ダンガンロンパ -希望と絶望のバトルロワイアル- 作:roft
1日目②の島
PM4:00
左右田「何だ、こりゃあ...」
超高校級のメカニックこと、左右田和一は悩んでいた。
それはどうやって生き残るか、などではなく
左右田「これで何作れってんだよ...殺し合いなのに」
左右田のスクールバッグには『工具セット一式』と『廃工場の鍵』が入っていた。
電子生徒手帳で鍵に付いていたコードを読み取り、廃工場の場所が運良く出発地点の側にあったのだ。まさに幸運である。
左右田「ここまではいいんだけどなぁ...道具があっても材料がなけりゃなぁ...」
その時、銃に玉を込める音が工場内に響き渡る。
???「そんな所で何をやっとるんじゃああ‼︎」
左右田「ぎにゃああああああああああ‼︎」
左右田は何と、気絶してしまったのだ。
弐大「何だ、左右田じゃったか。大丈夫か!聞こえとるか!」
超高校級のマネージャー、弐大猫丸は呆れながらも左右田に心臓マッサージを始めた。
程なくして左右田は目を覚ました。
左右田「ん、んー...」
弐大「良かった!無事じゃったか!」
左右田「ぎにゃああ...て、何だ弐大か」
弐大「お前さんは、人に会う度に気絶せんといかんのか...」
左右田「イヤそーじゃねーよ!お前の迫力がおかしいだけだろ!」
そこで左右田は、ある違和感に気付いた。
左右田「そいえばお前、どうやってこの廃工場に入ってきたんだよ」
弐大「ナァニを言っとるんじゃ、ワシが来た頃にはもう鍵なんぞかかっておらんかったわ」
左右田「て事は...鍵閉め忘れてんじゃねーか!ヤベーよそれ!」
弐大「ぬ!それはいかん!鍵を閉めてこなくては!」
左右田と弐大は急いで廃工場鍵を掛けると、地面にへたり込んだ。
左右田「はぁ...疲れた。ところで弐大のスクールバッグには、何が入ってたんだ?」
弐大「ワシのか?これが入っておったぞ」
弐大がスクールバッグから取り出したのは、『ガトリングガン』だった。それもかなり大きく、弐大には最適な大きさであった。
左右田「んな物騒なモンが入ってんのかよ!じゃあ俺の武器ってビミョー過ぎんだろ...」
左右田は、弐大の立派なガトリングガンを見て肩を落とした。
弐大「そんなに肩を落とすな。お前さんは、一体何が入っておったんじゃ?」
左右田「俺のは、これだよ...」
左右田は自分のスクールバッグの中身を見せた。すると弐大は雄叫びを上げた。
弐大「こ、工具セットと廃工場の鍵じゃと⁉︎それはつまり、ワシはまんまとお前さんの基地に入ってしまったと言うことか!」
弐大は素早く身を翻し、左右田にガトリングガンを向けた。
左右田「イヤイヤイヤイヤ待てよ‼︎いくら道具があっても材料がなけりゃ何も作れねーし!だから今俺ほぼ丸腰なんだよ!」
弐大「ま、丸腰じゃと、つまりお前さん」
左右田「そうだよ!今攻めらてたらもうどーしようもないんだよ!...はぁ、攻めて直すもんでもありゃいいんだけどなぁ...」
弐大「それじゃぁぁぁぁあああああ‼︎」
弐大の雄叫びがまた、工場内に響き渡る。
左右田「んなデカい声出さなくても聞こえるよ‼︎」
弐大「お前さんはワシの武器が壊れたら、修理してくれ。その代わり、もしお前さんが誰かに殺されそうになれば、ワシが全力で助けるぞ!」
左右田「ま、マジで...それ、いいのか⁉︎」
弐大「おう!男同士の、約束じゃ!」
左右田「マジか!助かるぜぇ!」
ここに左右田・弐大チームの誕生である。
弐大「そいえばお前、ずっとソニアの名前をボヤいておったようじゃったが、どうしたんじゃ?」
左右田「イヤまぁ、ソニアさんはこの近くにいないからその...心配だなって...」
弐大「お前さんは、優しいのう。待ち人がおるのはワシも同じじゃ」
左右田「終里の事か?」
弐大「ああ、今はアイツのマネージャーをしとるからのぅ。契約とはいえ、やはり心配じゃ」
左右田「オメーだって優しいじゃねーか」
弐大「いや、アイツは好戦的な性格をしておるからのぅ。誰かと殺し合いになってなければいいが...」
左右田「まぁ今は、俺たちが生き残る事を考えるしかないみたいだなぁ。日向にでも会えれば違うかもしれないけど」
弐大「お前さんは、日向をやけに慕っておるのぅ」
左右田「そりゃもう入学してからずっといるしな。それにアイツは冷静だから、いろんな見方が出来るかもしんねーって思ったわけよ」
弐大「なるほど、確かに心強い味方になりそうじゃな」
左右田「それじゃしばらく待ってみるしかねーな」
左右田・弐大は『待ちぼうけ作戦』に移った。
①の島
PM8:00 雑木林
日向と豚神は、雑木林を歩き回っていた。
すると南の方から
「カタカタッ....カタカタカタカタ...」と大凡自然界では聞きなれない音が聞こえた。
しかもその音の先はボウッと明るい。
