喚の中一人、笑顔で話す少年がいた。

弐大「のぅ...お前さんは何で笑っておるんじゃ、こんな状況で何故笑っておるんじゃーッ‼︎」

朝日奈「そうだよ!苗木が...苗木があんな事になって、どうして笑っていられるのよ!」

終里「テメーもなかなか可笑しいみたいだな、遠慮なく殺るぞ!」

桑田「頭狂ってんじゃねーのか!このアホ!クソッタレ!」

 

コマエダ「クソッタレは君達だ」

コマエダ「さっきまであんなに助けを求めてた、協力を求めてた苗木くんに君達は罵声をを浴びせ、暴力を振るい、拒絶した。

それだけの事をしておいて、いざ死んだら弔い合戦でもするつもりなの?

そんな事されて苗木くんは今、君達をどう思ってるんだろうね...」

日向「な、何が言いたいんだよ!」

コマエダ「どうやら僕は君達を買い被ってたみたいだよ、君達は希望の象徴なんかじゃない。僕が心から憎悪する、絶望の権化だよ。」

大和田「どういう意味だ、テメー」

コマエダ「僕は君達の行動に賭けたんだ。1人でも苗木くんの気持ちを理解して、希望に進もうとする人がいたなら、僕はこのプログラムには参加せず、黒幕を倒そうと思ってた。けど君達はそんな希望を捨ててまで自分達の保身に走った、それはもう希望とは呼べないんじゃないかな?...僕はこのプログラムに参加する、絶望を滅ぼし、希望に輝く世界を創る為に」

大和田「転がされてミテーだなァ...」

大和田がコマエダに掴みかかる。

 

モノクマ「はいはい、続きはプログラムが始まってからやってくださいね。もし今一発でも暴力振るったら、さっきみたいに首輪ボンッ!しちゃうからね」

慌ててコマエダから手を離す大和田。

大和田「テメー、覚悟しとけよ」

コマエダ「勿論、そのつもりだよ?」

 

モノクマ「じゃあ、出席番号順に呼ぶから呼ばれたら前に来て。スクールバッグを貰って、校庭に来てください。校庭には島別にヘリが来てるから鞄の中に入ってる番号と同じヘリに乗ってください。全員乗り込んだら、バトルロワイアル修学旅行『クライス島』のはじまりはじまり〜!」

モノクマの宣言に皆戦慄していた。

モノクマは出席番号を呼び始める。

モノクマ「えーでは男子1番 石丸清多夏!」

石丸「はい!」

白い学ランの古風な少年が前に出てスクールバックを受け取ると、

石丸「皆、ルールを守ってしっかり戦うのだぞ。ルールを守らん奴に、僕は容赦はしない‼︎」

と宣言し、走り去った。

モノクマ「さっすが、超高校級の風紀委員!法が変われば正義も変わる、まさにそれを体現してくれたね!それでは女子1番 朝日奈 葵!」

朝日奈「はい...」

普段元気いっぱいのドーナツ好きな彼女の笑顔はどこにもなく、ただただ悲壮感の漂った表情になったスポーツ少女がいた。

朝日奈「さくらちゃん...バトルロワイアルになっても、殺し合いになってもアタシ達ずっと友達だよ!」

大神「朝日奈よ、我もお主との友情...信じているぞ」

朝日奈「さくらちゃんッ‼︎‼︎‼︎」

モノクマ「はいはい、青春ごっこもいいけど鞄を受け取ったら速やかに校庭に出てくださいね。男子2番 大和田紋土!」

先程コマエダに掴みかかったリーゼント頭の少年がモノクマから荷物を引っ手繰ると、

大和田「生き残ってテメーをぶっ殺すッ‼︎」と宣言し、教室を後にした。

モノクマ「あー時間かかるから一気に行くよ!女子2番 戦場むくろ!男子3番 九頭竜冬彦!女子3番 江ノ島盾子!」

戦場は荷物を受け取ると何も言わずに走り去り、九頭竜は

九頭竜「お前の正体がわかったら、ドラム缶詰めでダイビングさせてやるぜ」

と宣言し、去っていった。

 

江ノ島「アンタさぁ、アタシがデザインしたモノクマちゃんだよね?それがどうして殺し合いの先生なんかになっちゃってるわけ?マジ意味ワカンナイんだけど!」

モノクマ「君のデザインセンス、なかなかだと思うよ。ボクも気に入ってるからね〜」

江ノ島「どーでもいいけど、全部終わったら版権料貰うからね」

そう言うとカツカツとヒールの音を立てながら江ノ島盾子は去っていった。

それからも桑田怜恩、大神さくら、コマエダナギト、終里赤音、左右田和一と続き、

モノクマ「女子6番 キリギリキョウコ!」

キリギリキョウコが、憮然とした顔で荷物受け取ったその時

コマエダ「ちょっといいかな?僕の荷物変えたいんだけど、別にいいよね?」

コマエダが荷物を取り替えに戻ってきた。

モノクマ「オマエラはもうわかってると思うけど、コイツら要注意だから。」

コマエダは笑顔のまま荷物を取り替えると教室を去った。

キリギリも表情一つ変えないまま、静かに去って行った。

 

その後も次々と生徒がスクールバックを受け取り

モノクマ「男子14番 日向創!」

日向「....」

日向は力なく立ち上がると、荷物を受け取り教室を見回した。

無残にも苗木の死体は地面に転がっている。ついこの前まで仲の良かった後輩は、冷たい肉塊となっていた。

日向(苗木。俺はお前の思い、忘れないからな)

日向は苗木を見つめ、そう心に誓い教室を後にした。

 

全員の点呼が終わり、教室に誰もいなくなった。

モノクマは1人、呟いた。

モノクマ「ウププ...誰が生き残るんだろうねぇ、まぁ生き残ったところで何か良いコトがあるかって言われたら別に何にもないんだけど。まぁ、精々頑張って下さいな。豊かで陰惨な希望ヶ峰バトルロワイアルをね!」

 

男子10番 苗木誠 死亡

残り 31人

 

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