日向「おい、何なんだアレ...」
豚神「おそらく俺達と同じ、参加者のようだな。だが見た限り一人しかいないようだ」
暗視スコープを付けた豚神はそう呟くと、
豚神「よし、近づくぞ」と言い放ちズンズンと光の方向へ近づいていった。
日向「おいおい待てって!危ないかもしれないだろ」と日向も後を追った。
そこにはピンク色の髪の少女が、ノートパソコンを弄りながらへたり込んでいた。
???「ふぁー...寝みィ...」
日向「七海じゃないか!大丈夫か⁉︎」
七海「んー...あれ?日向くんに豚神くん、おはよーさんだねェ...」
日向「いや、もう夜なんだけどな。ていうか寝ながらパソコン使うとかすごいなお前」
七海「....実はね、今黒幕のサーバーにアクセス出来ないか試してるんだ。もしかしたら脱出のキッカケになったりしないかなって」
日向「脱出を考えるなんて凄いな...」
七海「へへへ...」
七海は眠そうな笑顔を日向に向けた。
そんな和やか空気に一つの疑問を見いだす者もいた。
豚神「ところで七海、何故お前はこんな無人島でネットにアクセス出来たのだ?こんなところに電波も回線もあったものじゃないだろ?普通のパソコンや端末なら、恐らく圏外だ」
七海「...ところがどっこい、そうでもないんだよね」
七海は誇らしげにパソコンを掲げる。
七海「私の武器はこれ、ノートパソコン」
日向「そ、それ武器なのか?」
七海「勿論、直接殺害に繋がるような武器ではないけどね。けど、これが武器として使用出来るって事は何かしらの機械をハッキングして、こちら側の武器にする事が出来るんじゃないかなって...」
日向「それって、すごく強いじゃないか!」
七海「ハッキングされるような武器を他の人が持ってるって確証はないけど、可能性として0じゃないよね?」
豚神「なるほど、それにネットも繋がるようだな。情報収集には、打ってつけだ」
日向と豚神は七海のノートパソコンの性能に感心していた。
日向はある提案を豚神に持ちかける。
日向「豚神、コイツを仲間に入れてやりたいんだが、ダメか?」
豚神「仲間、か。まあ今のこいつに俺達を攻撃する術は無さそうだからな。それとやはり情報収集能力は、ここで生き残るのに最も重要とも言える...いいだろう、七海も俺たちとチームだ」
日向「ありがとう、豚神!」
七海「とりあえず、私は日向くん達の仲間になったって事で、いいのかな..?」
日向「そういう事だ!よろしくな、七海」
七海「よろしくね、日向くん。よーし、私も戦うぞォ...Zzz...」
日向「おいおい寝るなよ‼︎少しの間移動するからもう少しだけ、我慢しててくれないか?」
七海「Zzz...」
日向「...豚神、荷物を頼む。俺は七海を背負うから」
豚神「全く...まあ、いいだろう」
3人は人目につきにくい、安全な寝ぐらを探す事にした。
その時、
ピロリロリン♪ピロリロリン♪
何かのアラームが鳴り始めた。
まさか、禁止エリアなのか?
日向は動揺する。
豚神「安心しろ。これのようだ」
まるで日向の心を読んだかのように、その音の正体を教えた。
音の正体は、電子生徒手帳だった。
日向「なんだ、電子生徒手帳か」
豚神「気付けばPM0:00か、何とか1日は生き延びたって事になるな」
日向と豚神は寝ている七海を尻目に安堵した。
日向「ん?何か映像が届いてるぞ?」
『BR希望ヶ峰』に未読の動画添付メッセージがある。
日向と豚神は、その動画を再生した。
その映像には、憎らしいあの生き物が写っていた。
モノクマ「ウププ...オマエら、1日目お疲れ様でした。それでは今日死んだ人をお知らせします。男子 10番 苗木誠。女子 16番 澪田唯吹。以上2名」
日向「澪田が...!嘘だろ...」
豚神「落ち着け日向よ、まだ動画は続いている」
モノクマ「んー先生ちょっと悲しいです。もっとみんなやる気になってくれないと!という訳で新たなルールを設けました!7日間の内に最後の1人が決まらなかった場合、全員の首輪を爆破しまーす!その際の生き残りは、いません!という訳でみんな、もっとハリキって、戦って、生き残ってくださーい!
ではではいい夢を、おやすみなさい...」
映像はそこで終わっていた。
日向「ふざけたルールを更に増やしやがって...」
豚神「まあ、これで何もしない作戦は通用しなくなった訳だな」
日向「明日からが、不安になるな」
豚神「今心配しても仕方がないだろ、明日の心配は明日しろ。今日はゆっくり休むんだ」
日向「そうだな、明日からが本格的な勝負になるし。今日くらいゆっくり休む」
日向と豚神は、近くにあった荒屋で休む事にした。
七海の寝顔を見て、日向はこう思った。
日向(こんなに人の寝顔を見て安心したのは、初めてかもな)
プログラム 1日目 終了